2008年05月26日
スタイルは見える。だが変化は見えない日本代表の姿
24日に行われたコートジボアール戦は岡田監督のやりたいサッカー、というよりもこれまで我々が見てきたような、あくまで日本人特融のサッカーであって、特に岡田イズムが反映された内容でもなかった。 最高の演出と、最高のボレー 前半の強烈なプレスが岡田的だと表現するメディアもあったが、後半を見てもわかるように継続性がないコンセプトを手放しに受け入れることはできない。W杯予選は相手が極端に引いてくる場合も多々ある。90分の中で、抑揚や緩急をつけて駆け引きを促すことは必然的に求められる。 逆に言えば、後半こそ岡田監督の手腕に期待したかったのだが、コートジボアールがギアをシフトチェンジした後ではアウェーの戦い方のような受け身の姿勢を崩すことは難しくなっていた。 日本の得点のシーンはスピードや判断のシンクロ、そして技術。すべてが高いレベルで共有された素晴らしいシーンとなった。 特に玉田のフリーランニングが始まるタイミングは、一気に大久保やボランチの二人をゴールへのイメージを膨らませることになる。 今野が松井からボールを貰った瞬間は、相手の左サイドバックのボロなどが同サイドをケアしていたこともあり、まだ長谷部へのパスコースは存在しなかった。 しかし、ここで玉田が相手を一旦ひきつけるランニングを魅せ、長谷部へのパスコースを「創って」あげている。 その後は、2トップのイメージがシンクロしたような大久保のスペースの後ろに玉田がフリーでクロスを合わせた。コートジボワールのコンディションが良ければ、追走している場面だろうが、今回はボールが来ることを信じて長い距離を走った玉田に軍配が上がった。 リーダー不在の日本代表 日本代表は移動もなく、コンディションはいいと判断できる材料は多くあったと思う。だが、得点後、特に後半に入ってからは日本の特徴の一つでもある献身的なプレーは影を潜め、数人で絡むポゼッションはもちろん、状況を変えるサイドチェンジさえ見ることは最後までなかった。 「テスト」と定義付ければそれまでだが、ペース配分を気にすることができるピッチ上のリーダーがいない。このゲームを見ての感想はこれに尽きる。とにかく前半はボールが落ち着かなかった。 当時の名波や中田などは90分をトータルで考え出す能力があった。リーダーとしての背中と、ピッチを俯瞰し、流れを感じ取れる選手はやはりマイノリティーに部類される。能力自体も先天的な要素が多く含まれ、努力では追いつかないものだ。 現段階で、メンバーリストの中にこの能力を期待していいのは中村俊輔だけ、と断言できる。経験に蓄積された戦術理解力と、有無を言わせぬ圧倒的な個人スキル。 局面だけではなく90分を見渡すことのできる選手が、特に中盤にいると、チームの印象はかなり違う。それはキャプテンシーとはまた違った部類のものだ。 海外組には培ってきた足下のスキルだけではなく、そういった部分への期待が大きいのだが、今回に関しては終始感じることはできなかった。 世界を驚かせるために このチームは事前合宿でも岡田監督が真っ先に着手したように、まずはディフェンスから入るチームになりつつある。 ショート・カウンターを武器に、相手の陣形が整わないうちにボールを素早く運ぶ、というイメージだ。 だが、それだけではW杯に行くことはできても、グッドルーザーとしてW杯を去ることはできない。世界に何の衝撃も残せないまま、場当たり的なサッカーで終わってしまう可能性は高いだろう。 玉田の得点のようなシーンが意図を持って継続的に起こるためには、ただガムシャラにボールを奪い、攻撃の起点を作るだけでは難しい。 攻守の流れを察知することで、「監督以上の監督」がピッチの上で流れを作る。次のパラグアイ戦は、すでに着目すべき場所は決まっているように思う。
posted by okuma店長 |00:44 |
NIPPON代表 |


