2008年06月04日
快勝の裏に潜む・・・ 日本対オマーン
顔を出す大久保 キリンカップの二試合から抽出された問題点を、洗練された形で表したのは大久保だった。 玉田の後ろに陣取り、シャドーストライカーとしての得点はもちろん、コンディションが悪いなりに動きの質も高かった。中央やサイドエリアで顔を出し、中盤のボールを引き出す動きを見せたと思えば、中村や松井の「仕事をする」スペースを作り出すランニングも続けざまに見せる。 オマーンのDF陣は3バック気味だったこともあり、中盤も含め誰が大久保を捕まえるのかという理解が最後まで統一されていなかった。 もちろんサイドの主導権も日本が握っていたこともあって、ほとんど5バックのような形になっていった。これによりオマーンの中盤は厚みを無くし、攻撃へ移行する機会も激減。最終的に日本のボール支配率は66.7%に達していた。全ては、大久保のスタートダッシュから始まったと言っていいだろう。 懸念されたアタッキングサードでの無駄なボール保持も中村を中心に、ボール離れを早くし、仕掛けるタイミングに合わせてコミュニケーションは円滑に進んでいる。3得点とも、質の高いフィニッシュだった。 ボランチの消化不良 気になるのは、ボランチと両サイドバック。遠藤と長谷部はこの日の結果以外のことを求められれば、フラストレーションが溜まる一戦だったと思う。 岡田監督は「今回は点をどうしても取らなくてはいけない試合だったので、ビルドアップのところでディフェンスからボールを受けてつなげる選手がほしいと。両方を考えたとき、ディフェンスのリスクを冒してでも、今回はこの組み合わせで行こうと考えた」と言及している。 このゲームでは中盤より前の段階でしっかりボールをつなぐという意図が確かに確認できた。遠藤も、決定的な仕事に絡むわけではないが堅実なプレーを選択している。 しかし遠藤よりも前で勝負したかった長谷部は、前方に大久保がポジションを取っているために「タテのポジションチェンジ」をスムーズに行えないという問題があった。 このゲームに関しては、三列目から攻撃に変化をつけなくとも得点を奪えたが、いつものように停滞する時間帯がありありと見える場面はどうなるのか。 これから先、オマーン戦のような布陣にする機会がないとしても、ボランチの選択は非常にデリケートな問題だと思う。 攻撃に直接絡めないサイドバック そして加地がいなければこうも攻撃に参加できないのか、と感じてしまうのが今の日本代表のサイドバックだ。 現在の駒野はディフェンス面に関しては献身的に消化するが、クロスの精度が良いとは到底思えないし、攻撃に顔を出すタイミングも遅い。 三点目を奪った中村も「欲を言えば、コマ(駒野)が右から走ってきてくれれば、パスを出すふりしてシュートというのもできたけど。それくらい連動していくともっといいけど、速攻みたいな感じだったからコマも上がれなかったと思う」とコメントしている。 オマーンのように誰がアプローチに出ていくかという共通理解がまとまっていないDF陣だからこそ、中村の個人技で得点に結び付いたが、相手によっては左サイドバックが中に思い切り絞ったり、中盤の選手がもう一人中村の背後からチェックにくる可能性だって十分にある。 もしかするとアウェーのオマーンでは厳しいプレスが当たり前かもしれない。攻撃の選択肢を増やすという意味でも、両サイドバックのタイミングのいい絡みは必要なのだが・・・。 長友はテレビで見るより、現場で見たほうがはるかに彼のストロングポイントを理解できる。運動量はケタ違い。1得点目の遠藤のCKを導いたのも長友だった。駆け引きも非凡なものを持ち合わせている。 しかし、国際経験の少なさから、いつもとは異なるプレッシャーの中で細かい足下のスキルや、利き足とは逆の左足のクロスで流れを分断してしまう局面が目立つ。 余裕のある予選を戦い続けるために アウェーでは気温の影響から長い距離を走るというより、ボールを動かし、ロングボールを蹴る時間帯も増えてくる。当然、巻や矢野のようなFWに合わせるクロスも質の高さが求められるはずだ。 次の一戦で勝ち点を奪うことができれば、2位以内は確実となる。その後タイやバーレーン戦は「消化試合」として位置付けられ、最終予選へのオプションを増やせる機会が増えるだろう。チームの連携は悪くはない。計算できる選択肢を増やすため、確実に勝利をつかみ、一つでも成熟に近づけるサッカーを期待したい。
posted by okuma店長 |00:27 |
NIPPON代表 |


