2007年12月15日
高校サッカーを考える季節に君を想うということ
高校サッカーの季節は既に数ヶ月も前から始まっている。インターハイでスパイクを壁にかける生徒も多い。何も選手権だけが高校生の輝く場所でもない。 しかし、最終的な終着地点は選手権と捉えるだけの付加価値はやっぱりある。 選手権の流れが変わった日 今年はU-18日本代表候補の兼ね合いもあり、全国的にスーパーシードの高校が増える奇妙な構図が浮き上がってきた。 特に群馬県予選では前橋育英の選手が結局、代表候補に召集されずにベスト4から登場となった。7月以来の公式戦となったが、試合感は鈍り、シビアな展開の流れに乗れない恐れもある中で、タイガー軍団は二年連続の選手権出場を決めた。 そして日本中が注目した千葉県予選。同じ県に日本一は二校いらない。この二校の対戦は今季四度目。その全ての大会に千葉県代表のイスは二つあった。だが今回ばかりはそうもいかない。 関係者には12年前、市立船橋には北島が、習志野には福田、廣山がいたあの一戦が去来するのだろう。しかし今年はそれ以上の材料が揃い、市立船橋と流通経済大柏が残してきた実績も、過去に前例の無いものだった。 ひとつの決断とひとつの制御 前半3分、少し浮いたと思われたクロスに市立船橋のFW富田が飛び込む。これはGKのファインセーブにあったが、両ワイドからリスクを冒してでも攻めるイチフナの強い気概を早い段階で感じることになる。 流通経済大柏も高円宮杯で大車輪の活躍を魅せた大前や上条が玉離れを早くし、市船ゴールへ向かうがなかなか決定的な場面は作れない。これまで何度も相手に「サッカーをさせなかった」強烈なプレッシングも、市船のダイナミックな展開にボールを奪う場所やタイミングをつかめない時間が続いた。 しかし、その市船の流れはある瞬間を境に突然止んでしまう。後半に入ると流経の特徴の一つでもある攻撃の選手二人を同時に代え、相手のマーキングのズレを突いてくる。 この多様性のある変化に市船は動揺し、ボールが収まるはずの場所でなかなかキープできず、効果的な攻撃に移れない。 これは高円宮杯の決勝に進んだ広島ユースにも言えることだが、相手がこれまでとは違った展開を仕掛けてきたとき、対応に時間がかかりすぎているチームが最近は目立つ。突き詰めれば状況判断の質と言うことになるが、目の前のドラスティックな変化についていけないのは、現在の高校生の特徴の一つでもある。仕掛ける側もそうだが、受ける側も状況に応じたサッカーを魅せなければ上のカテゴリーで柔軟な発想をキープすることは難しい。 選手交代の選択肢もあったが、市船の石渡監督はゲーム後に「延長が頭にあった」と語ったようにタイミングを逃してしまう部分もあった。 選手交代によってお互いのコントラストはさらに浮き彫りになり、後半ロスタイム、交代で入った流経の久場が一気に左サイドを抉り、3人を抜いた後シュートを迷い無く放つ。一旦はGKに弾かれるが、こぼれ球は上条の前に落ち、左足を振りぬくと劇的な幕切れが待っていた。 高校サッカーは君のために 「これから先、大学やプロでサッカーを続ける以外に、こんなにも多くの仲間と、こんなにも多くの時間をかけて一つのゲームに臨む事は、多分一生ない。だからこそ、これから起こる一つひとつを大切にしよう」 昔、高校生を指導し、選手権予選に挑む際にこう伝えたことがある。殆どの生徒は今、サッカーを継続的にプレーしていない。 する側から見る側へ回ったとき、溢れ出る昔の想いはどこへ行くのか。気が付けば、そういった感情を抱かない自分に出会うことだろう。それもまた、大人になるということだ。サッカーだけが人生ではない。 今年も、センシュケンの季節が始まる。その時間は自分だけのものだ。
posted by 奥間店長 |00:41 |
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