2007年03月30日
遠藤保仁と中村と中村 3つの捨てがたいリズム
「僕自身ボールに触ってリズムを作っていくのが仕事だと思うので」 遠藤保仁 ナンバー675 2007年4月15日号
日産スタジアムに座って、本当に久々の日本代表戦を見た。3月24日、キリンカップ 日本代表対ペルー代表。 「久々の日本代表?」 いや本当はそうではない。関東で行われる日本代表戦には欠かさず行っている。 「久々」と感じたのは、日本代表を待つ胸の高鳴りの方だった。
10番をつけた俊輔がもうすぐピッチに立つ、それも青いユニフォームを着て。 試合前のスタジアムには、「待ち焦がれていたものが帰ってくる」という抑えきれない興奮が充満していた。 厳密に言えば、僕らは「俊輔」を待っていたわけではなく、ちゃんとした日本代表チームを待っていたのだ。 僕らは長らく日本代表を忘れていた。そう思いながら、懐かしい雰囲気にひたったが、試合がはじまり、俊輔が最初のサイドチェンジのパスを出したときに、急速に冷めていく自分を感じた。 久々の日本代表が帰って来たと思ったが、実はそうではないんだ、とそのことに気がついた。もう「日本代表」は帰ってこない。あくまで「かつての」、そして「僕個人にとっての」という意味だが、、、、 昔々、最初にこのスタジアムに座ったときは、確か大雪の日だった。横浜国際スタジアムのこけら落としは、1998年3月1日、ダイナスティカップの日本対韓国戦だった。 大雪の中で日本代表を待つ列に並んだ。 とてつもなくサッカー観戦には向かなかった天気だったが、それでも僕は中山と城のゴールに興奮した思い出しか残っていない。雪が降ろうが構わなかった。日本代表を見る喜びがあれば、それでよかった。 ずっと日本代表に注目してきたが、今、目の前で動く日本代表のユニフォームは、昔のそれとはすっかり違っていた。多分そうなんだろう、と薄々は感じていたのだが、俊輔が帰ってきて、どうしようもなくそのことに気がついた。 遠藤保仁がよくなかった。見ていて、とてももどかしく思えた。でも、きっとそれほど悪かったわけではないのだろう。いつもどおり、ボールをもらう前の動きがほれぼれする。「ススス」と動いて「トントン」と刻む、控えめにたたくリズムが、遠藤保仁の魅力だ。最近は、ファールをもらう動きも職人のようだ。 物足りなく思えたのは、多分、ガンバ大阪で見る遠藤保仁の方が、何倍もすばらしいリズムを刻んでいるからだろう。 憲剛は確かによかった。縦にリズムをつくり、遠藤保仁とも俊輔とも違う、風を切るような動きをチームにもたらしていた。それでも、川崎フロンターレで見ている憲剛に比べれば、どこかおとなしく思えた。足元で止めて、すばやく小さな足の動きで、速い縦パスを前線に送る。「タタ、タタン」というリズムが聞こえるようなパス出しが、その日、代表の中では少し遠慮がちに見えた。 俊輔はよかった。チームにタメをつくり、そのタメがサイドの翼を大きく広げるようなリズムを与えていた。「ズン(ウンウンウン)パーン」というリズムだ。それでも、俊輔がボールを持つたびに興奮する観客の声には、正直そんなにすごいかな、と首をかしげた。Jリーグを見ていれば、もっとすごい場面には、たくさん出会える。 それにしても、と僕は腕を組みながら、スタジアムを後にする。 遠藤保仁と中村と中村。海外組、国内組などという偏見を取り去れば、遠藤保仁も中村も中村もどれも甲乙がつけがたい。 この3人の刻むリズムを聞けただけでも、その日の日本代表戦は元を取った気がしてきた。 3人がそれぞれに違う呼吸感覚で、チームのリズムを刻む役割をする。 「ススス、トントン」と「ズン(ウンウンウン)パーン」と「タタ、タタン」 ひょっとすると、オシムのサッカーにとって、3人の中では憲剛の刻む「タタ、タタン」のリズムが、一番フィットしているのかもしれない。 そう、最近僕は、サッカーの試合のリズムについて、それを少しだけ肌で感じられるようになってきた。 横浜FCの試合を見ながら、「ああ、山口はずっとこれまでチームのリズムを刻んできたんだ」とやっと今年になって気がついた。後ろから前へ、山口がパスを出すタイミングが、チームのリズムになっている。 オフサイドもろくに見分けられないまま、サッカーを追いかけ続けてきた僕は、そのことにずっと気がつかずに見てきた。すごくもったいない気分だ。 今、日本にこんなに素敵なリズムを刻む3人の男たちがいる。 僕がバンドマスターだったら、次のアジアカップでは、どのリズムで試合を刻んでみようか。長丁場になれば、そのリズムは、日本代表と言えども、チームとして溶け込み、もっとリズミカルになるはずだ。 遠藤保仁か、中村か、それとも中村か? 「ススス、トントン」か、「ズン(ウンウンウン)パーン」か、それとも「タタ、タタン」だろうか?
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posted by オオウチコム |12:04 |
日本のサッカー選手 |
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Re:遠藤保仁と中村と中村 3つの捨てがたいリズム
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はじめまして。
選手それぞれのリズムを言葉で表現するのが面白いですね!
どの選手も、それぞれクラブにとって欠かせない存在になっていて、その選手のもつリズムはそのクラブを象徴するものになっているような気がします。
だから、代表のリズムの象徴はこの人!と、決めるのは難しいですね。
posted by 勇 | 2007-03-30 12:28
Re:遠藤保仁と中村と中村 3つの捨てがたいリズム
コメント投稿者ID :
確かに遠藤選手はチームとしてリズムを刻むリズムメーカーですね。バンドで言い換えれば、ベーシストかドラマーかな?で、中村俊輔選手はリードギターにあたりますでしょうか?リズムにアクセントをつける中村憲剛選手はパーカッショニストかサイドギター?
確かにガンバでの遠藤選手はリズム楽器にも関わらず、ソロでアドリブもこなすジャズのベーシストみたいで見ていて飽きません。
このままオシム・ジャパンで煮詰めていけば、両中村選手、遠藤選手らはサッカーを良く知っている選手なので、内容も結果も伴なう試合を続けることができるかも知れませんね。
posted by ジジイ | 2007-03-30 17:35
コメントありがとうございます
コメント投稿者ID :
勇さん>
そうなんですよ。3人とも捨てがたい存在です。
オシムが最後にどんなフォーメーションにするのか、まったくもって想像がつかないです。
ジジイさん>
遠藤あたりを見ていると、本当に流れというか、全体をわかっているように見えますよね。ガンバの試合を見てると「うまっ!」と思うことが多いです。
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