ダービージョッキー大西直宏 騎手の視点

皐月賞3強を負かした蛯名騎手の好騎乗

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全国的に強風に見舞われた先週日曜日、中山競馬場では牡馬クラシック第1弾・第76回皐月賞が行われました。

過去にも3強と言われる年は何度かありましたが、ここまで強烈に“ザ・3強”という感じの、飛びぬけた3頭が出走する皐月賞は初めてじゃないでしょうか。

また上位人気の3頭以外も例年であれば本命でもおかしくないほど普通に強い馬ばかりで、個人的には史上最高のメンバー構成と思います。

勝つのは3強のうちの1頭と確信していたため、予想にあたり考えることといえば本命◎を3頭のどの馬に打つかのみ。

かなり悩んだ挙句、素直に1番人気サトノダイヤモンドを本命と決めました。

理由としてはデビューから3戦無敗で内容が圧勝であること、特に前走GⅢきさらぎ賞での勝ちっぷりが何とも鮮やかで、その時すでに2着馬に3馬身以上の差をつけていましたが、本気で追ったら一体どれだけ伸びるのか、まだまだ強さを秘めているのではないか、とワクワクさせてくれるような走りに魅力を感じたからです。

そして皐月賞がスタートし、サトノダイヤモンドの鞍上C.ルメール騎手は中団でのレース運び。

直線で追い込んできたもののスパッと切れる脚は出ず、中山の坂も堪えたのかゴール前では脚いろが他馬と同じになってしまいました。

敗因として考えられるのは、これまで無敗とはいえ一線級の馬と戦ってきていないためGⅠならではの厳しいレースに対応できなかったのかな、と。

ただ逆に言えば、初めて経験する18頭立てのタフな競馬、それも1番人気を背負い他馬にマークされる状況での3着という結果は立派と言えます。

関係者も決して今回の結果で自信を喪失してなどいないでしょう。

次走に向けてまた尽力するのみです。

これまでのレースぶりで良い脚を使う印象がありますが、それは現時点での相手との地力の差で勝ってきたところも大きく、もともと500キロ前後の馬体で、ディープインパクト産駒ながら鋭く切れるというよりも長く良い脚を使えるタイプじゃないでしょうか。

もちろん府中の馬場にはもってこいですね。あらためて期待したいところ。


2番人気馬の2歳王者リオンディーズ。

前走のトライアルGⅡ弥生賞は、前半に折り合いを欠いて行きたがる素振りを見せながらもどうにか我慢し、結果的にマカヒキに差されはしたものの強さを感じさせる内容でした。

前々走のGⅠ朝日杯FSから手綱を握るM.デムーロ騎手が、前走をふまえ今回は上手に馬をなだめてレースを進め末脚勝負に持ち込むはず、と予想したのですが、なんと前走以上にかかってしまい2番手追走となり、3コーナーではすでに逃げ馬を捕らえて先頭に立ってしまいました。

これでペースがスローであればよかったのですが、前半1000m通過が58.4秒のハイペース。

この流れでは前を行く馬は総崩れ、当然、中団から後方にポジション取りした馬の出番です。

リオンディーズは直線でふらつく場面があったことから、もういっぱいいっぱいだったのでしょう、4位入線も5着に降着となってしまいました。

デムーロ騎手は5月1日まで騎乗停止。

被害を受けたサトノダイヤモンドとエアスピネルにとっても、勝つまでは至らなくても全力を出し切れなかったことは心残りでしょう。

リオンディーズもダービーでの巻き返しは十分期待できます。

折り合いひとつで見違えるような走りを見せてくれるのではないかと思います。

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元JRA騎手。1997年には、サニーブライアンに騎乗して皐月賞・日本ダービーの2冠を達成。通算512勝、重賞12勝。引退後は、騎手ならではの視点で競馬を表現するターフメディアクリエイターとして、レース解説などを発表。日刊スポーツをはじめ、各種メディアにて連載中。また、自らの名を冠した育成牧場「N.Oレーシングステーブル」を経営。ターフに活躍馬を送り出すべく、代表として手腕を発揮している。
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