2008年07月13日

WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

 今日のブラジル戦でWGP全日程が終了しました。今日のブラジル戦については個別には触れません。まぁ当初の予想より全然いい試合をしてくれたと思います。ただ1セットも取らせないのがブラジルの実力だったということです。
 今回のWGPは北京直前とあり非常に戦い方が難しい大会だったと思いますが自分はいい戦い方をしたんじゃないかと思います。日本ラウンドはガチメンでしたが、海外ラウンドでは控えを色々試すことも出来ました。本当はもっと早くから控えも使っておくべきでしたがいままでそれをしてきませんでした。WGPが控えを試す本当に最後の場所でした。ぎりぎりのタイミングでようやく柳本監督が動きを見せましたね。またファイナルラウンドでイタリアに勝利、またはそれ以外の国とも思いのほか善戦したことでモチベーションも下げずに北京へ向かうことができます。これは四年前とは大きな違いですね。四年前の反省も踏まえたベターな戦い方だったと思います。

 さて戦術的にもOQTからさらに変えてきた点がありました。
 ひとつはセッターがファーストタッチした場合。OQTではセンターがトスアップするという約束事にしていましたが、今大会からまた木村、高橋がトスアップするというかたちに戻してきました。「結局センターにトスアップさせてもレフトオープンしか上げれない。」なら「木村か高橋にあげさせたほうが精度は高い。」という判断でしょう。ただ今大会の木村、あるいは高橋のトスアップは従来のレフト一本やりのものとは違いました。センターのブロードや早い平行トス、そしてバックアタックと様々がかたちで攻撃を使えていました。あのくらい色々使えるなら今のかたちの方が確かに機能しますね。北京へ向けてはこのままでいいと思います。
 次にレセプションのかたちが少し変わりました。基本は高橋、佐野、木村の3人ですが、木村が後衛で前が2枚のときに木村をレセプションから外して高橋、佐野、栗原の3人で取るようにしました。これは木村のバックアタックを生かすための策ですね。心配なのは栗原がレセプションで狙われることですが、範囲が狭いこともあってかあまり気になる場面はありませんでした。むしろ栗原が自分でレセプションしてから自分で打つ場面のほうが目に付きプラスに働いていた印象です。旧式の戦い方ではライトとリベロ、そして後衛レフトでレセプション体系をとり、前衛レフトは平行に専念させるのがセオリーでした。しかしバックアタックが一般化してくると、レセプションしてからの攻撃がバックアタックより前衛でのほうが比較的簡単なこともあり(そのときのポジションにもよりますが)後衛レフトをレセプションから外すほうが効率的になってきます。ようやく全日本もその域に入ってきたということですね。これは栗原と木村の成長のおかげです。このかたちをもっと突き詰めたのが男子で一般的なスーパーエースを置く形ですが、それは北京後のお楽しみですね。北京後は木村、栗原のレフト対角で十分戦えると思いますので。
 そしてブロックの向上も見られたと思います。OQTではコミットを多用したブロックシステムをとっていましたが、今大会は大分リードで対応する場面が増えてきたと思います。バンチぎみに構える場面もあり3枚ブロックも見られました。(竹下は必ずリリースしていましたが。)その影響で相手のクイックと早い平行、または高さと早さを兼ね揃えたブロードには手も足も出ないこともありましたが、確実性は増しワンタッチを取る回数は増えたと思います。また手の出し方もキルブロックを狙った前に出す形ではなく、手を真上に上げるような感じのソフトブロックが多かったですね。高さのない日本には必要なかたちです。さらに相手のあわせたブロック戦術やブロックチェンジも見られました。キューバ戦でのあおりブロックが一番印象的ですね。柳本監督もやればできることを見せてくれました。
 以上の点からOQTより攻撃力、守備力ともにアップしたと思います。強豪とあたっても一方的にはやられなくなりました。控えをある程度監督が有効活用できるようになってきたのもプラスですね。さらに決勝ラウンドに関しては竹下の好調さも大きかったと思います。いつもあのくらいのプレーができていればまだ竹下の価値というのが認められると思います。

 ただもちろん課題も山積み。
 ひとつは連続ミス。どうも自分たちのミスで流れを失う展開が多かったように思います。攻めてのひとつ、ふたつのミスは気にしないほうがいいと思うんですが、連続でミスを出してしまうと完全に相手に流れがいってしまいますからね。相手に流れが行きかけたときに連続ミスが多かった気がするのでメンタル的な影響もあると思います。あせらずに戦うことが大事です。
 つぎにレセプション。レセプション自体は全体的に見れば◎でしょう。国際大会では65%あれば十分です。というかそれ以上返せるような生ぬるいサーブはオリンピック本番ではないでしょう。(決勝ラウンドのイタリアのサーブの弱さは不気味なくらいだった。)ただせめてBキャッチに抑えたい。日本はAキャッチも多いんですが、崩されると一気にCキャッチ以下まで崩されてしまいがちです。ここをBキャッチで抑えたいですね。Aキャッチが無理だと思ったらアタックライン付近にあげとけばいい。そういう発想も大事です。キューバ相手にはそういう考えをもって挑んでる感じがしますが、そのほかの国相手でもそういう考えが必要な場面があると思います。どうしてもセッターが小さいので「ピンポイントで返さないと。」と思ってしまいますが、縦のBやネットに対して垂直気味に走るブロード、そしてバックアタックや高橋への無理矢理平行などBキャッチでも使える選択肢は増えてきてますから少しの妥協は必要だと思います。
 あとは大事改善されてきましたがサーブですね。決勝ラウンド後半ではよくなりましたが、それまでの試合では1セット目はサーブが走っていても2セット目以降弱くなるケースが目立ちました。現代バレーではサーブが命。最後まで攻めの姿勢を崩さないことが必須です。
 控えセッターや木村、栗原の控えに関してはむしろ不安が増した感じもしますが、今回試したことが北京に繋がると信じるしかありません。今日二枚替えが成功したことが北京へ繋がるでしょう。

 長くなりましたが、強豪国にも勝てる可能性は0ではないんだということを証明できた大会になったと思います。精度を高めて、コンディション万全で望めれば可能性はあるでしょう。自分のこの大会の評価は70点。もう少し結果が伴えばよかったですが結果を求める大会じゃないですからね。可能性を感じさせてくれたということで高評価です。いつのまにか聖子やルーキーズの生徒が消えたことが少し気になりますが。
 それでは北京での健闘を祈って。ガンバレ、ニッポン!!

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posted by 近江牛 |21:13 | 全日本女子 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2008-07-14 12:28 | 続きを読む
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Re:WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

コメント投稿者ID :

栗原選手の復調につきる今大会でした!
栗原選手の復調がチームにプラスの連鎖が表れ、何か光が見えてきました!

光と言えば自分の目線で光ったプレイは‥
栗原選手がエンドラインからワンタッチのボールをセッターへピンポイントレシーブは綺麗で思わず「うまい!」と吠えました(笑)
当たり前の簡単なプレイに見えますが回転がきいたボールを膝で吸収し距離間を判断してのレシーブは美しかったし、お見事でした。チームに流れも呼び込むし‥
ああいう一つ一つのプレイをきっちりこなせるのが日本の良さであり強さだと思いました。
また木村選手の高い地点からのビューティフルな平行トスにも唸りました!

ブラジルとの3セット目は自分の目には、がっぷりよつで今の日本の力を試したのかな?と感じました。
ブラジルと同じ戦い方をし、どれくらいの差があるのかをトライしたような気がしました。あの点差が世界との差だと明確になり、勝つためにはどうすればよいのかを選手にも植え付けることができたのでは?
きっと自分の考え過ぎだとは思いますが、自分の目には差が明らかになる興味深いセットでした。

1.70%に近いレセプションを目指す
2.ワンタッチ効果率を上げ、確実に奪う
この2点ができればセットを世界から奪うことができるはずです!
な〜んて‥ほざいてみました(笑)

posted by すばらしい日々 | 2008-07-15 19:28

WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

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うぃ~す。こんばんは(^-^)
最近暑くないですか?もうバテバテですよ~わたくしめは~何もする気がおきん~

すばらしい日々殿の仰るように栗原選手、最近目立ってきましたよね~木村のバックアタックもな~んか強力になってるみたいで・・・コンビネーションなんか隠しているのかも知れんのやけど、木村のバックアタックを隠すのが先やったんやなかろうか・・・もっと隠してる部分があるんですかね~でもこのブログは毎回読んで勇気を貰うので、ポジティブに考える事にします!

北京ではオレッチの予想はポーを破って決勝には進めると予想しています(^-^)出来れば予選上位になって決勝にいってもらいたいな~
関係ない話ですが、栗原って最近特に美人になったような・・・

posted by 夕焼け | 2008-07-16 20:22

WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

コメント投稿者ID :

>すばらしい日々
本当に栗原はすばらしかったですね。決勝ラウンドの栗原はまさにエースでした。ベストスコアラーとベストサーバーは十分評価に値すると思います。
栗原はチャンスボールの処理なんかはとても丁寧に行うんですよね。腕だけでボールを扱うんじゃなくて、基本どおり身体全体を使ってボールをコントロールしています。攻撃面だけではなくてそういうところも非常に評価できますね。
ブラジル戦の3セット目はスコアは一番悪かったですけど、北京へ向けてということを考えると一番評価できるセットだという声をちらほら聞きます。自分も一番「意味のある」セットだったと思います。
70%近いサーブレシーブ返球率を出すのは本番では厳しそうですね。おそらく五輪ではWGPとは全然違ったサーブがとんでくるでしょうから。ただ新ボールの影響がどこまであるのかわからないですね。おっしゃるとおり70%近い返球率があれば日本は世界と十分戦えると思いますよ。自分的には攻めのサーブがひとつの鍵ですかね。

>夕焼けさん
北の大地はそうでもないですよ。まぁ自分は気温とは関係なくやる気が起きないですが(汗)
木村、栗原のバックアタックはもう完全に日本の武器となりましたね。今大会で多用したことでマークは厳しくなると思いますが、それは高橋の平行やセンターのブロードのマークが薄くなることの裏返しですから。どこからでも攻められるのが武器ですからね、心配いらないと思っています。
ポーランドには勝ってほしいですね。自分も勝てると思います。決勝に進むのは厳しいですが・・・。0%ではないと思うので希望は捨てずに応援しましょう。
栗原は心身ともに充実してるのが顔に出てるんじゃないですか?バレーボール選手としては本当に可愛いですよね。

posted by 近江牛 | 2008-07-16 22:09

WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

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すばらしい日々さんへの敬称が抜けていました。すいませんでした。

posted by 近江牛 | 2008-07-16 22:10

Re:WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

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近江牛さん敬称なんて全然大丈夫ですよ(笑)
奥田民生のユニコーン時代のすばらしい日々って曲が好きで、バレー界にすばらしい日々がくるのを願って付けただけですから‥。

栗原選手の基本に忠実で、疲労もある中、よく練習してるんだろうなってプレイは美しく感動すら覚えました。

ブラジル戦の3セット目はブラジルの天井が見えた気がしました。がむしゃらな今までの日本からワンランクアップした気がします。
本当に意味のあるセットでした。
そうですね‥レセプションはどこまで耐えれるか?新ボールの影響は?ですね。
高橋選手は攻めのサーブは体調面もあり封印してましたが栗原選手と高橋選手には攻め続けて欲しいですね。
賭けれる部分の一つですし。
あと荒木選手のナイスオトリと多治見選手からワンタッチを学んでもらって本番では期待したいです。

夕焼けさんがおっしゃってた栗原選手の美人化は自信から生まれる笑顔ではないかと思います。

posted by すばらしい日々 | 2008-07-17 02:19

WGP終了 北京へ向けての収穫と課題

コメント投稿者ID :

バレー界にすばらしい日々ですか。素敵な考えですね。
栗原と高橋のジャンプサーブは大きな武器ですからね。特に高橋には手を抜かずに全力で打つサーブを期待したいです。
荒木は決勝ラウンドではものすごくワンタッチが多かったんですよね。確実に成長していると思います。身近に杉山、多治見というブロックの名手がいますから、今のうちにどんどん盗んでほしいですね。

posted by 近江牛 | 2008-07-17 21:56

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