2007年06月27日
宮本恒靖というマネージメント
Referee, this is not fair ! You must change the side. You can ask a commissioner. You should think about it. 2004年のアジア杯 あの場面でレフェリーに宮本が言ったと伝えられている言葉
闘莉王が代表合宿から離脱した。今は怪我を治して一日でも早く戻ってきてほしいと願うだけだが、アジア杯に向けて一抹の不安が出来てしまった。それは、ディフェンスの機能ではない。そうではなく、チーム全体にとってリーダーの不在という問題が出来たことだ。
アジアの戦いはサッカーのスキルやレベルでは語れない魔物がいる。苦しい状況、理不尽な場面で、局面を打開し、流れを変える役割が絶対的に必要だ。闘莉王がいなくなることで、局面打開の要が一人いなくなる。残ったメンバーの中に、その役割がいるのか、正直僕は心配だ。 過去のアジア杯の数々の名場面の中で、僕がいつも繰り返し驚くのは、宮本恒靖だ。 彼はいったいあの場面(準々決勝のヨルダン戦のPKの途中)で何をしたのか? 選手の抗議によって、PKのサイドが変わるなんて奇妙な場面を、今後見ることはないだろう。 本当に宮本とそれに促されたレフェリーの判断が正しかったのか、理屈で考えても仕方が無い。ただ、明らかにその後、サッカーの神様はGKの川口に乗り移った。そのきっかけを作ったのは、間違いなく宮本の判断と行動だ。 「何かおかしい」「ほら、だから言わないこっちゃない」 状況の中にいても、ほとんどの人間は動けないまま、批評家になる。「おれは最初からおかしいと思っていた」というセリフを、状況が悪くなって口にしても、それは無力だ。 ビジネスの場面でもよく起こる。日常の中で、悪い状況を打破することはとても難しい。苦しい局面にいるはずのチームが、涼しい顔で日常を流している風景は珍しくない。 関わっているチームから、状況を変えようという発言や行動が起こることは、この国ではめったにない。 皆どこかおかしいと思っていても、一人では歩き出さないし、声を出さない。 だが、宮本はあの場面で、歩き出して、そして声に出した。
Referee, this is not fair ! You must change the side. You can ask a commissioner. You should think about it. (レフェリー、これではフェアじゃない、サイドを変えないと。コミッショナーに言ってみてはどうだ)
もちろん結果論だが、なんでもない言葉の中で、フェアとコミッショナーは二つ重要なキーワードに見える。 フェアと言う言葉は、この場面をみんなが見ているぞ、というプレッシャーをあらわし、コミッショナーという言葉は、管理者も見ているぞ、というプレッシャーを審判に与えている。 似たような場面で自分にこれほど簡潔な物言いができただろうか? いやそれ以前に、歩き出してレフェリーのところまでいけただろうか? 宮本のサッカー選手としての評価は必ずしも高くない。 フィジカル、技術、とても代表のセンターバックがつとまる素材ではない、という意見はずっとあった。僕自身、彼の不用意なバックパスに舌打ちをしてきた人間だ。 しかし、そんなことは当の宮本自身がよく知っていたことだ。それでも日本は宮本を必要とした。 ふと思うのは、前回のアジア杯には中田英寿がいなかったことだ。これは中田への批判ということではけっしてない。だが、中田という突出したカリスマがいて、果たして2004年アジア杯の、あれほどバランスと結束と情熱を持ったチームが作れたか、それはいささか疑問だ。 それだけ中田英寿は突出した個性なのだ。突出した個性を抱えて、チームのバランスを取るのはとても難しい。 ある意味で、宮本が代表にいた理由の一つは、中田がいたからだ、という逆説も成り立つ。中田というカリスマと、宮本というマネージメントは、その両方がチームにとって不可欠だったのだ。 ドイツW杯は、その中田が極限まで自分を高めたことで、宮本の「マネージメント」も手の打ちようがなかった。そう見ることもできる。 逆に2004年のアジア杯は、中田がいなかったために、日本の歴史の中で、もっともしっかりとした代表チームになったといえる。そして、そこに宮本という細部に気を配るマネージメントが大きく貢献したのは間違いないだろう。 アジア杯は、代表チームがどう成長できるか、という点に注目したい。最低でもリーダーかマネージメントのどちらかが出てくる必要があると思っている。(オシムは違う意見かもしれない) もしオシムの代表が大会の期間中に、チームの幹を作ることに失敗すれば、結果はベスト4止まりになるだろう。 それにしても、中田と宮本という、カリスマとマネージメントの組み合わせがもう日本代表で見れないのは(可能性がゼロではないが)なんともさびしい。 僕ら家族は、半分冗談、半分本気で、いつも言っている。そんな日がいつか来ればいいのにね、と。 中田英寿 日本代表監督 宮本恒靖 日本サッカー協会会長
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日本のサッカー選手 |
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Re:宮本恒靖というマネージメント
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ええ。たとえリベロで考えても代表レベルではないと思います。ただ、マネージメントとしては評価してますし、04年アジア杯のあの瞬間は代表選手としてというより日本人として誇らしく思ってます。闘莉王の合宿離脱は痛いですね。
posted by k | 2007-06-27 10:55
Re:宮本恒靖というマネージメント
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たいした選手じゃないと思うんだけどな~。ラインコントロールだけじゃないの?ものすごいストッパー2人と3バック組めば使えるかもしれないけど。2002年も森岡使って欲しかったな~(怪我のせいだったけど)
posted by みやもと | 2007-06-27 20:57
Re:宮本恒靖というマネージメント
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もし宮本がそういったなら、思ってたほど英語上手くないな。片言の英語じゃん!
posted by じっぽ | 2007-06-28 09:29
Re:宮本恒靖というマネージメント
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この場面で必要なのは流暢な英語ではない。自らの主張を簡潔な言葉で伝えるコミュニケーション能力の方がよほど重要。
そしてこれは何もこの場面に留まらない。言語はツールだ。流暢な英語に拘っていては、いつまで経ってもコミュニケーション能力は上達しないよ。
宮沢喜一の英語は流暢で、中曽根康弘の英語は片言だった。なのに宮沢より、中曽根の英語の方がアメリカでの評価は上だった。それは、中曽根の英語は片言ではあったけれども、きちんと主張があったからだ。
同様に、この場面での宮本の行動は評価されてしかるべき。たとえ日本語であっても、この短いフレーズの中に審判を動かす要素を積め込むことはとても難しい。
posted by R | 2007-06-28 19:32
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