2008年09月16日

ブラビッシモ ベッテル イタリアGP観戦記

難しいコンディションの中、ほぼ完璧なレース運びを見せたのはなんと21歳のベッテル。
まるで10年選手のような落ち着いたドライビングだった。

奇しくも、今年初優勝をあげたドライバー三人、表彰台にが上がったが、この中では、ベッテルが一番ではないかと思っている。

抜群のマシン・コントロールに、冷静さを失わない精神力、そしてインタービューを聞いていてわかる頭の良さ。
彼は優れたドライバーが持つ要素をすべて持っている。

なによりも、トロ・ロッソで勝つということの難しさ。
奇跡的な勝利だった。

私はF1はドライバーで決まると述べているが、このレースはまさにそれを証明してくれた。

さらにすごいのはマクラーレンとフェラーリの4台が完走しているのに、勝ったという事実だ。
コバライネンとクビサは、この2強がリタイヤして勝ったのだが、ベッテルは違う。

彼は正真正銘、自分の力で勝った。

前回の観戦記の最後にトロ・ロッソが三列目にくることを予想していたので、2強が崩れた場合、ベッテルの表彰台の可能性もありとは思っていたのだが、勝つとはさすがに思わなかった。

彼は将来、成長してハミルトンとチャンピオンを争う存在なるだろう。

ベッテルは来シーズン、レッドブルへ移籍するのだが、彼はアロンソやミハエルのように中堅チームを自分の力で、チャンピオン・チームへ変貌させるのであろうか。

そして、レッドブルにはニューウェイがいる。
来シーズンのレッドブルからは目が離せない。


▽自滅したハミルトンとライコネン

この二人がQ2で脱落したことが、最初の大きな波乱だった。
二人とも信じられないようなミスをした。

二人とも雨が降り始めているにもかかわらず、Q2の最初からコースに出ないで、様子を見ていた。
こういう予想の難しいコンディションの場合、コース上に出ていることが重要である。
いつコンティションが良くなり、いつ悪くなるのか全く予想がつかないからだ。

Q1の終了に向かってコンディションがよくなっていたのと、レーダーをみて大丈夫だと判断したのだろうが、大失敗だった。

たとえ、スタンダード・ウェットでアタックすることを考えていても、最初はエクストリーム・ウェットで走り、おさえのタイムを出してから、頃合いをみてタイヤを交換すればいい。

それが、難しい天候の場合のセオリーであり、チャンピオンを争うマクラーレンとフェラーリが同じミスをしたのは理解できない。

それでも、ハミルトンはコース上で追い上げを続けて、瞬く間に7位まで順位を上げてくる。
この時点では雨で気温が低いので、マクラーレンはエクストリーム・ウェット・タイヤをうまく発熱させることができて、順調だった。
しかも、彼はワンストップで行く予定だったので、大逆転劇で表彰台も見えていた。
ところが、天候が思った以上に回復したことで予定が狂ってきた。

ハミルトンがレース半ばで唯一の給油をするためピットに戻ったときは、ちょうどスタンダード・ウェットとエクストリーム・ウェットの中間の状態で、今後雨が降る可能性も残されていた。
ギャンブルのできないハミルトンは、エクストリーム・ウェットを履いて出て行くが、結局雨は降らず、10周後に再びピットに戻りスタンダード・ウェットに履き替えることになった。

もし、レース中盤にもう一雨があったならハミルトンは2位になれただろう。

ハミルトンはレース終盤、マッサを猛追するが、レコード・ライン上は完全に乾いてきて、タイヤの発熱しやすいハミルトンは、タイヤがオーバーヒートして、それ以上追いかけることができなかった。

逆にタイヤに優しいライコネンは、レース終盤になってベスト・ラップを連発するが、もう手遅れだった。
ライコネンはいつものように、レース序盤からタイヤの暖まりが悪くペースが上がらず、苦しんでいた。
レース前半のペースの悪さが致命傷となり、ライコネンのレースは終わってしまった。

結果的に、三人の中で最も有利な予選ポジションだったマッサであるが、ハミルトンとの差を1ポイント縮めたの過ぎない。
ハミルトンとしては、苦しいポジションの中で1ポイント失っただけで済んだので満足できないまでも、納得の結果だろう。。
ただ、予選のミスさえなければ勝てた可能性は高かった。

いよいよ、ライコネンは厳しくなった。
残り4レースでトップのハミルトンとは21ポイント差。
数字上は可能性が残ってはいるものの、ハミルトンが昨年ように自滅しない限りは逆転は厳しい。

それでも、可能性がある限りライコネンはマッサをサポートしないということであるが、これがフェラーリにとって致命傷をもたらす可能性がある。

昨年、大逆転ができたのはマッサが終盤サポート役に徹したからであり、残りのレースで二人がポイントを分け合っていると、ハミルトンにタイトルを持って行かれる可能性が高くなる。

posted by passion |00:34 | F1 | トラックバック(1)
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