2008年12月25日
北京オリンピックを巡って起きたチケット詐欺や空席の目立つ観客席への対応として、2012年のロンドン大会では、不正に対しては厳重なチェックをおこなうとともに、チケットを選手の家族やスポーツファンに行き渡るよう検討していくようです。
チケット詐欺事件は、Xclusive社が運営していたサイトでチケットを購入した世界各国のオリンピックファンがお金を払ったにもかかわらずチケットを入手できなかったというもので、被害者の中には金メダリストの両親など参加選手の家族たちも含まれていました。
この事件では先月末に逮捕者が出て、被害者には補償金も一部出ているようですが、被害にあったかたたちの思い、楽しみにしていたのにそれがかなわなかったという失望感を取り払うのは難しいでしょう。特に、選手を長年支えてきた家族にとって、晴れ舞台を見に行けなかったというのは本当に残念だったと思います。
この事件を受けて、イギリスオリンピック委員会とロンドン組織委員会は2012年のロンドン大会で英国選手の家族には優先的にチケットを配分すると発表しました。
組織委員会は、オンラインでチケットを入手する場合は必ずオフィシャルサイトから、と呼びかけ、オフィシャルサイトと見間違いそうなドメイン名や、オリンピックロゴを不正に使用しているサイトのチェックもおこなうとか。
チケットを手に入れたくてもできなかった人たちがいる一方で、会場は空席が目立ちました。会期後半に向けて空席は減っていったようですが、チケットを持ってるのに見に来ない人たちがいたのはチケットの配分方法を見直す必要があるということ。国内・海外の配分をどうするのか、スポンサー・メディア枠をどうするかが検討材料になってくると思います。
こうしたことを踏まえ、2012年のロンドン大会では、スポーツファンがチケットを入手し観戦できるよう、チケット販売を見直すそうです。
イギリスはスポーツ文化発祥の地。スポーツファンのためのオリンピック、スポーツ文化をつくるオリンピックを期待したいところです。
2008年も残すところわずか、アメリカから始まった金融危機と不況の波は世界各国に押し寄せ、国際スポーツイベントも例外ではなく影響を受けていますが、そのなかで、2010年バンクーバー、2012年ロンドン、2014年ソチと開催が決まっている3つのオリンピック運営の財政状
況はいずれも堅調、スポンサーも集まっているとの報告がありました。
2009年は世界的に厳しい年になるかもしれませんが、2010年には景気は回復するのではという見方もあります。
2009年、皆様にとって元気になれる出来事がありますように。
posted by olympic-study |12:18 |
2012ロンドン |
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2008年12月25日
「オリンピックの未来」ブログに来てくださってありがとうございます。
当ブログの内容は、私がこれまでに読んだ本・記事をもとに、自分の意見や考えを合わせて書いています。情報ソースはほとんど英文です。
2016年東京オリンピック招致に向けて、これからのオリンピックを考えるきっかけになればと思い、開設しました。
<自己紹介>
Keiko Homma
早大卒。マーケティング会社勤務時代にダイエット目的で走り始め、ランニングの魅力にはまる。日本国内の主要マラソン大会・海外のマラソン大会に参加、その後、活動を広げてスキーや自転車の大会にも参加。自らの体験をもとに、スポーツで社会を良くできるのではという思いを抱く。
フリーのマーケッター・ライターとなってからは、ネットでスポーツコミュニティを運営、生涯スポーツの普及を目指す。スポーツ参加に関して、学会への論文投稿、セミナー発表などもおこなう。その間、海外滞在を経験し、スポーツマネジメントを学べる大学院があることを知る。帰国後、独学で英語を勉強し大学院に留学。
留学して最初にケーススタディとして取り上げたローカルなマラソン大会が縁で、オリンピックの運営に興味を持つ。スポーツマネジメント修士取得(ビジネスマネジメント修士スポーツマネジメント専攻)。
海外調査のマネジメント、英文リサーチ、翻訳などの仕事をしながらオリンピックの研究を続ける。
翻訳書「オリンピックはなぜ、世界最大のイベントに成長したのか」(共訳)
メール:homma.keiko@gmail.com(@を半角にしてください)

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2008年12月05日
前回の「聖火リレーは国内のみ(バンクーバー)」という記事に関連して、聖火リレーがどのように運営されているのか、ご紹介します。
聖火リレーのコースは誰がどうやって決めているのでしょうか。
答えは、開催国の組織委員会が独自のテーマに基づいてリレーの計画をたて、それをIOCが了承する形となっているようです。
開催国の組織委員会がマネジメントするのは聖火がアテネを出てから。オリンピック生誕の地オリンピアでの採火儀式および、近代オリンピック最初の会場となったアテネのスタジアムまでの聖火リレーは、ギリシャのオリンピック委員会がマネジメントをおこなっています。(冬季大会の最初の頃は、オリンピアではなくスキーの発祥地からスタートしていましたが、現在は夏季・冬季大会ともオリンピアからスタートしています)
2004年のアテネ大会では、アテネ組織委員会の提案で初の五大陸リレーがおこなわれました。オリンピックが生誕地に戻ってきたことを記念し、聖火リレーは過去の夏季大会の開催都市全てと次回開催地の北京にも訪れました。
これが初めてのグローバルな聖火リレーとなりましたが、以前にも開催国以外の地域を経由した大会はいくつかあります。例えば、大戦後の復興となった1948年ロンドン大会では、平和の祭典を復活させたクーベルタン男爵が眠るスイス・ローザンヌを訪れていますし、1964年東京大会ではアジア各地を経由しています。当時、東京はアジア初のオリンピック開催地だったので、アジア各地を訪れる意義もあったと思います。
聖火リレーは、1936年ベルリン大会組織委員会からの提案で始まりました。古代オリンピックに聖火リレーはありませんでしたが、オリンピック開催を知らせる伝令使たちがギリシャ各都市に赴いて開催日を知らせ、開催の1ヶ月前から会期終了までは争いをやめてオリンピアに観戦に来るよう呼びかけていました。オリンピックが平和の祭典といわれる所以(ゆえん)がここにあります。
この伝令使の役割を聖火リレーは担ってきたと思いますが、今はメディアが世界中に映像やメッセージを伝えてくれるので、伝令使となって各国を訪れる必要はなく(十分な予算と意義があれば検討してもいいかもしれませんが)、むしろ何を伝えるかのほうが大事ではないかと思います。
メインイベントはあくまでも競技、オリンピックの目的はスポーツを通じた人間形成や平和な社会づくりであることを念頭に計画をたて予算配分をおこなうことが重要かもしれません。
posted by olympic-study |14:22 |
オリンピック一般 |
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2008年12月01日
先日、バンクーバー2010年冬季大会の聖火リレーコースが発表されました。カナダの全ての州、1000か所以上を回るコースとなっています。日本語のニュースは「バンクーバー」「聖火」で検索するとたくさん出てきます。
今年の北京オリンピックの聖火リレーが、チベット問題との関係で世界各地で騒動となり、警備や費用面からもグローバルな聖火リレーをおこなうことが疑問視されていました。バンクーバーが国内のみとしたことについて、当地の組織委員会もIOCも北京大会との関係については特に言及していないようですが、国内のみになってほっとしている人はきっと多いと思います。
グローバルな聖火リレーが始まったのは2004年のアテネ大会からでした。これは、聖火を五大陸に運びたいというアテネ組織委員会からの要望を受け入れる形で実施されました。それまでは、ギリシャのオリンピアで灯された聖火はアテネを経由して開催都市に運ばれ、そこから国内中心に聖火リレーがおこなわれていました。
ギリシャでのオリンピック開催となるとルートが限られるため、オリンピック・ムーブメントを広める上でもスポンサーという面でも海外ルートへ広げたかったというのは理解できます。でも、グローバル聖火リレーをもし今後おこなうとしたら、オリンピックの生誕地ギリシャでの開催時のみでいいのではないかと今は思ったりします。
以前も書きましたが、世界の主要都市よりも開催国内のできるだけ多くの地域を回るほうがオリンピック本来の目的に合っているように思います。開催都市だけでなく開催国全体にオリンピック・ムーブメントが広がることが、開催国にとってのレガシーの一つになるのではないかと。
2010年バンクーバー大会のルートはまさにそのとおりで、カナダの人口の90%以上をカバーできるルート(聖火リレーのコースに車で1時間以内に行ける)になっているそうです。
オリンピックトーチ(聖火)が北限の地にも原住民の人たちにも届くとのことで、どんなストーリーが伝えられるのか楽しみですね。
補足:聖火リレーが始まったのは1936年のベルリン大会から。近代オリンピックが始まった当初は、聖火台も聖火リレーもありませんでした。今では、両方ともオリンピック競技大会には欠かせない重要な役割を担っています。
参考:バンクーバー2010年冬季大会のサイト、IOCのサイトなど
関連記事:「聖火リレーの見直し」
posted by olympic-study |10:25 |
2010バンクーバー |
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