2009年12月15日

拝啓: 親愛なる柏レイソル様

柏レイソル社長、河西晋二郎様はじめフロントの皆様方、
ネルシーニョ監督および選手の皆様
 
敬具
 
まずは皆様、本当にお疲れ様でした。心身ともにギリギリのところで戦っていたことでしょうから、たとえ選手の誰かが、スタッフの誰かが違う色のユニフォームを着ることになっても、今はしっかりと体を休めて、来季のために備えて頂ければ、と思います。

1シーズン戦い終えた皆様にぶしつけながらこのようなものを送りつけますこと、まずはお詫び申し上げます。三十路過ぎの1サポーターのただのぼやきと応援として、お聞き下さったら幸甚です。
 
今年はチーム戦術を前年から変えようとした上に、開幕前にはけが人が続出しましたね。しかも今シーズンは下位3チームが入れ替え戦なしの自動降格が決まるとあっては、スタートダッシュで躓いたチームにとって、非常に難しいシーズンだったことは察することができます。
 
ただ、J2に再び降格してしまったという事実は、事実です。これを直視しない限りは何も変わらないし、これからも同じ過ち(御チームの戦力から言って、過ち、とあえて書かせて頂きました)を何度も繰り返します。
 
2007年、2008年。石崎前監督の下、レイソルのサッカーを暴力的にくくるのなら、高い位置から素早いプレッシングを仕掛け、相手ゴールへの最短コースへのパスを紡ぐ堅守速攻サッカーでしたね。正直他の強豪チームよりも戦力が見劣る一方、ピッチで見せるサッカーは徐々に無駄をそぎ落としましたね。またボールの軌道とオフ・ボールの動きは、前への推進力を常に意識する「柏のサッカー」のベースが出来ていました。心強かった。
 
そんな中での、2008年オフシーズンでした。
 
理解に苦しみました。なぜ、ここに来てのポゼッション・サッカー、アクション・サッカーなのか。加えてフランサ中心のチーム作りを、石崎監督を事実上解任してまで推し進めるのか。

イエローハウスなどに参加できない身であるために、フロントの方々のご意見を直に聞けず、報道にたよることしかできませんでしたが、それを差し引いても、疑問符ばかりが頭に残りました。納得できる説明は、残念ながら得られませんでした。
 
フランサは当時既に32歳。経歴を見ると怪我も多い。そんな彼を中心にしてのポゼッション・サッカーは、たとえ彼の才能溢れるプレーを考慮に入れても、心中するにはリスクが大きく、中・長期的に見るとレイソルの利益に反する動きなのではないかと、一人ウェブでの報道を見ながら案じておりました。
 
そして監督の選出。どうしてもポゼッション・サッカーを推し進めるならば、それに応じて一番適した監督を監督市場からさがしてスカウトしてくるのも、強化の一環でしょう。ところが石崎前監督のヘッドコーチ、高橋真一郎氏を監督に指名したことに対しても、どうしても納得がいかなかったことも事実です。突然振って沸いたような「ポゼッション・サッカー」。なぜ柏レイソルは、チームとしてその戦術を嗜好するのか。どこまでそれを取り入れるのか。しっかりとした議論がなされないまま、その新しい標語の下でどこかドタバタした感じたままの開幕でした。
 
つまりは一貫性が全てにおいて見えてこなかったのです。こうありたい、こうなりたい、という気持ちはあったのは理解できます。石崎前監督が築き上げた土台、その基礎の上に更なる発展を目指してのことなのでしょう。ただ、そのお気持ちはどれだけのものだったのですか?どうして今、チームの戦術変更に取り組んだのですか?その戦術・嗜好に伴った監督、コーチ、選手の選出・入れ替えは徹底して行いましたか?現状の選手にシーズンオフという短期間の間に、チームはそんな劇的に変わるとお思いだったのですか?
 
所詮、私は外側から物事を見ていません。けが人が続出し、計算がたたなかったのもわかります。懸命に動いても結果が出ないこともあるでしょうから、正直心外と思われるかもしれません。ただ、そこ突き詰めが甘かったのが、今年レイソルが不振に陥った原因の一つであると考えることは、そこまで間違っていないとも思います。
 
ただ、チームの皆さんには、感謝も感心もしています。
 
いよいよ降格が現実味を帯びてきてからの、フロントの決断、つまりは監督の人選、補強は納得の行くものでありました。李忠成選手の完全移籍容認の決断は少し驚きましたが、それでもフロントの方々の勝ちたい気持ち、残留への熱い思いは伝わりました。
 
また残った選手の頑張りには心打たれ、誇りに思いました。彼らは戦い続けた。実力は劣っていても、少なくても気持ちでは誰も負けていなかった。プレーの一つ一つに、強い気持ちを、画面を通じながらはっきりと見ることが出来た。負けがこみ、落ち込んだときに、でもまた信じる気持ちをくれたのは、一番つらい選手一人一人が諦めず走る姿でした。浦和レッズが今シーズン示したように、勝ちながらチームを代えることがいかに難しいことか、理解しています。ですからサポーターは降格しても、ある程度納得がいったのだと思います。「俺たちはチャレンジして、やることはやった。来年もう一度一緒に頑張ろうぜ」と前向きになれたのだと思います。
 
来期、レイソルはここでもう一度、自分たちのアイデンティティーを振り返り、どのようにチームを運営していくのかをきちんと見つめなおす、良い時期なのだと強く思います。
 
チームはこれから、岡田監督時代のFマリノスのような手堅く守り、しぶとく勝ち残るサッカーをするのか。それとも現広島のような華のあるサッカーを目指していくのか。それをフロントは、ネルシーニョ監督と喧々諤々の討論をして、その結論をホームページを含む場で、サポーターにきちんと説明していかなくてはいけません。そのために、ネルシーニョ監督と袂を分かつのであれば、それは毅然として行うべきです。
 
戦力的には1年で上がってこなければいけない戦力です。ただ、今年は学ぶべき一年でありました。来期以降確固たるプランがあり、「柏のサッカーって、すごく面白いよね」と他チームサポやサッカーを全く知らない人にも言ってもらえるようなチームを作りたいならば、そしてその浸透にもし時間がかかるならば、J2で2、3年我慢してほしいと私たちサポーターに言い、説得して下さい。今一番避けなければいけないことは、反省も検証もそこそこに、将来のビジョンを描かないままに来期に突入することです。
 
また、古い体質の考え、甘えはチームに巣くっていやしないか。考えにぶれはないか。育成システムは先細っていないか。また選手はあそこまで応援してくれるサポーターの声援を当たり前だと思ってはいないか。これらもきちんと見直さなければいけません。2006年のJ2は、柏を強くしました。現場・フロント・サポーターの距離はギュッと縮まり、魅力的なチームになりました。その事実にあぐらをかいていなかったか。常に前進しようとする強い気持ちは持っているか。プレー一つ一つを大切にしているか。
 
バルセロナやマンチェスター・ユナイテッド、Jリーグでは鹿島はこの点がしっかりしているんですよね。チームのDNA、つまりはこう有りたいという熱意とブレのなさが確りとそのチームのベクトルを作り出し、サポーター、地元地域を巻き込みながら凛とした空気を醸成していく。それが伝統につながるのです。柏もその伝統が正直、欲しい。「J2つらかったけど、この2010年のシーズンがあったから、今のレイソルがあるんだね」って3年後、5年後言えるような第一歩を踏み出せるような、そんな前向きな一年にして欲しいな、と心から願っております。

こんな大それた、長々としたメールを書きましたが、結局来シーズンも私はレイソル・メルマガで速報をチェックし、広報日記で連日微笑み、Youtubeでアップされたハイライトを一喜一憂しながら見て、週末を過ごす、ただの一サポーターです。来年、皆様にとって、堅固たる地盤作りとすばらしい飛翔の一年でありますよう、遠い彼の地から心より祈願申し上げて、筆を置かせていただきます。 

敬具。
米国在住 一サポーターより。

最後に全国を飛び回るレイソルサポーターの皆様へ。皆さん、今年もレイソルを応援してくださって有難うございます。事情があって日立台に来年もいけないと思いますが、皆さんのチャントは、ここまで届いています。来年も一緒に頑張りましょう。とにかくお体だけは気をつけて。

posted by nysports |12:51 | Thoughts | コメント(0) | トラックバック(0)
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