ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

日経新春杯 ベテランの深み感じさせる和田騎手会心の騎乗

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降雪により2日間の延期となった京都競馬。

レース当日に向けて調整してきた馬の体調変化が懸念されましたが火曜日、無事レースが実施されました。

この日のメインはGⅡレース第64回日経新春杯、結果は1,2番人気のワンツーと戦前に予想していた通りの固い決着となりました。

その注目の2頭のうち、まずは1番人気ミッキーロケットについて。

レースはゲートを出ると4・5番手の好位につけて折り合いは完璧、鞍上の和田騎手は前半、離れた前を走る馬たちを気にせず、自分のペースを守ることに専念しつつレースを進めました。

ここであまり深追いしなかったのが最後の勝ち負けまでに至った伸び脚の最大要因ではないでしょうか。

ペースは平均、3コーナーを過ぎたあたりから前との距離を縮めていき、いつでも捕らえられる位置まで上がっていきました。

これは(早く仕掛けることにより)後ろで溜めている馬の差し脚は怖いけれど、前の馬を気持ち良く行かせてうまく残られてしまうのも1番人気馬に騎乗する身としては大変に悔しいもの、とのジョッキーの心理があります。

前を捕まえつつ後ろから差されないようミッキーロケットの脚質やパワー残量・手応えを把握、自ら動いて期待に応えた乗り方は見事でした。

和田騎手も会心の騎乗だったと満足しているのではないでしょうか。

テイエムオペラオーと無敵のコンビを組んでいた22~3歳の若武者もあれから17年経ち今年40歳を迎えて騎乗に深みが増してきましたね。

ベテランジョッキーとして頼もしく、とても格好よく歳を重ねていってるなぁと思いました。


2着の2番人気シャケトラ。

折り合いが良く、すごく乗りやすそうな印象を受ける馬ですね。

終始、相手はこの馬と決めての騎乗ぶり、鞍上の浜中騎手は勝ち馬をマークする形でレースに臨んでいました。

3コーナー過ぎにその目標とするミッキーロケットが動きだした時は、僕には少々仕掛けが早すぎるように感じられ、また、おそらく浜中騎手も“これなら差し切れる”そう考えたと思います。

その後直線に向いて追い出すと一瞬ミッキーロケットの前に出て勝利は確定かと思われましたが、相手にも脚がまだ残っていたのか叩き合いに持ち込み最後にもう一伸びされ、結果ハナ差届かず2着に惜敗。

しかし期待どおりの力を見せてくれた上位2頭、その馬の持つ能力を十分に引き出した2人の騎手の素晴らしい騎乗、とても見応えのあるレースでした。


3番人気カフジプリンスは中団で待機し、勝負どころから鞍上が動いていきたい様子でしたが馬が反応せずそのままのポジションで進み、直線で脚が鈍った馬を捕まえての5着。

力を出し切れなかった感じで見せ場があまり無く残念な内容でしたが、それでもG2で掲示板に載るのだからやはり地力は相当なものでしょう。

充実の4歳を迎えた今年、この馬は2200m以上のレースに出走する機会が多いと思われますが、かなりの活躍が見込めそうです。

常にチェックしておきたい馬ですね。



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元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
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