2009年01月29日

オリンピック招致合戦と期待

2016年東京でオリンピック開催となったとき、政府から財政保証という形で支援を得られることが決まりました。(「財政保証 東京五輪招致へ弾み」2009年1月24日 読売新聞)
国が支援するかどうかは招致に欠かせないことだったので本当に良かったと思います。招致活動を始めたからには、ぜひとも成功させてオリンピックを呼んでほしい。招致活動だけで終わってはお金の無駄遣いになってしまいますし。

オリンピックを招致できれば事業がいくつも立ち上がり、新規雇用も多数生み出せます。広告機会が増えれば、企業や広告代理店、マスコミにとっても大きなビジネスチャンスとなるでしょう。具体的にどれだけ雇用創出できるのか、経済効果がどれほど見込めるのかの試算は、国の統計を把握されている専門のかたなら数字を出せると思いますが、まさに不況の今こそ、オリンピック招致が求められるといえるかもしれません。

そのため、同じく招致を進めている他都市も積極的に活動しています。マドリードは、政府や市議会の財務保証について今月中旬プレスリリースを出し支援をアピール。また、最近の世論調査の結果として、国民の92%がマドリードでのオリンピック開催を支援していると発表。さらに招致活動のボランティアが増えていることにも触れ、スペイン国民の間にオリンピック支援が高まっていると強調。シカゴも先日お伝えした税金投入の話に加えて招致活動のボランティア数の増加をアピールしています。一方、リオ・デ・ジャネイロは2012年大会の開催地ロンドンからアドバイスを受け、過去の成功例を分析するとともに組織づくりの強化などを進めているようです。

オリンピックを招致するには、財政面の保証のみならず、国としての経済状況や社会状況、法的な要件を満たせるかどうか、環境への取り組み、ホストとしての受け入れ対応(宿泊施設や交通機関など)、安全・警備など幅広い分野にわたってIOCの要件を満たす必要があります。また、シドニーオリンピックの後くらいからレガシーという概念が重要視されるようになり、2週間のイベントで終わりではなく、オリンピック開催を通じて何を残せるのか、開催前から開催後にいたるまで人々にどのようなメリットを残せるのかということを招致委員会が予め考えることも必須とされています。

東京でオリンピック開催が決まれば、緑化やバリアフリーが進められ、暮らしやすい街になっていくでしょう。スポーツの普及・啓蒙や健康志向は一層高まり、子どもたちの運動能力の向上とともに、健康な高齢者が増えて社会保障コストの減少にもつながるかもしれません。
東京オリンピック・パラリンピック招致委員会のサイトに「Olympics for All」という言葉があり、大変共感しました。

世界的な不況が伝えられるなか、そのあとの2018年冬季大会、2020年夏季大会の招致を検討している国・都市が次々と報じられるのを見ると、オリンピックへの期待はまだまだ大きいのだなと思います。

posted by olympic-study |11:53 | 2016東京招致 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月20日

ワールドカップ招致とオリンピック

2018年と2022年のサッカーワールドカップ招致募集が始まりました。2つの大会を同時募集していますが、もちろん一つの国(招致団体)が招致できるのは2018年か2022年のどちらかのみ。
日本も招致を検討しており、ワールドカップを開催できるかどうかは2016年に東京でオリンピックを開催できるかどうかにかかっているとのこと。

これはスタジアムのキャパシティの問題によるもので、FIFAの基準に見合うスタジアムが現在はないけれど、東京オリンピックが開催されれば12万人収容のスタジアムが建設されるため、FIFAの基準(8万人収容)を達成できるそうです。そのため、日本サッカー協会(JFA)は2016年オリンピック招致を全面的に支援していくとのこと。サッカーファンの皆さんも応援しませんか。

東京オリンピック・パラリンピック招致委員会の発表(1/16付)によれば、現在、日本全国の約70%が招致を支援(ヤフージャパンによる全国調査の結果)。
一方、シカゴは100万人以上が招致を支援していると発表しました。

世界的な金融危機の発端となったアメリカ、失業者の増加や住宅ローン問題で住居を失ったりと市民が被った経済的な打撃はおそらく日本よりも大きいと思いますが、それでもオバマ政権への期待で将来に希望を抱くアメリカ国民のコメントが昨今目立ちます。オバマ氏の演説の「Yes, We can」効果なのか、アメリカの強さを感じたりします。今後、オバマ氏の出身地シカゴのメディア露出も増えていくでしょうし、シカゴ招致の支援者も増えていくと思いますが、日本も負けずに頑張りましょう。

2018年・2022年サッカーワールドカップの招致候補として表明するのは2/2まで、それから招致活動がスタートして、2010年12月に招致団体(国)が決定する予定です。

posted by olympic-study |08:35 | 2016東京招致 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月14日

シカゴ、2016年招致に向けて税金を投入

昨日、公的資金や国民の支援の必要性について書いたばかりですが、なんとシカゴ市が招致活動と運営資金に税収を使うと発表、昨晩から今朝にかけて複数のメディアに記事が掲載されました。

記事によると、シカゴ市の財政委員会は、2016年夏季大会招致に向けて税金を使うことを12日に了承。招致が決まった際には、市のインフラ整備の一環となる選手村の建設費用のほか、警備など運営に必要な資金にも税金を使うことを決定。
また、会期中にホテルやレストランなどの価格が引き上げられないよう、価格の管理もおこなうほか、アンブッシュ・マーケティング(便乗商法)を避けるため、オリンピックブランドを守る会を作って違法な露天商や広告などを取り締まり、クリーンな会場・街を作るとのこと。予算は5億ドルを見積もっています。

アンブッシュ・マーケティングとは、正式なスポンサー契約を結んでいないにもかかわらず、オリンピックに便乗して広告を出したり商品を販売したりすることで、1996年のアトランタ大会で多く見られ、問題となっていました(スポンサーであっても契約外の広告活動をおこなった場合はアンブッシュ・マーケティングとされます)。アトランタ大会のアンブッシュ・マーケティングについては、マイケル・ペイン氏の著書の訳書「オリンピックはなぜ、世界最大のイベントに成長したのか」(グランドライン発行)の6章に書かれています。
また、沢木耕太郎さんの著書「冠(コロナ)廃墟の光」(朝日新聞出版)でもアトランタ大会のことが詳しく書かれています。

さて、東京はどうでしょうか。

posted by olympic-study |16:50 | 2016東京招致 | トラックバック(0)
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2009年01月13日

2016年招致へ向けて

先日、2016年夏季大会の候補4都市のうち、東京とリオ・デ・ジャネイロの競技場案が全ての国際スポーツ連盟(26団体)から承認されました。コンパクトな会場運営や既存の施設を生かすという方向性は東京都が打ち出してきたものですが、リオ・デ・ジャネイロも同様の方向性をアピールしています。リオは、2007年のパン・アメリカン競技大会で使った会場を利用する予定。

昨年11月、トルコ・イスタンブールでおこなわれたヨーロッパオリンピック委員会総会で2016年招致候補都市がプレゼンをおこない、マドリードは国民・政党からのサポートや財務目標をほぼ達成できていることをアピール。一方、シカゴは総会会場となったホテルに無料配布の新聞を置き、その新聞の巻頭ページにカラーでシカゴの街とスポーツを紹介したとか。こういう戦略がヨーロッパで効くのか若干疑問がありますが。

アメリカは1984年ロス大会を民間100%で運営し大成功して以来、96年のアトランタ大会も民間運営、オリンピック委員会も民間のスポンサーを頼りにしています。そのため、経済的な影響を受けやすく、選手育成・強化に政府予算をかけられる国の選手のほうがアメリカよりも恵まれているとも最近はいわれています。

グローバルに見れば、政府が選手育成やオリンピック開催を支援している国のほうが多く、すでに開催が決まっている2010年バンクーバー、2012年ロンドン、2014年ソチの3大会とも、政府の支援と国民のサポートがあることを前面に打ち出しています。もちろん、民間からのスポンサーなくして運営はできませんが、誰のためのイベントなのか・何のためのイベントなのかを考えたとき、政府や国民からのサポートは欠かせないのではないかと思います。

招致ファイル提出締切りまで1ヶ月となりました。その後、IOCによる評価・審査があって、10月に招致都市が決定します。東京は条件が揃ってますので、これからどれだけ国民の支持を得られるかが鍵になると思います。

posted by olympic-study |13:37 | 2016東京招致 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月07日

2009年以降の展望

新年あけましておめでとうございます。
新年の挨拶とともに経済情勢が語られることが多いご時世、金融危機の発端ともいえるリーマン・ブラザーズが経営破たんしたのは昨年9月、北京オリンピック・パラリンピックが終わろうという頃でした。その後の金融市場の混乱や急激な円高・ドル安で多くの企業が影響を受け、その影響がスポーツイベントにも及びました。アメリカ経済が世界に及ぼした影響から、アメリカ企業はどこも不景気と思いきや、ナイキの昨年の売り上げは記録更新。中国を中心とするアジアマーケットでの好成績が貢献しました。とはいえ、中国も例外ではなく年末あたりから景気の失速感が出ているため、今年はどうなるでしょう。

こうした世界情勢の中でスポーツイベントはどうなっていくのか。オリンピックについて言えば、一部地域を除き、2016年以降の放映権交渉は経済情勢を見て先送りとなっているようです。
これまで、アメリカの放送局が高額な放映権料で主導権を握り、競技スケジュールにも影響を与える(アメリカの放送時間に合わせる)ということがありましたが、現在のアメリカ経済やそれに伴う広告費の減少から、特定の放送局による影響はなくなっていくのではないかと思います。もっとも、TOPというスポンサー制度が導入された頃から既に放映権の位置づけは変わってきていましたが。

個人的には、オリンピックは今後、原点回帰に向かうのではないかと思っています。スポーツを通した青少年の育成という教育的な視点、競技者と観客のためのイベント、世界平和と社会に貢献することなど原点に立ち戻り、過剰な部分は除いていく。
オリンピック史のなかで商業化は必要なプロセスでしたが、過剰な商業化・マーケティング・演出については見直しが必要。今後のオリンピック組織委員会では、こうした見直しの動きも既に見られますが、過去の反省以上に現在の経済問題が見直しを加速させるのではないかと。
オリンピック競技大会はどうあるべきか、スポーツは社会に何ができるのか、そんなことをじっくり考える年になりそうです。

例えば、ふだんからスポーツをしている人・定期的な運動をしている人にとっては、それなしの生活は考えられないくらいスポーツは大事。また、スポーツがどれほど身体的・精神的に人を成長させるものかも体感していると思います。昨今のマラソンブームから、そう考える人が日本では増えているのではないでしょうか。
一方、国民が健康であれば、医療費の減少にもつながり、国の財政にとっても良いということに。もちろんスポーツや運動だけでなく、食事や休養も健康には欠かせませんが、日本食がヘルシーなのは世界的に知られてますし、祝祭日の数も他国と比べかなり多いほうです。労働時間は今や韓国のほうが長く、日本では雇用促進のためワークシェアリングを進める必要も出てきています。労働時間短縮で増えた自由時間を何に使うか。投資やお金儲けには慎重になる人が増えるでしょう。となると趣味やスポーツ、勉強、ボランティア活動、社会貢献につながる活動に時間を使う。
つまり、日本が健康先進国・スポーツ先進国になれる条件が揃ってきているということ。新年を迎えるにあたって、こんな楽観的な観測はどうでしょう。

昨年は数年ぶりに日本でお正月を過ごし、2日の箱根駅伝を見ているうちにいてもたってもいられなくなって、応援もそこそこに外に走りに行きました。東京でしたが、真っ青できれいな空のなか富士山がくっきりと見え、すごく得した気になりました。これも箱根駅伝のおかげ。スポーツイベントにはこんな効果も。
今回の年末年始は国内にとどまり往復2300kmくらいのドライブ旅行をしてきました。年越し花火は小さな町で泊まったモーテルのテレビで見ましたが、迫力と臨場感に欠け、スポーツイベントと同じく花火は生で見たほうがいいと実感しました。

それでは皆様、今年もどうぞよろしくお願いします。

posted by olympic-study |12:38 | オリンピック一般 | コメント(0) | トラックバック(0)
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