2007年12月27日

ハリー・レドナップの部下になら、なってもいいかな?

これは信頼のゲームだ。選手を汚い言葉でののしるより、君はこれができるんだ、と言う方が、人から沢山のものが引き出せる
ハリー・レドナップ Sports Magazineのインタビュー 2007年11月29日


今シーズンはハリーレドナップに注目している。ハリー・レドナップは、プレミアリーグのポーツマスの監督で、今のところ比較的上位の順位を保っている。
過去の実績を見ても、降格しそうなチームを立て直したり、プレミアに昇格させたりと、監督をしたチームでは、確かな実績を残し、そしてサポーターに愛されてきた。
とはいっても、今回の話は、ハリーレドナップがサッカー監督としてすごいとか、戦術が先進的だとかそういうことを語ろうとは思っていない。

僕の場合、サッカーを実際にプレイした経験がないので、監督に興味を持つ一歩目は、サッカーから離れた外側から入っていく。
ニュースで関心を持つと、最初に見るのはまずその監督の「顔」だったりする。「顔」を見て、気になったり、好きな顔だったりすると、その監督にひかれていく。

ハリーレドナップの場合、その風貌が「監督らしからぬ」のがきっかけだった。
一言でいえば、「毎朝、出かけるときに家のゴミを出していそうな感じ」なのだ。
監督としてゲーム中のふるまいも、ひょうひょうとしている。
選手に怒る素振りは見たことがないし、自分のチームがゴールを決めたときも、あまり表情が変わらない。(表情が変わらないのは、過去の交通事故の手術が原因、という話を東本さんが書いていた)
また、ベタな比喩だが、自分のヒイキチームに点が入ると喜ぶお父さんに見える。
「おーい母さん点が入ったぞ!ビールもう一本」
そんな感じだ。

普通の監督は、刑事っぽいとか、教授っぽいとか、やけにスマートだとか、恐いぞこいつとか、そういう感じで見ることが多いのだが、ハリー・レドナップの場合は、極めて普通な感じが逆に気になって仕方がなかった。
それから経歴を調べて、最後にサッカーに入っていく。サッカーが最後になるところが、我ながら情けない話なのだが、、、

僕のつたない見方だが、ポーツマスで見せるレドナップのサッカーは、中盤をきっちりつないでくる。
ただ「人もボールもよく動くサッカー」か、というとそんなこともない。
足もとのパスも多く、どちらかというと、しっかりと一人一人がキープしながら前に運んでいく感じだ。

ポーツマスの前線は、アフリカの選手が目立つ。得点源のベンジャミンはジンバブエだ。1.5列目あたりで切れのよいプレイを見せるウタカ(この選手が好きだ)はナイジェリアの選手。ナイジェリアのカヌーが、スーパーサブで出てくる。

前線に身体能力が高い選手が多ければ、ロングボールで得点を取りに行きそうだが、そういうプレイは少ない。
個の責任を重視したサッカーで、選手が自分のエリアとボールをしっかりキープして、次につなげている。泥臭さも少ないが、同時にスペクタクルも足りない感じではある。

だからなのか、このチームは、本当に強いチーム、つまり4強のチームには、勝ち切れない印象がある。上位の4強を破れば、チャンピオンズリーグも狙えそうだが、ジャイアントキリングの匂いはしない。

ここまで書いて、なんだかちっともほめていない自分に気がつくわけだが、ハリー・レドナップが指揮するポーツマスを見ているのは、居心地がよい。
変なたとえだが、この人の下でだったら働いてもいいかな、とそんな感じでみている。

ハリーレドナップの過去のインタビューをいくつか読んだが、戦術やチームコンセプトについてはまったく語らない人だ。語っているのは、もっぱら選手にどう接するか。


私はものを投げつけて怒るタイプの監督ではない。選手に不満があるときに、怒鳴りつけて、君はこれが出来ないと言う事が正解だと思わない。これは信頼のゲームだ。選手を汚い言葉でののしるより、君はこれができるんだ、と言う方が、人から沢山のものが引き出せる
ハリー・レドナップ Sports Magazineのインタビュー 2007年11月29日

私は軍曹タイプではない。選手たちは毎日怒鳴られるために来るわけじゃない。私は彼らと笑いあい冗談を言っている。選手たちが、自分は重要なんだと思えるようにしている。彼らを力づけ、信頼する事が大切だ。私は、誰かにどんな悪いかをいうより、どんなによいかを教える方がよいと信じている。
イングランド監督協会 インタビュー 2006年9月24日


たとえば、カペロ監督なら、確かに結果を残すかもしれない。しかし、どうもカペロ社長の会社には勤めたくない。売上が上がりそうだが、功績は社長が全部持っていきそうだ。社員はちっとも幸せにならない感じがする。

ファーガソンの下はさすがに厳しそうだ。ベニテスの下だと、なんだか理屈っぽそうだし、アラダイスの下になると、いつ怒鳴られるかびくびくものだ。
モウリーニョの下というのは、上昇志向があればよいが、見放されると地に落とされそうだ。落とされたあとで、いつの間にか社長がいなくなっていそうで、それも困る。

ハリー・レドナップはイングランド代表監督の有力候補だったようだが、残念ながら今回レドナップ社長の体制はできなかった。
まだ確定事項でないので、軽く触れるが、選手の移籍に絡むお金の問題で、警察から事情聴取を受けたようだ。そんな点も障害になったのかもしれない。

あまりほめてはいないが、サッカーも決して悪くはない、と僕は思う。
相手の長所を消すサッカーが多い中、しっかりと自分たちのサッカーを追及している。高いレベルの個がリズムを持つと、目の覚めるような場面が展開され、調子に乗ると、手がつけられない。

今のイングランド代表の面々を思い浮かべたとき、カペロ社長のもとでプレイするより、レドナップ社長のもと、自信を持って伸び伸びとプレイするほうが、結果はともかく、幸せだったような気もしてくる。


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■サッカーの言葉本家 アーカイブが読めます
オオウチコム

posted by オオウチコム |14:50 | サッカー監督 | コメント(3) | トラックバック(1)
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理想の監督像とは? 【レッズ・ジャンキーの甘辛コラム】

ども、reds-junky@浦和レッズ専門店〜レッズ・ジャンキーです。 今日は、監督について、このような記事を見つけました。 ハリー・レドナップの部下になら、なってもいいかな? プレミアリーグ・ポーツマスの監督である、ハリー・レドナップについての記事です。 こちらを読むと、なんか楽しくサッカーできそうな気が・・・ 対照的な記事がこちら・・・ オジェックが浦和レッズをダメにする? 監督って大変な仕事ですね・・・ 皆さんの理想の監督って誰ですか? ところで、ハリー・レドナップってフランク・ランパード(チェルシ

2007-12-27 20:33 | 続きを読む
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ハリー・レドナップの部下になら、なってもいいかな?

カペッロ社長は、そんな功績を独り占めするような人ではないですよ。それなら会長と戦ったりしない。(優勝を確信したかのような発言をした会長をいさめた)
選手と一定の距離を置いてはいましたが、団結を大事にし、規律も大事にした。遊んで練習をしっかりやらない選手はどんなビッグネームでも許さない。しかも自分の間違いを認める潔さもある。

誤解されやすい人ですが、僕はカペッロの元でこそ働きたいです。ちゃんとやってれば、名前に関わらず、ちゃんと見てくれる、そういう人だと思います。

posted by JUN | 2007-12-27 21:29

ハリー・レドナップの部下になら、なってもいいかな?

JUNさん、ありがとうございます。

カペロ 嫌いではないのですが、大好きなラウールが昨シーズンより、今のほうが元気なので、、、若干バイアスがかかっています。すいません。

確かに見かけとは違い、カペロはスターがそろったチームを結束させる力がありますよね。ファンはともかく、選手は意外に彼を尊敬している人が多いとも聞きます。

監督なので当たり前なのですが、それでもカペロは結果がすべて、という点が非常に強く出た監督だと思います。

その分、監督としての価値に比して、選手の創造性などは若干犠牲になっている印象があります。
「食事中にパンを投げないこと」という注意をする人だとも聞きますので、たぶん、そういう噂を聞くと、僕は「もし自分がこれから成長する時期にいたら」ちょっと彼の下ではなぁ、と思ったりします。

posted by オオウチコム | 2007-12-27 22:12

ハリー・レドナップの部下になら、なってもいいかな?

結局、ラウルもカペッロに辞めないでほしいって言ってましたよね。

ちなみにラウルはカペッロの元でやった次のシーズンの成績はいいんです。要するに、ラウルを復活(成長)させてるのは、実はカペッロとも言えるんです。今の方が元気と言いますが、思い出してください。カペッロ就任以前を。
どれだけの監督がラウルを殺してきたか。

ラウルファンはカペッロにこそ感謝すべきなんですよね…。現在だけを見るとそうなんですけど、流れを見るとやっぱり要因はカペッロなんですよ。


彼は、ともすればうぬぼれがちになる選手に基本をきっちりやることの大切さを教えてくれる素晴らしい監督だと僕は思ってるんですよね。

posted by JUN | 2007-12-28 02:23

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