2008年04月10日

日本と海外と ~一部報道のJリーグ「アジア枠」検討について~

 ニッカンスポーツの9日の「Jに「アジア枠」2年後導入目指し検討」という記事は、たいへん興味深いものでした。

 アジア人枠設置について、私のところでも少し考えてみます。

 まず、ニッカンの記事にある「欧州のEU枠をイメージしたもの」とありますが、そこは少しツッコミたくなるところですよね。
 EU枠の発端となったボスマン判決は、あくまでも「EU域内であればEU加盟国籍所有者の就労は制限されないとしたEUの労働規約を、プロサッカー選手にも適用」することですから、今回の「Jの価値を高めるため」の枠というのとは、少し話が違いますよね。(wikipediaより)
 ともかく、EU枠の流れに乗れたリーグが結果的に価値を高めた一方で、その価値を下げてしまったリーグがあることも見逃せません。

 日本の場合は二重国籍が認められないことや、既に存在しているいわゆる「在日枠」などについても、色々と考えていく必要があるでしょう。

 ここで「在日枠」について考えたいのですが、これは簡単に言うと朝鮮学校などを卒業しただけではダメで、日本の高校や大学を卒業しないといけないものなんです。
 「朝鮮高校に行かないで、日本の高校に行けばいい」とか「通信制などのダブルスクールすればいい」などの意見は、簡単には言えますが、実際にプロを目指す人がそれをこなすのは大変。
 で、今回のアジア人枠は、もしかしたら在日枠を発展的解消という形をとったのかもしれません。
 さらには「将来的には人数制限を撤廃」するとの話なので、在日枠での議論がウヤムヤになった感はありますが、結果的には在日枠撤廃に動いていた方々の意向が反映されているわけですから、その点については歓迎したいところです。

 93年にJリーグが開幕してから、Jのチーム数は右肩上がりに増加してきましたが、増えることは全体のレベルが薄まってしまう危険性がある一方で、J1で活躍できずに若くして引退してしまう選手のための受け皿となっていることも事実ですよね。
 J2なりJFLで活躍できれば、再びチャンスを掴むことだってできるわけですけれども、アジア枠撤廃の流れと切っても切れないのが、若い選手の育成についてです。
 受け皿の規模が、アジアの選手の流入によって圧迫されてしまうのではないか、という懸念は拭いきれません。
 ただ、J2の下にJへの加入を目指すチームがある今年なんかの状況を見ていると、そろそろ実力のある日本人でチームを整備していくのにも限界があるとも思うんです。プロチームが増えたからといって、選手は急に増えるわけがないですからね。
 ドラフト制度などによって戦力の平衡をはかるアメリカ式のプロスポーツリーグ経営ではなく、Jが欧州フットボールに倣う自由競争を標榜している以上、Jリーグ内でのピラミッド化は必然でしょう。
 そうなってくると、今まではJ1で活躍できたレベルの選手が、J2に押し出されることになるわけですが、それがJリーグのレベルの向上に繋がるならJリーグファンとしては喜ばしいことだとは思うんです。

 そもそも、今回は一歩踏み込んで発言したいのですが、個人的にはその国のリーグと代表チームとは、相容れない部分が大きいと思います。
 リーグの強さと代表の強さが比例しないことは現在のイングランドプレミアリーグを見れば明らか……と言いたいところなんですが、それは確かに短期的に見たらイングランド代表のレベルを落としているとは思います。しかし、いま、イングランドに住むちびっこたちにとって、大いなる刺激になっているのではないか?とも思うわけですよ。
 つまり、10年後にはどうなっているか分からない。
 もちろん、VTR技術や通信技術が発展した今なら、世界のどこででも高質なフットボールを観られます。それによって世界のトレンドを学ぶことはできるでしょう。
 しかし、ピッチサイドで体験するフットボールの刺激に勝るものはないこともまた、事実です。
 

 それらのことを踏まえて、今回のアジア人枠については慎重な議論を重ね、実際にリサーチをしてもらった上で、撤廃の方向に動いてもらうことを望みます。
 それに加えて、フランスリーグなどで差別問題に対する批判が相次ぐ中、Jにはそれらの二の轍を踏まないような対策をお願いしたいです。

posted by nori44 |20:16 | サッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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