2008年03月18日
人の輝きは、時として見えにくいものだ。~伊藤翔選手を扱った記事を読んで~
まず、このブログは長い間更新停止状態だったのですが、管理人=私の気まぐれで、この度復活することとなりました。 停止中にコメントを頂いた方や見ていてくださった方、失礼しました&ありがとうございました。 今後は、ゆっくりながら堅実な感じで更新していきたいと思います。 よろしくお願いします。
夜になると、星が見えます。 空気があまり綺麗でない東京に住む私は、あんまり星は見えないのですけれども、光っている星、そうでない星があります。 そして、同じくらいの明るさを放つ星もありますが、それらは等距離で同じ大きさのために同じ明るさなのではなく、「地球からの見かけ上の明るさ」なわけです。 大きい星や、それほど大きくなくても地球に近い星は明るい。けれども、大きくても遠すぎれば暗い。 で、私は思ったのが、このことは私たちの耳へ入ってくる、サッカーにおける情報量のそれと一緒だな、と。 Jリーグは、私たちと近い位置にあるからこそ、たくさんの情報が入るし、遠いはずのプレミアリーグなどの話題も少なくないということは、それだけ発信源では大きな情報量があるわけです。 何のことかと言えば、伊藤翔選手の話題。 Jリーグを経験せずに、高校を卒業してすぐに欧州のプロリーグへと渡った伊藤選手。 当時、アーセナルが興味を持っているなどの情報が断片的に伝えられ、私も今になって「あのチームに入っていて、もし出場機会があれば……」なーんて、色々と妄想が浮かぶところですけど、それは置いといて、彼の活躍や、彼が今どうしているか、ということは日本にいてはなかなか伝わってきていません。 実際、私もポーンと彼のことは失念していたのですが、伊藤選手のインタビューを扱った記事を見つけました。 スポニチ ワールドサッカープラス 「“マイペース”という名のアスリート、伊藤翔の7つの法則」
この記事は、伊藤選手へのインタビューが7つのキーワードに絡めて構成されており、彼が日本を飛び立った後(つまり情報が入手しづらくなった後)~今現在の伊藤翔の考え方やその成長を解き明かしている、非常に興味深く面白いものとなっています。 お時間のある方で、未読の方は興味があればぜひ一読することをおススメします。 伊藤選手の放つ光が見えにくいのは、決して、彼自身の光が弱まったからではない――そのように私はこの記事を読んで感じました。 記事から一部を引用します。(太字部分:引用箇所) 法則1:“逆境”は“新しさ” 18歳で初の海外1人暮らし。日本人経営クラブといえど、練習は一貫してフランス語。通訳もつかないので、サッカーに加えて語学の勉強も課される。自己管理能力や精神的強靭さも求められる。だが、自ら望んでそんな状況に身を置いた伊藤選手に、全く気負いはない。普通なら“逆境”として認識される状況も、“新しさ”として楽しんでいる。 たとえば、梅崎司(20=浦和)選手が日本に戻った後、寂しくしているのかと思いきや、「変わったことは日本語を話す人がいなくなったこと。最初の数日は『ああそうか、梅さんいないや』って寂しく思ったけど、あとは変わらないかも」と言い、ある意味常にフランス語を話さざるを得ない状況になっていることを楽しんでいる。 食生活についても「1人では面倒くさいけど、そういう面でも自分を磨けるのはいい。料理ができるようになるし、作らなければ生きていけないし。(中略)味は濃い目が好きなので、自炊だと自分好みに作れるのもいい」と、「いい、いい」づくしだ。 彼が、もともと物事を前向きに捉える人だったのか、それとも海外経験がそうさせたのか。詳しい人となりを知らない私は想像するしかないのですが、きっと「前者」なんじゃないだろうか、と漠然と思います。 そう思う理由としては、このインタビュー記事はキーワードがあと6つ登場するのですが、基本的に終始前向きな調子だからです。 なにか、こう、泰然自若な感じが記事からは伝わってきます。いい意味で「なるようになるさ」的な、もしかしたら現代の日本人に欠けている感覚を彼は持っているのかもしれない。ただし、一方で彼のサッカーへの取り組み方には「焦りはあまり感じない。そんな直ぐにどうにかなる問題でもないので、少しずつ努力していくしかない」というような、質実剛健な部分もインタビューからは見て取れます。 また、この記事の中では5番目のキーワードも注目に値します。 法則5:いい意味での諦め 目標にする選手はという問いかけに、しばし沈黙した伊藤選手は、ゆっくりとこう話した。「高校のときはずっとアンリと言ってきたけど、身体能力的に無理だから。僕はあんなに速く走れない。やっぱり黒人と日本人の筋肉や骨格は違うから、それは仕方ない」 それは絶望的な諦めとは全く違う、いわゆる「いい意味での諦め」で、伊藤選手に備わっている才能のひとつなのだろう。手に入らないと判っているものは諦める。だからといって苦悩しない。 「目標にする選手…そうだな、“伊藤翔の完成形”みたいな」 自分だけのプレースタイルの模索、なることのできない他人のコピーなどでない、完成された“伊藤翔”の模索。確実な目標がしっかり定まっているからこそ、何をすればいいのかが明確に見えている。だから、「日本は海外の情報がそんなに入ってこないから、『試合出てないけどどうした』ってことになるけど、そこまでテンパッてない(笑)。試合出てないからどうのこうの、とか、僕自身は気にしてない」という台詞が自然に出てくる。 伊藤選手は今、自分の大きさを測っているのだろうな、と思います。 成長の段階として、何になれるか、何になりたいかという段階をまさに乗り越えたところで、じゃあ今度は自分は何者なのか、そして自分自身は何なのかという答えを出そうとしているのではないでしょうか。 そして「いい意味での諦め」は、確実に彼が成長していることの証だと思うのです。 伊藤翔は、伊藤翔自身の殻を脱皮して、やがて羽ばたいていく……そんな期待が持てます。 自国のリーグを向上させることが「一日にして成らず」であり、百年の計を要するものである以上、言い方は乱暴ですが、選手を鍛え上げるほうが手っ取り早いわけで、そうなると海外へ移籍させることは今後もフットボール一流国へ追いつく手段であり続けます。 その際、たとえ海外に行ってから、その選手の放つ輝きが見えにくくなったとしても、決してそれは、その彼自身の光が弱くなったわけじゃないのです。 伊藤翔選手に対してしみじみと安心して、同時に頼もしく思えた一件でした。 最近、めっきり光の弱まっている私であった――(笑) 再び輝きを放つため、再起ということでブログを再開します。今後とも、縁があればよろしくお願いします。
posted by nori |00:17 |
サッカー |
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この記事に対するコメント一覧
人の輝きは、時として見えにくいものだ。~伊藤翔選手を扱った記事を読んで~
お久しぶりです!
ずいぶん長い間お休みでしたな(笑)記事のアップがされてるのを2回確認してしまいましたよ^^;
伊藤翔の記事は読みました。
自分で選んだ道とは言え、同年代がクラブで試合に出て、年代別とは言え代表に選ばれてる現状を知れば焦ってもおかしくないんだけど、マイペースで頑張ってるみたいですね。それも前向きに!
日本にいたときの才能は誰もが認めるところ。
将来は期待したい1人です!
管理人の記事更新もマイペースでされることを期待しちゃいます(笑)
posted by DGS | 2008-03-18 15:05
人の輝きは、時として見えにくいものだ。~伊藤翔選手を扱った記事を読んで~
>DGSさん
こちらこそお久しぶりです!!
私信ですが、メールを送りましたので、ご確認ください。そっちのほうにたんまりと、言い訳がましいことが書いてありますので(笑)
ま、伊藤選手のことは分かんないです。そりゃ…プレーを見られてないので、妄想するしかないんですよね。
だから記事にしたはいいものの、スポニチコラムの記事を元にした、妄想記事の粋を出なかった^^;
若い選手に対する話題の枕詞程度ってことで、ひとつご勘弁を。
それで、あらためて二年近く前の伊藤翔フィーバー(ガナーズの練習に参加したとき)の記事をざっと眺めたのですが、彼を評価するポイントとして「ゴール前での落ち着き」というものを挙げています。
思うには、シュートって、持っている力を100だけ出す必要があると思うんです。これが120であればフカしちゃうし、80だと止められてしまう。
落ち着き=普段どおりってことだし、普段どおりってことは、練習の成果を、そのまままるごと(ジュースの宣伝文句みたい…)、力むことなく出せるかどうかというところなんでしょう。
「狡猾さ」や「野生のカン」などはストライカーに必要な要素ではあるでしょうが、それ以上に必要とされるのは、「泰然自若」なんじゃないかなぁと思いますね。
posted by Nori Aihara(管理人) | 2008-03-18 20:06
人の輝きは、時として見えにくいものだ。~伊藤翔選手を扱った記事を読んで~
お久しぶりです。そしてブログ復活おめでとう(!?)ございます。
私もこのインタビューを読みました。
思ったよりも元気そうで何よりです。
Jリーグにだって高卒即レギュラーなんて選手はそんなにいないわけですし(内田君とかは例外ですが)、伊藤君はいい意味で注目されずに自分自身を磨くことができる環境が整っているんじゃないかと思います。
あと、DGSさん同様に私も私信を頂戴したわけですが、何となくその内容を読むと、この記事が「ふむふむ」と思えてきますね。
その私信の方ですが、また後日お返事させていただきます。
posted by bunchousann | 2008-03-19 00:03
人の輝きは、時として見えにくいものだ。~伊藤翔選手を扱った記事を読んで~
>ブンさん
お久しぶりです。ありがとうございます。
実は「些事争論」の某ウラジオストクの記事などは読んでいまして、はからずも笑いました。
そうですね。なかなか、Jも層が厚くなってきたということなのか、J1のクラブで即レギュラーは少ないですよね。
また、人材が高校よりもクラブの下部組織に流れているということも影響しているかもしれません。
まぁ、注目されなさすぎてもまた良くないとも思うんです。適度な視線がないと、人間はサボるものですから……おっと、これは自戒を含みます(笑)
posted by Nori Aihara(管理人) | 2008-03-19 18:54


