2007年03月18日
女子サッカー 負けず嫌いの彼女たちへ
子供の頃、私は負けるのがすごく嫌で、何度もゲームの途中で辞めようと思ったことがある。きっとゲームが終わる前に、辞めちゃえば負けにならなくて済むと思ったのでしょう ミアハム EUROSPORT Interview 1996より
3月7日、春の暖かい国立競技場で、女子代表のサッカーを見ていた。ワールドカップの出場権を争う大事なプレーオフだ。 見た目には、もう少し入っているように見えたが観客は1万人。
いろいろなタイプの観客が僕の周りに座っていた。男性数人のサッカー好きのグループ、男女のカップル、お母さんやコーチがサッカー少女を連れてきていたし、学校の制服で訪れた少女たちもいた。 僕のように一人で観戦する男も何人かいて、スタジアムに仕事カバンを持って座る僕が、周りのお母さんたちから、どんなふうに見えたのか少し心配だ。 女子サッカーを見るのは純粋に楽しい。サッカーの楽しさの純度が高い、といえばいいのか、ゴールが近づいたときのワクワク感は、しばらく忘れていた遠い昔の記憶のような感じがする。うまくいえないが、少し違う国に降りてサッカーを見ているような気分だ。 それは、テレビでクラシコを見るのとも違うし(メッシにはしびれました)、三ツ沢で横浜ダービーを見るのとも違う(震える戦いだった)、少年のサッカーの試合を見るのとも確実に違う(子供以上に興奮します)。 一つだけ言えるのは、結局サッカーの楽しみは、地域や年代、選手のレベルや、イベントの大きさに関係なくあるのだと実感する。 アメリカに出張に行くと驚くのだが、女の人、特に母親と話すと、数名は自分自身がサッカーをやっているのだ、という話になる。 シアトルに3週間ぐらいの出張で、3人ぐらいの女性から、サッカーをやっているのよ、と言われた思い出がある。 アメリカの女子サッカープレイヤーの登録人数は800万人を超えているというし、あるスポーツ店のサッカーグッズの売上は、その4割が実に女性向けの商品だ、という話も聞いた。 身体のしっかりした小母さんが「私はゴリよ(ゴールキーパーのこと)」と言ったり、俊輔と同じ手に包帯を巻いて「週末サッカーで手をついてしまって」というお姉さまもいる。その怪我をしたお姉さまのお母様さえサッカーをやっている、と言われて驚く次第だ。 仕事場でも力強い彼女たちだから、きっとフィールドでも激しい言葉を叫んでいるに違いない。 日本でも女子サッカーの人口は増えているのだろうか。 僕の街の子供たちのクラブチームでも、今は数人の女の子が混じってサッカーをやっている。トラップをミスしてがっかりしていたり、ボールを男の子に奪われて、悔しがっていたりする。 「うざいよあいつ。それは私のボールだよ」と言っていたりする。 いつのころからか、電車の中の女の子たちの言葉使いが、男の子の乱暴な口調に似てきた。大人たちは、そんな姿に目くじらを立てているが、僕は実はそういう女の子の口調が嫌いではない(フェチではありません、念のため)。 アメリカでも日本でも、僕の勝手な印象だが、男性がちょっと前の女性に近くなっていて、女性の方がきっぱりさっぱり、男らしい感じがする。少なくとも僕の周辺のIT業界はそんな感じの女性が多い。 仕事場でお客に怒られて悔し泣きをしている女性の営業がいて、プレゼンに失敗して唇を噛んでいるエンジニアがいて、だらしない上の連中をダーツの的にしたいと言っている管理職の女の子がいる。 そして、彼女たちが悔しそうな顔をしたり、強気のセリフを吐く姿を見るのが、僕は嫌いではない(やっぱり少しフェチかも)。 いや、そうではなくサッカーの話だ。 今回、プレーオフの女子日本代表を見て、改めて澤穂希の存在感に驚いた。普段のボール回しの中では、むしろ他の選手が目立つのだが、いざチームがゴールに向かってスピードアップしたとき、澤穂希の存在感が際立って大きくなる。 澤穂希もミアハムも、5歳の頃から兄たちにまじってサッカーをはじめた。ボールを奪う喜び、奪われる悔しさ、ゴールの喜びと、負けたときの憤りを、その頃から肌で感じて育った。 年上の男の子たちに負けまいとすることが、自然なことだったのだろう。 (余計なことだが、澤穂希を輝きの少ない北京世代に加えたくなる) 3月7日のホームを2-0で制したとはいえ、肝を冷やす場面は2回以上あった。ボールポゼッションや戦術では、日本が上回ったとはいえ、一瞬のゴールへの執念は、相手の方が上に見えた。 高地メキシコで、ホームで元気になった相手と戦うのは楽ではないと思っていたが、案の定、敵地での戦いは簡単ではなかったようだ。 試合自体は落としたものの、2試合の合計で1点上回ったようだ。 それでも、女子サッカー日本代表は、メキシコでのアウェイの戦いを終えて、5大会連続でワールドカップ出場権を勝ち取った。 僕はサッカーをする彼女たちがとても好きだ。負けず嫌いな彼女たちの表情を、ずっと応援していたい。 まして、それが世界を相手にしての戦いならなおさらだ。
■関連記事 高校サッカー盛岡商の優勝 勝利の笛を静かに吹こう チームの思いが歴史を作る日まで 僕らはダイアモンドが見たい 10年先の日本のサッカー ジョン・カビラ 充電と言うポジティブな選択 ■サッカーの言葉本家 アーカイブが読めます オオウチコム
- 共通ジャンル:
posted by オオウチコム |12:11 |
日本のサッカー |
コメント(1) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ouchicom/tb_ping/8
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:女子サッカー 負けず嫌いの彼女たちへ
コメント投稿者ID :
ハーフタイムに磯崎が「苦しいが1人じゃない」って声をかけて、ホマレは「グッときた」とコメントしてたそうですww
なでしこのけなげな頑張りにはいつも感動させられます!
ほんとーにおめでとう!!!
アラカワヨクヤッタ!!
posted by 上段青天 | 2007-03-19 17:38
コメントする
「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。
- Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
- mixiアカウントでコメント投稿
- Googleアカウントでコメント投稿
- Hatena IDでコメント投稿
- Biglobeアカウントでコメント投稿
- ログインしてコメント投稿
- メールアドレスでコメント投稿
※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」
※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」


