ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

ダービー1・2着馬に騎乗した騎手2人の戦い

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東京競馬場で先週日曜日に行われた3歳ダートGⅢレース、第21回ユニコーンステークスは単勝2番人気のゴールドドリームが優勝。

2番人気とは言っても1番人気ストロングバローズと人気を分け合う形で、終わってみればこの2頭のワンツーという固い決着でした。

まずは2着に敗れてしまったストロングバローズについて。

逃げ馬が不在のためか、鞍上ルメール騎手は先頭集団につけるレース運びをしました。

競馬において、ペースが遅ければ前にいた方が断然有利なので、出走メンバーの脚質や当日の馬場状態など様々な点から今回のレース展開をルメール騎手なりに熟慮したうえで、この作戦をとったのでしょう。

確かに、もともと力のある馬が自分の思う流れでレースができるのならば勝利の確率が大幅にアップしますから。

そして直線に向くと手応え楽々で追い出すタイミングを計り抜け出し、ゴールまで僅か。

しかし最も怖い馬ゴールドドリームが後ろから一歩一歩迫ってきてゴール直前でクビ差競り負けてしまいました。

ただ僕が見る限り、ストロングバローズは力負けしたわけでなく、前々で戦っていたためにゴールドドリームの目標にされてしまった分だけ、この着差になったのだと思います。

今年のダービー1・2着馬の騎手だった2人、再び川田騎手に軍配が上がりました。

その勝った川田騎手にとっては、ストロングバローズを見る形で追走できたのが大きかったですね。どんなレースでも有力馬が前にいると安心して後ろをついていけるし、その馬の手応えを見ながらペース調整もできる、さらには相手の仕掛けどころに合わせて自分の動くべきタイミングもハッキリとわかる、と最高の流れです。

もちろんどんなに完璧なレース展開でも、相手が強すぎてブッちぎられる可能性もありますが、川田騎手の乗り方はゴールドドリームの力を心から信頼しているようでした。

勝負の相手はただ1頭、ゴールドドリームのみ。

そう腹を決めて乗り、きっちりと差し切るのだから大したものです。

今年重賞9勝目とノリにノッている川田騎手、今年は一体どれだけ活躍するのか楽しみです。

3着にグレンツェント。

結果として1・2着馬に3馬身の差をつけられたものの、力は出し切れたのではないでしょうか。

前2頭とは対照的に後方グループに位置をとってレースを進めたことについては、鞍上のベリー騎手の考えではもう少し前に行きたかったのかもしれませんが、スタート後、思った以上に周りの脚が速かったせいで思い通りのポジションが取れなかった感じ。

走り自体はとても良く、能力の高さはしっかりと見せてくれました。

しぶとく良い脚を使い、並ばれてから本領を発揮するタイプの馬なので、先に抜け出されてしまってはせっかくの長所も半減、そう考えると忙しいレースよりもゆったりとした長めの距離の方がこの馬には合っていそうな気がします。



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元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
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