ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

レース回顧

ヴィクトリアM 牝馬のレースの難しさが如実に出た一戦

先週は東京競馬場で牝馬のマイルGⅠレース、第12回ヴィクトリアマイルが行われました。 このレース、過去の結果を見ると上位人気馬同士の決着がほとんどありません。 例えば昨年は7歳牝馬ストレイトガールが1番人気ミッキークイーンに2馬身半の差をつけて優勝、連覇を果たしましたが、前年にこのレースを制し(秋にはスプリンターズSも優勝し)ているにもかかわらず、7番人気に甘んじ配当は高め。 さらに2013~2......続きを読む»

NHKマイルC アエロリットの勝因は鞍上の『覚悟』と手腕

3歳のマイルGⅠレース、第22回NHKマイルカップが東京競馬場で行われました。 優勝は2番人気の牝馬アエロリット、僕も上位を窺う一角の存在と見ていました。 重賞勝ちこそありませんがGⅢで2着2回、前走の桜花賞では掲示板に載る(5着)健闘を見せるなど出走メンバーの中でも力上位。桜花賞では出遅れてしまいスムーズなレース運びができませんでしたが、今回はロケットスタートを決めて好位を楽々と取りに行けました......続きを読む»

天皇賞・春 武豊騎手のタフな作戦に見事応えたキタサンブラック

伝統のGⅠレース、第155回天皇賞・春が京都競馬場で行われました。 中距離がメインになりつつある昨今の競馬界ですが、騎手同士のペースの駆け引きや、騎乗馬をどうやって上手く走らせるかなど、距離が長くなればなるほど鞍上の技術が問われる長距離レースは短距離戦とは違った魅力があります。 熱狂の短距離戦に対し、密やかな興奮とでもいうのか、そんなワクワク感とともに騎手の腕を純粋に楽しむのが長距離の醍醐味かと思......続きを読む»

マイラーズC イスラボニータの勝因はズバリ「ルメール騎手」

先週はGⅠレースがありませんでしたが、東京では3着までに優先出走権が与えられるオークストライアルのフローラS、京都では安田記念・ヴィクトリアマイルの前哨戦であるマイラーズカップが行われ、次の大舞台のことを踏まえても見逃せないレースでした。 京都競馬メインの第48回マイラーズカップは、2番人気の2014年皐月賞馬イスラボニータが優勝。3歳秋にセントライト記念を勝って以降、じつに2年7か月ぶりの勝利......続きを読む»

皐月賞 若武者らしい積極性でアルアインを勝利に導いた松山騎手

牡馬クラシック1冠目のGⅠレース、第77回皐月賞が中山競馬場で行われました。 69年ぶりの牝馬優勝への期待も含まれているのか牝馬のファンディーナが1番人気になりましたが、戦前からいろいろなところで触れていた通り、僕はこの馬に関しては懐疑的でした。理由は、これまで3戦3勝、内容も良く強い勝ち方だったと思いつつも、やはり戦ってきた相手が一線級とは言い難く、多頭数のGⅠレースでレベルが高い拮抗する力を......続きを読む»

桜花賞 馬場に笑った馬、泣いた馬

ちょうど見頃となった阪神競馬場の桜の花に包まれて、第77回桜花賞が行われました。 今年の桜の女王に最も近いと言われた、一時は単勝1.1倍の断トツ人気に推されたソウルスターリングがまさかの敗北を喫し、結果は馬連万馬券となりました。 多くの競馬ファンが支持し、各馬の動向を知り抜いた競馬関係者ですら負ける要素がほぼ無いと判断するほどの力を持つソウルスターリング、僕もこの馬の好走は揺るぎないものと考え......続きを読む»

大阪杯 「3番手」で主導権を握っていた武豊騎手

今年からGⅠに昇格した芝2000mのレース、第61回大阪杯が阪神競馬場で行われました。 記念すべき初代チャンピオンに輝いたのは1番人気馬キタサンブラック。鞍上の武豊騎手は7度目の大阪杯勝利でGⅠ獲得数をまた増やすこととなりました。 キタサンブラックは逃げ・先行を得意とするタイプですが、今回も前走の有馬記念に続きマルターズアポジーが出走、武騎手はこの馬が自分よりも前に出るのがわかっているのでポジショ......続きを読む»

高松宮記念 「少しかかり気味」の騎乗が奏功したセイウンコウセイ

3月もそろそろ終わりです。 進級・進学や就職など4月の年度替わりに慣れた日本人として1月1日、新年を迎えるかのように新たな決意をもって過ごす人も多いのではないでしょうか。 定年を迎えた調教師が2月末で引退し、新人ジョッキー・新規開業の調教師が3月1日(実際のお披露目は以降の直近の競馬開催日)にデビューすることからもわかるとおりJRAの年度替わりは3月1日なので、4月は何が変わるわけではありませんが......続きを読む»

阪神大賞典 サトノダイヤモンドの試運転が無事完了!

伝統のGⅡレース、第65回阪神大賞典が日曜日に阪神競馬場で行われ、単勝1.1倍の断然人気に支持されたサトノダイヤモンドが優勝。 有馬記念制覇から3カ月が経ちプラス4キロで出走した今年の初戦、春の天皇賞に照準をあわせているため当然ながら100パーセントの仕上げではありませんが、昨年の最強世代3強の一角としてクラシックを盛り上げたこの菊花賞馬が、今回のレースで負けるわけにはいきません。 9頭から多......続きを読む»

フィリーズレビュー 騎手の心理が大きく分かれた1・2着

日曜日に阪神競馬場で行われた桜花賞トライアル、GⅡ第51回報知杯フィリーズレビュー。3枚の切符を賭けて18頭の3歳牝馬が集いました。 まずは1番人気レーヌミノルについて。 浜中騎手は好スタートを切り前に出ると、後ろから上がってくる馬を先に行かせるだけ行かせ自らは控えて中団に位置、順調な出だしで馬の手応えも大変に良く、勝ちパターンといえる流れになりました。 しかしその後、4コーナー手前からアクセル......続きを読む»

チューリップ賞&弥生賞 人気2頭が本番へ視界が開ける内容に

3月に入り朝晩は冷えるものの日中は暖かい陽差しが増え、春の訪れを実感しています。 今年もクラシックシーズンがもうすぐ。いよいよ1冠目に向けて3歳馬たちのトライアルレースが始まりました。 先週土曜日は阪神競馬場でGⅢ第24回チューリップ賞が行われ、3戦3勝、単勝1.5倍の1番人気馬ソウルスターリングが圧勝。桜花賞の最有力候補として堂々たる走りを披露しました。 2馬身差をつけての勝利、それも着差以......続きを読む»

阪急杯 すべての状況を味方につけたベテラン幸騎手の的確な手綱捌き

1回阪神競馬日曜のメインレース、GⅢ第61回阪急杯は7番人気トーキングドラムが優勝。 スタートから半マイル通過が45.5秒と速いペースになり、前を行く馬には厳しい展開でした。ジョッキー達は全員それを当然わかっているので、前につけていた場合はゴールまで脚がもたないだろうと感じていたし、逆に中団から後方でレースを進めている騎手にはお誂え向きの流れになったと、心の中でほくそ笑んでいたことでしょう。 ......続きを読む»

フェブラリーS デムーロ騎手だから持たせることのできたゴールドドリーム

今年初めてのGⅠレース、第34回フェブラリーステークスが東京競馬場で行われました。お馴染みのダートの猛者がずらりと並ぶ何とも豪華なメンバー構成。オッズを見ると本命馬をどれにしようか、連軸なら何が…と迷う競馬ファンの気持ちが反映されているようでいわゆる“抜けた1頭、2頭”というのがいないレースでした。 何が勝ってもおかしくない今年のフェブラリーS、僕が注目していた一頭は2番人気ゴールドドリームです。......続きを読む»

共同通信杯 ウオッカでの初制覇から10年、四位騎手のダービーV3に期待

先週日曜日に東京競馬場で行われたGⅢ、第51回共同通信杯。牡馬クラシックを見据え、今年期待の有力馬が揃いました。 共同通信杯といえば、過去の勝ち馬を見るとアイネスフウジンにナリタブライアン、エルコンドルパサー、ジャングルポケットやゴールドシップ…競馬好きであれば知らない者はいないビッグネームがずらりと並びます。のちの活躍はもちろんのこと、本格的に名が売れる前の(しかし能力の高さを感じさせる)これら......続きを読む»

東京新聞杯 デムーロ騎手が演出した超スローペースに幻惑された他陣営

先週の東京競馬メイン、GⅢ第67回東京新聞杯は3番人気の4歳馬ブラックスピネルが逃げ切って優勝、初重賞制覇を果たしました。 12月に520キロ台まで増えた馬体が前走から締まってきて、その前走・京都金杯では前目の競馬をし勝ち馬にタイム差なしの2着に好走。今回はさらに調子を上げていたようですね。 ポンとスタートを切ると、鞍上のM.デムーロ騎手はサッとハナに立ってマイペースに持ち込みましたが、そのペ......続きを読む»

根岸S 初騎乗でも落ち着いていた福永騎手

東京競馬開幕週の先週日曜日はGⅠフェブラリーステークスの前哨戦であるダートGⅢレース、第31回根岸ステークスが行われ、カフジテイクが1番人気の期待に応える見事な走りで初重賞勝利を果たしました。 レースは逃げ馬のコーリンベリーがスタート後に躓き、その2番手に続くであろうと思われていたノボバカラもスタートが今ひとつ。 騎乗するジョッキー達はあらかじめ出走メンバーを見て逃げ馬・先行馬の顔ぶれを確認、そ......続きを読む»

アメリカJCC 蛯名騎手の腹の据わった騎乗が導いた鮮やかな勝利

先週日曜日、1回中山開催を締めくくるGⅡレース第58回アメリカジョッキーズクラブカップが行われ、7番人気タンタアレグリアが優勝しました。 昨年は3戦のみの出走でしたがその3走はGⅢ・GⅡ・GⅠレースをそれぞれ4・2・4着とじつに安定感のある内容。 今回は昨春の天皇賞から9カ月ぶりの出走ということでそれほど人気にはならず、しかし終わってみれば実力があることをあらためて感じさせる勝ち方でしたね。 ......続きを読む»

日経新春杯 ベテランの深み感じさせる和田騎手会心の騎乗

降雪により2日間の延期となった京都競馬。 レース当日に向けて調整してきた馬の体調変化が懸念されましたが火曜日、無事レースが実施されました。 この日のメインはGⅡレース第64回日経新春杯、結果は1,2番人気のワンツーと戦前に予想していた通りの固い決着となりました。 その注目の2頭のうち、まずは1番人気ミッキーロケットについて。 レースはゲートを出ると4・5番手の好位につけて折り合いは完璧、鞍上......続きを読む»

中山金杯 ツクバアズマオーのリズムを守りきった吉田豊騎手

2017年の競馬が始まりました。毎年恒例1月5日に行われるレース、東西の金杯。 中山競馬場で行われた第66回中山金杯は1番人気馬ツクバアズマオーが優勝し、重賞に挑戦して3度目の今回、見事初重賞勝利を果たしました。 これまで重賞を2戦し、いずれも好走しているこの馬が1番人気なのは当然でしょう。 昨年1年間の成績を見ても[3.0.4.2]と掲示板を外すことがなく、じつに安定感のある走りをする印象が......続きを読む»

有馬記念 サトノダイヤモンドを勝利に導いた決定的な判断

2016年最後の大一番、第61回有馬記念が中山競馬場で行われました。 優勝は僕の大本命馬である1番人気サトノダイヤモンド。 菊花賞に続くGⅠ勝利を果たし見事グランプリホースに輝きました。 史上最高と言えるくらいハイレベルなメンバーが揃った皐月賞や日本ダービー…おそらく今年はこの3歳牡馬が出走するたびに本命印を打ってきたと思います。 それほど惚れ込んでいる、というか“競走馬としての強さ・力”を......続きを読む»

1 3 4

ブロガープロフィール

profile-icononishi-naohiro

元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
  • 昨日のページビュー:1017
  • 累計のページビュー:1938517

(05月25日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 日本ダービーを若い川田騎手が勝った意義
  2. 桜花賞で明暗を分けた2人の騎乗
  3. 次週の朝日杯フューチュリティSについて
  4. セントウルS 逃げ切ったビッグアーサーが抱える不安点
  5. ジャパンカップ 武豊騎手の騎乗技術の高さが際立っていましたね
  6. さあ6週連続GI まずはスターホース2頭がぶつかる天皇賞・春!
  7. ヴィクトリアマイル 牝馬は実績よりも調子!
  8. ダービー1・2着馬に騎乗した騎手2人の戦い
  9. 皐月賞3強を負かした蛯名騎手の好騎乗
  10. 次週のGIは国内最高賞金レースのジャパンカップです。

月別アーカイブ

2017
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年05月25日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss