2007年08月17日
昨年の今頃、暑さが猛威を振るったアメリカ東部だが、今年の夏はからっとした、比較的過ごしやすい日が続いている。
そんな天候なのに、レッドソックスはどうも夏ばて気味だ。序盤戦は宿敵、ヤンキースの調子の悪さを尻目に、連戦連勝。一時は14.5ゲーム差をつけていたのだが、ここに来て失速。オールスター後、ヤンキースは20勝9敗というハイペースだったのに対し、レッドソックスは19勝14敗。8月16日現在では5ゲーム差まで縮まった。
そんな元気のないチームの中で、一人気を吐く選手がいる。二塁手のダスティン・ペドロイヤだ。開幕当初、レッドソックスの弱点の一つとして2塁が挙げられていた。2006年途中にメジャーデビューを果たオたペドロイアだったが、31試合で2本塁打、打率.191と、満足の行く結果を残すことを出来なかったからだ。
開幕はなんとかメジャーに残り、8番や9番を打つことになったが、中々打撃は上向きにならず、4月には6試合連続無安打を記録するなど、4月の打率は.182と低調だった。それが5月には一転。アリゾナ州立大学出身の2塁手は、9試合で2安打以上を記録。月間の打率.415をたたき出す。
6月の月間打率は.333、7月は.299と好調を維持。それに伴い、波の有るルーゴやクリスプに代わって、2番を打ち始める。ここ最近ではリード・オフマンの役割を果たすなど、173センチと小柄なペドロイアの存在感は、大物と役者ぞろいの強豪チームの中で確実に大きくなっている。
ペドロイアを語る上で忘れていけないのはその守備能力だ。位置取りはもちろんの事、全力で右へ左へ走り、懸命に白球を追う。そのダイビング・チャッチでチームの危機を救ったことは数知れず、その姿は正に映画「スパイダーマン」を髣髴とさせる。レッドソックスの中継でも、松坂投手のピンチをその守備で救ったことを覚えているファンの方も多いのではないか。
また、その小さな体全部を使ってのフルスイングと、常に全力でベースを駆け抜けようとする姿勢は、バテ気味のチームメートを牽引する。寡黙で派手さはないものの、堅実なプレースタイルは正に職人。最近ペドロイアのTシャツを着ているボストンファンが増えているのは、彼に共感するファンが多いからだろう。
そんな彼の経歴を紐解くと、エリート街道を歩んできたことがわかる。野球の名門、アリゾナ州立大学では、全米制覇は出来なかったものの、2003年には打率.404を記録し、Pac-10(太平洋側に有る大学10校が構成するスポーツ・リーグ)のベストナインに3度選ばれるなど、メジャーでの成功も確実視されていた。2004年のドラフトでレッドソックスが指名、その後ペドロイアはシングルAから着実にステップアップ。23歳になった2006年、ついにメジャーデビューを果たすこととなる。
そんなペドロイアの成長振りに、フランコナ監督も目を細める。「だから言ってただろ?彼はやる奴だって。正直、去年の9月とキャンプ、シーズン当初はまだメジャーのレベルじゃないかな、って思ったんだけどね。今はもちろん高いレベルのプレーを見せてくれているよ。満足しているね。」
オーティス、ラミレス、シリング、ベケット、パペルボン、岡島、そして松坂。メジャーの舞台でも輝き続けるスターの中で、年棒38万ドル(およそ4100万円ほど)のペドロイアは輝きを少しずつ増し続ける。
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2007年08月09日
今シーズンに入って、レッドソックスのエース、カート・シリング投手の元気が無い。故障者リストに乗ってから60日目。ローテーションに復帰したシリング投手は、8月6日ロスアンジェルス・エンジェルス戦に先発したものの、4失点を喫し、復帰を白星で飾れなかった。
セオ・エプスタインGMとレッドソックスは、2007年シーズン後にFA選手となるシリング投手と、春季キャンプ前時点では契約延長はしないと発表した。今年40歳という年齢に加え、今シーズン、怪我をするのではという懸念からの決断だった。契約を延長して、気持ちよく開幕を迎えたかったシリングは、レッドソックスの判断に失望感を表したが、4月、5月を5勝2敗、防御率3.68という好成績でシーズンのスタートを切った。
しかし、6月に入ってから徐々に安定感を欠きはじめる。シリングはあわやノーヒットノーランを達成しそうになった、6月7日の対アスレチック戦を除いた3試合で、最高でも5回を投げきるのがやっと。同月の防御率は5.79と、4月、5月の防御率に比べておよそ2点も悪くなっている。それに加えて、MRIスキャンで異常なしと診断されたが、6月18日の対ブレーブス戦後に肩の異常を訴えるなど、怪我の心配も依然としてある。
「なんだかしっくりいかないんだよ。今年はずっと色んなことを受け入れるように努力しているよ。それは年のせいなのかもしれないし、(物事が)うまく行かないからかもしれない」と毎週出演するラジオ番組で気持ちを吐露したシリング。普段ならもっと強気の発言をするのに、こんなしおらしい、元気のないシリングを見た記憶は無い。
2004年、ヤンキースとアメリカン・リーグの王座をかけた戦ったチャンピオン・シリーズ第6戦で、まだ術後まもない足首から出血していても、痛みをこらえてチームのために黙々と投げ続けたシリング。優勝に見放され続けてるフィラデルフィア・フィリーズで、9シーズン(2000年は途中から在籍)ひたすら黙々と投げ、通算101勝をかき集めたシリング。常に反骨精神に溢れ、勝ちに飢えを覚えず、貪欲に野球と向き合ってきた。
8月8日現在でチームは68勝44敗でアメリカン・リーグ東地区1位。2位ヤンキースに5.5ゲーム差をつけており、気の早いファンは3年ぶりの優勝を疑わない。ただ、ヤンキースは一時の絶不調から抜け出し、西地区のエンジェルス、中地区で昨年ワールドシリーズに出場したタイガースと、強打者ぞろいのインディアンズも調子を崩さない。
厳しい戦いが予想される今年だからこそ、40歳の右腕にはまだまだ頑張ってもらわなくてはいけない。いつもの強気でファンとチームを引っ張ってもらわなくてはいけない。
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2007年08月07日
今日は軽いトーンで。
「ディビット・ベッカム選手がメジャーリーグ・サッカー(以下MLS) にやってくる!」というニュースは、こちらアメリカでも大々的に報じられました。今シーズン、メディア露出も爆発的に増え、ESPNとリーグが放映権を結んだり、ユニフォームにスポンサーの名前を入れ始め、またドイツ・ブンデスリーガと提携を結ぶなど、今ではプロホッケーリーグ(NHL)を抜いて米国4大スポーツの仲間入りを果たすとも予想されるほど、その興隆ぶりが顕著になっているアメリカ・プロサッカー界。
果たしてアメリカ・サッカーとはどんなものか?実は私、シカゴ・ファイヤーのファン(自認)なのですが、中々行って直に体験する機会もありませんでした。今回シカゴが絡んでいない試合だったのですが、一念発起、行って参りました!
まずはアクセスから。車で行かない限り、マンハッタンからニュージャージー州のメドウ・ランズ(Meadow Lands)行きのシャトルバスに乗っていきます。ゲームが平日の夜ということもあり、かなり寂しいイメージを持っていましたが、バスに乗り込むとその思いは一転。メトロスターズのジャージを着込んで、決戦に臨むサポーターでバスはパンパンに膨れ上がっていました。さすがにゲーム前から酔っ払ってチャントをするサポーターはいませんでしたが、サッカー文化はアメリカにも根付いているなぁ、と嬉しくなりました。
バスは明かりがつき始めたマンハッタンの摩天楼を右手に見て、高速道路をひた走ります。その間20分強。高速道路を降りてしばらくすると、前方にジャイアンツ・スタジアムがそびえ立っています。隣にはNBAのチーム、New Jersey Netsの本拠地、Continental Airline Arenaがあります。
NFLのニューヨーク・ジャイアンツの本拠地を使用しているということで、客席の多くのセクションは閉鎖されていました。もともと7万人を収容出来るスタジアムですから、どうしても寂しい感がぬぐえません。チーム発表では、この夜の観客数は10732人でしたが、見た感じ6000~7000人ぐらいでは?と錯覚してしまうほどでした。
ロス・アンジェルスを本拠地とする、Chivas USA(チーヴァスUSA)との一戦は、終始メトロスターズが押し気味で進めていきました。元アメリカ代表キャプテン、レイナを中心に攻め続け、前半だけで3本ほど惜しいシュートがありましたが、どうも決めきれません。そうこうしているうちに、アウェーのチーヴァスが厳しいプレッシャーで中盤を支配。カウンターから1点を先制します。
そこからメトロスターズも右サイドを中心に、サイドを使って攻めますが、センタリングの精度の悪さもあり、なかなか有効な攻めになりません。攻めてはいますが、どこか「攻めさせられて」いて、有効的に攻められない中、どのように攻めていくのか、フィールドで何をチームとして表現したいのか、全く伝わってきませんでした。
シュートは打ちも打ったり19本(チーヴァス6本)。コーナーキックは11本(同1本)打ったにも関わらず全く点を取れず、リズムを失うという負のスパイラル。
元米国代表監督、アレーナが選手交代を通じてどう対処していくかが楽しみだったのですが、交代枠を使い切っても状況を変えるまでは行かず、再度チーヴァスにゴールを許すことになりました。0-2。そこでタイムアップ。
メトロスターズは、最近ちょっとチームとしての勢いを失い、疲れているのかな、といった感想です。対してチーヴァスはコンパクトなサッカーをしていました。中盤からのプレッシャーも早く、「アウェーでの戦い方」のサッカーをそのままフィールドで表現した感じです。
あと、よく聞かれるのは「日本のサッカーとのレベルより低いの?高いの?」という質問ですが、今日紹介した試合を見る限り、JでやっているサッカーのレベルはMLSよりも高い、と思います。ただ、その差は日本のサッカーファンが思っているほどない、というのも付け加えておきます。
最後にサポーターについて。
今回はゴール裏でメトロスターズ・サポーターと一緒に応援しました。日本と違うのは、とにかく相手チームとサポーターをコケにすること。チーヴァスはメキシコ系のチームなので、「ソンブレロ(メキシコの伝統的な麦藁帽子)が無い~、ソンブレロがない~。もう着る物は何も無い~」 と歌ってみたり、
「We are Metros, we are Metros. Piss on you! Piss on you! (俺たちはメトロ、俺たちはメトロ、クソ喰らえ、クソ喰らえ」と歌ってみたり。
もう放送禁止用語のオンパレード。もっと自分のチームのプレイヤーのチャントや(今回全くなし)、チームを元気付ける歌(Youll Never Walk Aloneとか)が有っても良いなぁ、と思いました。
あ、発炎筒もたかれましたが、警備員がすっ飛んできました。そこで怒っている警備員にすかさず「とっとと帰れ、オマワリ(警備員だけど)!」とスペイン語でチャントする始末。もちろん警備員の人たちはスペイン語を理解していなかったので、きょとんとしていましたが。
結論 MLS、舐めていましたが、面白いです。
今度は是非、シカゴファイヤーの本拠地、トヨタ・パークで試合を見てみたいです。
写真をアップできず、すみません・・・。
posted by nysports |00:00 |
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