2008年03月04日
このまま4位でいようぜ! エバートンとリバプールの「4位ダービー」
LET’S STAY FOURTH! 「このまま4位でいようぜ!」 2月25日 エバートンのホームページの見出し
イングランドのプレミアリーグを見始めた最初のころ、不思議に感じたのは、監督たちのコメントだった。特に中堅や下位の順位にいるクラブは、正直で身も蓋もない発言が多い。 シーズン前のインタビューとかでも、「優勝を目指す」ってな元気のよいコメントは、まず出てこない。
僕のように、野球とオリンピックと運動会で育っていると、スポーツするなら優勝を目指すのは当たり前で、ダメでもせめて銅メダル、という感覚が強い。 「今の順位はうちにしては上出来ですよ」なんてコメントを聞くと、びっくりしたものだ。 英国人気質なのかもしれないが、チームを鼓舞する指揮官のコメントとしては、いまいちなんじゃないか、と首をかしげつつも、根性の入っていない感じのコメントがおかしくて、密かな楽しみになっていた。 プレミアも終盤になってきた。2月にエバートンがマンチェスターシティを破った日に、「4位でいようぜ!」と威勢のよい見出しを見て、久しぶりに、プレミアリーグを最初に見たときの不思議な感じが戻ってきた。 もし、あなたがプレミアをよく知らずにこの見出しを見たら、きっと首をかしげてしまったことだろう。「だって4位でしょ?」 このところ次々に大事なゲームに勝利し、チームもいい調子なんだから、「優勝も奇跡じゃない」ぐらいのコメントがあってもよさそうだが、大真面目に「4位最高!ずっと4位がいい!」と叫んでいる。 その記事に書き込まれたファンのコメントは、ほとんど泣きそうなぐらい喜んでいた。 もちろん、プレミアリーグを好きになった今は、4位や5位の重要性をわかっている。ヨーロッパの戦いへの出場枠も少なくなった今年は、エバートンの尋常でない喜びもうなづける。 今シーズンはもしかすると4強の一角が崩れそうだし、しかも、その4位を争うのは、リバプールとエバートン、そう「マージーサイドダービー」と呼ばれる、ビートルズの故郷の因縁の戦いだ。 そこでイングランドのプレミアリーグが残り10試合になったところで、今回は柄にもなく順位予想というのをやってみた。といっても、予想するのは、1位ではない。4位だけだ。 予想をはずすことにかけては自信があるが、今回は少し精緻にエクセルなんかで表を作ってやってみた。 すごく簡単な計算だ。 まずプレミア全体を、3つのグループに分ける。 1位を争っている3つのチームは「Aクラス」で、ここにはエバートンもリバプールも負ける想定。 次にエバートンと同じく4位を争っているチーム、リバプール、ブラックバーン、ポーツマス、アストンビラ、マンチェスターシティの6つのチームは「Bクラス」。ここは実力も拮抗しているので、全部引き分けで勝ち点1を足していく。 残りのチームはCグループで、全部勝つことにする。とにかく勝ち点3を足す。 これで、単純に勝ち点を計算してみる。 結果、4位はエバートンで勝ち点73、5位にアストンビラとリバプールが並んで勝ち点71となった(本当の勝ち点はこんなにいかない。例年通りだと70以下)。 なんと4位はエバートンになっている。 もちろん、リバプールファンは激怒するだろう。 もともと4強の実力があり、チェルシーやマンUにだって勝てる底力がある。ましてやアンフィールド・ロードのサポーターの力をお前は知らないのかと。ホームの試合が全勝だっていけそうだ。そして(僕の大好きな)トーレスだって絶好調だ。リバプールが、4位を逃すなんてありえない。 しかし、エクセル表に書き出して日程を見ると、ちょっとリバプールが心配になってくる。特に3月の終わりから4月にかけて、マンU(3月23日)、エバートン(3月30日)、アーセナル(4月5日)、ブラックバーン(4月13日)という順番で来る。Aクラスの戦いと、4位争いが変わりばんこでやってくるのだ。 しかも、マンUとアーセナルの強豪対決は、二つともアウェイでの戦いになる。追い討ちをかけるように、チャンピオンズリーグの準々決勝(4月1日、9日)が絡んでくる。 一方のエバートンはこのあたりの日程が有利だ。リバプールとガチンコになる前後の相手には、Aクラスも、4位争いのチームもいない。 残り試合全体を見ても、若干エバートンに有利に見える。4月中旬以降の終盤には強豪との試合があるが、チェルシーとはホームで戦える。今の監督のまま、終盤チェルシーのモーチベーションは微妙そうだ。ホームならエバートンが勝てるかもしれない。 アストンビラとの4位争いも、ホームで迎え撃つことができる。 もし、3月末に組まれたマージーサイドダービーに、リバプールがホームで負けると、サポーターは一気にベニテス監督の解任に傾くかもしれない。 リバプールは、このゲームだけは絶対に落としたくないが、かといってマンU、アーセナル、チャンピオンズリーグと、どれも手を抜くわけにはいかない。さすがのベニテスも、体重を減らすことは確実な感じだ。 そして、プレミアには、熾烈な降格争いがある。降格を逃れたいチームは、ここからなりふり構わず本気で戦ってくる。この降格チームとの対戦は、リバプール、エバートンとも同じ数だけある。しかし、エバートンの相手には、すでに降格が決定的なダービーが入っている。リバプールの残り試合に、ダービーはいない。 こうやって見ていくと、つくづくサッカーの神様の腕前はすごい。 リバプールの方が戦力的には上だが、それを帳消しにするぐらいのストレスをリバプール側にかけている。これもひとえに、サッカーを予測不可能にして、神様自身さえ結果をよめなくして、たっぷりと楽しむ魂胆だろう。 ここまで書いて、じゃあ、4位はエバートンで決まり、とそう書こうとしたが、作ったエクセルシートの勝ち点差の結果はたったの「2」だ。 誰も結果は予想できない。 4位争いが今シーズンもっとも見ごたえのある争いだ、と月並みなコメント以外とてもいえそうにない。 いよいよたまらない感じで、プレミアリーグの終盤がやってくる。
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posted by オオウチコム |09:05 |
海外のサッカー |
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このまま4位でいようぜ! エバートンとリバプールの「4位ダービー」
本当に日本人には不思議な表現ですよね。個人的にはとても好きです。それぞれの目標に達した勝者がたくさん生まれて、みんな美味しいお酒が飲めそうで。
これに慣れてくると、日本のチームの「優勝を目指します!」という言葉が時にむなしく聞こえてしまいます。
少なくとも昇格したてのチームは残留が目標と言ったほうが、サポーターも応援しやすいような気がします。
岡ちゃんが前回の代表監督のとき、ワールドカップの目標をたしか「1勝1敗1分」と公言して、その表現に慣れないメディアの方が困っている印象を受けました。今回はかなり大きな目標に変わっているようですが、そのほうが日本人にはいいと考えたのでしょうか。
posted by ロケットロニー | 2008-03-04 09:43
このまま4位でいようぜ! エバートンとリバプールの「4位ダービー」
イギリスに留学した経験がありますが授業の教え方にしてもイギリス式は現実的だと凄く感じました、僕は凄く好きです w ですから岡田監督が言った「W杯三位を目指す」は相当むなしく聞こえました。
僕はエバートンに4位になってほしいです、シティ、ポンペイと4位争いのライバルに力の差を見せて勝利したのが大きいように思います。
posted by Airegin | 2008-03-04 11:50
このまま4位でいようぜ! エバートンとリバプールの「4位ダービー」
いいですよねその考え方。
僕は地方に住んでいます、今地元のクラブがJFLに所属していますが、クラブとサポーターの方々は「J1を目指していますっ!」なんて言っていますが、なんか現実味にかけていて盛り上がってるのも一部のような気が。。。
J2目指しますのほうが僕は応援したくなるな~
posted by そう | 2008-03-04 12:42
このまま4位でいようぜ! エバートンとリバプールの「4位ダービー」
おもしろい分析(?)ですね。
小難しくなシンプルなので楽しんで読めました。
これからも頑張って下さい。
posted by TT | 2008-03-04 13:29
このまま4位でいようぜ! エバートンとリバプールの「4位ダービー」
予想範囲内での最良の結果に対してははるかに貪欲なのかもしれませんね。
最大限で予想以上に良いことが起きて目標3位でないと納得できない日本人と違って、妥当なあたりで目標を設定してるふりしていつの間にやらそこを最低線にして叶えてやろうとする国民性とか?
監督のモチベーションのアプローチも全然違ってくるんでしょうね。
そう思うと昔名古屋で今多国籍軍のベンゲルさんって凄いなー。
posted by haji | 2008-03-04 23:44


