2009年07月19日

名古屋場所、無名な彼らへのエール

 大相撲名古屋場所が開催されている。日馬富士の綱とりと騒がれたが、白鵬が盤石の内容。優勝争いも、中日をこえ誰が白鵬を止めるかというのがカギになるような気配。

 とまあ、場所の内容はいろいろなところで語られているのでそうではないことを。

 個人的なことなのだが、愛知県内に住んでいて名古屋場所の季節になるとドキドキしてくる。現在住んでいるところが、佐渡ヶ嶽部屋が宿舎にしているところに近く稽古見学をこの時期になるとさせてもらっている。

 ひいきの力士ではないが、ご当地の琴光喜。身体能力抜群の琴欧洲。彼ら両大関、ネームバリューのあるふたりに足を運ぶ人の多くが視線を注ぐ。もちろん、僕も彼らふたりの存在感に圧倒され目がいってしまう。

 でも、佐渡ヶ嶽部屋に見学に行くようになって、3年あまり。それだけでない楽しみ方もするようになった。

 稽古で白いまわしをはめた十両以上の力士たち。彼らではないその他大勢の一般的には名も知られていないような黒いまわしをはめた力士たち。彼らが奮闘している姿に目が行く。

 1年に一回の名古屋場所。佐渡ヶ嶽部屋の宿舎、そこに来るその他大勢の有名ではない力士たち。彼らが今年もここに帰ってきてくれたこと。それがすこぶるうれしい。

 十両以下の彼らは給料というものは貰えないだろう。昨今の世の中が、格差社会といわれるが、働いているのに給料がもらえないという相撲界というのは昔からの慣習とはいえスゴイ世界だと思う。それを思えば、自分の給料が安くとも、格差社会で冷遇されようともまた1年がんばってこの地に戻ってきてくれた彼らの姿を見ると勇気づけられる。

 この間、稽古を見に行った時、琴欧洲関が黒いまわしのそうした力士に少しばかりかわいがりをしていた。無言のキック、そしてそれを無言で受けるその力士。

 気合いが入っていないその力士にも非があるが、僕なんかが日常生活で、職場で、いくら先輩といえども叱咤激励で蹴られたとしたらキレてしまうと思う。しかも彼は給料をもらえない身分。辛いことのほうが多いであろう毎日。それでも1年を乗り切って、名古屋場所の宿舎にきている姿を見ると自分自身もがんばらねばと思ってしまう。

 稽古を見に行った時、近くに眼鏡をかけた去年も見た力士が、僕が見学しているスペースのそばにやってきた。その後ろには、延々と誰からも注目されることなくアスファルトの上ですり足をしている昨年には見なかった若い力士がいた。

 彼にむかって、その眼鏡の力士が言葉を交わす。しっかりとは聞き取れないが、おそらくアドバイスのようなものをしていたのだろう。1年たって、お金を稼げるようになったわけでもない。でも、その彼も相撲をあきらめることなく続け、去年とは違う彼になったのだろう。

 給料がもらえてないから、世間的には成長とはいえないのかもしれない。でも、彼の姿は確実に成長しているものだし、大きくなっていると思う。出口もゴールも見えない中でがんばり続ける姿勢。名古屋場所、無名な彼らにこそ声援を送りたくなる。

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posted by nomura |23:37 | 相撲 | コメント(0) | トラックバック(1)
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