2007年06月18日

ナダル勝利の真相 フレンチオープン決勝

少々遅くなりましたが、テニス フレンチオープン決勝の話題など。

二年連続となりました、ナダルとフェデラーの決勝。
メジャー大会の決勝にふさわしいゲームとなりました。

ナダルは昨年同様、スピンをかけたトップスピンのボールをフェデラーのバックサイドに集める作戦。
一方のフェデラーは当然、そこを狙われることを承知の上で、プレーしていました。
フェデラーの唯一の弱点であるバックのハイボール。

雨が少なく固いコートで、ナダルのフォアのスピンボールが弾みます。
フェデラーは大半のボールを胸かそれより高い打点で打たされていました。
フェデラーはシングルハンドのバックハンドのため、ハイボールは打ちづらそうです。

ただ、通常高いバックハンドをフェデラーは、スライスで返すことが多いのですが、今回はフラット気味にバンバン打ち込んできました。
中途半端なスライスは、ナダルのチャンスボールになることと、ナダルがフェデラーの弱点を突いてくることを予想しての対策だったと思います。

そのバックハンドでフェデラーは、何度かエースも決めましたが、全体的にはナダルのペース。

ナダルのゲームプランは、フェデラーのバックに強烈なスピンをかけたボールを打ち込み、高い位置で打たせる。
次にフェデラーがしびれを切らし、そのボールをフォアに回り込んで打つと、ナダルはオープンコートに強打する。
フェデラーは追いついて拾うが、強いボールが打てずに浅くなったところを、またバックに強く打たれて失点するというのが典型的な失点パターンでした。
フェデラー相手ではすぐには決まらないので、何回かこのパターンを繰り返してナダルは得点を重ねます。
ここでナダルはミスによる失点を最小限に抑え、フェデラーを精神的に追い詰めていきます。
珍しくフェデラーは何度も、いらだちを表現していました。
しつこいくらいバックのハイボールを打たされる事への焦燥からでしょう。

しかし、ナダルのスピンボールは尋常ではありません。
カーブが強烈にかかり、外からまいてくるように入ってきます。
まるで漫画「テニスの王子様」のスネークボールではありませんか。
事実は漫画よりも奇なりとでも言うのでしょうか。

第一セットにフェデラーが10回のブレークチャンスがありながら、一度もモノに出来なかったのは、常にナダルが主導権を持ってゲームを支配していたからです。
フェデラーのミスが多かったのは、攻めていた証拠だから仕方ないでしょう。
また、フェデラーはバックのハイボールを打つのを嫌い、無理にフォアに回り込みミスをする場面も目立ちました。

フェデラーは対ナダルとしてバックハンドの強打という回答を示しました。
しかし、結果は惨敗。
一セットを取ったモノのゲーム全体を支配していたのは常にナダルでした。

フェデラーも攻めのスライスを打てるときは、かなり有効でした。
しかし、ナダルは強烈なスピンボールを返すことにより、フェデラーにスライスを打つ余裕を与えません。

ナダルのボールのスピンがすごいので、珍しくフェデラーがボレーミスをする場面も多く見られました。

これでフェデラーはフレンチオープンの決勝で、ナダルに二連敗。
三年前の準決勝でも、ナダルに敗れているので三連敗になります。
ナダルは左利きでフォアのクロス返すと、フェデラーのバックサイドになるという有利な面もあります。
彼が右利きだったら、フェデラーももう少し戦い方があると思いますが、この左利きというナダルの武器は、フェデラーにとっては大きな壁になっています。

こうなると、フェデラーがフレンチに勝つには、自分のテニスを捨てるぐらいの覚悟ないとナダルには勝てないかもしれません。
徹底的にスライスを打って、ナダルに強打させないとか、早い勝負を捨ててつなぐテニスをするとかです。
ただ、フェデラーほど頂点を極めた人が、自分のテニススタイルを変更するのは難しいでしょうね。
特に今はコーチがいないのも痛いですね。
クレーコートスペシャリストのスペイン人コーチなどを雇って、ナダル対策を練るというのはいかがでしょうか。

最後のフレンチの観客には感心しません。
大会を二連覇している偉大なるチャンピオンに対してブーイングはないでしょう。
そりゃ、フェデラーが勝った方が話題にもなるし、グランドスラムだし、おもしろいのはわかります。
しかし、あそこまでフェデラーの応援するのはいい感じしません。

それでも21歳のナダルは淡々とプレーしていました。
クレームをつけたい場面も、つけずに冷静でした。
彼がクレームをつければ、ブーイングの嵐になることをわかった上での態度です。
あまりに人間の出来たナダルの態度に、感心してしまいました。

おめでとう、ナダル。
君は最高のチャンピオンだ。

posted by passion |21:10 | テニス | コメント(2) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
ナダル勝利の真相 フレンチオープン決勝

そうですか!なかなか興味深いレポートを有難うございます。
きみまろじゃないけれど、あれから40年・・・?は経たないけれど、チェコ代表レンドルとフランス代表のノアがデビスカップの決勝をローランドギャロであったとき、それはそれは酷い応援でしたよ!
精神的に強くないレンドルに容赦のない妨害行為!
サービスのトスを上げると誰かが声をだしたり、
ストロークの打点寸前に奇声を上げるのがいたり・・・
挙句にはチェコの応援しようとアレ、チェコ!というと
前方の観客が、アレットと言うなと言う始末!
フランスとは、そういう国ですよ!
わが日本は少々優等生気味な気がしますが・・・。

posted by 8man | 2008-06-09 13:42

ナダル勝利の真相 フレンチオープン決勝

ナダルが優勝トロフィーをかじる(?)パフォーマンスが、余程フランス人には不評なのだろうか?
それにフェデラーが“フランス系スイス人”ということもあるのかもしれない(以前「すぽると」で、フランス語で取材に答えるシーンが流されてたんで)。

posted by 匿名さん | 2008-07-06 22:37

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