2008年04月13日
東京ダービーの今 -J1第6節 東京V vs F東京-
J1:第6節 東京V vs F東京 ピッチサイドで観戦してきた東京ダービーのレポートです。 楽しかった。本当に楽しかったです。と、小学生の日記のように、「味スタいってきました。試合を見ました。楽しかったですマル」と終わりたいくらい、「もう書かなくても満足できたな」という試合でした。 もっとも、これが東京ヴェルディサポの立場だと180度変わると思います。 私はFC東京サポの立場からしか書けないので、その点ご了承下さい。 ■FC東京サポからヴェルディ『川崎』コールが 私は武蔵野に住んで5年になるのですが、スタジアム観戦を始めたのが去年からということもあり、私にとっては初めての東京ダービーでした。 『ヴェルディのホーム』の味スタに、一時間半前にスタジアムについてみると、どんどんとFC東京のサポーターが入ってきます。 東京ヴェルディは、バックスタンドを1969シートとして1969円で販売していて、このエリアとホーム自由席とでファンが分散したのかなと考えていたのですが、実際には1969シートの半分も、青と赤のFC東京のファンが入っていました。さらにFC東京のサポは、アウェイ自由席の二階まで人が溢れ、ほぼ満員です。 対して、ヴェルディは結局1969シートも半分。ホーム自由席も7割~8割。この日は2万2千人の集客でしたが、そのうちの1万2千人ほどはFC東京のサポだったのではないか、と思います。 また、開始前とハーフタイムに緑と白のプラカードを掲げるというシーンがあったのですが、やや寂しい様子になってしまいました。どなたが考えたアイディアなのかはわかりませんが、これは失敗だったのかなと思いました。 そのようなことから、ヴェルディのJ2降格という負の遺産を感じずにはいられません。 今回は『土肥と福西』という発奮材料もありますし、さらには『3年ぶり』、『フッキ』、『柱谷VS城福』といくらでも対戦を盛り上げる要素を挙げられます。 ま、とはいえ結局はホイッスルが鳴ってしまえば純粋な勝負ですけれどね。でも、そういう盛り上がる要素もピッチに届くサポの声の音量を少しでもあげているなら、それはそれできっとピッチの中の選手もメンタルにも影響が出てくるでしょうからね。 本気で憎しみあってしまってはいけませんが、その手前ならばいくらでも盛り上がってほしいというのが私の気持ちです。 ■さらっと試合について 激しく攻め立てる東京ヴェルディに対して、それをいなして反撃の機会をうかがうFC東京という構図でした。しかし、FC東京はアタッキングゾーンでのパスの成功率が悪い。 もちろん、抜けたらチャンスというパスを狙っている感じもあったんですが、FC東京の今年のテーマ「ムービングフットボール」からはややずれるかなという印象もあったのですが、そこはダービーという特殊な状況もあったでしょうし、前半のほとんどを無失点に抑えたという結果を見れば、成功でした。 その後はFC東京が盛り返してきて、互角か、ややFC東京のほうがチャンスを多く生み出しました。 しかし、前半の最後、44分に東京Vが、フッキに対するファールで得たボックスすぐ右の位置からのFKで、フッキがスーパーなゴールを決めたところで前半終了。 後半に入っても東京Vのペースは続いて、フッキのポスト直撃、ディエゴの抜け出してのGKとの一対一の、二つのビックチャンスを作りますが不発に終わります。 その後、交代で出てきたFC東京の大竹が試合をFC東京ペースに変えます。徳永が奪ったボールが大竹に渡り、カボレが入れたクロスを赤嶺が落としたところを羽生が技ありのシュートで同点。 直後に羽生に代えて金沢という交代がありましたが、これは前がかりのチームの意識を今一度守備に向けさせる意図があったのでは、と思いますし、交代という面での城福監督の采配は冴えていたと思います。 スタジアムの半分強を占めるFC東京サポの声が俄然勢いを増し、最高潮に達したのが後半のアディショナルタイム。ボックス内での今野のヘッドを長友が競ったところでDFの足に当たり、値千金のゴールがFC東京に生まれます。 そしてスコアは1-2でタイムアップ。 ■両チームの差は『9番』 フッキは、凄かった。正直、よくあれを抑えたなと思います。 ただ、何と言ってもフッキは合流から二試合目ですし、個人での突破も多くて守るだけなら何とかなったのかなとも思いました。 後半のポストに当てたシーンなどではチームプレイとしての形も見えてきただけに、ここで点を取れなかったことが東京ヴェルディの分かれ目だったのでしょう。前節のフッキを私は見ていないのですが、この試合ではフッキは最後まで輝くことはなかったです。さらにはフッキは2枚目のイエローで退場となったことで、次節はサスペンションとなりました。 これをいい冷却期間と捉えて、ぜひフッキ選手にはチームにより溶け込んでほしいと思います。 一方のカボレ選手は、彼のポストの技術は特筆モノです。それが確実に計算できるし、チームとして「カボレなら落としてくれる」という共通理解が出来てきているのだろうなと感じました。 カボレ一人でも点を取れる力があることは分かっていますから、チームでの彼の立場は確実でしょうし、この試合での一点目もカボレ選手の精度の高いパスから生まれています。 合流して間もない上にJ1では未知数のフッキが、その実力を出せるかどうかはわからない――そんなことは、分かり切ったことなんですが、報道を見る限りでは「フッキ」の3文字が踊っていました。 ピッチ外の部分で騒がれた面もありましたが、それでも「フッキ」を持ち上げてしまうテレビ報道、スポーツ新聞の報道などには違和感がありました。 まぁ、いい意味でも悪い意味でも影響力のある選手、というのがフッキに対する印象です。フッキを生かせるかどうか、制御し切れるかどうか。そのあたりが柱谷監督の腕の見せ所であり、もしかしたら課題なのでしょうね。 ■東京ヴェルディのブランドイメージ ヴェルディが東京に来る経緯や、名門が利権によって凋落していく過程では、色々なことがあったといいます。 この日、私はマッチデープログラムを受け取ったのですが、そこには「クラシコが復活」との広告がありました。何のことはない、93年にJリーグの開幕戦となった横浜との一戦です。 「クラシコ」として集客効果を期待するのは別に構わないと思うのですが、放漫経営の末に二部落ちを経験し、名門としての求心力を失った末に、ゼロから出発しているヴェルディですから、その名称はともすれば身の丈にあっていないと言われるでしょうし、もしかしたらヴェルディのサポも首をひねるかもしれません。 ヴェルディの関係者がこれを「クラシコ」と言ってしまうことは、なんていうか、誤解を恐れずに言えばちょっとだけごう慢ですし、過去をなかったことにしているような印象すらあります。 ヴェルディがJ1に戻ってきたことは本当に嬉しいことです。私はFC東京サポではありますが、味スタを共にホームとする相手として応援したい気持ちは、もちろんあります。 だからこそ、一年で落とすようなことがあってはいけないと思いますし、今年残留し、何年か後にタイトルに絡むようになって初めて、「クラシコが復活」と言えるでしょう。 フッキの獲得に費やした金額がどれほどのものかは分かりませんが、ヴェルディのフロントに待ったは許されません。ヴェルディというブランドがあるとすれば、それは強さであるか、地域の人に愛されているかどうかから生まれるものでしょうから。 東京ダービーといっても、まだ東京の西側だけで盛り上がっていることに過ぎない、というのが現状です。例えば、この流れを東京全体に広げていけるかどうかなど、そのあたりのことを二つの東京のチームは、今後10年のテーマに掲げてみても面白いんじゃないか。 そんなことをなんとなく考えた東京ダービーでした。 また味スタが熱くなれる日を心待ちにしています。
posted by nori44 |23:49 |
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