2008年05月21日
時代は出版不況だそうです。
ウェブの登場によって、本が売れなくなってきているということなのですが、特に雑誌は右肩下がりの状況。
これはもちろん、メディアが新しいものに生まれ変わっている、というだけの話ですし、雑誌それ自体は今後も続いていくはずですので、困るのは出版社と書店だけなのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、ただでさえ売れなくなっている中で、新しく雑誌を世に送り出すというのは、なかなか勇気のいることでしょう。
だからこそ、私は今回創刊された雑誌「JAPAN SOCCER」については非常に興味を持ちました。
どんな雑誌かというと、編集長の言葉を借りれば、
「サッカー専門誌が次々と市場から消えていっている今、日本サッカーに閉塞感が漂ってきた今こそ、新しいサッカー専門誌を始めるべきだ」
佐藤広野「日本代表よ、王道をいけ!」より
とのことで、その姿勢は僭越ながら応援したいと思います。
一応、断っておきますが、私はこの雑誌の関係者でも何でもありません。
まだすべてを仔細まで目を通したわけではないので、偉そうなことは言えないのですけれども、あえて厳しいことを言えば、ちょっと知っている人が見たら、この雑誌は双葉社の『サッカー批評』の縮小再生産版なのでは? という疑問を抱くと思うんです。
それもそのはず、執筆している陣容を見ると、西部さん、湯浅さん、海江田さん、後藤さんと、業界でも名の通った論客ばかりですし、この皆さんは『サッカー批評』でもさまざまな寄稿をしているのです。
結論から先に言えば、執筆する人が同じでも、別の雑誌を作ることはできます。
重要なのは企画力ですし、コンセプト。
どのように雑誌を作っていくか、どういった読者にアピールしていくのか、どういった問題点を取り上げ、どういったジャーナリズムを展開していけるか……。まだ、創刊号ということのあるのでしょうが、そのあたりの全体像は見えていない。
おぼろげながら見えるのは、日本代表を他誌がやっていないほど詳細に紐解く、みたいな感じにしたいのかな? という程度です。そのように見ると、『サッカー批評』は日本サッカー全般を扱っているようですし、差別化を図ろうとしているのかもしれません。
私がこの雑誌の記事で非常に面白いと思ったのは、「日本代表の練習とは何をやっているのか」ですね。
ここをしっかりと知っておくと、本番であるW杯とW杯予選での試合について、ひとつ別の視点が生まれるかもしれません。そして、その代表の練習を知りたいと思っても、その手段は私たちにはあまりありません。ということはつまり、メディアがこれを伝える責任があるってことでしょうからね。
現時点では、『サッカー批評』と似ているということは、この『JAPAN SOCCER』の編集に関わっている人や執筆陣も重々承知しているでしょう。
今のサッカー界で閉塞感が漂っているのは事実ですが、停滞期って絶対にあるでしょうし、トップに追いつくにはこの停滞期でどれだけ日本サッカー界が踏ん張れるかというところです。そのためにメディアが果たす役割は絶対に大きい。
『JAPAN SOCCER』という雑誌が、その起爆剤になるかどうかはわかりません。しかし、続けていかなければ先はないわけですし、何かが起こらない限り、ブレイクスルーもないものでしょうからね。私も、この『JAPAN SOCCER』を陰ながら応援していこうと考えています。
「日本サッカーにはまだまだトライしきれていない課題が他にもいっぱいある。だからこそ前を向いて努力できるはずだ」
佐藤広野『日本代表よ、王道をいけ!』より
さてさて、どんな「課題」にこの雑誌は取り組んでいくのでしょうか。
次号に期待です。
posted by nori44 |19:35 |
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2008年05月07日
昨年、一人の日本人選手が海を渡り、スペインの地を目指しました。最年少での海外挑戦を果たしたのは、宮川るい君、11歳。
私もそのニュースを見たときは、びっくりしたと同時に非常に心配になったものです。そんな若くて大丈夫なのか、と。
あれから7カ月が経ったのですが、彼のニュースなどを目にする機会もなかったので、なかば忘れていたのですが、本日、彼のスペインでの生活を追ったドキュメンタリーがNHKBSにて放映されていました。見逃した方も多いでしょうから、番組の内容を紹介したいと思います。
(著作権の問題でいうと、映像を利用することは明確に抵触するのですが、こうして文章として紹介するのはおそらく大丈夫なのだと思います、多分)
アトレチコ・マドリーの13歳以下のチームにて戦っている宮川くん。チームは22人のメンバーで少数精鋭で、そのセレクションとなると350人のうち3人しか合格しないほどの超難関。もちろん宮川くんもこの3人のうちの一人として入団しました。
11歳ということで、「え? もしかして、そんな歳から寮生活なの? それって丁稚奉公みたいだなぁ」と思ったものですが、どうやらお母様もマドリーに渡っており、二人暮らしなのだそうでその点は安心しました。
番組ではチームの練習の場面などが映され、宮川くんもスペイン語などでチームメイトと談笑しています。やっぱり小さい子は言語の習得も早いのだろうな、と思い、安心したのですが、番組が進んでいくうちに、それがそうでもないことが明らかになります。
簡単な会話や、日常的なリスニングならば苦労しないのだそうですが、戦術の説明などの難しい会話のときとなると、宮川くんはうまく聞き取ることができないのだそうです。
宮川くんは、日本で習得したサッカーの動きとは別の、本場のフットボールにとまどっているようなんです。番組ではそのことは「スペインでは組織プレーを重視します」と紹介されていましたが、それはちょっと違うな、とは思ったんですけどね。
そして、そのサッカーとフットボールとの違いを、スペイン語で説明されても上手く伝わっていないようなのです。コーチは簡単なスペイン語や、簡単な日本語で「ルイ、ハヤク!」などと言っていましたが、その意図するところは恐らく、オシムが言うところの考えるスピードを早くしろ、とのことだと私は思ったのですが、もしかするとそれとは別の意味で宮川くんは捉えているかもしれません。
オフ・ザ・ボールの動きなどをまだ宮川くんが把握できていないのだとしたら、その面でも大いに不利になるでしょう。また、なかなか試合に先発で出られないということもあるみたいで、その理由を聞くにも、必要なのはスペイン語の正確なニュアンスを知ることでしょうからね。
解決には、やはりスペイン語のさらなる習熟が必須なのでしょう。
ちなみに、コーチのゴンサレスさんが言う宮川くんが出られない理由は「彼は日本ではトップの技術を持っていたので、チームが彼のために働いていた。アトレチコではそうはいかない」のだそうです。スペインでの宮川くんは、違いを生み出せる選手ではない、ということなのでしょうね。もちろん、まだまだ11歳なのだから、これから違いを生み出せる選手になれるかもしれませんし、今は彼はFWですが、コンバートなどで新境地を開拓する可能性も十分にあるでしょうけれども。
宮川くんは、家の中ではもちろん母親と日本語ですし、学校も日本人学校に通っていることもあり、周りは日本人なのだそうです。11歳というと、日本ならば小学生ですし、日本に居るのと同じ義務教育課程をスペインで学ぶことは大切なことでしょう。しかし、スペインにいて日本人にだけ囲まれているのはもったいない。
私は、外国語を学ぶための近道は、現地の友人を作ることだと思っています。宮川くんがスペイン語に触れ合う機会は、週3回のアトレチコの練習のときなのだそうですが、そこでのチームメイトと仲良くしているシーンも番組では多く見られましたが、練習のない日は自主練として一人で練習しているようなので、お友達の家に入りびたるとかが必要なのかもしれません。
宮川くんの言語習得に関しては、やはり彼を支援している周りの大人たちも気にしていて、宮川くんに何かとアドバイスをしている現地のNPOで働く日本人の方も、宮川くんに「そろそろホームステイ、どうだい?」などとアドバイスをしていました。劇的に改善されることはないでしょうが、良い方向に向かってほしいと思います。
アトレチコとの契約は1年ごとに更改だそうで、今後の彼がどうなるかはわかりません。もしかしたら宮川くんは更新されず、言葉を覚える前に帰国する可能性だってある。
ただ、だからこそ、日本にいては経験できない、厳しい競争の世界を体験しているわけですから、それは彼にとって絶対にプラスになるはずです。
宮川くんは、インタビューなどで「サッカーで世界一になる」と公言しています。その姿勢や、「スペインにいく」といって行ってしまえた行動力には敬服します。
いま、宮川くんは全ての面で悩んでいるようなのですが、それが彼にとって大きな経験になるはずでしょうから、何があっても諦めずにチャレンジし続けてほしいと思いますね。
アーセナルやバルサの例を見るまでもなく、スカウトの低年齢化が進んでいますが、それが15歳でどこどこのチームに行った、とかならワクワクしますが、10歳、9歳という年齢でのスカウトという話を聞くと、ワクワクよりも恐ろしさが先行してしまいます。
若い才能を、スポーツビジネスが食いつぶさないことを願いつつ、宮川くんの将来に期待したいですね。
ところで、番組のなかで登場したアグエロ選手に、宮川くんが「どうやったら点をとれるんですか?」って聞いていましたが、その答えが「頑張れば自然にとれるよ。そのうち簡単にできるようになるから」と言っていたのに不覚にも笑ってしまいました。それができたら苦労しないよ! ってきっと宮川くんも思ったことでしょう(笑) やはり真の一流は言うことが違いますね…。
posted by nori44 |21:33 |
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2008年04月22日
少々時間が開いてしまったのですが、この前の土曜日は味の素スタジアムへFC東京と川崎フロンターレの試合を観に行ってきました。
私は、FC東京サポの端くれなのですが、ゴール裏で一人、チャントも(ちゃんと)歌わずに、「あぁ、おしい!」とか「そこだ! よし!」とかの叫び声を挙げていました。
バックスタンドで見てると、ひとりごと(一人叫び?)をしようとして、なんだか周りを気にしてしまうんですよね。で、結局ゴール裏に流れていったのですが、やっぱりチャントをあんまり歌ってないと浮いてしまうのではないか、という恐怖心に襲われます。これは性格的なものなのでしょうか……(笑)
ただ、スタジアムに行くのはやっぱり楽しいです。
どんなところがいいかというと、いろいろな人がスタジアムに来ていることを知ることができるところですね。
60代くらいのご夫婦がお揃いでユニを着ていたり、20代のギャル(死語)が友達とでかい声でチャントを歌っていたり、ビニールシートを敷いて宴会を始める人たちがいたり。
「スタジアムで見かけたこんな人・あんな人」とかを募集したら、けっこう面白い企画になるんじゃないかしら……、と思ったり。
それから、ピッチ全体を気ままに観られるところも、スタジアムに通うようになってその良さを実感しています。自分としては、たぶん試合展開的に「ベスト」な視野ではないだろうと思うんですが、その分だけ「しっかりと試合を観なきゃ」っていう強迫観念が、良いほうに働いているようです。
さて、試合展開などについては、とりあえずスルーして(いや、あらためて私が書かなくてもいいかなと…)、気になったのは『多摩川クラシコ』という扱いについて。
これについては、昨年度からスタートした企画ということですし、業界内で賛否両論があることも確かです。もちろんサポにしても、本気で「これぞクラシコ」と思っているわけではないでしょう。
今週のサッカーマガジンにて、武智幸徳氏のコラムではこの『多摩川クラシコ』を取り上げていましたが、そこに書かれている内容が事の次第を正確に表していると思います。(余談ですが、日経は武智さんがいるからサッカーの記事が面白いんだろう、と思っています)
クラシコということで対抗意識が盛り上がるのならば、それに越したことはないでしょうが、個人的な感想としては「あ、等々力って近いのね。アウェーはチャリンコで行ってみようかな」でした。今年からFC東京のスタジアム観戦をしようと思ったような若輩者の私にとってみれば、非常に効果があったものだと思います。
しかしながら、この日の観客数は2万2千人台。率直に言って、盛り上げようとしたわりには観客が来なかったのではないか? と思うんです。
この数字は、今期リーグ戦でのホームゲーム四試合のうち、2番目の数字です。1番は開幕戦の神戸戦で2万4千人。札幌と京都はそれぞれ2万人前後という数字でした。
ここでもう一つ、2005年~07年の対川崎の数字(東京が味スタになってからのもの)を出すと、05年が2万4千人、06年が2万3千人、そして『多摩川クラシコ』としての“元年”の07年が3万人でした。
つまり、リーグ戦における味スタでの対川崎戦としては、先日の試合は過去最低の人数でした。
ただし、考えておくべきなのがこの日は全国的に天候がすぐれなかったことでして、前日までは予報で降水確率が60%程度でした。実際のところは雨は振らなかったのですが(終了と同時に振り出したけれども)、「まぁ、今日はやめとくか」と思ったとしても仕方がない空模様だったのです。
私には、この2万2千人のうちどれだけの人が当日券で来ているのか、そして07年の3万人のうち、どの程度が当日券だったのか、などの数字については分からないので、詳しくチェックしてみれば「客が来なかったのは雨のせい」なのかもしれません。
しかし、私が一つ思ったのは、この『第13回多摩川クラシコ』のプロモーションフィルムについて、正直言って褒められたものではなかったのではないか、ということです。そして、もしかしたらそれが客を遠ざけたのではないか? と思ったのです。
もちろん、普通に考えたら雨のせいだと思うんですよ。それに、広告って費用対効果がなかなか分かりにくいものですから、「こういうの作ったらこれだけ客は来る」なんてことは言えないわけです。
ただ、それにしたって、あれはどうなんだろう、と思ってしまったわけなんですよ(ちなみに、私は去年以前のことを知りませんのであしからず……)。
観てない方のために軽く内容を紹介すると、まずFC東京の4人の選手がうつむいた状態から顔をゆっくりと上げ(これは悪くないと思いました)、それぞれが棒読みで「クラシコへのこだわり? それは勝つことのみ」「勝つ!」などテロップつきの“台本”を読み上げ、続いてチョン・テセ、ジュニーニョら川崎サイドの人たちも棒読みで「叩きのめす」と言っているところに、マスコットキャラのふろん太くんだと思われる、イルカが口を開いて「シャー」とやっている映像が……。
と、まぁそんな感じです。ツボに入れば爆笑するかもしれません(失礼……)。
もちろん、選手たちは役者じゃないわけですから棒読みはしょうがないでしょう。彼らはピッチ内でのみ評価されるわけですからね。だとしたら、棒読みの選手たちの絵でOKしてしまった制作側に責任があると思うんです。
これが、本当に『クラシコ』なら、棒読みになんかなるはずがないわけですし、そうでなくとも、棒読みにさせないための手は、いくらでもあったかと思うんですよね。
ここまで書いてきましたが、私は決して「こんなのはダメだ」とか、単純な批判をしたいわけじゃないんです。
そこでふと浮かんできたのが、“日本サッカー界に必要なのは「サッカーが好きで、何でもやる人材」ではなく、「専門的な知識や技能があり、サッカーが好きな人材」である”ということです。
確かこの意見は、このスポナビプラスでセレクトブログを開いていらっしゃる村松尚登さんのところで見たような……でも見つからないから違うかもしれません(汗)。
このプロモーションビデオを作ったのは、「映像関連の知識はあるけどサッカーは詳しくない人」か「サッカーは詳しいけど映像関連の知識はあまりない人」のどちらかなんじゃないのかな、と思ったんです。
これは、まだまだ日本のサッカー界、ひいてはスポーツビジネス界というものが、成立していそうで未成熟だ、ということの証左のような気がするんです(話がでかくなってごめんなさい)。
じゃあ、どうしたらいいのかというと、もちろん『多摩川クラシコ』を継続していくことは必須ですし、さらには日本サッカーの裾野を広げていくこと、それはつまりスタジアムに少しでも多く足を運ぶことが、遠回りなようでいて近道になるのでしょう。と、回り道をしたわりには、つまらない普通のオチで申し訳ないんですが、そんな結論に……。
芽は確実に育っているんだな、とはもちろん思います。たとえば、先日の鹿島対ガンバの試合はNHKが中継しましたが、それを湯浅健二氏が「まさにハイレベルな中継技術」と褒めていたりしますからね。
とりあえず、FC東京のご意見箱(メールフォーム)に「次回からはぜひとも素敵なPVをよろしくお願いします」と送っておきました。
まぁ、でも、お客さん来なかったのはやっぱり天気が悪かったからですよね……(笑)。
余談…自分だったらこんなPVにするかも?
■ 昨年の0-7の試合を藤山選手などに振り返ってもらうインタビューをまず撮り、それと試合の映像を編集。そしてリベンジ的な何かしらのキャッチコピーを入れる。さらに、「多摩川の覇権はゆずらない」とかのコピーを入れて、あとは日程と時間。
■ 対川崎戦での象徴的なゴール・失点を編集して、短くまとめる(長いと興味がそがれる)。「点は入れさせない」両チームDF陣がにらみ合う構図(セリフなし)、「決めるしかない」両チームFW陣が登場。「主導権は渡さない」同様にMF陣。それで日程と時間。
うーん、素人がちょっと考えただけではダメですね、やっぱり(当たり前か…)。
posted by nori44 |15:53 |
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2008年04月13日
J1:第6節 東京V vs F東京
ピッチサイドで観戦してきた東京ダービーのレポートです。
楽しかった。本当に楽しかったです。と、小学生の日記のように、「味スタいってきました。試合を見ました。楽しかったですマル」と終わりたいくらい、「もう書かなくても満足できたな」という試合でした。
もっとも、これが東京ヴェルディサポの立場だと180度変わると思います。
私はFC東京サポの立場からしか書けないので、その点ご了承下さい。
■FC東京サポからヴェルディ『川崎』コールが
私は武蔵野に住んで5年になるのですが、スタジアム観戦を始めたのが去年からということもあり、私にとっては初めての東京ダービーでした。
『ヴェルディのホーム』の味スタに、一時間半前にスタジアムについてみると、どんどんとFC東京のサポーターが入ってきます。
東京ヴェルディは、バックスタンドを1969シートとして1969円で販売していて、このエリアとホーム自由席とでファンが分散したのかなと考えていたのですが、実際には1969シートの半分も、青と赤のFC東京のファンが入っていました。さらにFC東京のサポは、アウェイ自由席の二階まで人が溢れ、ほぼ満員です。
対して、ヴェルディは結局1969シートも半分。ホーム自由席も7割~8割。この日は2万2千人の集客でしたが、そのうちの1万2千人ほどはFC東京のサポだったのではないか、と思います。
また、開始前とハーフタイムに緑と白のプラカードを掲げるというシーンがあったのですが、やや寂しい様子になってしまいました。どなたが考えたアイディアなのかはわかりませんが、これは失敗だったのかなと思いました。
そのようなことから、ヴェルディのJ2降格という負の遺産を感じずにはいられません。
今回は『土肥と福西』という発奮材料もありますし、さらには『3年ぶり』、『フッキ』、『柱谷VS城福』といくらでも対戦を盛り上げる要素を挙げられます。
ま、とはいえ結局はホイッスルが鳴ってしまえば純粋な勝負ですけれどね。でも、そういう盛り上がる要素もピッチに届くサポの声の音量を少しでもあげているなら、それはそれできっとピッチの中の選手もメンタルにも影響が出てくるでしょうからね。
本気で憎しみあってしまってはいけませんが、その手前ならばいくらでも盛り上がってほしいというのが私の気持ちです。
■さらっと試合について
激しく攻め立てる東京ヴェルディに対して、それをいなして反撃の機会をうかがうFC東京という構図でした。しかし、FC東京はアタッキングゾーンでのパスの成功率が悪い。
もちろん、抜けたらチャンスというパスを狙っている感じもあったんですが、FC東京の今年のテーマ「ムービングフットボール」からはややずれるかなという印象もあったのですが、そこはダービーという特殊な状況もあったでしょうし、前半のほとんどを無失点に抑えたという結果を見れば、成功でした。
その後はFC東京が盛り返してきて、互角か、ややFC東京のほうがチャンスを多く生み出しました。
しかし、前半の最後、44分に東京Vが、フッキに対するファールで得たボックスすぐ右の位置からのFKで、フッキがスーパーなゴールを決めたところで前半終了。
後半に入っても東京Vのペースは続いて、フッキのポスト直撃、ディエゴの抜け出してのGKとの一対一の、二つのビックチャンスを作りますが不発に終わります。
その後、交代で出てきたFC東京の大竹が試合をFC東京ペースに変えます。徳永が奪ったボールが大竹に渡り、カボレが入れたクロスを赤嶺が落としたところを羽生が技ありのシュートで同点。
直後に羽生に代えて金沢という交代がありましたが、これは前がかりのチームの意識を今一度守備に向けさせる意図があったのでは、と思いますし、交代という面での城福監督の采配は冴えていたと思います。
スタジアムの半分強を占めるFC東京サポの声が俄然勢いを増し、最高潮に達したのが後半のアディショナルタイム。ボックス内での今野のヘッドを長友が競ったところでDFの足に当たり、値千金のゴールがFC東京に生まれます。
そしてスコアは1-2でタイムアップ。
■両チームの差は『9番』
フッキは、凄かった。正直、よくあれを抑えたなと思います。
ただ、何と言ってもフッキは合流から二試合目ですし、個人での突破も多くて守るだけなら何とかなったのかなとも思いました。
後半のポストに当てたシーンなどではチームプレイとしての形も見えてきただけに、ここで点を取れなかったことが東京ヴェルディの分かれ目だったのでしょう。前節のフッキを私は見ていないのですが、この試合ではフッキは最後まで輝くことはなかったです。さらにはフッキは2枚目のイエローで退場となったことで、次節はサスペンションとなりました。
これをいい冷却期間と捉えて、ぜひフッキ選手にはチームにより溶け込んでほしいと思います。
一方のカボレ選手は、彼のポストの技術は特筆モノです。それが確実に計算できるし、チームとして「カボレなら落としてくれる」という共通理解が出来てきているのだろうなと感じました。
カボレ一人でも点を取れる力があることは分かっていますから、チームでの彼の立場は確実でしょうし、この試合での一点目もカボレ選手の精度の高いパスから生まれています。
合流して間もない上にJ1では未知数のフッキが、その実力を出せるかどうかはわからない――そんなことは、分かり切ったことなんですが、報道を見る限りでは「フッキ」の3文字が踊っていました。
ピッチ外の部分で騒がれた面もありましたが、それでも「フッキ」を持ち上げてしまうテレビ報道、スポーツ新聞の報道などには違和感がありました。
まぁ、いい意味でも悪い意味でも影響力のある選手、というのがフッキに対する印象です。フッキを生かせるかどうか、制御し切れるかどうか。そのあたりが柱谷監督の腕の見せ所であり、もしかしたら課題なのでしょうね。
■東京ヴェルディのブランドイメージ
ヴェルディが東京に来る経緯や、名門が利権によって凋落していく過程では、色々なことがあったといいます。
この日、私はマッチデープログラムを受け取ったのですが、そこには「クラシコが復活」との広告がありました。何のことはない、93年にJリーグの開幕戦となった横浜との一戦です。
「クラシコ」として集客効果を期待するのは別に構わないと思うのですが、放漫経営の末に二部落ちを経験し、名門としての求心力を失った末に、ゼロから出発しているヴェルディですから、その名称はともすれば身の丈にあっていないと言われるでしょうし、もしかしたらヴェルディのサポも首をひねるかもしれません。
ヴェルディの関係者がこれを「クラシコ」と言ってしまうことは、なんていうか、誤解を恐れずに言えばちょっとだけごう慢ですし、過去をなかったことにしているような印象すらあります。
ヴェルディがJ1に戻ってきたことは本当に嬉しいことです。私はFC東京サポではありますが、味スタを共にホームとする相手として応援したい気持ちは、もちろんあります。
だからこそ、一年で落とすようなことがあってはいけないと思いますし、今年残留し、何年か後にタイトルに絡むようになって初めて、「クラシコが復活」と言えるでしょう。
フッキの獲得に費やした金額がどれほどのものかは分かりませんが、ヴェルディのフロントに待ったは許されません。ヴェルディというブランドがあるとすれば、それは強さであるか、地域の人に愛されているかどうかから生まれるものでしょうから。
東京ダービーといっても、まだ東京の西側だけで盛り上がっていることに過ぎない、というのが現状です。例えば、この流れを東京全体に広げていけるかどうかなど、そのあたりのことを二つの東京のチームは、今後10年のテーマに掲げてみても面白いんじゃないか。
そんなことをなんとなく考えた東京ダービーでした。
また味スタが熱くなれる日を心待ちにしています。
posted by nori44 |23:49 |
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2008年04月10日
ニッカンスポーツの9日の「Jに「アジア枠」2年後導入目指し検討」という記事は、たいへん興味深いものでした。
アジア人枠設置について、私のところでも少し考えてみます。
まず、ニッカンの記事にある「欧州のEU枠をイメージしたもの」とありますが、そこは少しツッコミたくなるところですよね。
EU枠の発端となったボスマン判決は、あくまでも「EU域内であればEU加盟国籍所有者の就労は制限されないとしたEUの労働規約を、プロサッカー選手にも適用」することですから、今回の「Jの価値を高めるため」の枠というのとは、少し話が違いますよね。(wikipediaより)
ともかく、EU枠の流れに乗れたリーグが結果的に価値を高めた一方で、その価値を下げてしまったリーグがあることも見逃せません。
日本の場合は二重国籍が認められないことや、既に存在しているいわゆる「在日枠」などについても、色々と考えていく必要があるでしょう。
ここで「在日枠」について考えたいのですが、これは簡単に言うと朝鮮学校などを卒業しただけではダメで、日本の高校や大学を卒業しないといけないものなんです。
「朝鮮高校に行かないで、日本の高校に行けばいい」とか「通信制などのダブルスクールすればいい」などの意見は、簡単には言えますが、実際にプロを目指す人がそれをこなすのは大変。
で、今回のアジア人枠は、もしかしたら在日枠を発展的解消という形をとったのかもしれません。
さらには「将来的には人数制限を撤廃」するとの話なので、在日枠での議論がウヤムヤになった感はありますが、結果的には在日枠撤廃に動いていた方々の意向が反映されているわけですから、その点については歓迎したいところです。
93年にJリーグが開幕してから、Jのチーム数は右肩上がりに増加してきましたが、増えることは全体のレベルが薄まってしまう危険性がある一方で、J1で活躍できずに若くして引退してしまう選手のための受け皿となっていることも事実ですよね。
J2なりJFLで活躍できれば、再びチャンスを掴むことだってできるわけですけれども、アジア枠撤廃の流れと切っても切れないのが、若い選手の育成についてです。
受け皿の規模が、アジアの選手の流入によって圧迫されてしまうのではないか、という懸念は拭いきれません。
ただ、J2の下にJへの加入を目指すチームがある今年なんかの状況を見ていると、そろそろ実力のある日本人でチームを整備していくのにも限界があるとも思うんです。プロチームが増えたからといって、選手は急に増えるわけがないですからね。
ドラフト制度などによって戦力の平衡をはかるアメリカ式のプロスポーツリーグ経営ではなく、Jが欧州フットボールに倣う自由競争を標榜している以上、Jリーグ内でのピラミッド化は必然でしょう。
そうなってくると、今まではJ1で活躍できたレベルの選手が、J2に押し出されることになるわけですが、それがJリーグのレベルの向上に繋がるならJリーグファンとしては喜ばしいことだとは思うんです。
そもそも、今回は一歩踏み込んで発言したいのですが、個人的にはその国のリーグと代表チームとは、相容れない部分が大きいと思います。
リーグの強さと代表の強さが比例しないことは現在のイングランドプレミアリーグを見れば明らか……と言いたいところなんですが、それは確かに短期的に見たらイングランド代表のレベルを落としているとは思います。しかし、いま、イングランドに住むちびっこたちにとって、大いなる刺激になっているのではないか?とも思うわけですよ。
つまり、10年後にはどうなっているか分からない。
もちろん、VTR技術や通信技術が発展した今なら、世界のどこででも高質なフットボールを観られます。それによって世界のトレンドを学ぶことはできるでしょう。
しかし、ピッチサイドで体験するフットボールの刺激に勝るものはないこともまた、事実です。
それらのことを踏まえて、今回のアジア人枠については慎重な議論を重ね、実際にリサーチをしてもらった上で、撤廃の方向に動いてもらうことを望みます。
それに加えて、フランスリーグなどで差別問題に対する批判が相次ぐ中、Jにはそれらの二の轍を踏まないような対策をお願いしたいです。
posted by nori44 |20:16 |
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