2008年12月29日

来季、野球を楽しむ岩瀬が見たい

 岩瀬投手の表情がさえない。かつての明るいイメージも、ここ何年で、その印象が変わってきた。それまでは、ドラゴンズの番組などで屈託のない笑顔を見せたり、今オフもラジオ出演。旧知の落合英二氏と、彼との現役時の笑い話など披露していた。

 大学時代に、球速のあった岩瀬投手。覆面をかぶって、スピードガンコンテストに出ようという計画をたてるなど、本来は明るい性格。いいあんちゃんだなあ、というような親しみやすさがあった。

 しかし、プロで結果を残し、給料が上がる。ついには日本人投手最高年俸まで上り詰める。4億円を超える給料、その責任感が彼から笑顔を奪ったのだろうか。(僕らの見ることのできないところでは、そんなことはないのだろうが)

 おそらく彼に野球とは? と、質問すると「仕事」という答えが返ってくるだろう。何点取られても、抑えればいい。彼の信条は結果至上主義。仕事を完遂することこそがすべてなのだ。

 デビュー登板で打ち込まれた投手が、10年間50登板以上という金字塔を達成。ひとりの若者の成長過程、岩瀬仁紀というすばらしい人間を見てこれたという幸せがファンにはある。だからこそ、ここ最近の浮かない表情が気になって仕方がない。

 北京五輪・準決勝でイ・スンヨプにホームランを打たれ、帰国後、罵声も浴びせられたという。五輪のユニホームは、先日行われたゴルフコンペのチャリティオークションにさっそく出したという(7万円で落札されたとのこと)。今季はそういうこともあり、特に野球を楽しめてないように感じた。

 結果を残し、周りから認められる。責任が増え、仕事に対して慎重になる。そしてそれに比例して、いつのころから岩瀬投手の顔から笑顔が少なくなっているように思う。責任が増し、ひとりの人間として立派になったんだとも思う。だが、やっぱりファンとしては野球を楽しんでいる姿が見たい。

 荒木、井端、森野、岩瀬。今オフ、大型契約した4人はそろって30歳オーバーだ。この契約満了時には、30代後半にさしかかる選手も。今後は年齢、年俸からしても責任感ばかり増えていく。加えて、ドラゴンズは変革期。現況で野球を楽しめといっても難しいのだろう。

 それでも、やはり彼らには楽しく野球をやってほしい。この地方で育つ子供の多くは、ドラゴンズのユニホームに強くあこがれる。彼ら主力選手には、そういった少年たちに夢を与える存在であるために野球を楽しんでやってほしいと思う。

 暗い話題が多い世の中。ドラゴンズのトップ選手だからこそ、来季は特に野球を楽しんでプレーする姿が見たいです。

posted by nomura |11:09 | 中日ドラゴンズ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年12月29日

FC岐阜、今年最後に思うこと

 先日、FC岐阜の応援番組を見た。クリスマス前後に放送されたもので、選手が視聴者の夢をかなえてあげるという趣旨だった。

 北村選手のファンの女の子が、彼とプリクラをとりたいという微笑ましい企画だった。しかし、残念ながらこの時点で北村選手は戦力外となっており、VTRはどこかせつないものになってしまっていた。

 北村選手との楽しいひと時を過ごし、別れの瞬間。次でも頑張ってと北村選手に声をかける女の子。北村選手も、“がんばらなきゃなあ…”と、その言葉で現実をかみしめ背中を向け去っていく。

 女の子も、別れた瞬間、こみ上げるものがあったのだろう。途端に、泣き出した。そこで過ごした時間が幸せすぎたのだろう。彼と二度と会えないという実感。その子の小さな瞳から大粒の涙があふれていた。

 北村選手はサッカーの能力に問題があって戦力外になったのではない。ゲームでキャプテンマークを巻く選手で、彼は必要な人材だ。それでもの戦力外、これはリストラ以外の何物でもない。

 FC岐阜は「子どもたちに、夢を!!」というスローガンを持っている。しかし、運営基盤がしっかりしてないという現実。ならば、今回のような事態はまた起こり、声援を送った選手が去っていくのでは。だとしたら、そこに夢はあるのかと感じてしまう。

 リストラをするような会社が最優先しなければならないこと。それは経営の見直しだろう。新卒選手を加入させ、年俸を抑える。リーグから借金をしてでも、チームを立て直す。FC岐阜は組織としてできることをやっている。

 それでもチームには理念がある。地域密着、J1昇格。目指すところは誰もが知っている。だが、その前に存続できるのかという問題。お金、スポンサー確保という課題がある。
 29日付中日スポーツより抜粋、
“…シーズンチケットの売り上げは昨年より増えている。スポンサーが1社つけば、大きくプラスになると思うが…”。(広報担当者)

 衣食足りて礼節を知るという。サッカーチームも同じようにスポンサーがあってお金、環境が整えられはじめて動いていくものだろう。
 地域貢献、強いチーム作り。だが、それよりもチームを健全な状態に乗せることが最優先すべきではなかろうか。それでも、あくまでJのチームとして理念は忘れてはならない。

 理念と現実。そのはざまでJファーストシーズンのチームは揺れている。今後も、サポはつらい思いをするだろう。そして、この女の子のように傷ついてしまうこともあるだろう。

 FC岐阜というチームが、どうかうまくいくように。きびしい現実を前にして、今年最後に思うのはただそれだけです。

posted by nomura |11:04 | FC岐阜 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年12月25日

井上一樹へのエール

 井上一樹選手には、もっと出場機会があってよいのでは。多くのドラゴンズファンが思うことではないだろうか。

 今年19年目のベテラン、これまでドラゴンズに貢献。06年には選手会長に就任。その年には、阪神・藤川選手から甲子園でホームランを放つなど打者としての力量も十分なはず。

 だが、翌07年、08年においては開幕二軍。起用法も、左の代打の切り札(立浪)のひとつ前の存在。生え抜きで、打撃力があるならもっと使われてもよいのでは。こういう疑問を持ってしまう。

 実際、落合監督は常々「あいつには30本(塁打)打つ、力がある」と言っている。今年、ドラゴンズで30本以上打ったのはウッズのみ。だが就任後、井上を好待遇で起用しているわけでもない。もちろん、野球は打って、守って、走ってのトータルしてのもの。総合力で井上を判断したからこその処遇か。

 ファンだからこそ、今年の井上に納得いかないものを感じてしまう。そして、それは彼自身も。だから今年の契約更改ではお金の話ではなく、自分の立場についてほとんどを費やしたという。
 そんな井上選手が、25日CBCラジオ「ドラゴンズワールド」に出演。今の心情を吐露していた。

 同じく出演したOB・木俣氏が楽天・山崎のエピソードを披露。山崎いわく「自分は中日にいたかったけど、首になった(トレード)。だから、ふんぎりがついた。一樹にはそれがなかったんじゃないか」。

 環境を変えてこその開花するという方法。井上のそうした可能性を示唆。そして、それは今オフのノリのFA移籍でも感じたという。

 だが、井上には名古屋とドラゴンズに強い愛着がある。しかし、いち野球人としてこのままフェードアウトしていくのも我慢ならない。愛着心と新たな環境へのチャレンジ。ふたつの葛藤があったことを明らかにした。

 井上は今季、開幕二軍。そのとき、本人がイ・ビョンギュに負けていると思ったというのだ。そして、使わざるを得ないと思わせていない自分に責任がある。井上はそう考えたからこそ、二軍で腐ることなく必死にプレーしたのだろう。二軍で4割超の打率、彼の反骨心には頭が下がる。

 だが、それでも井上の存在は絶対的ではなかった。巨人とのCS3戦目。引き分けた試合で、井上は最後まで出場することはなかった。最後の攻撃、2死・一、二塁でマウンドには右ピッチャー。立浪は使っており、ここで打席には英智。ここでの代打は自分が思うポジションなのに出場の機会はなかった。

 そこで、打てたら今年が報われたと。そこで打てなくても、また来季、これを糧に頑張ろうと思えたという。では、この出ないという状況は? 井上はこのとき、どうせ出られないと思う自分がいたこと。そして、それが一番悔しかったと言っていた。

 監督の考え。チーム事情。多くのことが井上に対して逆風なのだろう。それでも腐ることなく、ドラゴンズで頑張ろうといってくれる彼の気概。

 悩みながらひとりの野球選手としてプレーする姿には、「井上、ガンバレ」と誰もが思うはず。レギュラー選手の活躍ではなく、井上のような選手だからこそより声援を送りたくなってしまう。

 彼はドラゴンズにいる理由を、仲間が支えてくれているから、絆。そうした言葉で表現してくれた。しかし、それは井上というひとりの男の人間性があったからだろう。

 来季は「気」を前面に出して、心臓に毛を生やして遠慮することなくプレーすると宣言。彼が、もう一度お立ち台に立つ姿を心から見たいと思った。

posted by nomura |23:18 | 中日ドラゴンズ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年12月19日

ドラゴンズは変革期なのだろうか

 ウッズがいなくなり、川上もメジャー濃厚。加えて、中村ノリとも契約せず。単純に考えても、10億円近い金額。今オフのドラゴンズには、昨オフのドラゴンズにないような金額があったのでは。しかし、ドラゴンズはそれを使うことがなかった。

 そして、新たな補強はドミニカからの外国人ふたり。だが、それもふたりで5000万円以下という破格値。

 08年は、落合監督就任後、最も悪い順位。そして、その中からエース格の川上。チーム本塁打140本から、ウッズ、ノリあわせて59本が抜けるというという予定。09年へ向けて、ウッズ・川上資金で、何らかの手が打たれるものかと考えていた。

 それも今オフの補強がその新外国人ふたり合わせての5000万円以下のみなのか。それによって支配下69人となり、実質これで打ち止めとなったのではなかろうか。それでも、落合監督は満足顔。

 井端、荒木、森野、川上、岩瀬。FAの渦中、彼ら5人のうち、4人が残留の見込み。監督いわく「5人中4人だろ? これが今年一番の補強だよ」と、語っていた。アライバ+森野に5年契約。岩瀬にも同等を予定で、彼らのベースを考えれば、4人と長期契約なら、10億円なんていうのはあってないような金額か。

 景気低迷、契約社員があっさりと切られるご時世。ドラゴンズの内に厚くという姿勢は、ファンとして温かみも感じられ、喜ばしくも感じる。

 だが、(捕手、投手をのぞく)内野の4ポジション。そこに、荒木、井端、森野がいて、この先5年の間、3つが固定されるというのはどうかとも感じてしまう。加えて、プロスペクトといってもいい、堂上直倫の存在。来季3年目の彼。近い将来、ポジションを与えたいなら、4つのポジションのうちすべてに優先順位がついてしまう。

 ここ何年、荒木・井端のオーバー30を見越して、ポストアライバを獲得してきた。直倫もそうだが、谷、西川、森岡(ヤクルトに移籍)、中川、岩崎、沢井、柳田。アライバ+森野の5年契約はそういった選手のやる気をそぎはしないか。

 もっとも、プロなんだから、彼ら以上に結果を出せばよいと思うかもしれない。しかし、それもチャンスがあってこそ。

 落合監督のコメント。「俺が認めたレギュラークラスは1番の環境でやらせないと。それはあいつらが勝ち得た特権なんだ」。それなら、ポストアライバにチャンスが巡ってくるのは、彼らにアクシデントがあったときのみだろうか。

 アライバ+森野がこのチームで野球を終えたいと言ってくれたことは、ファンとして心底うれしい。だが、彼らすべてが30代後半となった5年後。そこまで考えてしまうと、この契約がよかったかどうかの判断ができかねる。(年俸は1年ごとの変動ということらしいが)

 「来年、楽しくてワクワクしている」という落合監督のコメント。これまで結果を出していない、未知数の選手に対しての思い入れからくるものだろう。だが、そう考えるとこのアライバ+森野の5年契約は矛盾してはしないだろうか。

 チームは変革期。だが、この契約からは現状維持の姿勢が見えはしないか。ファンとして思う。ドラゴンズの選択はどちらが優先されているのだろうか。
 

posted by nomura |00:41 | 中日ドラゴンズ | コメント(21) | トラックバック(0)
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2008年12月18日

中里投手の背番号変更について

 中里投手の背番号が18番から70番に変更された。かつては70番もつけていた中里。だが、今回、この番号に戻るというのは背水の意味合いが強い。

 06年のシーズンも終盤に差し掛かったころ、中里は1軍復帰。マウンドに上がるようになった。

 たしか、ヤクルト戦だったと思う。この当時、最強の2番打者としてブレイク。ラミレスより多い、そのシーズンにチーム最多の39本のホームランを打つリグスとの対戦。このときのボールが忘れられない。

 唸るようなボール。伸びのあるストレート、ホップするようなボール。何ていうのだろうか、グンと手元で浮き上がってくるような球。その時の中里はそういったたぐいのボールを投げていた。

 結果、リグスは空三振するのだが、首を振りながら「これは打てないよ」というような表情でベンチに帰って行ったのが忘れられない。

 その当時は、セットアッパー。シーズンも0,68という防御率。唸るような剛速球をバンバン投げていた阪神の藤川投手。中里にはドラファンのだれもが、彼のようになってほしいと思ったのではないだろうか。

 そんな中での、期待された07年のシーズン。骨折というアクシデントもありはしたが、1軍登板なしの結果。彼自身も悔しいだろうが、彼に期待したファンも悔しい思いをした。

 そして08年は開幕一軍も、かつての球威はなかった。150㌔超のボールではなく、130㌔~140台のボール。結果、2軍では1勝2敗、防御率2,75。一軍では13試合登板、勝ち負けなしで3,48の防御率。ボールの勢いも感じられない、結果として目をひかるものもない。そんな中、来季、9年目のシーズン。これでは18番どうこうより、契約してもらったということのほうが良かったと言ってよいのか。

 ドラゴンズでは堂上直倫が「1」を着けている。そして、今回あらたに「18」を着けるのはドラフト2位で指名された伊藤投手。好素材、地元、イケメン。これらの番号は、彼らのスター性を期待して球団が与えたものだ。

 だが、直倫にしても伊藤投手にしても、その番号が今現在、輝いているとは言えない。背番号というものは、1軍のグランドで結果を残してこそ輝くものだ。そして、それが何番であろうと。

 イチロー選手は「51」という数字をかつてないほどに輝かした。意味のないような番号でも、活躍さえすればそこに輝きは生まれる。そして、中里もそう。「70」という数字を輝かすのもすべては自分の結果次第。

 WBCの原監督はいう。「(WBC代表の)このユニホームを輝かしいものにするのは、まさに勝つことだと思っています」。

 中里篤史、かつての「18」をはく奪され、背水の男。だが、それを再び輝かせることができるのも自分次第。彼にもう1年、時間があるのならファンとして、彼の生きざま、気迫を見届けたいと思います。

posted by nomura |23:29 | 中日ドラゴンズ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年12月13日

来季のドラゴンズは

 13日東海テレビ放送、スーパーサタデー内のドラゴンズコーナーに落合監督が生出演。来季に向けて、歯に衣着せぬコメントを連発していた。

 まずはノリについてから、
(2年前のオフ、11球団が手を挙げなかった状況を踏まえ)
 「ヨソでほしいといった時点で、最初から手放そうと思っていた」
 「彼がいて日本一になったのも事実。彼がひとり入ることによって、チームの立て直しが遅れたのも事実です」
 球団納会で「負けてなお得られるもの、それが来年なんだろう」という監督の言葉。
 そこには来季、今までできなかったことに取り掛かれるという強い思いがあるのだろうか。

 「4番はいません。日替わり4番目。候補もいませんし、おそらく最後まで決まらないでしょう」
(外国人は?)
 「ピッチャー3人。野手3人で。とるのは決まっています。…(外国人には)特権を与えません。競争してもらいます」
(ウッズ、ノリが抜け、外国人も絶対的な存在がいない状況は不安では?)
 そうした表情は見せず「ファースト、サード、センターの守りの穴が埋まる」から、ということを述べた。

 ウッズは言うまでもなく、ノリや森野も。監督いわく、ノリはハンドリング、スローイングは良いが守備範囲が森野の半分。そして、その森野の外野守備、本来、守らしてはいけないとバッサリ。
 おそらく落合監督は、守り勝つ野球がやりたいのだろう。そのため、ここが埋まるということのほうが、現状不安より勝っているのだろうか。

 ファーストに新井、福田しかいない現況を踏まえ、イビョンギュ、和田のコンバートも示唆。その中での発言、
 「パズル的に考えると、確実にポジションはひとつ足らない。…(若手を)使わざるを得ない状況。…(それでも)苦しくはない。
(それは)今季のジャイアンツと西武と同じ状況。(今までは)使いたくてもそこに選手がいたんです」

 「来年楽しくて、ワクワクしている。今年は何にもすることがなかった」
主力の抜ける来季を悲観するのではなく、監督は新しく選手を登用できることに喜びを見出しているのだろうか。

 そして、出てくるであろう若手に、自分で決着をつけてくれればよいと語っていた。だから、キャンプ、オープン戦でそれを見極めたいと思っているのだろう。そのために、キャンプは3日の休日のみ。オープン戦も、昨年より5試合多い23試合組んだと語っていた。

 「チャンスが出てくる。ポストが空いている」という言葉。最近、聞かれなかった言葉だと思う。今のところ、来季はやはり違うということだけは確かなようだ。

posted by nomura |19:47 | 中日ドラゴンズ | コメント(21) | トラックバック(0)
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2008年12月12日

ドラゴンズと育成枠で考えたこと

 11日、NHKの21時のニュース、スポーツコーナーに巨人の隠善選手が出演していた。

 育成枠から、今季選手登録された選手。左の外野手で今季18本のヒットを打っている選手だ。

 06年に育成枠として入団した隠善選手。その彼が、育成枠から這い上がるためにしたこと。今年の紅白戦に照準を合わせて、やってきたという言葉。

 その紅白戦などの活躍が認められて、シーズン前の3月21日に支配下登録。隠善選手は少ないチャンスをものにした。

 彼が紅白戦に照準をあわす。つまり、そこにかけたという事実。崖っぷちであったがゆえに、自分のポテンシャルをそこに持ってきて、ここしかないという場所でそれを発揮したという事実。

 一方、ドラゴンズの選手。彼のようにここまで崖っぷちに追い込まれてプレーしている選手がいるだろうか。“いつかはレギュラーになる”、その意気込みはあるだろうが、ひとつのプレーでユニホームを脱ぐことになるかもしれないという危機感が薄いように感じる。

 落合監督就任の04年から。順位は1、2、1、2、3位。常に優勝争いをしてきた。主力と呼ばれる選手は、30歳前後で野球人としてあぶらが乗りきっている時期。レギュラーは固定化され、監督ですら12球団で一番レギュラーになるのが難しいと述べるチーム事情。

 こうした状況。二軍にいる選手が即レギュラーを目指すというメンタルではなく、いつかはレギュラーでという気持ちでプレーするようになっても不思議ではない。

 今年08年入団、巨人は12人の育成選手を登録。一方、ドラゴンズはゼロである。下から這い上がる、崖っぷちだからこそ発揮されるメンタリティ。ドライチなどの一流と呼ばれる選手が結果を出すのは当然と思える。

 だが、下にいるからこその負けてたまるか、何苦楚魂(なにくそだましい)、それがあるからこそステップアップする選手というのが存在するのではないかと考えさせられた。

 ドラゴンズは育成ドラフトで今年2人とったものの、育成の仕組みができてからそれまで過去2人しかドラフトで獲得していない。ドラフト順位にはよるものの、普通に指名されれば1年でクビというのはスカウト、関係者の手前もあり現実的ではないかもしれない。しかし、それが危機感を薄らげる要因になりはしないか。

 ひるがえって、育成枠。年齢が10代ならば、翌年があるかもしれない。しかし、20代となってしまっては、すぐにでもクビとなるのが現状か。だからこそ、隠善選手のようなメンタリティが生まれ、巡り巡ってそれがチームを活性化させるのではないのだろうかと感じた。

 今年、ドラゴンズで育成枠。ドラフトでチームから一番最後に指名された小林高也選手は「一番下から這い上がってみせます」とコメント。底辺にいるからこそ生まれる向上心。チームを押し上げる力というのは、こういう所にあるのかもしれないと思った。

posted by nomura |00:28 | 中日ドラゴンズ | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年12月10日

FC岐阜、森山選手の道は、

 FC岐阜の今季最後の試合。森山泰行にとっても、自身の最後の試合となった。ゲーム終了後のセレモニーで、彼は言った。「今度は世界一の指導者を目指します」と。サポーターも沸き、大団円での引退劇となった。だが、思う。これで本当に良いのだろうか。

 セレッソの森島選手。磐田の名波選手。彼らもユニホームを脱いで引退する。そして、いつかは指導者となり育ててもらったクラブに還元するのだろうか。ピッチの間際で選手を鼓舞したり、指示したりする彼らの姿。チームのサポーターからしたら望むものに違いない。

 実際、今季グランパスはかつてチームの中心選手だったストイコビッチ氏が指揮をとった。チームの躍進もさることながら、開幕前から彼が戻ってきて前年11位というチームを巻き返してくれるという期待感も大きかったのでは。だからだろうか、今季のグランパスは昨年以上に盛り上がった感がある。

 もちろん、僕も森山が岐阜というチームの監督になって、FC岐阜が躍進する姿を見たい。しかし、岐阜というチームそのもの。彼が監督になる前にそれがなくなってしまっては元も子もないと思う。

 胸スポンサーすらなく、台所事情が苦しい岐阜。今西GMは、それでも経費削減などで約5500万円を節減。にもかかわらず、単年度で約9000万円の赤字と述べている。そして、現状でJリーグに5000万円規模の融資を求めているとのこと。

 正直、緊急事態だと思う。選手を大量解雇し、年俸も平均100万円以上抑える。職員の給料も20%カット。これによって、現状は来季黒字との見通し。

 だが、これは甘いのではと思う。昨年は岐阜にはじめてJリーグがやってきてお披露目のようなものもあったのでは。物見遊山で訪れた観客もいたかもしれず、彼らのすべてが来季、足を運んでくれる確証はない。

 それに、大量解雇に伴うベテラン離脱。ただでさえホームで弱かったチームが、これによって急激に強くなるとは思えない。もし仮に、昨年のように勝てなくなったら2年目の来シーズン、今度は足を運ばなくなるファンも出るかもしれない。

 加えて、世の中の景気低迷。岐阜は大企業があるわけではないが、新規で大きなスポンサーを獲得するのはやはり難しいと思う。

 森山選手はかつて取締役もやっており、チームの顔として営業面でも貢献した。チームの窮状を救うにはコーチ業を目指すより、そうしたことをやってもらいたい。

 しかし、それはよくないとも思う。来年彼は40歳という年齢。1日でもはやくS級ライセンスを取りたいというのが本音。それを夢として選んだのなら応援しなければ。

 FC岐阜の横断幕に“森山あって岐阜がある”というものがある。サポーターの心に響くいい言葉だと思う。だが、裏を返せば森山がいなければ、岐阜はなかったということでもないだろうか。良くも悪くも、彼への依存が高すぎるそういう面もたしかにあるのでは。

 その彼が、次に進む道。個人の行動なのだから、夢なんかを優先させるのが当然。が、彼の選択によって岐阜というチームの今後は左右されるのでは。方向性までも変わってしまうような影響力。FC岐阜にとって偉大すぎるプレーヤー、ユニホームを脱ぐ森山泰行はそういう男だ。

posted by nomura |19:19 | FC岐阜 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年12月10日

立浪・引退覚悟。彼の気持ちのプレーに期待

 6日付の中日スポーツ1面に“立浪、引退決断”の文字が躍った。球団がそういう覚悟でいいんじゃないかという所を、それでいい(現役引退)、書き方は任せますと発言したとのこと。

 来年40歳で代打の選手、今季2割5厘の成績。立浪という名前、実績がなかったらチームから必要とされなかったに違いない。それでも、落合監督やチーム、ファンの思い。立浪がユニホームを脱ぐのは、あくまで「自分の判断」だと思っているし、彼には十分すぎるほどその資格もある。

 しかし、立浪自身がそう思っていないのだろう。代打で来季も8000万円の年俸。そして、今年は満足のいく結果を出していない。プロ野球選手としてのプライドがあるからこそ、自分自身から口にしたのではないか。

 加えて、今季は初の兼任コーチも。若手を指導する秋季練習で見せた姿、すっかり板についてきている。シーズン中、サヨナラホームランを打った平田を抱きしめるというシーンがあった。コーチとしての、親ごころ。そのときは選手・立浪では見せなかったいい表情だと思った。

 西川選手が初ヒットを打った時など、相手チームにボールを返してくれと要求するシーンもあった。ドラゴンズの良心である立浪選手。試合で思うように結果を出せなかった反面、そうした良き人間性ばかり目立った。

 いい人、立浪はたしかに魅力がある。彼あってのチームだし、その彼がしっかりしていることも大切。だが、立浪選手はやはり闘う男だと思う。

 プロ野球選手として大きくない体で、数々の金字塔を打ち立てた。彼の野球センス、努力はもちろん、絶対負けないという気迫。これが強いのが立浪という男だ。

 ドラゴンズの時代は変わる。ナゴヤ球場からドーム。監督もずいぶん変わった。昔からは考えられないが、いまではドラゴンズからメジャーリーガーが誕生している。それでも、いつの時代も立浪選手はドラゴンズで闘い、チームを救ってきた。

 あの10・8の気迫のヘッドスライディング。大西選手や、星野監督とともに退場になったこともある。体が大きくないがゆえに、気持ちで負けない。それを持っていることで、彼という男はここまでの名選手になれたのだと思う。

 今年は良きコーチだからこそ、いい人・立浪が前面に出てしまったのではないか。だからこそ、選手として自ら逃げ場をなくし不退転の覚悟で気持ちのスイッチを入れる。まわりがどう言おうが、真のプロフェッショナルだからこそできる決意だと思う。

 来季、気迫を前面に出したそんな立浪選手の姿が見たい。不惑を迎え、それでもあえてギラギラした姿。沸きに沸くナゴヤドーム。ドラゴンズファンとして、考えるだけでも胸おどる。

posted by nomura |19:13 | 中日ドラゴンズ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年12月06日

FC岐阜の最終戦

 FC岐阜の今季最終戦、ホーム長良川で行われた。対戦相手は鳥栖。鳥栖は少ない可能性だが3位以内もあるチームで、簡単に勝てるゲームではない。

 それでもこの日の岐阜は序盤から鳥栖を圧倒。1-0のスコアで勝利。今季ホームでやっとの3勝目をラストゲームで披露してくれた。

 キックオフ、寒空の中、半袖のガチャ。軽快な動きで試合に臨む。このメンバーでできる最後の試合を楽しみたい。彼の動きは、そうしたメッセージを発信しているかのような軽やかなリズムだった。(ゲーム中はそれほどではなかったが…)

 ラストゲームにかける気迫だろうか、岐阜が終始、鳥栖ゴールに迫る。前半43分に片桐のゴールが生まれるのだが、それまでも何度も好機。今節も勝ちきれないのかと思った矢先のゴールだけに、喜びもひとしお。

 そして、後半35分にとうとう森山がピッチに。ミスター岐阜の最後の雄姿、彼のゴールを願った。チャンスはあった。触っていれば、ゴールというようなシーンも。結局、ゴールは生まれなかったが、最後までひたむきに敵陣に向かっていく姿はいつもの森山だった。

 たしか、岐阜の攻撃が摘まれ、鳥栖が攻めに転じたシーン。その転換点のところを、北村がカット。すばやく森山にボールをいれるというシーンがあった。
 北村もグランパス出身。森山に誘われ岐阜にきた選手だ。そして、今では岐阜のキャプテン的な選手となった。その彼が、最後に森山のゴールを願い、自分の持っている能力のすべてでカット→森山へのパス。言葉では表現できない気持ちのやりとりをプレーで現したのではないだろうか。

 それをピッチで表現できる北村、森山の関係。解雇の選手も多く、この1年を無意味に感じてしまっているプレーヤーもいるかもしれない。しかし、彼らふたりを見ていると、岐阜で築いた関係。それだけでも選手たち個人の得難い財産ではないだろうか。

 ホイッスルが吹かれ試合終了。セレモニー後、選手がサポのもとへ。個人的に、GK日野に対しこみあげるものがあった。日野はファインプレーも多いが、えっというようなプレーもする。気持ちの強い選手だけに、乗っている時とそうでないときの差が激しいと感じた。

 試合前に接触事故を起こすなど、未熟な部分も。だが、そのパーフェクトでないところと、可能性のあるプレーをするという部分。そんな彼を、どこか岐阜というチームに投影さして見ていたのかもしれない。それだけに、彼が退団するというのは残念でならない。

 彼が目の前を去っていくとき、「日野、世界一のキーパーになってくれ」。と、たまらず叫んでしまった。それはチームに対しても、日野個人に対しても。現実的ではない言葉だが、それを思わず発してしまうことに、チームと選手に対する愛情を自分で感じてしまった。

 Jでのファーストシーズンは大量解雇という順位以上に、傷を負う結果。それでもこのチームは、愛すべきチームだと信じたい。

 今季の主将。長年にわたってチームをまとめあげてきた小峯選手。その彼も、今日の試合で退団となった。そんな彼だが残念ながら、サブにも登録されておらず、ピッチに立つことはなかった。

 小峯主将のコメント
 「1試合も手を抜くことはありませんでした。また、来年も応援お願いします」。試合に出ることなく退団していく彼がこのような言葉を残してくれること。驚きとともに、感激ですらあった。

 岐阜を愛したサポーター。そして、サポを愛した選手。順位や結果に反映されなかった1年だが、幸せなひとつの時間が終わったのだと思う。

posted by nomura |18:57 | FC岐阜 | コメント(1) | トラックバック(0)
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