2007年06月01日
Jリーグからの贈り物
5月17日、「Jリーグが厚生労働省と連携して介護予防事業をスタート」という見出しが新聞の片隅にひっそりと載っていた。 内容はというと、介護予防普及事業の一環で、クラブがスタジアムや練習場を活用した地域に密着したスポーツ教室等を実施し、シニア世代の健康増進や体力向上に寄与することを目指すものだという。 実施にあたり、厚生労働省よりJリーグに対し、「平成19年度老人保健健康増進等事業」として今年度計4700万円の補助金交付が決定。今年度は、Jリーグ31クラブ中、29クラブが介護予防事業を実施する予定である。 Jリーグの存在意義 Jリーグは、というかJのクラブチームはこのようなグラスルーツレベルでの振興に余念がなく、サッカーの延長線上にあるスポーツという属性を上手く使いこなすことで人々の生活の営みに浸透させてきた。つまりJリーグは日本ではじめてスポーツを目的として設立されたプロリーグといえる。 いわずもがなこれがプロ野球との決定的な差であり、人間の普遍的な生活を左右させる能力を持って、Jリーグがプロ野球を凌駕するという現象さえ見えている。 近年、プロ野球の中でも経営方法が注目されている千葉ロッテや日本ハムだが、実際にはJリーグの方が一歩も二歩も先にサポーターの顧客満足度やSCR(企業の顧客満足度)、CRM(企業が顧客情報を効果的に使用する方法)などを実際に現場レベルで具現化している。 今年のはじめにある学会で千葉ロッテの広報の方が「ジェフ千葉のサービス方法を取り入れています」と話していたが、それはJリーグではごく当たり前のサービスだった(具体的には申し上げにくいが)。それさえも気付かない環境下にあった、プロ野球。ここにきてこれまでのツケが溢れ出てきたという現実を初めて体感した瞬間だったように思う。 「理念」を共有できない時間 しかし、先述した新しい形のアプローチを継続してJリーグ側が行っているにも関わらず、その恩恵を受ける人々にしか「意義」を理解してもらえない現実もある。 もう少し、メディアが受け入れてくれたら・・・例えば千葉の「サッカーおとどけ隊」は質の高いコンセンサスを今でも県民に与え続けている。 サッカーを通じて週末に得られる快感は、そこだけに留めておくのは惜しいが、それを知るすべが無いということはもっと惜しい。Jリーグの振興努力はもっと理解されるべきだし、評価されるべき対象でもあるのではないだろうか。 実は最近Jリーグ選手協会が編集した「サッカーの贈り物~素顔のJリーガー~」という本を読んだ。前から気になっていた本だったが、期待を裏切らない実にストレートな本だった。 最近なかなかゲームに出場できないが、なぜ柏の岡山はどこのチームに所属してもあれほどまでサポーターに愛されるのか、そしてなぜ宮本はサイン色紙の片隅に"Seize the day"と書くのか。彼らが活動しているほんの少しの事を知ることで、サッカーをもっと生活に落とし込める。そんな気がするのだ。 新しい見方、考え方 もちろん、Jリーグもさらなる高みへと上昇するためにはこれまでとは違うアプローチ方法も必要になってくるだろう。 そう考えると、世界一成功しているNFLのマーケティング方法を無視するわけにはどうしてもいかない。キャパやケタが違うにしろ、あの圧倒的な、いい意味での社会主義リーグから得るものは非常に多い。 Jリーグはドイツをモデルに作られ、ブンデスリーガの合理性を日本独自の視点で抽出してきた。それにより、我が国では今でも「世界の中心は欧州」という人も少なくない。だが、ここにきて欧州一辺倒のマーケティングやマネジメントはある程度やりつくした感は否めない。新しい切り口も発展の為には必要不可欠だ。 いまこそ、NFLがどのような活動を展開し、そしてその活動をJリーグに反映することは可能なのかという部分を考えていくべきである。その論点から、Jリーグを考えてみたい。最近はそう思うようになってきた。
posted by 奥間店長 |01:26 |
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