2007年09月18日
なでしこのつぼみは花開かず。~女子W杯中国大会~
■ゴールを脅かすドイツと、ゴールに迫る日本という差 優勝候補のドイツとの試合に挑んだなでしこ日本代表。この試合、0-2というスコアで敗戦した。 その結果、この女子W杯はグループリーグでの敗退という結末を迎えた。
- 試合経過は斜体で表示しております。
開始直後、ボックス内で8番のスミセクにシュートを打たれるも、キャプテンでもある2番の磯崎が足を出してクリア、ゴールラインの外に出る。 3分、日本のDFラインが一直線にならんだ瞬間に、その裏へダイレクトのスルーパス。それに反応したのはドイツ20番のウィムバースキ、GKと1体1の場面を作る。GK福元のファインセーブにより失点は回避。 一方の日本も、開始1分に10番澤と5番の柳田の動き出しとパス交換によってゴール前にもちこんで、最後は宮間へのクロス、宮間のシュートはヒットせず。 日本はボールを奪われたあとのカウンターを警戒してか、後ろからの押し上げの面ではあと一人足りない。心理的にも相手に圧倒されているのかもしれない。 守る日本は守備の人数は揃っているのだけど、ドイツの正確なパス出しの前にマークが後手にまわり、チェックにいけていない。体格面では劣るのだから、守りにも攻めにも人数をかけて、組織的に動いていくしかない。 日本、中盤でボールをキープ。しかしボックス内への効果的なパスは見られず。日本は足元の技術は確かなものがあり、パスが通っているものの、最後の一歩が足りていない。 17分、左サイドバックの20番宇津木が中盤にボールをあずけてタッチラインをすーっとあがっていく。最後は宇津木のトラップの精度が悪く、ボールがタッチラインを割ってしまう。 18分、スミセクが原が落ち着いてトラップしたはずのボールをかっさらい、チャンスにつなげる。9番でキャプテンのプリンツが、3番近賀のタックルをものともせず、スミセクへパス。最後は岩清水のボックス内でのスミセクへのファインタックルによりことなきをえる。 一瞬の気の緩みを正すための声の掛け合いは、このときばかりは足りていなかったのかもしれない。 20分、ドイツの長い一本のパスが中盤の選手にわたり、それをダイレクトで右サイドの選手へ出す。このあたりの決定的なチャンスを作り出す技術は高いドイツ。さらにパスを受けたウィムバースキがワンツーで抜け出し、GKとの1対1を作る。シュートはキーパー福元が左へはじく。 大柄なドイツ選手たちだが、パスを出したあとの連動性は高い。 ついに均衡を破ったのはドイツ。 その直後のCK、10番のリンゴーのボールは磯崎が触れたかに見えたが、結局ファーにまで流れ、そこにいたフリーのプリンツがシュート。失点。0-1 それ以降は一進一退。 双方から何度もロングパスが出されたのだが、ドイツのロングパスは精度の高く、ピンポイントで選手に渡る。対する日本は裏を狙う意思はみられるが、それが効果的に繋がっていない。身長の差もあるため、頭上の高さのボールとなると競り負けてしまうことが多い。 33分、ドイツの2番シュテゲマンからの効果的な縦へのロングパス。DFラインから抜け出した18番のガレフレケスがフリーで受け、最後はマイナスのラストパス。通れば1点のパスだったが、ボールは何とか磯崎の足にあたり、それを日本はかろうじてクリア。 40分、ドイツのCK。速くてするどいボールが来る。日本はせり負けて折り返しのボールを上げられ、さらにもう一度競り負けてスミセクがヘディング。しかしボールは幸運なことにバーを叩く。 ■ベンチを含めた選手層の差 後半、日本は宮間に代えて荒川。この交代が吉と出るか。 その荒川へのロングパス。惜しくもキーパーに阻まれるが、前半はまったく効果がなかったロングフィードで良い形を一つ作った。 何度か荒川にボールが収まるシーンも。一縷の可能性が見えてくる。前線でキープできると、体力的な面でも休めるし、優位に立てる。 前半に比べて、時間が進むのが早いと感じてしまう。双方ともにゴールに近付くシーンが少ないということだろう。 14分、荒川が相手GKと競り、負傷。大野との交代となる。 負傷したシーンも、ボールを最後まで追っていたからこそ、相手GKとの接触となってしまった。点のニオイを放っていた(その上に途中出場だった)荒川が交代となってしまったのは非常に痛い。 15分ステグマンのミドルシュートは枠を外す。しかし男子顔負けの迫力のあるシュートはなでしこの肝を冷やしたことだろう。 18分、交代した大野がドリブルでボックス手前まで運ぶ。 21分、19番のバイラマイが速い。左サイドからチャンスを作られる。 29分、原からのロングパスに反応した大野が抜け出したかに見えたが、最後のシュート直前に相手DFに詰められる。 30分、プリンツのスルーパスにスミセクが反応。ゴール前でGKと1対1となり、パスを選択。最後は宇津木がオフサイドと判断してマークを疎かにしてしまっていたウィムバースキに渡り、決定的なシュートを放つもバーのわずか上。 31分、FWの永里に代えて宮本投入。 33分、DFのヒングストから右サイドへのロングフィード。これを右サイドの選手が簡単に頭で落とし、交代した直後でフレッシュなミュラーに通る。ミュラーはボックス右で冷静に切り返して岩清水のマークを外してクロス。ゴール前でフリーで待っていたプリンツがヘッド。しかし枠を外れる。 40分、相手の粘りのある突破を抑えられず、磯崎がPKを与えてしまう。 決められて、0-2 そのまま反撃できず、タイムアップ。 実は男子以上に過密日程だったなでしこ。3月には今大会への出場権をメキシコと争った。なでしこリーグの合間をぬうように北京五輪予選も戦った。それらを勝ち抜いて、中国の地で戦っていたなでしこには、純粋に拍手を贈りたい。 そのような状況ではコンディションやピッチに入るまでの外的要因も多くの困難があったはずで、それを一つずつ越えての昨日の試合だったわけだ。 この試合では確かに「荒川が出続けていれば」と思うこともあった。 しかし、その荒川を途中交代で使わざるをえないのは、ベンチ、更に言うとなでしこリーグに出場している全選手を含めた日本女子の選手層がまだまだ厚くはない、という事実をものがたっているのかもしれない。 ドイツは速さ、強さ、高さ、そして上手さも兼ね備えた良いチームだった。10回戦って、日本は8回は負けるだろう。その勝てる2回を手繰り寄せられなかったのは、様々な差。全ての面での差だった。スコア以上の実力差があるのだと感じた。 印象的だったのは、解説の川上がアディショナルタイムに今大会3試合の総括をしていたのだが、エースの澤がそれと同じことを試合終了後の記者会見で話していた。 澤は絶対に悔しいはずだ。ただ、悔しがっているだけではいけないわけで、その経験を前につなげていく意識をもつ選手、そしてその選手をサポートしていく人たちもいなければならない。 その役割を澤にだけ任せてしまってはいけない。日本のエースとして長く女子サッカーを引っ張ってきた澤、その後に続く選手たちが待たれるところだろう。 ■参考 なでしこ、敗戦の先に見えたもの 女子W杯グループリーグ第3戦 ドイツ戦
posted by nori |14:28 |
サッカー |
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