ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

レース回顧

関屋記念 スタートでほぼ勝利を手中にしたマルターズアポジー

サマーマイルシリーズ2戦目、GⅢ第52回関屋記念が新潟競馬場で行われました。 優勝は7番人気マルターズアポジー。 マイル戦で好走した実績はあるものの、やはりこれまで1800~2000mをメインに出走してきたためか今回はこの馬にしては意外なほど人気がありませんでしたが、終わってみれば快勝、納得の結果です。他の馬に競りかけられてしまい本来の力を出せずに大敗した前走の七夕賞はともかく、自分の競馬さえで......続きを読む»

アイビスサマーダッシュ 千直の舞台ならではの明暗が出た一戦

夏の新潟競馬が開幕しました。 メインは芝の直線1000mコースで行われるGⅢレース、第17回アイビスサマーダッシュ。 今年の優勝馬の勝ちタイムは54.2秒でした。 優勝はラインミーティア。 一昨年の夏から新潟開催のたびに参戦し、1000m直線のレースばかり走ってきました。出走回数は2年間でなんと12回。おそらく最も能力が発揮できるコースなのでしょう。 過去にも数回出している上がりタイム31.6秒......続きを読む»

函館記念 向正面の時点でルミナスウォリアーの勝利が確定的に

梅雨が明けた関東、ここ茨城でもずっと30度以上の暑い日が続いています。夏は涼しい北海道に行きたくなりますが、今年は札幌なども暑いと聞きます。 馬はもちろん自分自身の体調にも気を配り、夏を乗り越えたいと思います。 先週は、函館競馬場でGⅢレース第53回函館記念が行われました。 優勝は5番人気ルミナスウォリアー。 馬場発表は重、時計がかかりスタミナ勝負のレースとなりました。 先に行く馬が揃ってい......続きを読む»

七夕賞 思惑あっての騎乗は否定こそできませんが……

七夕の時季にお馴染みのGⅢレース、第53回七夕賞が福島競馬場で行われました。 優勝は1番人気ゼーヴィント。 1年前のラジオNIKKEI賞を勝った福島で2度目の重賞勝利を飾りました。 このレースでは、2番人気マルターズアポジーが逃げることを全てのジョッキーが承知していました。マルターズアポジーは昨秋、七夕賞と同じ福島芝2000mで行われるGⅢ福島記念でゼーヴィントを2着に下し優勝している、今回の......続きを読む»

ラジオNIKKEI賞 若手ジョッキーが初の重賞制覇を飾ることの意味

夏競馬が始まりました。 僕が現役時代に最も得意とし大好きだった福島競馬、先週はG3・第66回ラジオNIKKEI賞が行われ、2戦2勝で2番人気の支持を集めたセダブリランテスが優勝。鞍上のデビュー4年目の若手・石川裕紀人騎手と、人馬ともに重賞初制覇となりました。 レースは3番手を追走。この位置取りが良かったですね。 福島芝1800mコースのスタート地点は1コーナーまで距離がないのですが、あの位置を取......続きを読む»

宝塚記念 キタサンを負かしたデムーロの手綱 横山典の騎乗にも拍手

春のグランプリ、第58回宝塚記念が行われました。 注目はやはりGIレース3連勝がかかるキタサンブラック。単勝1.4倍の圧倒的人気に支持されました。 春の天皇賞で3200mをレコードタイムで勝ってから約1か月半の間に、GI大阪杯からのレース疲れや目に見えない肉体的・精神的な消耗を取り除き、それからまた調教の日々で勝つために鍛える。芯からリフレッシュできている状態であればよいのですが、もしも前走まで......続きを読む»

ユニコーンS JDDは私も現地へ観に行くつもりです

3歳のダートGⅢマイル戦、第22回ユニコーンSが東京競馬場で行われ2番人気サンライズノヴァが優勝。初重賞勝利を飾りました。 当日の馬場は良の発表ながら、雨の影響で脚抜きは良く競走馬には走りやすいコンディションだったようで、こういう状態のときは必然的にレースのペースが上がります。 終わってみるとやはり前半3F34.1秒、いくら走りやすい馬場とはいえ少し速すぎかなと思います。先行馬には苦しい展開になっ......続きを読む»

夏競馬開幕 暑さが苦手な競走馬をケアする関係者に最敬礼

来週の宝塚記念を終えたら上半期のGIシーズンは終了、夏のローカル競馬に入ります。 夏はすぐそこ、とはいえまだ梅雨入りして間もないこの時季は、暑いと思えば肌寒い日があったり、人間にとっても馬にとっても体調を崩しやすくとても神経を遣います。 馬は暑さが苦手なのでトレセンや近隣の牧場でひと夏を過ごすのは大変なことですが、全ての馬が涼しい北海道で滞在するわけにもいきません。ミストシャワーを取りつけ空気を冷......続きを読む»

安田記念 力を出し切れた馬、出し切れなかった馬

5週連続で実施されたGIレースも先週の第67回安田記念でひと休み、あとは宝塚記念を残すところとなりました。 1番人気イスラボニータは、スタート後ハイペースで進んだレースで中団に位置し、鞍上ルメール騎手との折り合いも道中の手応えも良いように見えました。ところが4コーナーを回り、馬群が一気に固まったところで抜けるスペースを見つけられず、追い出すことができないまま。前がずっと壁になっていたのが辛いとこ......続きを読む»

日本ダービー 腹の据わっていた横山典騎手、神業のルメール騎手

今年もこの日がやってきました。第84回日本ダービー。 大混戦と言われた今年は、どの馬の組み合わせでも好配当がつくことからもわかるように、予想する者にとっては本当に頭を悩ませるレースでした。 そして、今年のダービーは超がつくほどのスローペースとなってしまいました。 皐月賞組とは別路線組となるサトノアーサーも注目の一頭でしたが、この馬は末脚を武器とするためスタート後は後方に下げての追走、こういう追い込......続きを読む»

ヴィクトリアM 牝馬のレースの難しさが如実に出た一戦

先週は東京競馬場で牝馬のマイルGⅠレース、第12回ヴィクトリアマイルが行われました。 このレース、過去の結果を見ると上位人気馬同士の決着がほとんどありません。 例えば昨年は7歳牝馬ストレイトガールが1番人気ミッキークイーンに2馬身半の差をつけて優勝、連覇を果たしましたが、前年にこのレースを制し(秋にはスプリンターズSも優勝し)ているにもかかわらず、7番人気に甘んじ配当は高め。 さらに2013~2......続きを読む»

NHKマイルC アエロリットの勝因は鞍上の『覚悟』と手腕

3歳のマイルGⅠレース、第22回NHKマイルカップが東京競馬場で行われました。 優勝は2番人気の牝馬アエロリット、僕も上位を窺う一角の存在と見ていました。 重賞勝ちこそありませんがGⅢで2着2回、前走の桜花賞では掲示板に載る(5着)健闘を見せるなど出走メンバーの中でも力上位。桜花賞では出遅れてしまいスムーズなレース運びができませんでしたが、今回はロケットスタートを決めて好位を楽々と取りに行けました......続きを読む»

天皇賞・春 武豊騎手のタフな作戦に見事応えたキタサンブラック

伝統のGⅠレース、第155回天皇賞・春が京都競馬場で行われました。 中距離がメインになりつつある昨今の競馬界ですが、騎手同士のペースの駆け引きや、騎乗馬をどうやって上手く走らせるかなど、距離が長くなればなるほど鞍上の技術が問われる長距離レースは短距離戦とは違った魅力があります。 熱狂の短距離戦に対し、密やかな興奮とでもいうのか、そんなワクワク感とともに騎手の腕を純粋に楽しむのが長距離の醍醐味かと思......続きを読む»

マイラーズC イスラボニータの勝因はズバリ「ルメール騎手」

先週はGⅠレースがありませんでしたが、東京では3着までに優先出走権が与えられるオークストライアルのフローラS、京都では安田記念・ヴィクトリアマイルの前哨戦であるマイラーズカップが行われ、次の大舞台のことを踏まえても見逃せないレースでした。 京都競馬メインの第48回マイラーズカップは、2番人気の2014年皐月賞馬イスラボニータが優勝。3歳秋にセントライト記念を勝って以降、じつに2年7か月ぶりの勝利......続きを読む»

皐月賞 若武者らしい積極性でアルアインを勝利に導いた松山騎手

牡馬クラシック1冠目のGⅠレース、第77回皐月賞が中山競馬場で行われました。 69年ぶりの牝馬優勝への期待も含まれているのか牝馬のファンディーナが1番人気になりましたが、戦前からいろいろなところで触れていた通り、僕はこの馬に関しては懐疑的でした。理由は、これまで3戦3勝、内容も良く強い勝ち方だったと思いつつも、やはり戦ってきた相手が一線級とは言い難く、多頭数のGⅠレースでレベルが高い拮抗する力を......続きを読む»

桜花賞 馬場に笑った馬、泣いた馬

ちょうど見頃となった阪神競馬場の桜の花に包まれて、第77回桜花賞が行われました。 今年の桜の女王に最も近いと言われた、一時は単勝1.1倍の断トツ人気に推されたソウルスターリングがまさかの敗北を喫し、結果は馬連万馬券となりました。 多くの競馬ファンが支持し、各馬の動向を知り抜いた競馬関係者ですら負ける要素がほぼ無いと判断するほどの力を持つソウルスターリング、僕もこの馬の好走は揺るぎないものと考え......続きを読む»

大阪杯 「3番手」で主導権を握っていた武豊騎手

今年からGⅠに昇格した芝2000mのレース、第61回大阪杯が阪神競馬場で行われました。 記念すべき初代チャンピオンに輝いたのは1番人気馬キタサンブラック。鞍上の武豊騎手は7度目の大阪杯勝利でGⅠ獲得数をまた増やすこととなりました。 キタサンブラックは逃げ・先行を得意とするタイプですが、今回も前走の有馬記念に続きマルターズアポジーが出走、武騎手はこの馬が自分よりも前に出るのがわかっているのでポジショ......続きを読む»

高松宮記念 「少しかかり気味」の騎乗が奏功したセイウンコウセイ

3月もそろそろ終わりです。 進級・進学や就職など4月の年度替わりに慣れた日本人として1月1日、新年を迎えるかのように新たな決意をもって過ごす人も多いのではないでしょうか。 定年を迎えた調教師が2月末で引退し、新人ジョッキー・新規開業の調教師が3月1日(実際のお披露目は以降の直近の競馬開催日)にデビューすることからもわかるとおりJRAの年度替わりは3月1日なので、4月は何が変わるわけではありませんが......続きを読む»

阪神大賞典 サトノダイヤモンドの試運転が無事完了!

伝統のGⅡレース、第65回阪神大賞典が日曜日に阪神競馬場で行われ、単勝1.1倍の断然人気に支持されたサトノダイヤモンドが優勝。 有馬記念制覇から3カ月が経ちプラス4キロで出走した今年の初戦、春の天皇賞に照準をあわせているため当然ながら100パーセントの仕上げではありませんが、昨年の最強世代3強の一角としてクラシックを盛り上げたこの菊花賞馬が、今回のレースで負けるわけにはいきません。 9頭から多......続きを読む»

フィリーズレビュー 騎手の心理が大きく分かれた1・2着

日曜日に阪神競馬場で行われた桜花賞トライアル、GⅡ第51回報知杯フィリーズレビュー。3枚の切符を賭けて18頭の3歳牝馬が集いました。 まずは1番人気レーヌミノルについて。 浜中騎手は好スタートを切り前に出ると、後ろから上がってくる馬を先に行かせるだけ行かせ自らは控えて中団に位置、順調な出だしで馬の手応えも大変に良く、勝ちパターンといえる流れになりました。 しかしその後、4コーナー手前からアクセル......続きを読む»

1 3 4

ブロガープロフィール

profile-icononishi-naohiro

元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:2253889

(08月19日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 日本ダービーを若い川田騎手が勝った意義
  2. 桜花賞で明暗を分けた2人の騎乗
  3. 次週の朝日杯フューチュリティSについて
  4. ジャパンカップ 武豊騎手の騎乗技術の高さが際立っていましたね
  5. セントウルS 逃げ切ったビッグアーサーが抱える不安点
  6. さあ6週連続GI まずはスターホース2頭がぶつかる天皇賞・春!
  7. ヴィクトリアマイル 牝馬は実績よりも調子!
  8. 安田記念 力を出し切れた馬、出し切れなかった馬
  9. ダービー1・2着馬に騎乗した騎手2人の戦い
  10. 皐月賞3強を負かした蛯名騎手の好騎乗

月別アーカイブ

2017
08
07
06
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年08月19日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss