2007年08月23日

女神にすかれた、高校生

 広陵のエースが三振して、夏が終わった
 マウンドには見慣れた光景が
 野手が投手のもとに駆け寄って、
 人差し指を掲げる
 
 そこにいたのは
 Teikyou でもなく
 TOIN でもなく
 KITAKO だった
 
 
 信じられません
 
 女神の唐突なキスに
 指揮官の声は幾分震えた
 もうだめかなって、
 諦めかけたんだから
 そして、飛び出した
 強打者・副島の
 グランドスラム
 
 女神のあついキスに
 グラウンドの高校生は
 純朴な笑みで
 「本当に、最高です」と 
 返答する
 佐賀弁を覚えようと、女神は躍起になった
 「佐賀北、がばい強か」
 
 熱い聖地の空間は、かげろうとなって
 消えた
 翌日、甲子園は雨だった
 1年後
 「あなたの高校が、深紅の旗を手にするかもね」
 By甲子園球場の女神

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posted by 齊藤太一 |08:16 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年08月22日

聖地の晩夏

 四千余の
 悔しさ、
 うれしさ、
 寂しさが
 この2校に、集結した
 
 11年前、古豪といわれた公立校が、
 夢の架け橋をかけて以来
 自然の恵みを浴びた「佐賀北」が
 甲子園を席巻している
 
 サクラの広陵
 ファンの間で有名な
 このフレーズ
 今年は夏に花を開かせる
 
 甲子園劇場の大トリは
 躍動する、球児

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posted by 齊藤太一 |01:56 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月21日

こころ躍る音

 いやに気持ちのよい音がするなぁ
 聖地の主は機嫌をよくした
  
 悔いはないー
 聖地から去るとき、
 けれんみのない笑顔さえ浮かべた、
 敵方のエース
 
 キーン!! 
 
 大歓声
 眠りから醒めた、
 異国の最強チームのような
 ピンストライプ
 
 右に 左に
 選手は豪快に、打って、走って、
 笑う
 好きなことだから
 おそれを知らない、2年生がバットを振るのなんの
 左腕の投球を受け止める、司令塔が一閃
 指揮官が創った、「自分を生かす」野球
 
 ブラスバンドの調べに乗る
 心地よい、
 やまびこ
 菊川まで響き渡り
 深紅をはこぶ
 
 
 
 
 
 

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posted by 齊藤太一 |00:34 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月19日

「栄の国」から

 遠い遠い昔、
 日本武尊は九州のこの地を訪れた
 そして名付けた
 「栄の国」=佐賀の国と。
 
 王位の第一候補・帝京を討ち破った
 佐賀北のエース久保貴大
 平然、淡々
 言葉を紡ぐ
 右腕は「もののふ」のように
 眼前のはざまで、
 
 焦りも、怒りも
 過度な笑顔も
 落胆も
 すべてをそぎ落としている
 残酷な熱波によるあせも、
 精悍な顔を際だたせる
 名門のバッターは
 スライダーに、速球に地団駄
 
 周囲の馬鹿騒ぎにも
 流されない顔つきが、喜び合う
 4回目の校歌を、
 グラウンドの日本武尊が唄う
 栄光が確かにみえた 

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posted by 齊藤太一 |22:37 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月19日

散った思い、受け継ぐ想い

 慎み深く、グラウンドに合掌した
 東の横綱に挑んだ
 赤シャツ
 怪物を討ち破った打撃は、消えていた
 遙かな師への思いは、叶わなかった
 先生、すいませんー。
 
 アルプススタンドは
 本物のアルプス
 一面の雪に、時折うちわの反射
 きらきら
 明訓の想いはとけた
 しかし、これまで通り
 復興への想いは続く
 
 東の横綱
 春夏で3回、大旗を持ち帰った。
 しなる左腕で智弁学園を完封。
 聖地からのエースは
 「甲子園という夢の舞台で…」
 喜びをかみしめ、
 頂点への想いを語った
 校歌の一節には、
 
 希望に輝く若葉の潮風
 仰げば富士あり理想は高かかれ
 
 さあ、胸突き八丁越えだ

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posted by 齊藤太一 |02:15 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月17日

Boys be アンビシャス

 エースが両手を膝につけ、
 肩を落とす
 脇を背番号「15」が、悠然とかけ足
 
 1日で、新たな星は現れる
 20日ほど前、ベンチにはいなかった
 母校は山紫水明の地にある
 対照的に伊藤新悟は、
 意欲に、燃える
 
 追撃の不意を突くアナウンスが
 「5番レフト・中川くんに変わりましてー
 伊藤ー君
 バッター伊藤ー君」
 伊藤って誰だ?
 夏出てた? あっけにとられる観客
 この結果は、
 見るものには予想しがたかった 
 自分が決めてやろう。
 レフトの上段に、突き刺さした
 3人がホームに
 
 この試合
 ラストバッターも彼だ
 ただ、
 自信に満ち、笑顔で駆け抜けた
 お立ち台の高校2年生
 強い、春の覇者に超新星
 ambitious=大望のある、野心のある
 
 「少年よ―」
 

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posted by 齊藤太一 |23:01 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月17日

甲子園の感情

 段々、高校生の野太い声、甲高い声が
 大きく聞こえる
 外野スタンドへの通路
 青空の向こうに見える山際には
 入道雲が
 
 働き続ける売り子
 一喜一憂を繰り返す
 母校の応援
 
  福岡代表・東福岡と広島代表・広陵
 2回で0ー5
 プロ球団のファンだったら…
 さらに、0ー11
 敗勢の中で
 1回の快音で
 外野から三塁アルプス、バックネット裏まで
 拍手がわいた
 
 チーム力の優劣で、夏の聖地はそっぽを向かない
 とめどない汗を吹かせる、悪質な熱気よりも
 この球場の情熱の方が、人を啓発する
 東福岡2ー14広陵
 一塁で、空を仰ぐ最期の打者
 
 「甲子園」は
 選手みんなに、心地よい風と称賛をふいた
 

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posted by 齊藤太一 |00:51 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月15日

主役たちから夏空へ

 赤い閃光が、怪物を泣かせた
 もう1つの赤シャツたちは挑み
 じぶんたちにできることを、
 やってのけた
 
 内之倉敦士は気持ちを抑えているようだ
 腰に力をため込み
 ピュ!
 怪物より時速20キロのマイナス
 佐藤がマウンドに立つと、スクリーンには
 最速 155km
 そして
 赤のエースは、攻略の先陣を切った
 聖地の空にいる前指揮官に
 赤い「C」の弟が
 初戦で敗れた悔しさも、加勢する
 3連打
 試合は、決した
 劇画のような高校野球でも
 
 ユニフォームの色とは
 似合わず、
 爽やかに喜びを分つ
 主役たち
 怪物のスケールにも、
 負けない
 監督は言う
 「1つでも多く勝ちをプレゼントする」
 夏の陽がさす大空で、
 見守る恩師に

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posted by 齊藤太一 |19:24 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年08月15日

動の4番、静の4番

 「4番」 
 この響きだけで、ファンは注目する
 卓越した打撃
 塁上の走者の数だけ、能力は上昇する
 
 神奈川を制する者は全国を制す
 格言はダテじゃない
 日本一の激戦区を制した、4番
 じっくりと、獲物をとらえる眼
 精悍な顔立ちから、鋭いスイング
 応援、歓声をつんざいた
 
 南国から頂を目指す強豪の4番
 投手を、指さす
 芯の強さと、怪力で
 レフト中段
 一塁側の悲鳴、
 三塁側の狂喜を巻き起こした
 ウィニングランで、
 人差し指を大空へ突き上げた 
 
 マンモスを震わせ、最高の舞台で花開いた
 彼らも、4番 ナカタ・ショウだって
 突き上げられた、指はどこまで届くの?ー
 宮崎の空、大いなる目標まで

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posted by 齊藤太一 |00:51 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年08月13日

109.724m・青春の輝き

 野球部の青春は、
 白球を投げ
 4つのベースを駆けることで
 すべてを飾る
 常総学院
 京都外大西
 
 選手にとっては、ひとときの油断も許されない
 玄人ファンには受けあいの 
 ダイヤモンド=27.431m×4 を巡る攻防
 普通なら、1試合終わるはずだった
 右から繰り出す140キロ近くの速球、
 打者を腰ぬけにするスライダー
 えんじ色のユニフォーム・清原が
 白井の左腕、本田の剛球
 「外大西」の縦文字が
 打者を制圧する
 なかなか、元気に駆けられない
 
 10回目の攻撃で109メートルを
 揺れる「外大西」が走り抜けた
 喜びがはじける
 えんじも3回まわったが
 218m足りなかった

 4番、レフト島根ー君
 2球目を叩くと
 セカンドゴロ
 20メートル付近で
 友との、続きはなくなった
 
 少し、右腕のえんじ色が
 湿ったせいで濃くなった
 先程のにわか雨か
 気迫の汗
 いや、眼からあふれた雫
 
 敗者と勝者の共通点は
 土を濡らしながら、力強く走ったことー
 

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posted by 齊藤太一 |23:00 | 甲子園夏しぐれ~高校野球の詩~ | コメント(0) | トラックバック(0)
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