2008年03月10日

フッキと川崎フロンターレ、依存度の幅

 フッキはいつボールを離すのか。関塚監督が3トップを選択した以上、唯我独尊的なプレーは許されるものではない。確かに怖さはあるが、それは川崎が持つポテンシャルの断片的な部分にすぎないのではないか。快晴の等々力で、このチームが持つ破壊的な要素を見た。

サイドハーフの生きる道
まず、このゲーム最大の見所は、サンパウロFCから加入した東京Vのレアンドロでもなければ、川崎の3トップでもない。期待されている前線の選手よりも、究極の駆け引きを繰り返す両チームのサイド攻撃に感嘆のため息が自然と出てしまった人も多いのではないだろうか。

 今シーズンの川崎は、2004年から続く成熟された3バックを選択し、森と山岸を高い位置で使うことを決断。時間帯や相手の状況によっては森が3バックに吸収され4バックのような形を取る場合もあるが、関塚監督の狙いとしては両ワイドでイニシアチブを確実に取って、爆発的な前線の3選手(フッキ、ジュニーニョ、テセ)と絡める狙いだった。

緑の血が俺の体には
だがそれ以上に狙いがハマったのは東京Vのサイド攻撃だった。レアンドロを1トップで使ってくるのは正直予想できなかったが、柱谷監督の「最後まで迷った」という策が川崎を大いに苦しめることになる。
 左の飯尾は積極的な前への推進力が森の攻撃参加を封じ込め、廣山はベテランらしく、山岸のフリーランニングさえスタートできないマーキングと、山岸のお株を奪うかのような質の高いランニングで決定的なボールを受けることに成功する(廣山のシュートをストップした川島のビッグセーブも素晴らしかった)。

 東京Vは、レアンドロがもう少しトップフォームに近づき、ワイドからの展開、そして福西の効果的な絡みを安定して継続することができればある程度戦えるのではないだろうか。福西とボランチを組んだ富澤にしても、求められているディフェンスを懸命にこなしていた。
 ひとりひとりのやるべきことが明確になれば、優勝争いは厳しくとも、中位は狙えるだけのポテンシャルは持っている。そういえば、森本以来の衝撃となる17歳、河野のステップインも見事だった。

改めてベールを脱いだ川崎フロンターレ
さて、川崎は東京Vの容赦のないサイド攻撃に手を焼いたながらも、セットプレーから森が飯尾を振り切りワンタッチコントロールからゴールに流し込んで先制。昨シーズンのACLで「耐える時間帯」を学んだ経験を十分に生かしたゴールに、このクラブの継続性を感じた。

 後半12分にはテセがキープし、その後ろを山岸がランニング。東京Vディフェンスは注意をそこに向けられテセははっきりとした意図をもってジュニーニョへ。シュートは枠外だったものの川崎の3トップと、その下の選手が目指すべき方向性がそこには現われていた。

 単独でのドリブルはこの先、トップ3のクラブ(鹿島、浦和、G大阪)が人数をかけて守ると前さえ向けないフラストレーションに苛まれるだろう。Jのトップディフェンダーはそれほど甘くない。
 昨シーズンのジュニーニョはそこに停滞しなかったので、あのゴールラッシュがあった。中盤の深い場所からゲームをコントロールできる中村や谷口もいる。
 3トップという名前に依存するのではなく、ポジションチェンジを繰り返しながらスペースを確保し、チームとして戦えればこれほど面白いチームは今のJリーグに存在しない。
 
 フッキはいつボールを離すのか。来週のゲームがまた楽しみになってきた。

posted by 奥間店長 |23:32 | Jリーグ |
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