2009年07月19日
大相撲名古屋場所が開催されている。日馬富士の綱とりと騒がれたが、白鵬が盤石の内容。優勝争いも、中日をこえ誰が白鵬を止めるかというのがカギになるような気配。
とまあ、場所の内容はいろいろなところで語られているのでそうではないことを。
個人的なことなのだが、愛知県内に住んでいて名古屋場所の季節になるとドキドキしてくる。現在住んでいるところが、佐渡ヶ嶽部屋が宿舎にしているところに近く稽古見学をこの時期になるとさせてもらっている。
ひいきの力士ではないが、ご当地の琴光喜。身体能力抜群の琴欧洲。彼ら両大関、ネームバリューのあるふたりに足を運ぶ人の多くが視線を注ぐ。もちろん、僕も彼らふたりの存在感に圧倒され目がいってしまう。
でも、佐渡ヶ嶽部屋に見学に行くようになって、3年あまり。それだけでない楽しみ方もするようになった。
稽古で白いまわしをはめた十両以上の力士たち。彼らではないその他大勢の一般的には名も知られていないような黒いまわしをはめた力士たち。彼らが奮闘している姿に目が行く。
1年に一回の名古屋場所。佐渡ヶ嶽部屋の宿舎、そこに来るその他大勢の有名ではない力士たち。彼らが今年もここに帰ってきてくれたこと。それがすこぶるうれしい。
十両以下の彼らは給料というものは貰えないだろう。昨今の世の中が、格差社会といわれるが、働いているのに給料がもらえないという相撲界というのは昔からの慣習とはいえスゴイ世界だと思う。それを思えば、自分の給料が安くとも、格差社会で冷遇されようともまた1年がんばってこの地に戻ってきてくれた彼らの姿を見ると勇気づけられる。
この間、稽古を見に行った時、琴欧洲関が黒いまわしのそうした力士に少しばかりかわいがりをしていた。無言のキック、そしてそれを無言で受けるその力士。
気合いが入っていないその力士にも非があるが、僕なんかが日常生活で、職場で、いくら先輩といえども叱咤激励で蹴られたとしたらキレてしまうと思う。しかも彼は給料をもらえない身分。辛いことのほうが多いであろう毎日。それでも1年を乗り切って、名古屋場所の宿舎にきている姿を見ると自分自身もがんばらねばと思ってしまう。
稽古を見に行った時、近くに眼鏡をかけた去年も見た力士が、僕が見学しているスペースのそばにやってきた。その後ろには、延々と誰からも注目されることなくアスファルトの上ですり足をしている昨年には見なかった若い力士がいた。
彼にむかって、その眼鏡の力士が言葉を交わす。しっかりとは聞き取れないが、おそらくアドバイスのようなものをしていたのだろう。1年たって、お金を稼げるようになったわけでもない。でも、その彼も相撲をあきらめることなく続け、去年とは違う彼になったのだろう。
給料がもらえてないから、世間的には成長とはいえないのかもしれない。でも、彼の姿は確実に成長しているものだし、大きくなっていると思う。出口もゴールも見えない中でがんばり続ける姿勢。名古屋場所、無名な彼らにこそ声援を送りたくなる。
posted by nomura |23:37 |
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2009年01月25日
大相撲初場所、千秋楽、結びの一番。朝青龍と白鵬の一番。立ち合い、朝青龍は“ふわっ”と立ってしまう。合っていない、見ているこちらにも失敗と分かるようなしろもの。後から立った白鵬が、これをあっさりと退け勝負は決定戦に持ち越された。
支度部屋に引き揚げ、両者の様子。負けた朝青龍は落ち着きがない。敗因は分かっているのだが、体を動かさねば心が乱れてしまうのか。しきりに何かをしていた。
一方、白鵬。動の朝青龍、静の白鵬としばし例えられるが、ここでの様子もまさにそれ。どっしりと静かに時が来るのを待っていた。
決定戦での土俵上。客席からは、先ほどにもあった“白鵬コール”。昨日の“魁皇コール”に続いて、アンチ朝青龍の存在。朝青龍の心が乱されはしないかと心配になった。
地力、スタミナのある白鵬。本割で勝てば、その勢いで彼が決定戦も制す。大半予想されていたこと。落ち着きをなくしたように見える朝青龍、“白鵬コール”、大方の予想。ネガティブな要素、逆境ともいえる。
だが、最近の朝青龍を取り巻く状況はすべてそういったものばかりでは。ここで見せるべき反骨、横綱・朝青龍が輝く瞬間。このとき、舞台はたしかに整っていた。
立ち合い、朝青龍が速く、左を取る。白鵬も負けじと左を取るが、これは肩越し、いかにも遠い。朝青龍、有利な体勢か。
朝青龍が白鵬のふところに入り、白鵬の胸板に顔を押し付ける。そして、ここと決めたら前に出て一気の相撲で寄り切って勝利、優勝を決めた。
顔をグイグイと押しつけまくったのだろう。取組後、両者が離れたときには彼の髷は乱れに乱れていた。そして、顔をあげ場内のフラッシュを浴びる。目にはうっすら光るものが。
乱れた髷、歓喜の表情。品格を欠くとされる横綱。アンチも多く、マスコミにもいい書かれ方をされるほうではない。それでも、この瞬間のこの表情。ひとりの人間として、多くの困難を乗り越えここに至る。彼のこの姿を見て、このときだけは文句をいう人間もいないのでは。
勝負をかけ、納得できないものがあるなら進退も。歓喜の表情、うっすら目に浮かぶ光るもの。その覚悟が大きかっただけに、成就したときの思いも大きいのでは。
いうなれば崖っぷちといわれるところからの帰還したことの喜び。「私はかえってきました」。土俵下でインタビューされ、このフレーズを二度も使った朝青龍。
何よりもましてここが、大相撲というものが大好きなのだろう。近年、どちらかといえば土俵外で騒がれることの多かった朝青龍。だが、相撲人・朝青龍は土俵でこそやはり輝く。満面の笑みで「かえってきました」という彼に、大きな声でおかえりと言いたくなった。
posted by nomura |18:48 |
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2009年01月24日
NHK大相撲中継という雑誌の初場所展望号より。場所前に語られた北の富士勝昭氏の朝青龍に関してのコメント。
「…やる気があるのなら、九州場所でしこの一つでも踏むとか、若い衆らに胸を出すとか。もうやる気がないのですよ。…これまで五場所も六場所も休んだ横綱もいたけど、やはり懸命に復帰に向けて努力をしましたよ。朝青龍にはそんなものが見えてこない。…」
問題行動の多い朝青龍。モンゴルにもたびたび帰国。彼のそうした行動を指摘しているのだろう。「前半でいっちゃうような気がする」と、同じようにこの中で語っており、北の富士氏は優勝争いどころか引退を示唆しているのだろうか。
結果より過程。成功することも大切だが、努力、一生懸命さ、がんばるということ。この手の金言、耳にすることは多い。勝者というのが限られた人間だとすれば、それ以外の多くの敗者にとって救われる言葉だ。
北の富士氏も努力、それを見せる姿勢が大切だと説いている。だからこそ、それが見えづらい今の朝青龍にノーを叩きつける。(もちろん、大きいとは言えない体で幕内最高位までたどりついたこと。これまでの実績。彼に人並み外れた努力があったのは間違いない)
だが、品格問題も相まって、彼のそうした姿勢を問う人が多いのも事実。だから、朝青龍のこの状態を“奇跡の復活劇”とすることができないのでは。
横綱として、力士として。常に100%を土俵に傾け続けること。勝つこと、それよりそうした気持ちを示し続けるということの方が大切だということか。
けれども、プロスポーツというのはそうではないとも思う。努力は大切だが、努力したからといって必ず報われるわけではない。勝つという結果、プロフェッショナルという人種には、一番にそれが求められるはずだ。
が、大相撲というのはあくまで国技。文部科学省所管の財団法人であり、公益法人。勝つだけでもいけないということか。
ケガからの復帰。休場明け。進退をかけた場所。そして、そこでの大躍進。これをもってして一般的な復活ストーリーとすること。ない話ではないと思うし、現に朝青龍本人はそう思っているのだろう。
しかし、そうはならない。とにかく勝てばよいのだろう。おそらくこれは日本人の美徳に反するのだろうか。だから、朝青龍の復活劇を認めない、認めたくないと思う人がいるのだと思う。
朝青龍の一連の問題。そして、今場所の復活劇がいい話とならない理由。そこには日本人の国民性ということも関連しているのだろうか。もし、彼が優勝したなら、そのサイドストーリーはどう語られるのであろうか。各マスコミの書き方が気になるところです。
posted by nomura |21:30 |
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2009年01月24日
「もう誰も朝青龍をとめられません(大関までの番付の力士では)」。NHKのアナウンサーが、14連勝を決めた朝青龍の強さをこのように実況していた。24日、大相撲初場所14日目。ここまで全勝の朝青龍は、魁皇を寄り切りで下した。1敗の白鵬も千代大海に勝って、賜杯の行方は千秋楽に持ち越された。
全勝の朝青龍。もちろん、彼が優勝に一番近い存在だ。昨年の9月場所での成績(9日目までで5勝4敗)。そしてその後の2場所連続途中休場、九州場所では全休となる。進退をかけざるえない今場所。だが、そこから千秋楽を前にして優勝の最右翼まで。これを持ってして奇跡の復活ストーリー、そうなってもいいはずなのでは。
朝青龍に関する記事を朝日新聞より。
まず、場所前の記事で“朝青龍、新年がけっぷち”と表す。場所が始まって序盤を“朝青龍のばたつきが場所の盛り上げに一役買っているのは確かだが…”。と、序盤戦なんとか星をものにしていると彼を形容。
白星を重ねるも、今度は嘉風をにらみ続けるという行為を。“周囲を驚かせる土俵っぷりと問題行動。朝青龍が「らしさ」を取り戻しつつある”。と表現。
大関・琴欧洲にも勝って11連勝。優勝を意識してもいいようなところまでくると。“3場所連続休場から復帰した朝青龍に独走を許しているのは、他の力士たちにも責任がある”。と、今度は朝青龍の強さではなく、他の力士の弱さ、ふがいなさについて言及。
そして、13連勝した翌日24日付では。“…各界内には復調につれて、朝青龍の横暴ぶりまで戻ってきたことに批判も出ている。…復活優勝したら、何を語るのか。大詰めが迫ってきた。”
一部抜粋。
カムバック、怪我からの復帰。アスリートの復活。スポーツ選手が再浮上するのに語られる言葉は多い。しかし、どうも朝日新聞のここまでの論調では、朝青龍に対してはそのように語られていないように思う。
だが、当の朝青龍は違う。“…最近よく聴くようになった曲がある。GReeeeNの「キセキ」。歌詞の内容は現在の状況には関係ないが、その「奇跡」という言葉が気に入った。「オレも奇跡を起こす」。そう周囲に漏らす朝青龍…”(中日スポーツ1月24日付より一部抜粋)。つまり、朝青龍本人は、自分のことを“アスリート奇跡の復活劇”としているのでは。
ここまでの成績、ケガ、休場明けという経緯だけを見ればこれに当てはまるといってよいのかもしれない。が、それを簡単に受け入れられないという人も多いというのだろうか。
posted by nomura |21:24 |
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2009年01月22日
朝青龍、新年がけっぷち。場所前、朝日新聞に展望として載っていた記事の見出しである。優勝どうこうではなく、その前に進退ばかりに注目がいっていたといえるのでは。
ところが、12日目を終えて全勝。優位と見られていた白鵬が1敗とあって、この時点で単独トップ。
初日に白星を挙げたときの質問に対し、「まだ、初日だろう。何回言わせるんだ、オラァ」と、すごむ。相撲内容もそうだが、このころは自分の納得のいかないところが多かったのだろう。いらだっているのが見て取れた。
しかし、嘉風戦。張ってきた嘉風を勝負が決まった後もにらみ見つける。琴欧洲戦、琴欧洲が土俵についてしまうようなかたちなのに、激しく腕をブン回す。“殺す”と言った、言わないなどという騒動もあった。
徐々にやんちゃな面、彼の“らしさ”がでてきたのでは。そして、それは肝心の相撲でも。
22日の把瑠都との一番。把瑠都は今場所、白鵬と熱戦をくりひろげるほど実力のある力士。その敗戦から調子はいま一つだが、相手は横綱・朝青龍。金星を挙げようという思いも強かったに違いない。
把瑠都の作戦なのだろう。立ち合いとともに、右にかわり上手を取ることに成功。自分の腕力に自信があるのだろう。これまでにも見せてきた強引にでも投げることができるという、把瑠都にしかできないような相撲。それを披露しようという下地が、一瞬だが垣間見えた。ところが、上手が想像以上に深すぎたのか。おかげで思うように力が伝わらないような姿勢。
序盤戦の朝青龍なら、この状態。把瑠都の怪力を警戒しつつ、慎重すぎるほどの運びで勝負に臨む。ところが、この日の彼は違った。ここまで深ければ、いくら怪力とはいえその力は思うように伝達できない。そう判断するやいなや、瞬時に体を密着させて土俵際まで寄りきった。相撲勘、速い展開。序盤の朝青龍とは別人の彼がそこにいた。
この相撲を見せられると、彼の優勝間違いなしと思いたくなる。しかしこの日、逆に相撲を取ることのなかったもう一人の横綱・白鵬。彼の所作を見て、やはり白鵬のほうがそこに近いのではと思ってしまった。
白鵬の相手、琴光喜はこの日から休場。もちろん、白鵬は土俵に上がる前から知っていること。横綱としての土俵入り、それだけが彼のこの日の仕事といえるのでは。
ところが、不戦勝の名乗りをあげに土俵に上がった白鵬の姿に驚いた。いまにも湯気の上がりそうな上気した顔。取組後と見間違うほどの大量の汗を体いっぱいに噴き出す。千秋楽、結びの一番を今すぐにでも取れるようなテンション。ぞっとするような殺気を持った視線。そんな白鵬を恐ろしいと思った。
彼は、支度部屋でいつもどおりの所作で土俵に向かったという(逆に不戦勝ということもあり、いつも以上のアップだったのではないだろうか)。ルーティンを崩したくないというのもあるのだろう。しかし、優勝に向けてあくまでギアをトップに入れ続けること。白鵬の視線の先には不戦勝の垂れ幕ではなく、優勝の二文字しか映っていなかったのだろう。
朝青龍は現時点でも復活と周囲が認めるほど。ここまでで合格点といえるもので、たとえ優勝できなくても非難されることはない。だからというわけではないが、絶対優勝するんだ、というような気持ちにもっていくことは難しいのかもしれない。
対して、白鵬。この日の彼の姿、そこには優勝しかないというような気迫が見えたのでは。相撲を取っていないがゆえに見ることのできた彼の執念。絶対優勝するんだ、優勝しかないというような気持ちが全身からあふれでていた。
おそらく千秋楽に組まれるであろう彼らの直接対決。現時点で、結果は分からないが楽しみであることだけはたしかだ。
posted by nomura |23:52 |
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2009年01月19日
今の相撲界で、白鵬の強さというのは群を抜いていると思う。もちろん、番付も横綱であり頂点に君臨している。現在三連覇中でそうしたことをもってしても、最強の称号がふさわしい。だが、それにもましてその内容。あの体躯、腕力、そして考えて相撲をとれる力士。穴の少なさは、ときに完璧な力士にさえ見えてしまう。
もちろん、今場所も好調。しかし、白鵬がいくら連勝を続けても序盤にそれが大きく報じられることはないのかもしれない。むしろ、白鵬が序盤でつまずいた場合。初日に黒星などというときにこそ、ニュースとして大々的に報じられる。つまり、白鵬というのは常勝ありきの力士ということか。
19日、結びの一番。その白鵬と把瑠都の対戦。体格でも白鵬に引けを取らない数少ない力士。そして今場所の把瑠都は、まわしを取ってからの相撲にも目を見張るものがある。
前日の、千代大海との一番。番付上位の大関が、立ち合い把瑠都に対して横からまわしを取りにいく。普通にやったら勝てない、千代大海にそう考えさせて相撲を取らせる。把瑠都の強さというのは、今現在、力士たちの誰もが認識しているものだと思う。
白鵬とがっぷり組んで取れるのは把瑠都だけ。いつしかそう思うようになった。そして、それは把瑠都本人も。対戦前の「胸が合えばなんとかなる」というコメント。この日までの対戦成績で0勝6敗の力士が言えるようなコメントではない。それでも言ってしまえるのは、自分の力量がそれにふさわしいという自信。そして、それが過信と思えないほどのこの日の一番だった。
立ち会い、ともに激しいあたり。どちらも譲らず右四つのかたち。白鵬は把瑠都の左の上手は避けたいところ。必死に重心を低くし、まわしを取らせない。それでも把瑠都はそこに届く。198センチの把瑠都。193センチの白鵬を持ってしても、想像以上にデカかったのではないか。
がっぷり四つとなり、把瑠都のいうように何とかなる展開か。ここから把瑠都が前に出る。一気の圧力、だが横綱は屈しない。これをこらえ、今度は自身が前に出る。すると、今度は把瑠都がそれをこらえる。
互いの圧力、前に出る力。受けている力士がこのふたりでなかったら、勝負は決していたようなすさまじいものだと思う。力と力の勝負、手に汗握る展開とはまさにこのことか。
土俵中央、把瑠都渾身の引きつけを白鵬がこらえる。この時点で1分を超えている熱戦。把瑠都の体力の疲弊はそうとうか。こらえた白鵬の耳元で一瞬、“ふぅ”と息をつく仕草。これを白鵬が逃すはずがない。頭をこじつけ、ひきつけてからの上手投げ。把瑠都は善戦に違いないが、白鵬の完勝というイメージも感じた。
腕力、体格では引けを取らないが、体の使い方や経験。白鵬と把瑠都の間には、現時点でそういった部分での差があるのではないか。それでも、この一番の可能性。把瑠都という力士のすごさをあらためて見せつけられた気がした。
完璧すぎる横綱、白鵬。彼に負けて悔しがるのは、同じ横綱の朝青龍や大関陣くらいだろうか。しかし、把瑠都は彼ら以上にこの日、敗戦を悔しがっていた。この気持ちがあれば、把瑠都はいつか白鵬に勝つ日がやってくると思う。把瑠都のそんな姿、ぜひとも見たいです。
posted by nomura |19:19 |
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2009年01月15日
大相撲初場所が注目されている。視聴率は初日平均18、3%、2日目17、5%(関東地区、17時以降)という数字。最近では高い数字といってよい。
横綱・朝青龍の進退をかけた場所。多くの人はそこに注目しているのだろうか。2チャンネルでの脅迫事件、特ダネの小倉キャスターの発言。ワイドショーでも連日彼の取組が報じられる。取組内容以上に、一時代を築いた朝青龍がどういう終わり方をするのかということに注目されているように感じる。
彼も10月のロンドン公演が中止に決まったとき、「残念、でもそこまでいるか分からなかったけど」と、口にするなど引退が近いことをにおわせてもいる。終わりの近い彼の最後を目にしたいというのが視聴率で表れているのだろうか。
でも、もっと相撲に注目して見ると面白いと思う。
把瑠都が嘉風を破った一番。嘉風は先場所、千秋楽まで優勝争いに絡み敢闘賞を受賞。今場所は大関、横綱との取り組みも多く力をつけてきている力士のひとりである。その彼が把瑠都のふところに入り、ここからどうなるかという展開。それを把瑠都はあっさりと強引に投げた。
把瑠都からすれば、そのかたちになったのが気に入らないのだろう。今場所は、強引な取口よりしっかりとした相撲が見受けられる。だから、その状態になってしまったことが反省で、しょうがないから投げた。そういう感じの表情をしていた。正直、これは凄いことだし、この力士のおそろしさを垣間見た気がした。
将司が日本人最重量力士の新入幕の山本山に向かっていった対戦。仕切りよりはるか後ろから彼に突進。小手先の相撲でなく、あえて向かっていく彼の姿勢。これも面白い取組みだった。
春日野部屋の栃ノ心、栃煌山の両力士。同じ部屋で連日3番稽古をするという彼ら。地力をつけ、強くなったなあと思いながら毎日の取組を見ている。
もちろん、白鵬の圧倒的な強さも見ごたえがある。朝青龍のストーリーを追うのもよいが、相撲それ自体もおもしろい初場所だと思う。
そして、その朝青龍の相撲も。今場所は休場も考えられた。取組を見てもそうだが、本調子とは言えない。場所前のけいこ総見で、白鵬に6連敗するなどもした。
かつては吊り落としなどを稽古で披露。力の違いを見せつけ、下の力士に付け入る隙を見せなかった。ところが、初日の稀勢の里など彼に対する「顔」を微塵も感じることなく土俵に上がっていた。
左ひじも本調子ではない。以前の「顔」も利かない。マスコミは注目し、プレッシャーもかかる。それでも、この逆境ともいえる状況に気を吐いて向かっていく姿。ここまで薄氷の取組が多いが、それでも勝つ朝青龍をすごいと思う。
まだ序盤で優勝どうこうではない。それでも今場所は面白い取り組みが多いと思う。昨年いろいろあった各界。何とかしたい、そしていい相撲を見せなければというのが力士たちの思いか。朝青龍の話題もいいが、相撲自体を見ても十分面白い場所だと思う。
posted by nomura |21:11 |
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2008年11月23日
優勝決定戦までいった、九州場所の千秋楽。白鵬が安馬を倒し、3場所連続の優勝を決めた。
今年は白鵬の年といってもいい。九州場所前までで、3回の優勝。地力、存在感、彼の時代という感がしないでもない。だが、今年最後の土俵、この日の九州場所千秋楽。ここで負けてしまってはすべてが水泡に帰す。白鵬からしたら、何としても負けられない。
この日の白鵬の相撲は内容どうこうではなく、がむしゃら。安馬との決定戦、頭を押さえつけて強引に倒そうとしようともしていた。どちらかというとキレイな形の横綱からは想像もつかないような取組内容。が、逆にそれこそがなりふり構わず勝利に向かう気迫を出していた。
今年の白鵬は満点に近いような力士だと思う。強くて簡単には負ける気がしない。完璧すぎる横綱の姿、そこに魅力を感じる人も多いだろう。しかし、今日の相撲のように気迫をあらわにして土俵の鬼となり、最高位を守り続けるんだという意思表示。強さだけではなく、そういう気持ちの面こそ相撲ファンの心を揺さぶるのではないだろうか。
それを引き出したのは、何と言っても安馬。彼は把瑠都との一番に勝ち、先に白鵬の結果を待つ身となった。白鵬は実力者の琴光喜との対戦。立ち合い、カタにはまったときの琴光喜も速いのだが、それを上回る速攻相撲。そして、首を押し込んで強引に投げる。一気呵成の取組、ここで負けるわけにはいかないという横綱の声が聞こえてきそうな一番だった。
白鵬、安馬との決定戦。安馬のスピードに、白鵬がどう対処するかがひとつのポイントかと見ていた。ところが、立ち合い、白鵬が安馬をしっかりと受け止める。そして、上手を取って、白鵬十分のカタチになる。
安馬の相撲ではなく、こうなれば横綱が簡単に決めるだろうと見ていた。ところが、あっさり決まらない。横綱が吊りにいったりもしたし、首根っこを押さえつけて投げようともした。
強引でがむしゃら、なりふり構わない姿がそこにあった。白鵬有利のカタチから1分を超える熱戦。そして、最後の必死さと土俵後の疲労感。すべて出し尽くしたという白鵬のこんな姿を見るのは、今年初めてではないだろうか。
ライバル関係というのは、その人の力以上のものを引き出す何かがある。白鵬にとって、いまや安馬こそそれにふさわしいのではないだろうか。
大関昇進が確実となった安馬。歳も近く、同じモンゴル出身。完璧と思われた白鵬からもっと、何かを引き出してくれる好敵手ではないだろうか。もちろん、それは安馬にとってもしかり。
今年、最後の土俵。ふたりのモンゴル人力士の可能性。そして、来年の相撲界はふたりを中心に良い取り組みが見れるのは必至だろう。いろいろあったが、最後の最後でやはり相撲は面白かったと思った。
posted by nomura |18:56 |
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2008年11月21日
白鵬か、安馬か。九州場所は12日目で直接対決を安馬が制し、両者が2敗で並んだ。この戦い、安馬のほうが攻めのスピードが速く、完璧なカタチの勝利。大関、初優勝へむけて鼻息の荒い彼が有利なのだろうか。
今場所、初日から白鵬が敗れる波乱があった。安馬に敗れるまでこの一敗だけだったのだが、7日目まで物言いがついた取り組みが2つもあった。エンジンのかかりの悪さはいつもだが、今場所は特に顕著か。
個人的に思うのだが、モチベーションが上がらないのだろうか。名古屋、先場所と朝青龍は途中休場。しかし、今回はハナからいない。自分が主役という自負はあるが、横綱不在も影響か。
加えて、今場所の観客数の少なさ。5日目までで、平均3632人と定員の半数程度しか埋まらない。(昨年からも1割減)自分が主役の舞台でお客が少ないとあれば、やる気にもかかわるのか。
協会は観客減を、景気の低迷を理由に挙げているが、そればかりではないだろう。福岡が不入りの場所とはいえ、ソフトバンクホークスの試合には多くの人が詰め掛けるのだから。
死亡事故、薬物問題、八百長疑惑。こうした問題のイメージダウンもある。そこにきて、テレビで見てのあの空席。相撲に興味のない若い人からすれば、余計そっぽを向けられてしまう。景気などの理由もあろうが、根幹の所やどうしたら観客が増えるかを考えねばやっている力士たちも身が入らない。
そこで新しい協会が取り組んだのが、立ち合いの厳格化。しっかり両手をついてというのが襟を正された。
しかし、安馬はこれでリズムに乗り損ねたように思う。初日の琴奨菊戦で、4度のやり直し。勝つには勝ったが、フワッとした立ち合い。何回もやり直しがされると、これでいいのだろうかというような立ち合いになる。2日目も勝つも、3、4日目に連敗を喫してしまう。
11日目の白鵬-把瑠都の対戦。把瑠都の吊りを警戒、白鵬は今場所はじめてといってもいいくらいの全開でのぞみ、速攻相撲で相手に何もさせなかった。同じく、11日目の安馬-千代大海の対戦。こちらはラグビーのスピアータックルのような鋭い突き刺しで、千代大海の機先を制した安馬。内容もあり見ごたえのある取り組みが続いた。
終盤になって注目度も上がりエンジンのかかった白鵬。立ち合いの迷いが消え、勢いに乗っている安馬。今場所は、彼らふたりが主役になることは分かっていた。ならば、彼らふたりに気持よく相撲を取らせてはどうだろうか。
観客増の営業努力。そして、立ち合いを明確にさせるなら、ルールやペナルティを作って全力士に浸透させねば。(琴光喜のように土俵に触れるかどうかのギリギリのもの。垣添のように、はじめからしっかり拳骨までつくもの。個人差なのか成否なのかが分かりづらい)
11日目の取組や、12日目の直接対決。これを見ているとまだまだ、相撲は面白いし、魅力的だと思う。相撲ファンやそれを分かっている人間にとってはよい。だが、相撲離れが進んでいるいま、相撲がおもしろいということをアピールせねばならないと思う。
週末、優勝争いが絡んでいやがおうでも盛りあがる。けれども、それでいいというのではない。観客減、完全に浸透してない立ち合い。改善せねばならないところはしてほしいです。
13日目の結果 安馬○-雅山●、 白鵬○-琴欧洲●
posted by nomura |18:44 |
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2008年09月29日
白鵬の優勝で秋場所が幕を閉じた。圧倒的と言っていいほどの強さだ。剛の白鵬、柔の朝青龍。白鵬は体格の良さ、力強さばかりが前面に出ているせいか、彼のことを特別ウマい力士と思わなかった。
しかし、14日目に琴欧洲、千秋楽の琴光喜の一番など、ウマさが光った。白鵬より体躯のいい琴欧洲とがっぷり組む。体格があるぶん、この状態で琴欧洲有利かと思いきや、相手が攻めてくるところをその力を利用して投げに出た。
琴光喜戦もそうだが、一瞬のタイミングを逃さない鋭さ。ここしかないというところで、相手が不利になる体勢へと力を入れる。かつては朝青龍の代名詞のような相撲勘の鋭さを見せた。
彼ひとりの時代が続くのは白鵬ファンにとってはいいが、やはり2場所続けて千秋楽前に賜杯の行方が決まるのはどうかと思う。安馬もいいが、やはりここは日本人力士にも奮起してもらいたい。
千秋楽で組まれたように、琴光喜にはその筆頭になってほしい。実力、経験、ウマさ、充実度。本来なら大関になって一度は優勝していなければいけない。それがどこか勝ちきれない。本人も言うようだが、プレッシャーに弱いというのが要因かと見られていた。
しかし、今場所の彼はそうだったか。大関になって、これまではその責務を果たそうと力の入った表情をしていた。制限時間いっぱいになるまで、ずっと眉間にしわを寄せていた。大一番になるほどそれは如実で、そこまで気を張っていたら持たないとこちらがいらぬ心配をするほどだった。
が、今場所、彼はそこまでナイーブになっていないように見えた。大関になって月日がたち、いい意味での慣れが彼から脱力を生んだのだろうか。プレッシャーに弱い琴光喜からの脱却、その一歩を踏み出したかに見えた。
しかし、魁皇に負けてのコメント。「何が何でも優勝と意識していたんですが、緊張しちゃたんですかねぇ」。この一番、決して緊張ではないと思う。
どちらかというと、魁皇、彼が抜群にいい相撲を取った。わずか10秒ほどで勝負が決する相撲の世界。相手が良すぎたときに挽回をするのは至難のわざ。相撲内容、自分の力が至らなかったのを緊張のせいにしていては、琴光喜はいつまでも自分で自分の首を絞めることになる。
自分からプレッシャーに弱いと公言。今の彼はその呪縛にはまっているように見える。
彼は魁皇に敗れ、土俵下で涙を流したと報じられている。場所前に婚約し、今場所は是が非でも優勝したかったのだろう。
そこまで悔しいのなら、プレッシャーうんぬんなんて話はもはや吹き飛ばしてくれ。
ケガや困難を乗り越え最年長で大関になった苦労人。完璧すぎるくらいの白鵬より、僕はそんなミツキが大好きだ。ミツキは決してプレッシャーに弱くないと思う。そして、来場所はこれを糧に優勝してくれるものと信じている。ガンバレ、ミツキ!
posted by nomura |22:17 |
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