2008年07月05日

日本列島を出よ スペインリーグへの疾走

少し遅くなったが、浦安の高橋がスペイン1部リーグ、カハ・セゴビアに移籍することが発表された。
 スペインリーグは文字通り世界最強、最高峰のリーグである。昨シーズンの7月には木暮賢一郎が同じく1部のカルニセール・トレホンに移籍したが、デビューする前に2部のブハランセにレンタル移籍したため、高橋が一部でデビューすることになれば日本人初の快挙となる。

シンデレラ・ボーイと呼ばれて
高橋とは大学の蹴球部で一緒の時期を過ごし、彼がプレデターに籍を移しても民間の大会などでボールを蹴った「思い入れの強い選手」だと言える。
 
 サッカーをプレーしていた時代も、今の彼同様クレバーな行動が多く、感情的に訴える前に論理的に自らのプレーを辿っていく。言うなればゴールまでの道のりを明確に描く能力に長けた選手、という印象が強い。

 大学サッカーではその才能を燻らせていたが、結局普段から口にする「フットサル」という可能性についに辿り着くことになる。それが2004年のアルゼンチン戦であり、サッカーに完全に別れを告げる衝撃的な代表デビュー戦だった。

 「シンデレラ・ボーイ」と言われた日から4年。世界の扉は開いたが、シビアな世界は彼を野放しにすることはできない。
 昨シーズンの浦安でのプレーは、あまりいい印象は最後まで持つことはできなかった。これまでのプレースタイルに悩み、そのまま元来ある能力だけでFリーグ一年目を戦ったというのが私の感想でもある。すでに日本代表のシャツからは遠ざかり、レベルアップの兆しが見えないまま、シーズンを終えた。

フットサルもサッカーも、一般企業も変わらない
海外への挑戦に失敗も成功もない。もしかしたら異なる環境でプレーするだけでも「成功」なのかもしれない。
 四面楚歌になりやすい異国の地は、その空気に触れるだけで自然と思考する角度は深さを増す。自分ではわからない。判断するのはいつも周りだ。
 問題は、後に残る経験。友人、知人、そして日本人。新しく何かを伝えるだけの経験を保持しているか。
 極端に言えば最終的にそこで、歩んだ道の賛否が問われることになるだろう。

彼らの未来
5月のウクライナ戦。イタリアやスペインを渡り歩いた小野大輔は驚くほどの成長を魅せつけた。信頼とはプレーの質に比例する、と語るように。

 だが、現在もフットサル日本代表は、足りないピースが存在する。若い新しい血は今の日本に欠ける部分と言えるだろう。しかし実際には、若い血をそこまで欲していない現実もある。Fリーグが誕生し、一番恩恵を受ける価値のあるA代表という場所でも、今だ数年前とメンバーは変わっていない。
 
 フットサル創世記の二巡目を走り続けてきたグループと、次の世代、つまり高橋や稲葉、神戸の原田などは確固たる存在感をW杯までに突きつける必要がある。
 世代の底上げは、イコールその国のフットサル文化の象徴だ。木暮や小野世代に依存度が高い分、成熟と共に訪れる下り坂の恐怖。

 今回の高橋の移籍は、停滞する世代間の変化、先代を追い抜けない憂鬱な時代に楔を打つと言ってもいい。

 世界最高峰のフットサルリーグ。世界一過酷で情熱的なリーガ。背番号10、高橋健介。薫陶を受けるだけの材料は揃い過ぎている。

posted by okuma店長 |00:12 | フットサル |
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