2008年07月07日

史上最高の戦い ウィンブルドン男子決勝

なんとも、言うべき言葉がない。
私の見たゲームの中で、最高のゲームだったことだけは、間違いがない。
準決勝までのゲームは練習ではないかと思うほど、レベルの高い闘い。

意味のないショットは、ひとつもなかった。
全てのショット、エースに意味があり、ミスにさえ意味があった。

スーパーショットの連続。
素晴らしいコートカバリング。
段違いの正確性とスピード。

称賛する言葉はいくつでも浮かんでくる。

それでは、偉大なるゲームを振り返ってみよう。
このゲームの最大の特徴は、ナダルがフェデラーのバックサイドへ高いボールを打ち続けたことだ。
これは、私が以前から話していたのだが、フェデラーには弱点がない。
唯一つ、バックの高いボール以外は。
だから、フェデラーに勝ちたいプレーヤーは、100回でも200回でもフェデラーのバックサイドにボールを打ち続けるしかない。

そして、ナダルはそれをやり遂げた。
なぜ、バックに打ち続けるといいのかというと、フェデラーがミスをしやすいということもあるが、それ以上に彼を精神的に揺さぶることができる。
実際、この試合のフェデラーはいつになく、苛立っており、何度も声を出していた。
そうすることによって、フェデラーの精神状態を追い込んでいく。
テニスのシングルスはメンタルが非常に重要で、フェデラーがNo.1の座を続けていられるのも、精神的に安定していることが、実はテクニック以上に大きい。
そのフェデラーのメンタルにプレッシャーをかけ続けることができる。

さらに、バックを攻め続けると、フェデラーは無理にでもフォアに回り込もうとする。
だが、これも当然、計算の範囲だ。
無理に回り込もうとすると、当然バランスを崩してしまう。
フェデラーは通常、抜群のバランスを持ってプレイしているので、このバランスを崩すのも、フェデラーを倒すのにはとても重要な役割を果たした。
実際の試合でも、フェデラーは何度もフォアに回り込もうとして、ミスをしていた。
ナダルにしてみれば、無理に回り込まれてポイントを失ってもいいくらいの気持ちで、バックに打ち続けていただろう。
フェデラーに無理な体勢でテニスをさせることが、大きな目的だからだ。

そして、バックを狙い続けることにより、フェデラーを倒したのだが、この戦術は誰にでもできる訳ではない。
それは、ナダルが左利きであることと、大きな関係がある。

左利きがクロスに打てば、右利きのバックサイドに飛ぶ。
つまり左利きの選手は、リスクを抑えて右利きのバックサイドが狙えるのだ。
さらにナダルには、超高速トップスピンのストロークがあり、それによりより高い位置でフェデラーにバックハンドで打たせるようにできた。

これは、サーブでも同じでナダルがスライスで打てばフェデラーのバックサイドに打てる。
これにより、ナダルはセカンドサービスでも、フェデラーに攻撃される回数が、少なかった。

このように、この戦術は左利きの方がやりやすいし、効果的だ。
そういう意味では、小さいときに右利きのナダルを、無理やり左利きに変えたことは大きな意味を持ってくる。

さらにナダルは、これらの戦術を何度も何度も繰り返した。
それにより、フェデラーが通常では考えられないミスを何度も犯していた。

それでも、フルセットまでもつれ込むのだから、フェデラーというプレイヤーは底知れない技術とメンタルを持ったスーパープレイヤーだ。
六連覇は逃したものの、史上最強のプレイヤーであることは間違いがない。

そして、ナダル。
クレーコートスペシャリストの彼が、ここまで到達するには並大抵ではない。
普通のクレーコートスペシャリストであれば、フレンチで勝って満足するだろう。
ウィンブルドンの決勝まで来られれば、満足するだろう。

だが、ナダルは違った。
彼は、クレーコートでは無敵であるにも関わらず、さらに技とパワーに磨きをかけて、打倒フェデラーを誓い、ウィンブルドンで勝った。

その頂点を目指す姿には、本当に脱帽だ。

最後に、ナダル、フェデラー本当にありがとう、
こんなすごい試合は、もう見ることはないだろう。
どちらが勝っても、おかしくなかった。
人間の限界の戦いを見せてもらった。

本当にすごい試合だった。

posted by passion |23:17 | テニス | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年07月06日

三年連続 フェデラー対ナダル ウィンブルドン決勝

ウィンブルドン男子シングルスの決勝は、三年連続フェデラー対ナダルとなった。

サフィンと対戦したフェデラーは、6―3、7―6、6―4のストレートで勝ち、芝のコートでの連勝を65に伸ばし、ウィンブルドン六連覇に大手をかけた。

準決勝までは、ジョコビッチを破るなど調子を上げてきたサフィンだったが、やはり芝のフェデラーを破るのは難しかった。
ファーストサービスの確立も高くなく、ミスショットも多かった。
それでも、フェデラー以外であれば勝つチャンスは、あったかもしれない。
だが、フェデラーに勝つならば、ファーストサービスの確率を上げて、ミスも少なくしフェデラーにプレッシャーをかけ続けなければならない。
昨年のナダルのように。

そのナダルは準決勝をドイツのシュトラーと対戦。
6-1、7-6、6-4のストレートで下した。
第二セットこそ先にブレークを許して、苦しい展開だった。
シュトラーは第二セットの途中から、開き直ったのか急にラケットが振れ出した。
その後は、ナダルを圧倒しかけたが、サービング・フォー・セットで気持ちが守りに入り、自滅。
ストレートで負けてしまった。

サフィン、シュトラーともに敗れてはしたが、今大会での活躍はお見事としか言いようがない。
サフィンは世界ランク84位、シュトラーは94位。
共に過去、世界トップ10入りの経験があるだけに、復活といってもいい活躍だった。
特にサフィンは、二回戦でジョコビッチをストレートで破る大番狂わせ。
ジョコビッチにしてみれば、まさかサフィンに二回戦で負けると思いもしなかっただろう。l
彼にしてみれば、交通事故みたいなものだ。
サフィンという名前のいつもは止まっているロシアのダンプトラックが急加速して走り出したのだから、避けようがなかった。

これで決勝は三年連続、フェデラー対ナダルとなった。
過去二回は、フェデラーの二連勝。
だが、昨年はフルセットまでもつれこみ、最終セットはナダルが優勢にゲームを進めていた経緯もあり、フェデラーも楽な試合にはならないだろう。

フェデラーもフレンチオープン決勝で、ナダルに惨敗しただけに、芝の上では負けられない思いもあるだろう。

フェデラーの六連覇なるか、ナダルがフェデラーの芝の連勝を止めるか。
興味の尽きない、決勝が待ちきれない。

posted by passion |02:46 | テニス | トラックバック(0)
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2008年07月04日

天才サフィン 復活 今日、フェデラー戦

マラト・サフィンが復活した。
現在開催中のウィンブルドン選手権で準決勝に進出。
芝の王者フェデラーと対戦する。

このロシアの大男、才能だけを比較すると、現役選手の中でも恐らく1位2位を争うだろう。
それほどの、才能の持ち主であるにもかかわらず、グランドスラムでのベスト4進出は3年ぶり。
3年前と言えば、オーストラリア・オープンで優勝した年だ。

それ以降は、4回戦止まり。
その才能の輝きは見られなくなった。

本人も、テニス以外にも人生で大事なことはあると明言しており、テニスに没頭しているライバル達とはひと味もふた味も違う。

性格も短気で、プレー中に何度もラケットを投げつけ、時には壊す。
準々決勝のロペス戦でも、やっていた。
普通、人間年を重ねるとそれなりに、成熟して自分自身をコントロールできるのだが、この人は違う。
優等生ばかりになってしまった現代プロ・テニスプレーヤーの枠組みに入らないところも好きだ。

私には、サフィンで忘れられないゲームがある。
それは、優勝した全米でもなければ全豪でもない、マスターズカップでのフェデラー戦だ。
タイブレークに入り、フェデラーと互角の戦いを繰り広げた死闘。
凄い選手がいるものだと、強烈な印象が残っている。

正直、今日サフィンがフェデラーに勝つことはないだろう。
しかし、フェデラーを芝で倒すという軌跡的偉業を成し遂げられるのは、規格外の男サフィンしかない。

この試合からは、目を離せない。

posted by passion |05:08 | テニス | トラックバック(0)
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2007年08月24日

ティム・ヘンマン引退

ティム・ヘンマンが引退すると発表しました。
9月に開催されるデビス・カップをもって現役生活にピリオドを打つそうです。

引退の理由は背中の怪我だとか。
もう一つは3人目の子供がもうすぐ生まれると言うことで、家族のそばにいたいそうです。

グランド・スラムでは6回ベスト4まで進みましたが、結局優勝することはありませんでした。
ウィンブルドンでもベスト4が最高でした。
芝のスペシャリストの印象が強いヘンマンですが、2004年のフレンチ・オープンでベスト4まで勝ち進みました。
ヘンマンのテニスが進化していることを、印象づけられました。
それからわずか3年しか経っていません。

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posted by passion |08:11 | テニス | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年07月10日

歴史の残る決勝 フェデラーvsナダル

間違いなく歴史に残るだろうウィンブルドンの決勝。
あまりにも激しく、長く、厳しい戦い。
これをたった一人で戦い抜いたフェデラーとナダルには心からの称賛を贈ろう。

プロである以上、勝たなければ意味がないのは当然。
負ければ何の意味もないと、考えるのだが今回はまったく別。

試合を見終わった後の感想は、すごいの一言。
技術的なレベルの高さは言うまでもないが、二人の精神的な強さには、ただただ脱帽するしかない。
普通、テニスではプロレベルでも数センチ単位でボールをコントロールすることは不可能。
だがこの二人を見ているとそれが可能なのではないかと思わされるほど、素晴らしいボールコントロール。
すごいテクニック、すごい精神力。

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posted by passion |05:03 | テニス | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年06月18日

ナダル勝利の真相 フレンチオープン決勝

少々遅くなりましたが、テニス フレンチオープン決勝の話題など。

二年連続となりました、ナダルとフェデラーの決勝。
メジャー大会の決勝にふさわしいゲームとなりました。

ナダルは昨年同様、スピンをかけたトップスピンのボールをフェデラーのバックサイドに集める作戦。
一方のフェデラーは当然、そこを狙われることを承知の上で、プレーしていました。
フェデラーの唯一の弱点であるバックのハイボール。

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posted by passion |21:10 | テニス | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年04月20日

みんな知っているが、誰もできないフェデラーの秘密

あなたが、テニスコーチだとします。
あなたは、たくさんのレッスン生を教えています。

そこで質問です。
「あなたは、ひとつしか生徒にテニス上達のコツを教えることができません。あなたは何を教えますか?」

少し考えてください。

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posted by passion |06:19 | テニス | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年10月13日

AIGオープン決勝 フェデラー対ヘンマン

今年も行ってきましたAIGオープン決勝。
今年はフェデラー初来日で注目度も高く、平日でも1万人近く入る大盛況。
当然、日曜日は大入り満員でした。

フェデラーは金曜日の準々決勝で鈴木貴男にフルセットのタイブレークまで持ち込まれましたが、それ以外は危なげない試合運びでした。

コーチや、専任のストリンガーも連れてこない。
どう考えても半分観光のために来ているとは言え、それでも勝ってしまうところがフェデラーのすごいところ。
随所に素晴らしいプレーを見せてくれました。

ヘンマンも決して、悪い出来ではなかったと思います。
第一セットにダブルフォールト三連発でゲームを落とした以外は、健闘していたと思います。
フェデラー以外が相手なら勝つこともできたのではないでしょうか。
実際、ヘンマンは今大会、1セットも落とすことなく決勝まで上がってきました。

ゲームカウントは6-3、6-3でヘンマンは各セットで一回づつサービスゲームを落としたにすぎません。
しかし、内容はフェデラーが余裕のある試合運びを見せてくれました。
ヘンマンは自身のサービスゲームを何度もドュースに持ち込まれ、何とかサービスキープをしている状態。
一方のフェデラーはサービスゲームで一度だけ、ドュースになりましたが、それ以外ではラブゲームも多く、ヘンマンを圧倒していました。
0-30の場面で、ヘンマンは積極的にリターンダッシュを狙いますが、フェデラーはそこでエースやパッシングショットを決め、隙を見せません。

さすが、世界N.o.1のプレーヤーです。
全盛期を過ぎたヘンマンでは少々荷が重い相手でした。
それでヘンマンは最後まで、闘志あふれるプレーを見せてくれ、ゲーム自体はフェデラーの圧勝でしたが、最後まで飽きの来ないゲームになりました。
ヘンマンありがとう。

フェデラーのすごさはいろいろなところで語られていますが、本当に基本に忠実なプレーを見せてくれます。
ボールを最後まで見て打つのは、初心者相手のレッスンでも語られますが、本当にボールがラケットに当たるまで見ているのはプロでもフェデラーだけです。
だから、イージーなミスが本当に少ないプレーヤーです。

我々はロディックのような弾丸サーブに魅了されますが、レベルの高いプロの試合でもほとんどの場合、ミスの少ない方が勝ちます。
もちろん、テニスのミスは単に自分のミスだけでなく、相手もボールに押されてミスを強いられることもありますが、それでもミスが少ない方が勝つのです。
フェデラーはそこに素晴らしいサービスやライジングからのスーパーショットが加わるのであるから、無敵なのもわかります。
サービスのスピード自体はフェデラーより速い選手が何人もいます。
パワーとスピードだけでは勝てないことを、フェデラーは教えてくれます。

試合後のインタビューでは、リップサービスでまた日本に来たいと言ってくれましたがもう少し、AIGオープン自体のレベルを引き上げないとフェデラーが来ても、単なる見せ物興行になりそうなので、他にもいい選手を連れてきて欲しいですね。
そしてフェデラーを本気にさせて欲しいです。

できれば、マスターズ・カップを上海から日本へ持ってくるくらいの気持ちでやって欲しいと思いますが、今のテニス協会にそれを求めるのは酷なのでしょうか。

posted by passion |22:38 | テニス | コメント(1) | トラックバック(0)
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2006年07月13日

ウィンブルドン決勝 フェデラー対ナダル

今年のウィンブルドンの男子決勝は世界ランクナンバーワンのロジャー・フェデラーとナンバーツーのナダルの対戦となった。
フェデラーの決勝進出は当然だ。
彼は芝のコートで47連勝中で、この大会準決勝終了時点で1セットとも取られていない。

一方、その無敵のフェデラーの決勝での相手、ナダルの決勝進出はおおきな驚きだ。
ご存じの通り、ナダルはクレーコートのスペシャリストだ。
彼はクレーコートで60連勝中。
先月のフレンチ・オープンの決勝でも襲いかかるフェデラーをはね除け、同大会二連覇を果たしている。

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posted by passion |16:19 | テニス | コメント(0) | トラックバック(0)
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