2008年06月09日
OQT男子総括 戦術編
見事オリンピックへの切符を掴んだ全日本男子。これは四年間かけて植田監督が個人、そしてチームを着実にレベルアップしていった結果だと思います。すべてにおいて四年前より確実にレベルアップしていますね。それではオフェンスとディフェンスに分けて考えてみたいと思います。 1、オフェンス 今大会の日本の攻撃は決して世界にも引けを取らないと思います。その原動力となっているのがサイドアタッカー陣。その中心となるのが越川、ゴッツ、山本の3人。 越川はスピードとキレに磨きがかかりました。レフト平行とパイプのスピードはトップレベル。横の動きの遅いチームにはなかなか対応できないレベルにあると思います。レセプションも以前より安定してきていて、攻撃型レフトとしては合格点。終盤はベンチに下げられる機会が多かったですが、アタック決定率は全体の3位です。サイドアウトを取るには彼の力は非常に大きいと思います。さらなるレセプションのレベルアップが図れれば不動のレギュラーとなれるでしょう。 ゴッツは解説でも言ってたとおり、レセプションからアタックへの移行がスムーズになりました。守備型レフトとしてサーブで狙われる機会が多かったですが、狙われても図太く攻撃に参加できることでチーム全体のファーストサイドアウト率がアップしました。課題はジャンプフローターサーブへの対応ですね。チーム全体としてできるだけオーバーで取ろうという意図が感じられそれは非常にいいことだと思います。オーバーのほうがボールをコントロールしやすいし攻撃への参加もスムーズになりますよね。ただゴッツの場合まだまだ安定感がなく、大きく反らすことも多いのが現実です。北京本番に向けて訓練すると共に、アンダーとオーバーを臨機応変に切り替えられるようになるといいですね。 山本も今大会非常によかったと思います。高さとスピードを生かせたときにはほとんど決まっていた印象です。レフトからの攻撃も非常に安心して見ていられるようになりました。また小技がうまくなりましたね。相手ブロックに当てて出すプッシュには非常に自分は感心しました。ただ悪いトスになるとがくんと決定率が下がってしまうのが残念。悪球打ちに関してはゴッツや荻野なんかのほうが安心して見られます。その辺が北京に向けての課題でしょうか。 そのほか2人の個性の強いセッターの使い分け。徐々に決定率を上げてきたセンター線。そしてそれを支える津曲のレセプションと着実にレベルアップしてきた印象です。 また全体の組み立てとして時間差などがほとんどなくなりました。センターのクイックも以前の植田JAPANほど移動しながらの攻撃が多くない印象です。これはバンチリードを切り崩すための必然でしょう。これらが減る代わりにもっとパイプを多用できるようになると、スピードと幅を生かしたまんまバリエーションを増やせるので是非増やしてほしいですね。 2、ディフェンス 解説などでも非常に評価されていたのがこのディフェンス面。確かに以前よりぐっとレベルアップしたと思います。ディフェンスはサーブ・ブロック・ディグの三つで行うものですがいずれもレベルアップしていました。 サーブは山本が全体の一位。越川、石島も高い位置につけていて、フローターサーブ陣もなかなかいいサーブを打っていたと思います。サーブで全てが決まると言ってもいいくらい重要なプレー。ここがよかったのは非常に大きかったと思います。 ブロックについてはデータを利用して臨機応変に対応していた印象です。そのベンチワークがよかったですね。サーブやディグと連動して的確な指示が与えられていました。バンチリードの完成度という点では強豪国にはまだまだ劣りますが、データの有効活用で対応していました。今大会の強さのひとつにベンチワークのよさも多分にあったと思います。 ディグについては津曲がディグ部門で一位だったのが印象的です。津曲だけでなくボールへの反応がみんな非常によく、足もよく動いていました。単発になりがちな男子バレーですが、ラリーが続くとやっぱり面白いですよね。スーパーレシーブはチームの士気もあげますし。 ただ相手の攻撃を防いだ後のカウンターアタックはもう少し改善の余地が残されている感じがします。ここで高速のパイプと両サイドの平行がもっと使えればブレイク率はさらに上がると思います。なかなかすぐにどうにかできることではないですが、短い期間でどれだけ詰めれるかが勝負ですね。 ちなみに今大会はレフトの裏表を今までと逆にしていました。今大会は越川が表レフトでしたね。これは石島が直前まで万全じゃなかったので前二枚になるローテが二回ある表レフトを越川に任せたのでしょう。結果として大会前半はこれが当たったと思います。まぁ男子の場合はバックアタックが常習手段となっているのであまり表裏は関係ないんですが。 またサーブは越川から始めることが多かったですね。これは越川のサーブに期待してのことでしょう。 以上だらだらと思ったことを書き連ねてきました。チーム全体のレベルアップに加え、データをベンチから選手へと効率的に伝え有効に利用していたのが印象的です。 ちなみに戦術論については東レの小林コーチのコラムに非常に感心させられます。見ていない方は是非一度見てみてください。
posted by 近江牛 |20:51 |
全日本男子 |
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Re:OQT男子総括 戦術編
こんばんは。
元気ですかぁ〜〜!?
何か物足りない夜になってしまいましたが、なぜかテンションは上がってます(笑)
早速、東レの小林コーチのコラム読んできました。
ふ、ふ、深いっ!
自分みたいな素人には、かなりお勉強させられました。
つうことは‥
ゴッツは安定していたし、、、成長したってことじゃないですか〜〜〜!
うん。うん。
も一度読んできま〜す
ありがとうございます。
posted by すばらしい日々 | 2008-06-09 22:56
OQT男子総括 戦術編
「Y.G.net」(http://y-gotou.blog.so-net.ne.jp/)管理人のuです。
僕のブログにコメント頂き、ありがとうございます。
植田政権になってから本当に全日本男子は変わりました。女子の数倍魅力的で、タフなチームになったと思います。
僕にとって、あの歴史的瞬間に立ち会えた事は一生の思い出です。
posted by u | 2008-06-10 00:43
OQT男子総括 戦術編
>すばらしい日々さん
小林コーチのコラムは今までになく戦術的に解説されていて本当に勉強になります。こういうコラムが増えてくるとバレーボールの面白さがもっと広まると思います。小林コーチは是非全日本にも関わってほしい人材です。
>uさん
こちらこそありがとうございました。
植田JAPANになってから本当に男子は魅力的になりましたね。テレビを通してでも感動は十分に伝わってきました。北京には期待せずに期待したいと思っています。
posted by 近江牛 | 2008-06-10 20:57
OQT男子総括 戦術編
日本男子の16年ぶりのオリンピック出場おめでとうございます。
正直、大会直前の合宿でケガ人・故障者が多くまたオリンピック出場ができないかと思いましたが、中継を見て植田監督がやろうとしたことが90%は出たと思います。
1.戦術:攻撃面
4年前はよくも悪くも山本1人でライトに開く早目のスパイクも、バックアタックも、二段トスも打たなければならない状況。
それが、2~3年かけて越川、ゴッツ、ゴリといったアタッカーが頭角を現した。
彼らは2段トスを打ち切る技術もあるし、パイプ攻撃に対応できるスピードもある。
ゴリが出たことで、山本が動きが悪いときは休ませることも出来るようになって余力ももてるようになったと思う。
2.セッター
宇佐美が昨年から正セッターだが、その前の年までは朝長が正セッターだった。
世界選手権までは朝長がセッターを張って順位も少しずつ上がった。
ところが、宇佐美がセッターを張った昨年のワールドカップでは順位を下げた。
宇佐美のライナー性の平行トスは彼しか出来ないトスだが、センターを使うことにかけては疑問に思っていた。
最終予選で宇佐美が出続けるうちは段々ジリ貧になると思っていた。(申し訳ないんですが・・・)
最終予選の途中から朝長に替わりいい攻撃(=センターをうまく絡ませる攻撃)になり、息を吹き返した気がする。
センターの使い方はもちろんのこと、バックトスのセンスが素晴らしいから、Cクイックが上げられる。
宇佐美ではCクイックがない。
そこが植田監督得意の選手を入れ替えながらリズムを作って試合運びをしようというよさが見えた気がする。
3.戦術:サーブとブロック
サーブは4年前の最終予選では、「あんなにサーブミスしたら勝てないよ」という状況だったが、ジャンプサーブも強く打つだけでなく緩めのサーブを打ったり、狙うサーブを打ったり意図が見えた。
また、ジャンピングフローターでも、ただ入れるだけだったのが、前後に揺さぶりかく乱させるシーンも目に付いた。
ブロックは、束になってブロックするバンチシステムと決めうちで行なうコミットブロックの使い分けが出来るようになって、サーブがいいからブロックも決まり相乗効果が見られたと思う。
4.ファインレシーブ
津曲を軸にこれはだめかなと思ったら何とかつなぐシーンも見られた。
5.課題について
つなぎについてはまだまだだと思う。
チャンスボールがBキャッチになるシーンが多かったこと。
お見合いするシーンもあった。
これは中学生や高校生も教わることだが、カットはゆっくり、トス以降はスピードを上げてみんなで動く。
基本とは解っていてもやはりウズウズしてしまうのでしょう。
そこをゆっくり構えることができるかどうかが修正点だと思う。
とにもかくにも、最終予選に出たメンバーは少し休んで、疲労を回復させて、ケガや故障を直して本番に挑んでもらいたいです。
ガンバレ日本!!
posted by ぽわん | 2008-06-10 23:18
Re:OQT男子総括 戦術編
近江牛さん
小林コーチは現役時代に頭のキレるセンタープレイヤーでしたもんね。今思うと代表で小林サンがキャプテンをするようになってから変わり始めていたのかもしれません。
植田監督と戦術に関しては似た部分をお持ちなのかなと思います。
センター線が充実して初めてデータバレーが生きるはずですし‥
この大会で自分が一つだけ気になるのが、山本選手のアタック時のブロックフォローが少し甘いのでは?と思いました。レフト側はアタックした本人もだし、フォローもしっかりしていたと思うのですが、ライト側は真下のシャットはしかたないとしても、1試合に1つ2つは何とかフォローできたのでは?と思う場面がありました。
ポジショニングなどで修正できる範囲ではないかと‥
posted by すばらしい日々 | 2008-06-11 20:07
OQT男子総括 戦術編
>ぽわんさん
誰かがダメだったら他の人で助けたり、ベンチから適切な指示がでたりなど、チーム全体で戦ってることが強く感じられましたよね。
つなぎに関してはおっしゃるとおりだと思います。これは意識の問題でかなり解決できることだと思うので早く改善してほしいです。五輪本番では普通の状態ではいられないと思うので、なおさら普段はしっかり丁寧にしておくべきです。
>すばらしい日々さん
元センタープレイヤーには監督、コーチ、解説向きの選手が多い気がしますね。やはりブロックの中心なので、セッターの次に頭を使うポジションだからですからね。
ブロックフォローに関しては比較的頑張っていた印象ですがそこまで意識してなかったです(汗)おそらくそうなのでしょう。それなら確かにポジショニングの問題が大きいですね。すぐに詰めれる点なのでここも早めの改善がほしいですね。
posted by 近江牛 | 2008-06-11 22:00


