2007年08月09日

「情熱」 日本代表に欠けていたモノ その三

私が見たJリーグの試合で一番印象に残っている試合があります。
それは、私が応援しているクラブの試合でも、チャンピオンシップでもありません。
それは、Jリーグが二部制に移行する前年、1998年におこなわれた、Jリーグ参入チーム決定戦です。

福岡と川崎フロンターレの試合だったと思います。

入れ替え戦ですから、両チームとも、お世辞にも上手いとは言えません。
華麗なプレーもありません。

元々、全く興味のない試合だったのですが、チャンネルを回していたら、たまたまやっていて、すぐにチャンネルを切り替えるつもりでした。
しかし、試合から全く目が離せません。

行き詰まるゴール前の攻防。

結局、最後まで見てしまいました。
恥ずかしながら、試合の内容は、ほとんど憶えていません。
選手の名前も、ほとんど憶えていません。

それでも、私にとって、このゲームが一番おもしろい試合だったと断言できます。
そこには、両チームの選手の必至さ、ひたむきさ、情熱、絶対に勝つんだという意志がありました。
そのような人間の情念を感じられたからです。

これらのことは、アジアカップの日本代表からは、ほとんど感じられませんでした。
ドイツワールドカップでの日本代表よりは良かったと思いますが。
優勝したイラクは、チーム全体で発散していました。

この試合を見て、私はサッカーは技術ではないのだという、大事なことを学びました。
イギリスなどで二部の試合でも満員の観客が入る理由が分かりました。
自分達のクラブの為に、体を張ってプレーし、勝つんだという意志や情熱こそが、観客の心を動かすのだと言うことを理解しました。

日本代表の試合で言えば、アメリカW杯を目指した戦ったドーハでの戦い。
韓国戦での歓喜の勝利とイラク戦でのまさかの同点ゴール。
試合終了後、椅子から立てない自分がいました。
まさに選手と同じ感情を共有できた試合でした。
それは、選手がピッチ上で戦っていたからだと思います。
彼らの情熱や戦う意志を、画面を通じてでも感じることができたから、私達も魂が揺さぶられたのでしょう。

アジアカップでの日本代表はからは、彼らが何をしたいのかが、プレーから見えませんでした。
運動量を減らして体力を温存し、カウンターのリスクを減らそうとしているのはわかりましたが、それ以外には感じるモノがありません。

もはや日本代表はアジアでは最強チームの一つに数えられるまでになりました。
W杯に出場するのも半ば当然のことになりました。

そうした中で、選手達にアジアカップに賭ける情熱が、多少欠けていても仕方ないのかもしれません。
ただ、プロである以上、日本代表のユニフォームに袖を通している以上、自らモチベーションを上げて戦って欲しかったと思います。

今の試合に全力を出せない人間が、重要な試合で全力を出せるはずは、ないのですから。


P.S.
この試合が後に「博多の森の悲劇」と呼ばれる、有名な試合だったことは、つい最近知りました。
本やビデオになっていることも知りませんでした。
ただ、そうなって然るべきくらい、素晴らしいゲームでした。

偶然、この試合を見られたことは幸運でした。
私はこの試合のことを、一生忘れることはないでしょう。

posted by passion |05:56 | サッカー | トラックバック(1)
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