2007年09月26日

韓国のアウェーの地にて戦う浦和、その前半。

 前回のエントリでACL応援宣言を表明した私。どっちのサポでもないのですが、今回の試合も応戦していきます。

■敵地に響く「We are REDS」

 Jの多くの対戦相手から「あの応援は脅威」と言わしめたレッズサポの声が会場を支配する。そしてそれは同時に、海を渡った浦和の選手を強力に後押しするでしょう。

■なんと開始3分、達也が決めた! 

 ポンテがフリーで打ったシュートをGKがファンブル。そこにつめていた田中達也が落ち着いて隅へ流し込んだ。
 (追記:VTRで見返してみたら、明らかにオフサイドでした。キーパーファンブルしたボールを受けるときでも、オフサイドラインを越えた位置だとオフサイドになるんでしたね)
 大きな大きな1点。UEFAチャンピオンズ・リーグでおなじみの、アウェーゴール方式をACLも採用しています。
 先日の埼玉スタジアムでは圧倒的な地力の差をみせつけて勝ったともいえる勝利でした。しかし、そこで失った1点。スコアは2-1で終えたため、たとえばこの試合が0-1で終わるようなことになれば、浦和が敗戦となりました。でも、勝てばいい。点を決めればいい。それだけのこと……しかし、それがどんなに大変なことか。
 それに畏れることなく、浦和は先制に成功したことは素直に賞賛したいです。

■前半の退場劇

 その後は全北が焦りからか早いタイミングでクロスを入れてきたり、前線へ放り込むシーンも目立ちます。焦りからかもしれませんが、同時に浦和の選手たちにも焦りを生む可能性だってあります。浦和は、どっしりと構えて跳ね返してほしい。
 15分までは危なげなく対処していたように思います。
 20分、ボックスで坪井が相手の選手を倒してしまったのか、と思ったら全北16番の選手にイエロー。シミュレーションとの判定。2枚目のイエローで16番はなんと退場。
 相手は既に交代のカードを1枚つかっています(なぜか理由はわからず。怪我か何かだったんでしょうか)。24分までに、全北は開始直後とは大幅なプランの変更を迫られつつある、ということでしょう。
 だって既に全北はアウェー(埼スタ)で1-2で負けているのだから、最低でもこれから2点を決めて、達也と永井とポンテの攻撃を0点に抑えないといけない。さらに、交代のカードとして浦和にはワシントンも小野もいる。

■気持ちで負けてはいけない

 ただ、それだけ決死の、捨て身の攻撃が全北には可能となるわけで、気持ちの面で負けてはいけない。
 浦和は、その相手の気持ちをあざわらうような「サッカーを知っている」試合運びが出来るかどうか。ボールをとって、速いパス回しをすれば、ポゼッション率は必然高まる。こういったときは普段はなにかと非難と対象になりがちな日本特有のボール回しだって有効になるわけです。
 しかし、落ち着いてボールをまわしてほしいところなのですが、それがうまく繋がらない。
 そんなこともあって、10分以上相手のペースが続きます。
 浦和は人の動きが止まっていることも相手のペースとなっている原因でしょう。人がいることに安心しているからなのか、フリーランニングが少ないように見受けられます。ここはもう一度、心理的な面で選手を鼓舞させていく必要があるでしょう。それはサポータの声援を聞くことや、トゥーリオの前線への飛び出しも効果的でしょう。

 1-0のまま前半終了。なんとか凌いだ前半でした。
(後半へ)

posted by nori44 |18:59 | サッカー | コメント(6) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月25日

録画していたJの試合。そしてACLに思いを馳せる。

 ここ数日、私がブログを書かずにいる間にもサッカーの世界はめまぐるしく動いていました。

■ちょっとネタは古くなりますが、先日のJでは浦和が首位をキープ。

 浦和は横浜F・マリノスとの中盤の凌ぎ合いを、一点の重みを噛み締めての勝利。最少得点で試合の勝敗がついたわけですが、両チームの攻防は見ていて楽しかった。ファンの皆様は冷や汗モノだったでしょうけれども。
 中盤の本職がいなかったこの日のマリノス(by モーリーさん)でしたが、それでも攻撃の形を数多く作れたのは、チームとしてのシステムが浸透している証拠なのかもしれません。
 にもかかわらず浦和に勝てないのは、ゴールまであと一歩というところの差が、浦和の個の総和と比較したときに下回ったから、ともいえる試合でした。
 失点のシーンは安易なラインの後退によるものでしょうけど。

 Jは降格争いを含めてフィナーレへ向けて白熱していくところですが、忘れてはいけないコンペティションもある。

■浦和、そしてもちろん川崎もですが、ACLの試合も明日にはあるわけです。

 そちらは普段のJの舞台とはちょっと違う、アジアと日本という位置関係での試合が見られるので、非常に新鮮ですね。
 長い間、Jリーグは2000年のジュビロ磐田を除けば、すぐ外に広がるアジアに目を向けたのは初めてですからね。サッカーって本当は、世界と繋がっているという感覚があるはずなんです。
 地元で蹴ったボールが、最後は世界に繋がっている。もちろん、夢のまた夢のまた夢の……話ですが、それでも天皇杯を制すれば世界一にだってなれる可能性がある。その部分こそがサッカーの魅力だと思うんです。その感覚をようやく日本のサッカーに関わる全ての人が共有できる。そのことを確かなものにするためにも、浦和・川崎の両クラブには結果を出してほしいですね。

 日ごろはJの対戦相手からはいい意味で忌避されるレッズサポーターたちですが、浦和を日本代表みたいな形で見た場合、こんなに頼もしいサポはいない。「日本にもサポーターの文化が生まれつつある」ということを韓国のクラブを含めて、外に向けてアピールできれば、中東の選手たちも日本に興味を持つのではないでしょうか。
 イスラム教への認識の低さなどがあり、決して日本はムスリムたちにとって過ごしやすい国ではないでしょうが、サッカーを通して国際交流のきっかけとなってくれればそれは歓迎したいですし、そして可能性は低いかもしれませんが、彼の国の代表クラスがJに来てくれれば、Jは非常に面白いことになるでしょうね。

 それにしても、一時期騒がれた「ベストメンバー規定」もびっくりな川崎の主力をごっそり休ませたターンオーバー采配……実は関塚監督はびくびくしていたんじゃないでしょうか(笑) 川崎の場合はナビスコも残っていて、リーグ終了後は天皇杯も当然戦うことになるわけですが、この関塚監督の判断には敬意を払いたいです。
 もちろん私も「主力を休ませればいいでしょ」って単純に思いましたが、思うのと実際にやるのは別。関塚監督が行動に移したという点を評価したいです。

■アマちゃんだった私は「浦和はリーグ優勝すればクラブW杯出られるんだし、無理しなくても……」と思っていたのですが。

 週刊サッカーダイジェストの10月2日号『セルジオ越後の天国と地獄』の越後氏の意見を読んで、はっとさせられました。

 日本のチームを参加させるために、無理やり作った開催国枠に頼って出場することは、各大陸の王者が競い合うという本来の趣旨から明らかに外れているのだからね。(中略)
 今後、この大会の意義まで問われかねない。日本のチームがACLで勝つことは、クラブW杯という、興行優先になりがちな大会を救う意味でも重要なことかもしれないね。

 UEFAチャンピオンズリーグで大金を稼ぐUEFAに対抗したいFIFAの意向もあるのだろうから大会が成功するためには日本チームが必要……などと、オトナの事情を深読みしてしまうところですが、それを抜きにしてもACLタイトルを引っ提げて参加してほしい。
 ついでに言うと、放映権を持つ日本の某テレビ局さん……いや、みなまで言うまい。それも含めてきっと、オトナの事情です(笑)

続きを読む...

posted by nori |17:19 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月21日

『FIFA U-17 World Cup KOREA 総集編 ~徹底討論・日本蹴球の未来~』を見て。

■蹴球中毒症状促進番組

 先日、畏れ多くもサッカー情報番組の雄、『スーパーサッカー』を当ブログで批評しました。簡潔に言うと…

 忙しいサッカーファンの方にとって、ハーフタイム含めて2時間の試合を追っていくだけの時間はなかなか捻出しづらいことでしょうから、そのなかで週の代表・Jリーグの結果などを網羅できる『スーパーサッカー』の存在は、必須なものだと思います。
 ただ、日ごろから「余暇=サッカー」というサッカー中毒症状にかかっているような方にとっては物足りない番組であることも事実。だからこそ、その要求にこたえる番組が、地上波でももう少しあってもいいのではないかと。
 そのような話をしました。しかし――

 サッカー中毒症状を促進させる番組が、実は昨晩の深夜に放送されていたのです。
 それが、フジテレビにて深夜3:10~4:00に放送されていた『FIFA U-17 World Cup KOREA 総集編 ~徹底討論・日本蹴球の未来~』。
 番組は、フジ系列で放送されたU-17ワールドカップの戦いを日本代表の映像を中心に振り返るものなのですが、それだけでないのがこの番組。それをふまえて、日本サッカーの現実から将来像までを一歩踏み込んで対談形式で追求していくものでした。


■対談には4名の論客が出演しているのですが、バランスのとれた面々。

 JFA技術委員長・小野剛……元広島監督。
 協会は何かと批判されるものですが、彼らが批判意見をしっかりと認識していることがうかがえます。もちろん、批判をうけて解決策を立てる企画力、そしてそれを実行していくだけの力が必要でしょうが。
 一流サッカー選手パパ・高木豊……元プロ野球選手。現フジの解説者。
 え? 畑違い? と思うこと無かれ、実は三人の息子たちはサッカーの道を選び、それぞれユース世代でトップクラスの実力者。野球と比較することは、私としては重要なことだと思いますし、長い歴史から集積された知識や経験が多分にあるわけです。
 その意味でもスポーツ界全体として、マクロ視点にての見識が必要だということを高木パパは教えてくれます。
 サッカージャーナリスト・後藤健生……サッカーの温故知新を体現している氏は、日本のサッカー史を編纂していることからも、Jによって雨後の竹の子のように出てきたジャーナリストたちとはまた別の、ロングスパンでの視点を持っています。
 サッカー解説者・風間八広……日本プロサッカー選手のパイオニアの一人。清水スペシャルトレーニングなどを主催するなど、さまざまな活動を通して日本サッカー界に問題提起を続けています。

続きを読む...

posted by nori |19:21 | サッカー | コメント(7) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月20日

「サッカーも人生も、“現実”を受け入れることが大切だ」ジョゼ・モウリーニョ

 サッカー界において本日の最大のニュースがこのモウリーニョ退団であることは間違いないでしょう。

 今回の突然の退団は、モウリーニョ監督とオーナーのロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏との関係悪化が臨界点に達したことが原因と見られており、チェルシーとモウリーニョ監督との関係は4年目にして突如として終焉を迎えた。

 モウリーニョ監督はスタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge stadium)で19日未明に開かれた会議でクラブ側と退団で合意に達しており、その会議に向かう途中でフランク・ランパード(Frank Lampard)をはじめ主力選手に退団する意向を伝えていたと報じられている。 (c)AFP

 正直、「なんで?」という気持ちと「やっぱりか」という気持ちが半々です。
 このブログでも度々取り上げさせてもらっている、Numberの最新号に載っていたチェルシーの記事をあらためて読み返してみました。
 退団、という二文字を織り込んだ上で記事を読み返してみると、最初に記事を読んだときとは別の感覚を抱きます。

 自身のキャリアでは初めて、同一クラブで4シーズン目を迎えたモウリーニョは、悟りの境地に達したかのごとく「継続性」や「安定感」といった言葉を口にする。そして「サッカーも人生も、“現実”を受け入れることが大切だ」とまで語った。 Number 687 チェルシー「今年の我々は一味違う」 P57

 現実を受け入れた末の決断なのか、それとも現実を受け入れられなかったからこその退団なのか。単なるアブラモビッチの恣意なのか。
 退団となるまでの今期の成績は可もなく不可もなくといったところ。
 例えば、これが開幕直前だとしたらチェルシーの選手にとっても衝撃が大きかったとは思いますが、今の時点ならば既にプレミアリーグもCLも始まってしまっているため、選手たちは「目の前の試合を戦うしかない」という気持ちにはなりやすいと思うんです。その意味ではあながち間違ったタイミングでもないと思います。
 それにしても、オーナーの意向が大きいとされるチェルシー。「フットボールのクラブは誰のものなのか?」という問いについて、あらためて考えさせられる一件でした。
 ブルーズファンの皆さんは、このアブラモビッチの決断(?)をどう受け止めるのでしょうか。

続きを読む...

posted by nori44 |19:00 | サッカー | コメント(5) | トラックバック(2)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月19日

1つのボールと2つのゴール、そして22人の選手。

【映画『The Other Final』レビュー】

 「モントセラト? それはどこにあるの?」「ブータン? そんな国もあったね」
 モントセラトとブータン。きっと、その2つの名前を耳にしたら、誰もがそんな反応を示すことだろう。
 その二つは国の名前。それも、ひどく小さい国。決して世界情勢の中でそれらの国が話題に上ることはない(注:モントセラトはイギリス領)。
 だけれども、その日ばかりは違った。その日は、この二カ国が主役だった。


 太平洋のカリブ海に浮かぶ島、モントセラトと、ヒマラヤ山中に座す国、ブータン。本来ならば決して交わることのないこの2つの国が、あるオランダ人によって引き合わされることになった。
 オランダは2002年のFIFA World Cup KOREA JAPANの予選で敗退した。そのことで彼は「負けるということに興味がわいた」。2002年当時、この2つの国と地域はFIFAランキングにおいて最下位と最下位の一つ上の順位だった。そのときにこのオランダ人は“それ”を思いついたという。
 横浜国立競技場にて6月30日におこなわれた、W杯決勝戦のブラジル対ドイツと同じ日に、“それ”は開かれることとなった。最弱国同士が戦う“もう一つの決勝戦”「The Other Final」が。

続きを読む...

posted by nori |10:26 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月18日

なでしこのつぼみは花開かず。~女子W杯中国大会~

■ゴールを脅かすドイツと、ゴールに迫る日本という差

 優勝候補のドイツとの試合に挑んだなでしこ日本代表。この試合、0-2というスコアで敗戦した。
 その結果、この女子W杯はグループリーグでの敗退という結末を迎えた。

  • 試合経過は斜体で表示しております。

 開始直後、ボックス内で8番のスミセクにシュートを打たれるも、キャプテンでもある2番の磯崎が足を出してクリア、ゴールラインの外に出る。
 3分、日本のDFラインが一直線にならんだ瞬間に、その裏へダイレクトのスルーパス。それに反応したのはドイツ20番のウィムバースキ、GKと1体1の場面を作る。GK福元のファインセーブにより失点は回避。
 一方の日本も、開始1分に10番澤と5番の柳田の動き出しとパス交換によってゴール前にもちこんで、最後は宮間へのクロス、宮間のシュートはヒットせず。

 日本はボールを奪われたあとのカウンターを警戒してか、後ろからの押し上げの面ではあと一人足りない。心理的にも相手に圧倒されているのかもしれない。
 守る日本は守備の人数は揃っているのだけど、ドイツの正確なパス出しの前にマークが後手にまわり、チェックにいけていない。体格面では劣るのだから、守りにも攻めにも人数をかけて、組織的に動いていくしかない。
 日本、中盤でボールをキープ。しかしボックス内への効果的なパスは見られず。日本は足元の技術は確かなものがあり、パスが通っているものの、最後の一歩が足りていない。

 17分、左サイドバックの20番宇津木が中盤にボールをあずけてタッチラインをすーっとあがっていく。最後は宇津木のトラップの精度が悪く、ボールがタッチラインを割ってしまう。
 18分、スミセクが原が落ち着いてトラップしたはずのボールをかっさらい、チャンスにつなげる。9番でキャプテンのプリンツが、3番近賀のタックルをものともせず、スミセクへパス。最後は岩清水のボックス内でのスミセクへのファインタックルによりことなきをえる。

 一瞬の気の緩みを正すための声の掛け合いは、このときばかりは足りていなかったのかもしれない。

 20分、ドイツの長い一本のパスが中盤の選手にわたり、それをダイレクトで右サイドの選手へ出す。このあたりの決定的なチャンスを作り出す技術は高いドイツ。さらにパスを受けたウィムバースキがワンツーで抜け出し、GKとの1対1を作る。シュートはキーパー福元が左へはじく。

 大柄なドイツ選手たちだが、パスを出したあとの連動性は高い。
 ついに均衡を破ったのはドイツ。

 その直後のCK、10番のリンゴーのボールは磯崎が触れたかに見えたが、結局ファーにまで流れ、そこにいたフリーのプリンツがシュート。失点。0-1

 それ以降は一進一退。
 双方から何度もロングパスが出されたのだが、ドイツのロングパスは精度の高く、ピンポイントで選手に渡る。対する日本は裏を狙う意思はみられるが、それが効果的に繋がっていない。身長の差もあるため、頭上の高さのボールとなると競り負けてしまうことが多い。

 33分、ドイツの2番シュテゲマンからの効果的な縦へのロングパス。DFラインから抜け出した18番のガレフレケスがフリーで受け、最後はマイナスのラストパス。通れば1点のパスだったが、ボールは何とか磯崎の足にあたり、それを日本はかろうじてクリア。
 40分、ドイツのCK。速くてするどいボールが来る。日本はせり負けて折り返しのボールを上げられ、さらにもう一度競り負けてスミセクがヘディング。しかしボールは幸運なことにバーを叩く。


■ベンチを含めた選手層の差

 後半、日本は宮間に代えて荒川。この交代が吉と出るか。
 その荒川へのロングパス。惜しくもキーパーに阻まれるが、前半はまったく効果がなかったロングフィードで良い形を一つ作った。

 何度か荒川にボールが収まるシーンも。一縷の可能性が見えてくる。前線でキープできると、体力的な面でも休めるし、優位に立てる。
 前半に比べて、時間が進むのが早いと感じてしまう。双方ともにゴールに近付くシーンが少ないということだろう。

 14分、荒川が相手GKと競り、負傷。大野との交代となる。

 負傷したシーンも、ボールを最後まで追っていたからこそ、相手GKとの接触となってしまった。点のニオイを放っていた(その上に途中出場だった)荒川が交代となってしまったのは非常に痛い。

 15分ステグマンのミドルシュートは枠を外す。しかし男子顔負けの迫力のあるシュートはなでしこの肝を冷やしたことだろう。
 18分、交代した大野がドリブルでボックス手前まで運ぶ。
 21分、19番のバイラマイが速い。左サイドからチャンスを作られる。
 29分、原からのロングパスに反応した大野が抜け出したかに見えたが、最後のシュート直前に相手DFに詰められる。
 30分、プリンツのスルーパスにスミセクが反応。ゴール前でGKと1対1となり、パスを選択。最後は宇津木がオフサイドと判断してマークを疎かにしてしまっていたウィムバースキに渡り、決定的なシュートを放つもバーのわずか上。
 31分、FWの永里に代えて宮本投入。
 33分、DFのヒングストから右サイドへのロングフィード。これを右サイドの選手が簡単に頭で落とし、交代した直後でフレッシュなミュラーに通る。ミュラーはボックス右で冷静に切り返して岩清水のマークを外してクロス。ゴール前でフリーで待っていたプリンツがヘッド。しかし枠を外れる。
 40分、相手の粘りのある突破を抑えられず、磯崎がPKを与えてしまう。
 決められて、0-2

 そのまま反撃できず、タイムアップ。


 実は男子以上に過密日程だったなでしこ。3月には今大会への出場権をメキシコと争った。なでしこリーグの合間をぬうように北京五輪予選も戦った。それらを勝ち抜いて、中国の地で戦っていたなでしこには、純粋に拍手を贈りたい。
 そのような状況ではコンディションやピッチに入るまでの外的要因も多くの困難があったはずで、それを一つずつ越えての昨日の試合だったわけだ。

 この試合では確かに「荒川が出続けていれば」と思うこともあった。
 しかし、その荒川を途中交代で使わざるをえないのは、ベンチ、更に言うとなでしこリーグに出場している全選手を含めた日本女子の選手層がまだまだ厚くはない、という事実をものがたっているのかもしれない。
 ドイツは速さ、強さ、高さ、そして上手さも兼ね備えた良いチームだった。10回戦って、日本は8回は負けるだろう。その勝てる2回を手繰り寄せられなかったのは、様々な差。全ての面での差だった。スコア以上の実力差があるのだと感じた。

 印象的だったのは、解説の川上がアディショナルタイムに今大会3試合の総括をしていたのだが、エースの澤がそれと同じことを試合終了後の記者会見で話していた。
 澤は絶対に悔しいはずだ。ただ、悔しがっているだけではいけないわけで、その経験を前につなげていく意識をもつ選手、そしてその選手をサポートしていく人たちもいなければならない。
 その役割を澤にだけ任せてしまってはいけない。日本のエースとして長く女子サッカーを引っ張ってきた澤、その後に続く選手たちが待たれるところだろう。
 
■参考
なでしこ、敗戦の先に見えたもの 女子W杯グループリーグ第3戦 ドイツ戦

posted by nori |14:28 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月15日

Jリーグ観戦という至福

【Jリーグ第25節 広島×浦和 広島ビッグアーチ】

 両チームあわせて8名。

 それは、両チームの先発メンバーのうち、先日のスイス戦で召集されたフル代表のメンバー6人、そしてカタール戦に召集されたオリンピック代表のメンバー2人をあわせた数です。
 代表人気がクラブ人気を圧倒的に上回る日本では、どうしても代表に召集されたメンバーに注目が集まります。
 代表に召集されているとはいえ、佐藤寿人、田中達也、坪井慶介の三人は代表ではレギュラーではありません。その一方で、代表チームではコンスタントに出場している鈴木啓太、田中マルクス闘莉王、駒野友一。そんな彼ら同士の戦いは大きな見所になりました。

 駒野のように代表でのポジションとチームでのポジションが違う選手もいますし、同じポジションであっても連携するメンバーは当然違います。
 選手同士のマッチアップの点では、代表同士といった言い方ができますが、少なくともこの試合のピッチに立っている瞬間は、クラブの一員としての思いしかないと思います。
 「代表よりもクラブ」というわけではなく、「クラブでの活躍があってこその代表」といったほうが正しい。
 日本代表チームといっても、それは一つのチームでしかないのです。
 チームの数だけシステムがあるのでしょうから、チームとして見ていった場合にJ1だけでも18ものバリエーションがある。そのなかで、一国に(基本的には)一つしかない代表チームとは違って、個々のチームを比較して楽しむことだってできます。

 代表の試合を見るにあたってクラブでの活躍を見なければいけない、ってことはないですが、代表で活躍した選手のクラブでの動きを追っていけば、よりJリーグを楽しめるというもの。
 代表の試合をみて、注目した選手から、その所属チームに愛着を持つことだってありますし、それはJリーグが成長してきた今としてはすごくステキなことだと思うんです。
 もちろん、実力のある選手ほど過密日程となってしまっている現在のサッカースケジュールの部分は、諸手を挙げて賛成できないところではありますけれども。

続きを読む...

posted by nori |15:27 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月14日

<読書感想文> 『サッカー批評』の記事を読んで

 『季刊サッカー批評』を読んでいる。
 特にここ数号は欠かさず、それこそ穴が開くほど読んでいる(前号は本当にページに穴が開いた)。
 今号の特集は「サッカー誌が書かないJリーグ批評」。非常に面白く読めて、「どの記事が面白いか」と聞かれたら「全部」と答えてしまうところなのだけれど、このブログでも少し紹介してみたい。
 
 日本のサッカーを中心として取り扱っているサッカー誌というと、代表的な週刊誌が二つ思い浮かぶはず。
 それらのサッカー誌は、直近の代表マッチレポートや、選手へのインタビュー、そしてJリーグのレポートが中心だ。
 Jサポならば、わがチームの試合結果は気になるところ。観戦出来た試合ならば、自分が見た戦術評価と、紙面に載っている評価とを照らし合わせてあーだこーだ言ったりできるし、そうでなくとも、次の試合に向けてチームの動向を多少なりとも知ることが出来る。
 また、旬の選手へのインタビューも読んでいて面白い。
 それらのサッカー誌は、まさに「今」、代表では何が起きているのか、Jリーグはどうなっているのかを知ることのできる雑誌となっている。
 そんななかで、「今」の情報よりもやや過去の、私たちが振り返って知るべき情報が扱われてないことは仕方がない。
 
 そこで今号のサッカー批評でのJリーグ特集だ。
 サポーター心理としては「ウチのチームの話をしてほしい」となるところだが、紙面的にも限りがあるために全てはカバーできない(一号で完結できるテーマではないことは、もちろん編集部も分かっているはず)。
 今号ではいくつかの記事で数チームが取り上げられ、その問題点や取り組みを紹介している。
 記事の中で出てくる問題提起は、おそらくJのサポであれば誰もが思ったはずの内容なのだが、それに対する答えが、現場で問題解決に取り組んでいる人たち自身の声として出されている。
 なるほど、「サッカー誌が書かない」という一文は伊達じゃない。

続きを読む...

posted by nori44 |09:17 | サッカー | コメント(2) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月13日

国立での激闘の夜が明けて

 「プラン通りの試合展開。プラン通りにことが運んだ」
 試合後の選手や監督の言葉に、そのようなセリフが踊ることがあります。
 五輪予選カタール戦を試合観戦していた方は分かるでしょうが、今回の試合に関していえば、日本にとって(チーム内部のことは分からないですが、予想するに)おおよそプランとはかけ離れた試合展開だったのではないかと思います。

 前半6分にセットプレーからの梶山のヘディングでの得点で先制。ホームとしてはそこから畳み掛けたいところでしたが、点が決まらない。中央からの突破をつぶされたりと攻めあぐねる中、カタールのあわよくば得点という攻撃が日本のゴールマウスを襲います。
 後半になっても状況は改善されません。そろそろ交代で流れを変える必要があるなと思われた矢先、23分のことでした。本田(拓)が二枚目のイエローカードで退場。相手FKのとき、相手がボールを蹴るよりもわずかに早いタイミングで本田選手が動き出したことが警告の対象となりました。
 慌ててベンチは小林をピッチに送り出しましたが、その後は防戦一方。ワインレッドのユニフォームが津波のように日本のペナルティエリアに何度も何度も侵入してきます。カタールFWヤハヤの至近距離からのシュートをGK山本が左足にあてたスーパーセーブも飛び出し、アディショナルタイムの5分を含めた27分弱を0点で凌ぎ切りました。

 開始早々に先制、しかし追加点を奪えずに後半に突入、そして10人で1点を守る展開。
 時差のあるサウジアラビアから長時間のフライトを経て、短い時間で時差調節をしなければならないという試合前の条件からしても、非常に苦しいものでした(U-20W杯に参戦した選手はさらに厳しい日程でしょう)。
 それでも、勝った。
 その事実に対して、惜しみない拍手と賛辞を贈りたいです。よくぞ勝ってくれたと。
 終盤では、森島が苦しそうにしながらも、それでも走ることで相手にプレッシャーを与えていたと思います。そんな森島の姿は、プレーそのものの価値以上のものがありました。


 さて、今回の試合、私はU-20W杯カナダ大会から合流してきた選手たちの動きを注目していました。

 前半から柏木は前線での決定的なパスにおいて、噛み合わない場面もありました。このチームで二試合目ということもあり、そのパスが効果的に通るようになれば、さらにチャンスが生まれるのだと期待しています。単なるチャンスメイカーだったら、パスが通らない時点で評価は非常に低くなってしまうでしょう。しかし彼にはもう一つの武器があります。走れる、という武器が。
 彼の献身的な守備のときのチェイスがあったからこそ、失点をゼロに抑えられた面もありました。

 同じくU-20カナダ大会を戦った内田選手も、消えている時間帯もありましたが、無失点に貢献しつつ、何度か惜しいチャンスも作りました。
 特に後半の彼の右サイドでの突破、そのスピードは大きなアドバンテージでしょう。オシムが言うのはプレーのスピード、考えるスピードの部分ですが、単純な走るスピードはあるに越したことはないのです。

 もう一人のカナダ選手が森島です。
 「僕はまだ若いし、謙虚な気持ちでやっていかないと、あっという間に消えてしまうかもしれない。そういうのを僕らの世代は、いっぱい見てきてるから」
 Nmuber 686 P73より
 彼の必死さ、その原因は今の五輪代表での位置と、クラブでJ2を戦っているという現実にあるのでしょう。彼の心にある「絶対に負けられない」という思いの中には、単に「カタールに勝つ」だけではないものがあるはずなのです。
 そんな森島の気持ちののった戦いぶりは国立競技場を埋めたサポーターの思いを一つにしたと思います。何度も森島コールが響くピッチの上を彼は何を思って走っていたのでしょうか。
 最後に審判への侮辱行為として警告を一枚もらっていたのは要らなかったとは思いますが、それもご愛嬌と勝った今では好意的に捕らえています。
 プレーの面では、彼のポストプレイが効果的に後ろの選手に繋がらないこともしばしば。しかし、彼は単にはたくだけのプレイではなく、ときおり前へ向こうとする姿勢もありました。相手DFとの競り合い、球際の強さでは負けていませんでした。

 彼ら3人の選手がカナダでU-20代表として戦ったということは、すでに過去のことです。その過去のことは決して消えないものですが、そこからさらに先に進んでいかないといけない。
 彼らを含めた昨日のピッチに立った選手たちの前には、北京五輪への道の先に、W杯出場への道、欧州CL出場への道などの長く険しい道があるでしょう。しかし、それらの道には抜け道や近道はないのです。
 だからこそ、彼らはどんな試合でも手を抜かずに(だけども怪我には気をつけて)戦っていてもらいたい。そんな日本のサポーターの気持ちを汲んだのか、選手たちはそれぞれに輝きを放っていました。
 果てしない道も、足元の緑の芝生からしかたどり着けないのだから。

posted by nori |11:59 | サッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年09月12日

オシム「前半と後半が分かれていて良かったと思います」

 オシム監督の言葉はウィットに富んでいて面白いことは、もちろん皆さんもご存知のところなのですが、タイトルの言葉は試合終了直後のTV局アナウンサー(小倉?)からのインタビューに答えたものです。

 結果だけを見ると、打ち合いによる接戦を日本が制したと思われますが、試合展開はオシム監督のこの言葉に象徴されています。
 オシム監督や他の選手らのコメントを交えながら、この試合を俯瞰(ふかん)していきましょう。


 立ち上がりから、日本は相手に主導権を握られてしまいます。

 前半10分に直接FKから失点、そして直後の前半12分には闘莉王がエリア内痛恨のハンドでPKを献上、確実に得点。
 立て続けの2失点でスコアは0-2となります。セットプレーでの2失点とはいえ、そのチャンスを与えたのは日本の守備が後手にまわっている証拠でした。
 前線からの守備が機能しておらず、稲本と鈴木啓太のポジションどりも悪く、スペースを与えてしまっていました。攻撃の面でも、中盤をコンパクトにしているスイス陣内にはパスの出しどころがありませんでした。
 このまま日本はスイス相手に大量失点を喫するような試合になるのかと誰もが思ったことでしょう。

 ここまでを振り返ったときのオシム監督の言葉です。
 「試合序盤は、日本の選手が相手のことをリスペクトしすぎていたのかもしれません。(中略)選手には当初、戸惑いがありました。コンビネーションを重視するのか、キープをするのか、守るだけなのか……。守るだけというのは非常に難しいですが。(中略)相手に簡単に機会を与えて、こちらがミスをしてしまった」

 しかし、このあたりで日本にも良い攻撃の形が生まれます。
 31分、松井が裏に抜け出してエリアで勝負を仕掛ける。DFを個人技で振り切りシュート、しかし惜しくもバーの上。
 「(前半25分以降は)スイスにとっては危険な状況だったと思います。比較的早い時間帯に2点を取って、ある意味、安心してしまったのですから」とはオシム監督。スイスはスコアでの優勢とは裏腹に、心理的な面では劣勢になったわけです。

続きを読む...

posted by nori44 |10:11 | サッカー | コメント(8) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加