2007年09月08日
07/08シーズンの展望~ジュニアGP
ジュニアGP 先ごろ、ジュニアGPがシニアに先駆けて開幕し、フィギュア界も本格的にシーズンインした。ジュニアGPは日本国内での開催でもなければTV放送は望めないので、どうしても大会結果だけが情報源になってしまう。報道もないことはないのだが、私は基本的には自分の眼で見たもの以外は鵜呑みにしないので、ジュニアGPの大会内容についてはどうしても書きづらい。それをご了承の上、お読みいただきたい。 第1戦の米・レイクプラシッド大会の女子シングルは、ジュニアGP初出場のミライ・ナガス(長洲未来)が圧勝したのは既報通りだが、注目すべきはこの第1戦から米国勢がポディウムを独占したことだ。今季の米国ジュニア勢は、ナガスとキャロライン・ザンが双璧と見るのが順当だろう。但し、ザンは昨季の世界ジュニア・チャンピオンの肩書きを引っさげて、シニアのGPに特別参戦しジュニアGPには不参加。そのためジュニアGPではナガスの独り舞台となることも考えられる。昨季の世界ジュニアの内容を見ると、それくらいザンとナガスは抜きん出ていた。(ザンは年齢がシニアに達していないため、シニアの世界選手権には出場しない) それに対して日本勢の初戦の戦績は、村元小月選手が7位、松下未瑠紅選手が11位。今季の日本ジュニア勢の一番手と目される水津瑠美選手(07世界ジュニア5位)は第2戦からの登場だ。昨季ジュニアで活躍したアシュレー・ワーグナーやメーガン・オースター(いずれも米国)は今季よりシニアに移行したため、今季のジュニアGPではナガス以外は実力拮抗だろう。(07/9/7時点で)全8戦の最終エントリーが確定していないので予断を許さない部分もあるが、水津選手はナガスとぶつからないようだから出場大会での優勝はもちろん、ファイナル出場も十分期待できるだろう。 ここで気になるのは、層の厚い米国勢に比べて、日本勢で上位争いを演じそうな選手が水津選手以外に見当たらないこと(その水津選手も12月で17歳。来季はシニアに上がってもいい歳だ)。この点の詳細については、後日、ジュニアGPのシーズン総括や08世界ジュニアの際に触れる機会があろうかと思うので、ジュニアGPの話は一旦これでお終い。 ・・・と、ここで、『My Memorial Skaters ~永遠の名華たち』に続く新コーナーの登場だ(笑)。前回は競技生活を退いた「追憶のスケーターたち」を採り上げたが、今回からは(07/08シーズンで)現役中の選手で、私が注目する、或いは復活を期待する選手を採り上げよう。 題して、『Today's Skaters ~華と咲け!』(あれっ?どっかで聞いたことがあるような・・・汗) ジュニアGPについて触れたので、第1回はジュニア選手から。 ★ Today’s Skaters ★ #1 ミライ・ナガス Mirai NAGASU 日本ではもうかなりその存在を知られることになっただろうか。日本人の両親をもち、米国生まれ・在住の14歳(来季からはシニア資格を得る)。日本名は「長洲未来」だ。現在はUSFSA(USフィギュアスケート協会)の登録になっているので「米国代表」だ。現在は「二重国籍」だが日本国籍を選択することも可能なわけで、JSF(日ス連)が喉から手が出るほど欲しがっているという情報がまことしやかに流れている。参考までに言えば、法的には法定代理人による申請があれば、今すぐにでも日本国籍は選択可能だ。 (ジュニアGPは国内では未だ衛星波すら放送されないが)安藤美姫、浅田真央の両選手の活躍もあって、世界ジュニアは04年から地上波でもTV放送されるようになり、海外のジュニア選手の演技を目にする機会が増えた。とは言え、彼女が昨季いきなり初出場の全米ジュニアと世界ジュニアで各々1位、2位となったことには一般のメディアやファンも驚いただろう。それまでは米国内の地区大会しか出場していなかったので、恐らく国際レベルではノーマークだったのではないか。 (06年データでは)身長145cm前後のおちびちゃんで、顔は日本人の眼から見てもファニーフェイスなのはご愛嬌だが、足が異様に長く、そのスピンは見応えがある。安藤、浅田真選手のジュニア時代を彷彿させるように、彼女もジャンプ大好き少女でトリプルジャンプはお手の物。今は3Aを習得中とのことだ。今後、身長も伸びて、体型も変化するだろうから先々のことは何とも言えないが、今や世界的に注目されているジュニア選手であることには間違いない。 ところで、彼女の日本国内の報道(特にフジテレビ)について気になる点がひとつある。それは、彼女のアイドルが浅田真選手で、同選手に憧れてスケートを始めた、という紹介がされていることだ。 ナガスがスケートを始めたのは5歳の時で(98年)、このとき浅田真選手はまだ国内競技会にすら出場していないはずだ(記録で確認できる同選手の国内競技会初出場は99年)。同選手が米国内で知られるようになったのは、加州ロングビーチで開催された04ジュニアGP米国大会に出場、優勝したときと考えるのが普通だ。ナガスは加州在住なので、この大会で同選手を見たことは考えられる(この時ナガスは11歳でスケートを始めて既に6年経っている)。もちろん、同じ日本人で米国大会で優勝した浅田真選手のファンになること自体は不思議ではない。実際TVのインタビューには「マオサン、トゥリポートゥリポー、シュゴイデシュネー」と英語訛りの怪しげな(?)日本語で答えているし、同選手からスケート靴にサインももらったようだ(まあ、よくある話だ)。 そういう事実はあるとしても、二人のスケート暦を見れば明らかなように、ナガスが「浅田真選手に憧れてスケートを始めた」というのはありえないし、「浅田真選手がアイドル」だというのも考えにくい。彼女の世代の米国選手の多くがそう答えるように、96年から05年にかけて全米を9度、世界選手権をも5度制したミシェル・クワンをアイドルに挙げるのが普通だからだ(それくらい米国内でのクワンの人気は圧倒的だ)。例えば、ナガスと生年月日が1ヶ月違いのキャロライン・ザンのアイドルはやはりクワンだ。どうも日本のメディア(特に全日本、世界選手権の放映権をもっているフジテレビ)が、ナガスを「次代のスター候補」として唾をつけようとしていて、「よくある話」を膨らませ、脚色して、一種の「美談」に仕立て上げようとしているような気がしてならない。最近、しばしば聞かれるようになってきた「メディアのスターシステム」というやつだ。もちろん、ナガスの将来性は十分だし、日本人であることが魅力になる、ということは理解できる。しかし、浅田真選手との関係には「メディアの脚色」がぷんぷんにおい、うさんくさくてならない。 ナガスには、そんなメディアのおせっかいなどと関係なく、彼女自身の実力と魅力で十分に人気選手になるだけのポテンシャルがある。余計なお世話だとメディアには言いたい。(常にメディアに懐疑的な私の思い過ごしであればよいのだが・・・・)
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posted by pbq1447 |00:10 |
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