ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

頭一つ抜けた2頭の戦いとなったレパードS

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先週の新潟競馬メインは3歳馬によるダート重賞、第8回レパードS。

まだ歴史は浅いものの、のちにGⅠで活躍するなどダート界でメジャーになった馬が3歳時に多数出走してきたおかげで、競馬関係者・ファンの間でも注目されるレースとなりました。

今年の優勝馬であるグレンツェントも、春からの伏竜S→青竜S→ユニコーンSというダート適性の高い3歳馬にとっては理想的ともいえるローテーションでここまでやってきました。

今回は2番人気ではありますが実績は1番人気のケイティブレイブ(前走ジャパンDD 2着)と負けず劣らず、クビ差ながら4月の伏竜Sでは先着しています。

ほぼ同じ単勝オッズからもわかるように、レパードSはこの2頭が頭一つ抜けている印象のレースでしたね。

スタート後、グレンツェントの鞍上・戸崎騎手は、逃げてレースを引っ張った1番人気ケイティブレイブのあとを追いかけてピッタリとついていくことはしませんでしたが、1番の目標として定め、いつでも捕まえられるよう射程圏に置いてレースを進めていました。

グレンツェントの長所は最後の直線で必ず伸びてくれる脚。

コンビを組むのは初めてでもそのことはよくわかっているのでしょう、戸崎騎手は自信と余裕にあふれた乗り方に見えました。

ケイティブレイブがスタート後まもなく2番手以下を離しにかかり、後続がこれを追いかけなかったため終始4~5馬身差はあるかという単騎逃げの形になって、その後の直線でもなかなか差が縮まってゆかず、そのまま逃げ切るかと思ったところを、グレンツェントが一完歩ごとに追いつめて、クビ差差し切りゴール。

見事な末脚でした。

追い出してからの迫力ある走りを見るに、戸崎騎手の騎乗スタイルと合うタイプの馬だと思いますが、ひと息ついた次走は鞍上が誰になるのかわかりません。

ただ、これだけ安定した力がある馬なら、末脚を上手く引き出してくれる騎手であれば全く問題ないでしょう。

この先古馬の層が厚いダート路線でも活躍してくれることと思います。


2着のケイティブレイブ。

好スタートを決めて何完歩か仕掛けて他馬より前に出て、いつでも主導権を握れる態勢をつくる乗り方はさすが武豊騎手です。

本当に上手いですね。

仮にあそこから 他馬が強引に競ってきた場合には、即座に引いて2番手ですぐに折り合えるようにと、あらかじめ馬を押すことはしていないのも素晴らしい。

周りの動きを見ながら自分のペースに持ち込む、自分のレースを作る、じつに冷静な手綱さばき。

彼の騎乗法には、若い騎手たちが見習うべき点がたくさんあります。

このレースは武豊騎手自身も手応え・レース運びともに完璧と思えるものだったでしょうから、それだけに勝てなかったことは悔しいと思います。

僕も数え切れないほどありましたが、会心の騎乗ができても勝てず、下手に乗ってしまったのに勝つ、というのは騎手なら誰でも経験することです。

相手があるレースでは、単純に馬の力や立ち回りの上手さで決まるわけではないので難しいところですね。

ケイティブレイブも今回、勝ち馬に力負けしたわけではなく、十分に強さを感じさせる良い走りでした。

次も期待です。



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元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
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