ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

有馬記念 サトノダイヤモンドを勝利に導いた決定的な判断

このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年最後の大一番、第61回有馬記念が中山競馬場で行われました。

優勝は僕の大本命馬である1番人気サトノダイヤモンド。

菊花賞に続くGⅠ勝利を果たし見事グランプリホースに輝きました。

史上最高と言えるくらいハイレベルなメンバーが揃った皐月賞や日本ダービー…おそらく今年はこの3歳牡馬が出走するたびに本命印を打ってきたと思います。

それほど惚れ込んでいる、というか“競走馬としての強さ・力”を今年の3歳で最も感じる馬ですね。

サトノダイヤモンドの特長として、ディープインパクト産駒ながらスパッと切れる脚ではなく、長く良い脚を使う、つまりスピードの持続力がまず挙げられ、それに加え鞍上が意志を伝えると瞬時に反応してくれる素直さや賢さがあります。

これだけの馬であれば騎手はさぞかし乗りやすいことでしょう。

今回も、初めての一線級古馬との対戦という点で不安視する声が僅かながら聴こえてきましたが、3歳でもこの馬の強さは

本物との確信があったので自信をもって◎を打ちました。

この有馬記念の勝因は、馬の力は当然として、何よりも鞍上のC.ルメール騎手の的確なペース判断に尽きます。

レースはマルターズアポジーが逃げて、人気を分け合った2番人気馬キタサンブラックが離れた2番手につける、これは実質キタサンブラックが逃げている格好になり、つまりレースの流れを支配していたのはその鞍上である武豊騎手。

そのまま進んでしまうと前走ジャパンカップのように逃げきられる可能性がとても高く、すっかり武豊騎手のペースに持ち込まれちゃうなぁと思っていたところ、ルメール騎手は2コーナーからポジションを上げていってキタサンブラックの背後に取りつきました。

この瞬間、この判断こそがまさに今回の勝因。

ルメール騎手はジャパンカップでは他の馬に騎乗してキタサンブラックの勝利を目の当たりにした騎手の1人。

同じ轍は踏まないと覚悟を決めた乗り方をしました。

本当に素晴らしいジョッキー、安心してレースを観ていられます。

デムーロ騎手とともにJRA所属になり、明らかに以前よりも毎週の競馬が楽しみになりました。

彼らの騎乗技術が見られることがこれほどワクワクするものだとは、自分でも予想外なほどです。

惜しくも年間リーディングは逃しましたが186勝の驚異的な数字。

来年も期待しています。


2着は2番人気キタサンブラック。

今年と昨年の菊花賞馬のワンツー決着でしたね。

いや、相変わらず巧い、としか言いようがない武豊騎手の手綱さばきが印象に残りました。

馬に全く負担をかけずに淡々と自分のペースでラップを刻む見事な騎乗。

もともと彼の騎乗(技術)は馬にとって消耗が非常に少ない、騎手として理想的な柔らかさがあります。

結果的には差されて2着に敗れてしまいましたが十分満足できる内容で勝敗の差はほとんど無く、勝ち馬の決め手が今回は上回ったということでしょう。


3着には昨年の有馬記念を制したゴールドアクター、3番人気に支持されていました。

前走ジャパンカップ同様、キタサンブラックを徹底マークの戦法で挑みました。

直線半ばで突き抜けるか、と思われましたが最後は脚いろが同じになり前を捕らえられずサトノダイヤモンドに差されての3着。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
レース回顧
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

2016年東京大賞典(G1)予想【no title】

【予想】東京大賞典 ルメールにもう一仕事してもらいましょう。【人生は競馬と共に】

2016大井 東京大賞典の予想【砂に魅せられて~ダートメインの単複予想~】

ブロガープロフィール

profile-icononishi-naohiro

元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
  • 昨日のページビュー:1119
  • 累計のページビュー:2568109

(11月20日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 日本ダービーを若い川田騎手が勝った意義
  2. 桜花賞で明暗を分けた2人の騎乗
  3. 次週の朝日杯フューチュリティSについて
  4. ジャパンカップ 武豊騎手の騎乗技術の高さが際立っていましたね
  5. セントウルS 逃げ切ったビッグアーサーが抱える不安点
  6. さあ6週連続GI まずはスターホース2頭がぶつかる天皇賞・春!
  7. ヴィクトリアマイル 牝馬は実績よりも調子!
  8. 安田記念 力を出し切れた馬、出し切れなかった馬
  9. ダービー1・2着馬に騎乗した騎手2人の戦い
  10. 皐月賞3強を負かした蛯名騎手の好騎乗

月別アーカイブ

2017
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月20日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss