スポーツの誘惑と憂鬱

帰ってきた「アンチスケートの野望」最終章 Part 3

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『アンチケートの野望』 最終章「フィギュアスケートの行く末」 Part 3

アンチスケート Anti-skating

アンチスケートとは、フィギュアスケートの本来の魅力を自ら損なうスケーティングスタイル、(自覚、無自覚を問わず)それを実践する選手、それを指導・支援するコーチングスタッフ・家族・関係者、それを黙認もしくは積極的に推進する事業・運営・関連団体・グループ、更にはそれを是として誤信或いは妄信しているファンを指し、または、以上の人物・団体の主張、行動、それらを含めた全体の現象を言う。 アンチスケートは麻薬のように作用するらしく、目先の利益・成績、現実逃避的な多幸感を得るには即効性があることが結果的に実証されているので、一度アンチスケートで味を占めた人々はなかなかその魔界から脱け出せないでいる。 また、その魔界から抜け出せないでいるばかりか、その魔界の拡大、普及を推進している人々を総称して、 アンチスケート普及連合 Maximize Anti-skating Organization と呼ぶ。

2)アンチスケートの共犯者① ~ 商業主義の功罪

前項の連載企画「IJS四つの秘密」では、アンチスケート普及連合のバイブルは実は ISU Judging System(IJS)が原典になっている可能性を4つの視点から指摘した。そして、IJSの創設者であるISUはそもそもIJSを善意として生み出したために、それが魔界のバイブルの原典に利用されようとは思ってもいなかったであろうことも。

本項より「アンチスケートの野望」は後半に入る。 本項と次項の2回に亘って、アンチスケート普及連合の外部パートナーとなる共犯者を糾弾する。

商業主義はスポーツを発展させ、使い捨てる。

フィギュアスケートは「お金がかかる」スポーツだと言われている。正確に言うと、連盟に登録しフィギュアスケートの公式競技会に出場することを目標とする選手には高額な活動資金が必要となる、という意味だ。拙宅の近所に、インカレを主戦場とする学生選手がいるという話を以前触れたことがある。彼女の親御さんにさりげなく費用を尋ねたら、口ごもりながらも「年間500万円くらいかな」と教えてくれた。もちろんこの金額は丸めた数字だろう。活動費の内訳は、連盟登録料、リンク貸切料、用具代(スケート靴やコスチューム、そのメンテ費用)、コーチへの個人レッスン料、試合参加費、遠征試合の場合は移動交通費と宿泊費と食費(いわゆる「顎・足・枕」)、遠征試合でコーチに帯同してもらう場合はコーチの顎足枕、そしてプログラムの振付料等々等々、一切合切の金額である。兄弟で選手をやっていたらその家庭の費用負担は倍々ゲームだ。しかもこれは国内での活動費だ。連盟から強化指定を受けて海外遠征をしようものならその活動費はさらに跳ね上がる。これに加えて、著名なコーチ、コレオグラファーに師事するとなると確実に1桁上がる。村主章枝さんが自著でトップスケーターの年間活動費を明らかにしていたが、最低でも年間2000万円必要だそうだ。海外のトップクラスのコレオグラファーに振付を依頼すると、1プログラム当り3万USDの請求書が届くという。最も高い例では5万USDだそうだ(先述の学生選手にそのコレオグラファーの名前を聞いたが、流石にここでは書けない。あなたも一度は聞いたことがある著名な人で、数年前までは日本選手もよく手掛けていた人である) かようにフィギュアスケートはお金がかかる。どこからの支援もなく、これらすべてを家計で賄おうとしたら、たとえたった一人の国内選手を抱える家庭でも、その家庭の世帯年収は手取りで1000万以上は必要だろう。よく学校卒業と同時に引退、引退後は趣味で続けるだけという話をあなたも聞いたことがあるだろう。それはそのほとんどが活動費が続かないからだ。ほんの一握りの経済的に恵まれた選手だけが卒業以降もスケートを続けている。私たちがテレビで目にする強化指定を受けた日本代表クラスの選手であれば、さらに一握りの中のさらに一握りだ(強化指定を受けると、登録費の免除や活動資金援助も受けられるが、それは微々たるものだ) 正確に比較したことはないが、フィギュアスケートに要する活動費は他のスポーツと比べても間違いなく屈指の「金喰いスポーツ」だろう。

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