2008年01月22日
ビッグクラブの必要性
最近、浦和がビッグクラブ化の道を進んでいるようですね。このことに関して批判もあるようですが、基本的には肯定的に受け止められている気がします。私もビッグクラブ化は必要だと感じているので、この流れは歓迎すべきと思うのですが、ではなぜビッグクラブ化は必要なのか自分の考えを少し整理したいと思います。 浦和のビッグクラブ化を語るとき、比較対象として用いられるのは欧州のビッグクラブではなく「巨人」である場合がしばしば見られます。競技としての性質や、リーグの形態の異なるチームを比較対象にするべきではないかもしれませんが、海外の事情も国内と異なる部分が多いでしょうし、国内で他に比較しやすいクラブも無いので問題ないでしょう。私が海外のビッグクラブより、巨人の方が知識が多いということもある為、ここでは巨人あるいはプロ野球との比較で考えたいと思います。 まず、浦和のビッグクラブ化が歓迎される要因として、「目的」が挙げられます。巨人が日本一(あるいは小規模なアジア一)が目標であるのに対し、浦和の目標はアジア一、最終的には世界一です。この目標を達成するには、大規模な補強によるビッグクラブ化が必要不可欠であることが、批判の多い巨人との大きな違いでしょう。日本一が世界一に比べて矮小な目標かは、競技ごとの選手の心情等に委ねられるべきとは思いますが、一般的には後者の方が応援する気がおきると思います。 そして、私が最も大きな理由と考えるのは「地上波放送」の必要性です。地上波放送されれば、積極的に見る人しか見ない競技から、消極的に見ることもできる競技になります。それは、ファンや将来サッカー選手を目指す子供の増加につながるでしょう。日本にサッカー文化を根付かせることにも重要な役割を果たすと思います。 しかし現在、Jリーグの地上波放送は非常に少ないです。理由は単純で、視聴率が低いからでしょう。現在巨人の地上波放送が削減されていることを考えると、地上波ゴールデンで放送されるには最低10%程度の視聴率が必要だと思いますが、Jリーグの視聴率は5%前後が多く、時間帯を考えても少し足りないです。また、日本の地上波放送は受信料ではなくスポンサー料で運営していますから、CMが重要となります。しかし、サッカーは野球、格闘技、フィギュアスケート、ゴルフ等の日本でよく放送されている競技と違い、CMを15分おきに流すというようなことができません。試合前とハーフタイムにまとめて流すのはスポンサーとしては歓迎できないでしょう。それを考えるとさらに大きな注目を集める必要があると思います。 サッカーというコンテンツで視聴率が取れるのは日本代表戦や、クラブワールドカップ、ワールドカップで証明されていますが、なぜかJリーグの試合となると視聴率が大きく落ちてしまっています。これは、日本のサッカーファンが「日本代表ファン」「欧州サッカーファン」「Jリーグファン」に分かれているからだと考えています。より詳しく言うと、「サッカーに興味のある人≒日本代表ファン」の枠の中に「Jリーグファン」の集合がある形になっているのではないでしょうか。 よって、Jリーグの視聴率を上げるには「サッカーに興味のある人」の枠に「Jリーグファン」の枠を、さらには「浦和ファン」の枠を近づければいいと思います。 そのためにはJリーグの理念である地域密着から脱却するべきと考えます。例えば浦和のホームタウンであるさいたま市の市民全員が浦和サポーターになったとしても約120万人で関東地区の総人口の3%に過ぎません。地域密着の限界はここにあると思います。実際、プロ野球でも地域密着を理念とする球団を中心に観客動員数は増えていますが、視聴率低迷に歯止めはかかっていません。 当然、地域密着を完全に捨てるべきとは思っていません。ただ、地域密着により熱狂的なサポーターを獲得しつつも、日本全国にライトな浦和ファンを増やす努力はすべきだと思います。地域密着の根を張りつつ枝を伸ばそうという感じですね。そのためには浦和が、Jリーグ=浦和レッズと言えるほどのビッグクラブになるのが近道でしょう。一昔前の巨人と似たような構図です。 プロ野球では巨人の一極支配の弊害が出てきています。しかしそれは巨人がプロ野球全体のことを考えず、支配していたためでしょう。プロ野球ではトップの組織が弱くそれができる環境でしたが、Jリーグではそのようなことはおきないと思います。地域密着も浸透していますから、他チームのサポーターへの影響も少ないでしょう。 圧倒的に強いビッグクラブになれば、当然浦和の存在感は大きくなり、ニュース等で取り上げられることも多くなります。また、Jでは外国人枠がありますから、補強の人材は日本代表の選手が多くなると思います。日本代表選手が増えれば、日本代表ファンをある程度引き込むことができますし、代表選手が集まれば連携を高めやすくなるでしょう。さらには、代表選手の普段のプレイを見る機会が増え、代表に関する議論もしやすくなります。現状ではまだ日本のサッカーの中心は日本代表ですから、日本代表の強化はサッカー全体に良い影響を及ぼすのではないでしょうか。 ここでは浦和を例にしましたが、鹿島やガンバでもかまいません。もちろん浦和と鹿島とガンバでもいいでしょう。要はどこかのクラブがJの一クラブから、日本を代表するクラブとなることで、サッカーに興味のある人の注目を集中させるべきだと考えます。サポーターではないファンの存在により目を向けることで、ある種の空気を作り出し、地上波放送につなげ、さらにファンを増やす。こうしたサッカーという競技を知らせる動きが、サッカー文化が無いといわれる日本人にサッカーを根ざす近道なのではないでしょうか。
posted by noraneko |11:18 |
サッカー |
コメント(17) |
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ビッグクラブの必要性
そんなの言わなくても普通の人はわかってるのでは?
巨人なんて皮肉の対象にしかすぎないんですから。それかにわかか。
posted by | 2008-01-22 13:20
ビッグクラブの必要性
情報がインターネットや、衛星を通じて、今やお茶の間にもスポーツニュースの時間に海外のスポーツが広くとりあげられてます。
中でも、野球とサッカーに関しては群を抜いて、割く時間も多いですよね。
その中で、感じませんか?海外とのレベル差を。
私は野球に関しては、そのレベル差をさほど感じませんが、ことサッカーにになるとやはり違うなと確認させられます。
Jリーグ発足当時はスタープレイヤー(落ち目の方もいたけど)も居て何かと騒がれていましたが、今は・・・ねぇ?
言いたいことは日本人自体のレベルが世界と比べてあまり気にならなくなったときに一般の方も入りやすい世界になるのではないかなと思ってます。
まぁ、時間はかかりますけど。
それまでは、地域の方や心からサッカーを愛してやまないサポの皆さんで支えていく必要があると思うのです。
野球はその実力もさることながら海外に行く選手はそれなりに通用しています。
サッカーは・・・ごく少数です。
この裾野の狭さが野球とサッカーの違いであり、日本のペナントレースとJリーグの差だと思っています。
まずは、アジア一のリーグを形成する事こそがJリーグの拡大だと思ってます。
そのためにはアジアの人材が集まるシステムにしないと・・と思ってますけど・・長くなりました。
長文すみまーですが、こんな意見で。
posted by k | 2008-01-22 14:04
ビッグクラブの必要性
Jリーグの基本理念の一つが地域密着なのですから、ソコを変えるのはJの存在を根本から変えなくてはならなくなりませんか??
posted by なの。 | 2008-01-22 14:14
ビッグクラブの必要性
視聴率の低下=人気の低下と言うのは短絡的思考だと思います。
近年、野球やサッカーは観客動員数が上昇している傾向にあります。
その背景には、女性や子供またはお年寄りが球場に来やすい環境の整備や安心して観戦できる環境が整いつつあるということです。
もう一つは、スカパーなどのCS放送の存在が挙げられます。
地上波で贔屓のチームの放送が無かった場合、スカパーやCSで贔屓のチームの放送があったら当然そっちを見ますよね!?
ということは、地上波でしか見なかった人達が実際に球場で観戦する、あるいは、スカパー・CSで観戦するという事になり、 観客動員数の増加+スカパー・CSでの観戦=地上波の視聴率の低下 という風になると思います。
話がずれましたが長々失礼しました。
posted by jin | 2008-01-22 14:33
ビッグクラブの必要性
展開している論理に矛盾はないと思います。読みやすかったです。
ただ、一つだけ。
視聴率=根付いている、ということにはならないと思います。たとえばプロ野球は視聴率は年々下がっているようですが、スポーツとして完全に“根付いて”いるでしょう?柔道など日本産のスポーツ以外では唯一文化が形成されているのが野球ではないでしょうか。
なのでやはり10数年ではどうしようもないものがあるかと。まあ、ACLで決勝に進むことで地上波がなされるのなら浦和はじめ上位陣には頑張ってもらいたいですね。
posted by d | 2008-01-22 14:37
ビッグクラブの必要性
コメントありがとうございます。
> さん
自分の中の考えを文字にすることで、意見の矛盾点等が見つかりますし、異なる意見を聞くことも重要だと思うので書いています。
また、ここで書いたようににわかは大切だと思いますし、私自身サッカー観戦暦が浅いので、にわか向けであったとしてもご容赦いただければ、と思います。
>kさん
確かに素人でも分かるぐらいの違いはありますね。
しかし、良質なサッカーを見たいと思うのはある程度のサッカーファンであって、なんとなく見てみたいと思っている人にはレベルの高さより、興味深さの方が大切ではないでしょうか。
少なくとも私は、プレミアリーグやセリエAよりもJリーグの方に興味があります。
興味を引くには、知ってる日本代表選手のいるクラブであったり、なんだかテレビでよく見るクラブであったりすればいいのではないでしょうか。
もちろん強いリーグになるのは大事だと思いますが、欧州に見劣りしないレベルになるためにこそ、底辺の拡大がまず必要だと感じています。
>なの。さん
変えるというよりも、新しいものを乗っけるという感じですね。地域密着は維持しつつ、なんとなく親しみのある雰囲気を全国にも広げられれば、という意見です。
>jinさん
確かに観客動員数は増えていますし、CS放送も広がっています。
しかし、日本ではやはりテレビは無料で見るものという意識が強いでしょう。CSや球場に何万、何十万と集めたとしても、それはまだ一部の人でしかないと思います。
また、球場で観戦するのも、CSで観戦するのも、あくまで「サポーターに分類されるような人たち」でしょう。
地上波放送の利点は「球場に言ったりするほどではないが、サッカーは嫌いじゃないぐらいの人たち」にサッカーに触れる機会を提供できることであり、それこそがサッカー文化というべき、「多くの人がサッカーに親近感を持つ雰囲気」を作り出し、底辺を広げていくのではないでしょうか。
>dさん
歴史の違いはどうしようもないですね。
ただ、野球がこれほど根付いたのは、テレビ放送で大勢の人が王や長嶋を見てきたからであって、球場に集まるファンだけではこれほどの「共有感」のようなものは生まれていなかったと思います。
視聴率云々というよりも、テレビをつければそこにあるということが大事なのではないでしょうか。
posted by 管理人 | 2008-01-22 14:54
ビッグクラブの必要性
サッカー文化を日本に根付かせる事・・・これの最もな近道はJリーグをアジアNO1のリーグにする事だと思います。
その為には、アジアの人間に関しては外国人枠撤廃が必要だと思われます。
それに付随してユース年代の強化及び移籍の活発化が必要だと思われます。
弱小、中堅にいるクラブの将来有望な選手は迷わず上のクラブへ移籍が出来る環境。
弱小、中堅クラブの若手育成⇒売却と言う外国では当たり前な流れの構築。
ACLの東西分割。
ACLへのJリーグからの参加チーム数の増加。
注目度が上がる・・・と思っています。
posted by 53 | 2008-01-22 15:26
ビッグクラブの必要性
興味深いですが言いたい事は言われているので
注意をあんまりストレートに巨人が日本一(あるいは小規模なアジア一)が目標であるのに対し
などと書くと一部の過激な野球ファン〔というよりファンの名を語ったあらし〕に荒されるかもしれませんよ
posted by とうりすがり | 2008-01-22 15:47
ビッグクラブの必要性
巨人ってホントに参考になるんでしょうか?
読売グループなら新聞、スポーツ新聞、テレビを駆使して
“1億総巨人ファン”を作り出すことは可能でしょうけど。
posted by ooi | 2008-01-22 16:23
ビッグクラブの必要性
選手を売るクラブと買うクラブがくっきり分かれたり、プレミアセリエみたいに2極化するのは勘弁して欲しい。
特定クラブのファンではない身としては、今みたいに強いチームが数年で入れ替わったり今年の鹿島やいつぞやのセレッソみたいに突如として優勝争いに絡んでくるようなリーグのほうが面白い。
posted by | 2008-01-22 16:32
ビッグクラブの必要性
野球よりフットボールの方が世界という舞台が用意されている。
世界で戦えるチームは日本代表として国民の支持を受ける。
日本にもそんなチームが必要だと思う。
posted by bulcgib | 2008-01-22 17:30
ビッグクラブの必要性
サッカーファンは真摯なコメントされる方が多いですね。マジメです。
地上波放送は有力な方法だとは思います。
ただ微増に留まるんじゃないかな。
なんせ各部屋に一台ずつテレビがある時代ですから。
家族そろって見るってことが、野球の普遍化に一役買ってたんじゃないかなぁ。
posted by 由比彰紀 | 2008-01-22 17:38
ビッグクラブの必要性
>53さん
アジア圏限定の外国人枠撤廃は有効なんですかね。
アジアのサッカー事情に疎いので良く分かりませんが、Jでスターになれるレベルの選手は欧州に行っちゃいませんか?日本人と同等のレベルなら日本人で良いわけですし。
そもそもACLの優勝もあって、サッカーを良く知らない人間からすると、Jリーグ=アジアNo.1と思っているでしょうから、アジア一を強調する必要性はあまり感じません。
クラブ間の選手移動は活発になってもいいでしょう。できれば有名な選手が移籍すると良いと思います。
>とうりすがりさん
ストレートすぎましたかね。
本当はMLBとの真のワールドシリーズが実現して、世界一が目標といえるようになればいいのですが。
>ooiさん
確かに、野球のメディア戦略では親会社の存在が大きいとされてますね。
ただ、市場原理を明らかに歪める様な事は起こっていないとも思います。
TBSは横浜の試合をほとんど放送していませんし、フジテレビもヤクルトに力を入れていません。
日テレも視聴率の低下で巨人戦を減らしています。
有利不利はあるでしょうが、参考にならないわけではないと思います。
> さん
ビッグクラブ以外は面白くないかも知れませんね。
カップ戦への出場権を作るなどして、モチベーションを保つことは必要でしょう。
>bulcgibさん
クラブの日本代表というべきチームですね。ゆくゆくは、バルセロナやマンチェスターUのように、遠い異国にもファンがいるようなクラブができて欲しいです。
>由比彰紀さん
そうですね、私のテーマも真面目です。
家族そろって見ることが少なくなっていることは考えていませんでした。確かにそうですね。それでもまだ、メディアの中で最も大きな影響力はあると思いますが。
posted by 管理人 | 2008-01-22 20:46
ビッグクラブの必要性
個人的な感想ですが、日本にビッグクラブはまだ早いような気がします。
ビッグクラブという存在は良くも悪くも周りに大きな影響を与えますよね。
日本のサッカー界の現状は、その「周り」がまだ脆弱ではないでしょうか。
地元に密着し、自立できているクラブがどれだけあるのか
メディアが成熟しているのか
移籍システムやベスメン規定など、制度は整備されたのか
そんなことを考えると、デメリットも大きいような。
まあ、浦和に関しては、営業努力でビッグクラブに羽ばたこうとしているわけで、文句を言う筋合いにはないのかもしれませんね。
ただ、クラブがある地域なのに、地元クラブよりも浦和を応援するファンが多い、というようなことだけにはなって欲しくないなと思います。
posted by U | 2008-01-23 01:42
ビッグクラブの必要性
>Uさん
まだ早そうですか。
確かに各クラブがもっと、ビッグクラブがあってもそれに関係なく応援できるサポーターをしっかり持って、地域に根ざさないと、昔のパ・リーグのようになる恐れはありますね。
posted by 管理人 | 2008-01-23 19:44
ビッグクラブの必要性
大筋で賛成です。
あとJリーグとNPBの大きな違いは、どんなチームでも参加できる「開放型」のJリーグに対して、新規参入が容易でないNPBは「閉鎖型」と言えます。
閉鎖された組織の中で戦うのであれば戦力の均衡化は不可欠です。
地域のクラブからJ1、そして世界が目指せる市場と比べるべきものではないと思います。
頂点は高いほどわくわくします。
posted by magu | 2008-01-24 01:03
ビッグクラブの必要性
>maguさん
「開放型」と「閉鎖型」
サッカーと野球では、そこが一番の違いなのかもしれませんね。
posted by 管理人 | 2008-01-24 23:13


