2008年07月01日
無敵艦隊発進 EUEO2008 決勝 スペイン対ドイツ
スペインの完勝だった。 あのドイツがほとんど何もできなかった。 特に後半の30分を過ぎると、ボールを放り込みたいドイツだが、それすらも、かなわなかった。 これまでは最後まで諦めず幾多の逆転劇を実現してきたドイツの選手の顔にも、あきらめにも似た焦りの表情が見受けられた。 序盤は、ドイツが何度かチャンスを得るが得点には至らない。 ところが前半の13分にインターセプトからチャンスを得た、スペインが徐々に主導権を奪い返すが、両チーム共に積極的な守備を繰り広げ、得点を許さない。 それでも、スペインは高い個人技術から何度か、チャンスをつかむが、ドイツの最後の守備も堅く、得点には至らない。
最初の得点が生まれたのは前半の33分。 ドイツの連携ミスからだ。 DFラインの裏に出たボールに、ドイツDFラームが先に追いつき体を入れて、追うフェルナンド・トーレスをブロックする。 飛び出してきたGKレーマンにボールを取らせるためだ。 だが、レーマンがボールに追いつくより早く、トーレスがDFを追い越して先にボールにタッチしてそのままシュート。 ボールは力なく、ゴール左隅に吸い寄せられてスペインが、先取点を得る。 もう少しラームがボールを追いかけながら、ブロックしていればやらなくても良い得点だった。 それよりも、諦めずに追いかけたトーレスを褒めるべきか。 ラームは、後半最初から交代した原因の負傷が影響したのだろうか。 こうなると、守備の堅いスペインを相手にドイツは苦しい。 問題は、スペインの豊富な運動量が最後まで続くかだ。 後半になってドイツは、単発で攻撃を仕掛けるが後が続かない。 しかも、トップにボールが入ってもトラップミスなどが多く、決定的なチャンスを作れない。 これもスペインのDFの寄せが速いためなのか、それを意識しすぎてしまった結果か。 センタリングもマークの付いたまま上げざるを得ないので、精度を欠き、得意の高さを活かせない。 スペインは一度、マイボールにすると、高い位置でボールを奪い返そうとする、ドイツからのプレッシャーをモノともせず、ボールをキープして前線まで運んでいく。 ドイツは交代した選手も、ほとんど活躍を見せられずに、時間だけが過ぎていく。 選手交代しても、チームが機能し続けたスペインとは対照的だった。 監督の手腕でも、スペインに分があった。 その間にも、スペインは危険なカウンターを何度も仕掛けて、勝負に決着をつけようと牙をむく。 そして、残り15分からドイツは何もできなかった。 スペインは時間を考えてボールを回す。 ドイツが焦ってボールを取りに来ると、裏のスペースにボールを出して、攻撃を仕掛けてCKを得る。 何とも、嫌らしい戦術だった。 ボールを放り込みたいドイツだったが、それすらもさせてもらえない。 ボールホルダーへのチェックが早いためだ。 仕方なく、数回自陣からボールを入れるが、さすがのドイツも長距離の縦のボールでは精度を欠き、またボールと相手FWを同時に見られるスペインDFは、対処が容易であり、危険な場面は一度だけ。 その一度も、もつれ合ったボールがドイツ側に出たときだけ。 組織的には、何もできないドイツだった。 正直、スペインがここまで、守備が良いチームだとは大会前には思わなかった。 準決勝のロシア戦も、オランダを切り裂いたロシアを完封し押さえ込んだ。 スペインは決勝トーナメントの三試合を無得点。 イタリア戦こそ相手の堅い守備もあり、0-0からPK戦となったが、準決勝と決勝では完勝。 その守備意識の高さは大会随一。 まるで、イタリアかと思わせるくらい11人の守備意識は高かった。 トーレスがドイツのバックパスを追いかけて、マイボールのスローイングにしたのはその象徴だった。 スペインは、技術はあり得点力もあるが、守備が少しルーズで、相手の守備が弱いと大勝するが、相手ががっちり守ると、無得点に抑え込まれて、敗退するというのが私が抱いていたイメージであり実際、これまでは全てそうだった。 予選や、グループリーグは突破するが決勝トーナメントに入り、相手の良さを消しあう戦いになると、弱さを見せる。 そんなスペインが、今大会はスペインやドイツを上回る守備意識の高さを見せつけた。 とにかく、ボールホルダーへの寄りが早い。 だから、相手選手はボールを持っても前を向けないし、前を向いても有効なパスを出せないし、ドリブルでも抜けない。 ここまで、守備力が高くなると、持ち前の技術を活かして勝ち抜ける。 正直言って、ロシア戦で見せた素晴らしい守備を決勝では見せられるずに、ドイツに敗れるのではないかという予想は大きく外れてしまった。 これだけのスター軍団に高い守備意識を植え付けさせたアラゴネス監督の手腕に脱帽するばかりだ。 この守備意識の高さを今後も、保ち続けられればスペインは、本当の無敵艦隊になるだろう。
posted by passion |06:00 |
サッカー |
トラックバック(0)


