2009年02月17日

報道で見る他都市の立候補ファイル

2016年オリンピック招致、先週木曜日までに4都市とも立候補ファイルをIOCに提出し、各都市の招致計画の概要が明らかになりました。今回の招致レースは熾烈になると見られています。

まず、現在の世界経済の状況から、各都市とも財政面をアピール。この中には政府の財政保証も含まれます。オリンピック開催は、IOCが開催国(の組織委員会)にオリンピックの運営を委託するという、いわゆるフランチャイズ方式のため、開催国政府の財政保証は重要な条件となります。

それに加えて、マドリードは既に80%の施設を建設済み・建設中で交通機関などの新たなインフラ整備は特に必要ないためコストを抑えられると強調。
リオ・デ・ジャネイロはブラジル経済が現在も堅調に成長しているとして、世界銀行の予測(世界ランキング10位から2016年までには世界5位に成長)を引き合いに出しています。ブラジルは世界不況の影響をそれほど受けておらず、2014年サッカーワールドカップ開催に向けて空港整備などのインフラ事業が進んでいることも後押しして、2016年オリンピックを招致する態勢が万全にできているとのこと。意外にも、世界中が不況とは限らないようです。
一方、シカゴは州政府と市および民間で財政を賄う予定ですが、収益予想が他の3都市よりもはるかに高く、チケットの価格設定も他都市より高め、選手村の売却益や命名権による収益を期待するなど、現在の経済状況からすると財政基盤の堅固さアピール度がやや弱い印象。

東京がアピールしているコンパクトさ、選手村と会場とのアクセスの良さは、他都市も強調していますが、半径8キロ以内に90%以上の施設という東京が最も集約しているようです。マドリードは半径10km以内に90%以上の施設、シカゴは90%以上の選手が15分以内に会場に到着できると、それぞれコメント。また、選手だけでなく観客の誘導を高めたり、オリンピック会場だけでなく市内観光地とのアクセスを高めたりといった取り組みも見られます。

国民の関心度はマドリードが一番高い印象。90%以上がオリンピック招致に賛成で、全ての政党と王室も招致を全面支援といった報道を見るに、なぜここまで高いのだろうと思うほど。第一の理由はおそらく、2012年オリンピック招致に3位で落選し、今度こそという思いがあるからではないかと。そして、IOC元会長サマランチ氏の影響力。今回の招致活動を全面的に応援し、息子のサマランチ・ジュニアが招致リーダーを務めています。
「立候補ファイルには我々のDNAが込められている」「人間味のあるオリンピックを目指す」など、ヒューマンタッチなコメントが出てくるのは、スペインの国民性なのかオリンピックへの情熱ゆえなのか。

シカゴはオバマ大統領との結びつきから、オリンピック運営にあたって連邦政府との関係を強化する可能性を示唆、また変革するアメリカをアピールする象徴としてもオバマ大統領の存在を前面に出したいところかもしれません。ですが、オリンピック招致にあたっては、招致計画の内容がともかく重要という見方が中心のようです。シカゴのアドバンテージは、むしろスポーツレガシーへの取り組みではないかと思われます。

東京の招致計画については日本語の情報がたくさんあるため、ここに詳細は書きませんが、これまで見てきたように招致に向けて各都市ともしのぎを削っている状況です。
以前の調査では東京が有力候補とされていましたが、昨今の報道からは南米初の開催を目指すリオも有力なのではないかと思えてきます。中国が2001年の招致決定以降、GDP二桁台の成長を続け、先進国の仲間入りを果たし経済大国へと大きく発展したように(2008年は世界不況の影響で一桁台でしたが)、ブラジルも経済の波に乗って大きく成長するのではないかと。

それでも日本人の私としては、やっぱり日本に元気になってもらいたい。1988年招致に敗れた名古屋、2008年招致に敗れた大阪に次ぐ3度目の挑戦をぜひともかなえてほしいと思うのです。
次に日本をアピールするチャンスは4月中旬。IOCの評価委員が調査訪問するときです。それまでに国民の関心度がどれだけ高まるかが一つのキーになるでしょう。

追記:これから各都市の立候補ファイル(各都市300-600ページ)を分析したいと思ってます。気づいたことがありましたら、関連記事をupする予定です。

posted by olympic-study |14:14 | 2016東京招致 | コメント(0) | トラックバック(0)
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