2008年10月23日

クロアチア・リーグ第11節/ディナモ、辛うじてシベニクに引分

仕事の関係でクロアチアを離れていたために遅れてしまいましたが、19日に行われたクロアチア・リーグ第11節の報告を。

国内では無敵の様相だった首位ディナモ・ザグレブはここに来て急ブレーキ。前節のオシエク戦には辛うじて勝利したとはいえ、今節はここ三連勝と好調の4位シベニクとアウェーで対戦しました。
nogomet-53094.jpgディナモは成績以外にもトラブルメーカーに悩まされています。先日のカップ戦でシュートミスを連発したFWショコタが散々観客に馬鹿にされたのを腹いせに、ゴールを決めた直後に観客に向けてボールを蹴り込んで罰金処分。同様の理由でサポーターと関係の良くないFWバラバンも罰金処分を食らいました。またクロアチア代表でもあるDFドゥルピッチ(写真)は77万4000クーナ(約1350万円)の税金未払いが発覚した上に、18日には自動車の運転中に携帯電話使用とスピード違反で警察官に停められ、更に警察官を侮辱したとして逮捕される事件が発生。ちなみに私の友人も彼と路上で接触事故を起こしそうになり、相手が悪いのにもかかわらず汚い言葉をかけられています。そのような品のない性格でベジクタシュ移籍もフイにした彼ですが、シベニク戦では怪我もあって欠場。こんな問題児に関心を示してくれているナンシーにディナモは売却を試みようとしているようです。
またこの試合では面白いことに、シベニクはホームのオレンジではなくアウェーのブルーのユニフォームを選択し、ブルーがトレードマークのディナモはアウェーのオレンジのユニフォームを選択。お互いチームカラーとユニフォームの色が逆転する、という現象が起きました。

ここ10試合の直接対決で1勝9敗とシベニクにとってディナモは相性の悪い相手。しかし、現時点での両チームの自信の差がピッチに現れ、真っ向勝負に出たシベニクがチャンスをものにしていきます。
16分、FWロディッチのスルーパスにボスニア・ヘルツェゴビナU-21代表FWのゼッツが抜け出し、俊足をかっ飛ばすとDFビシュチャンはついて来られず、最後はGKケラヴァの左脇を抜くシュートを決めてシベニクが先制に成功します。
nogomet-53095.jpgただでさえ今のディナモは中盤の構成力に問題を抱えているのにもかかわらず、チリ代表から怪我で戻ってきたMFモラレスすら欠いてしまっては簡単にチャンスが作れません。27分にMFミキッチの折り返しにMFマンジュキッチが突っ込みますが、シュートを打てずに終わります。
もがくディナモにシベニクが再び水に浴びせます。33分、ロディッチが再びディナモのDFラインの背後を取ったゼッツの浮き球でスルーパスを通すと、飛び出したGKケラヴァの目の前で器用に合わせ、ふわりと浮いたボールはディナモ・ゴールに吸い込まれました。
このまま引き下がれないディナモは43分、MFサミールの左からのパスをマンジュキッチがヒールで流し、ペナルティエリアでDFライッチを背にボールをもらったFWタディッチが左へとコースを取り、シュートを叩き込んで1点差へと縮めました。
後半に入ってディナモは頭からMFフルゴヴィッチ、60分からMFスアレスを入れて流れを変えようにも効果はなかったのですが、次第にシベニクが息切れをし始めます。2ゴールの活躍を見せたゼッツが足に痙攣を起こして外に運ばれ、シベニクが一人少ない状態の67分、ディナモはカウンターからマンジュキッチが決定機を迎えるも、GKスラヴィツァが近距離のシュートをセーブ。73分にはマンジュキッチが再びヒールでパスを繋ぎ、飛び込んだフルゴヴィッチがシュートチャンスを迎えるもののDFの好反応もあって打ち切れません。
シベニクの逃げ切りまで後少しという85分、ディナモはゴールから30m近く離れた位置でFKを得ると、DFイバネスが低い弾道でゴール左下へと直接叩き込みます。これまでイバネスはチャンスとあれば、何度となく遠い距離から左足でシュートを放っていたのですが、ようやくゴールが実った瞬間でした。ロスタイムにも途中交代のFWショコタが、サミールのFKからバッグヘッドでシュートを放つもののGKスラヴィツァがセーブ。とはいえ、最後でディナモは勝点1を拾った形になりました。
金星を逃したシベニクのカリニッチ監督は
「もし試合前に王者相手で勝点1を提供してくれるというのなら、喜んでそれを受け入れただろう。ただし、このような終わり方をすれば、我々が勝利しなかったことに後悔さえしてしまう。わずか数分だけが残されていたわけだからね。私は誰に罪を被せることはしない。もちろん、勝点1は大きな事柄なのだから」
と幾ばくかの無念を見せています。


財政難から株式組織へと転じたハイドゥク・スプリトでしたが、このほど市場に流れた37%の株式の全ての売却に成功しました。ちなみに残りの63%は国への借金の肩代わりとしてスプリト市が保有し、第一株主となっています。
サポーターのトルツィダに売却する第二段階では全株のわずか2.2%分しか売れず先行きが心配されましたが、企業や大口相手の第四段階で日本円にして1~2億円ほどを投資する株主が次々と現れました。これで3100万クーナ(約5億4000万円)ほどあったクラブの借金も、株式の売却で5000万クーナ(約8億7000万円)のプラスに転じ、ようやく財政が正常化しています。

とはいえ、ピッチ上におけるハイドゥクはディナモにアウェーで勝利しておきながら、次節のインテル・ザプレシッチに引き分け、前節はクロアチア・セスヴェッテに負けるなど、どうも乗り切れません。今節はホームのポリュウド・スタディオンで迎えた相手が8位チバリア・ヴィンコヴチを迎えました。
nogomet-53096.jpg開始13分、MFアンドリッチの左クロスをDFバガリッチが手で止めてしまい、ハイドゥクにPKが与えられると、これをFWカリニッチ(写真)が決めて先制します。
追加点を早くに奪って安全圏に入りたいハイドゥクでしたが、23分には右サイドからFWバルトロヴィッチがシュートをクロスバーに当てると、後半51分にはカリニッチの近距離からのヘディングシュートをチバリアGKブルツサがセービング。チバリアのGKブルツサは57分にMFイブリチッチのドリブルからのシュート、58分にはカリニッチとの1対1を食い止め、彼がこれほど当らなければ大量失点で終わるところでした。
しかし67分、MFガブリッチの縦パスにカリニッチが抜け出し、背後からDFメシッチがカリニッチを倒して二度目のPK。これまたカリニッチが決め、2-0でハイドゥクが勝利しました。
現在リーグ得点王のカリニッチですが、10得点のうち実に6得点がPKによるもの。流れからゴールがなかなか決められないカリニッチに対してサポーターのトルツィダは不満を持っており、この試合でもブーイングを浴びせました。カリニッチは試合後、
「彼らのブーイングなんて気にならないよ。僕は自分のプレーをしているんだし、ブーイングをしたければ好きなだけするがいい」
と突き放しました。カリニッチはこの冬の国外移籍が濃厚とされ、水曜日にヴァレンシアのスポーツディレクターのフェルナンド・ゴメスが交渉でスプリトに訪れています。700万ユーロの移籍金の提示額に対し、ハイドゥクは低いとして拒否。希望額としては800万ユーロ辺りがラインとされているようです。


2位スラヴェン・ベルーポは、この5節を3勝2分と好調のクロアチア・セスヴェッテを迎えてのホームマッチ。ポサヴェツのゴールを皮切りに、エースストライカー、ヴルチーナの2ゴールを含む4得点でセスヴェッテを一蹴。ここ一年はホームで負けがなく、かつ今季はホームで未だ全勝を続けています。スラヴェン・ベルーポとハイドゥクはこれでディナモに勝点差3まで近づきました。
またオシエクに敗れ、11位に転落したインテル・ザプレシッチのミルヴォイ・ブラチュン監督が辞任を表明。今季4人目の監督辞任となりました。

全試合の結果はこちら。試合名をクリックすれば、クロアチア国営放送のダイジェスト動画が見られます。

Sibenik - Dinamo Zagreb 2:2
1:0 16' Zec
2:0 33' Zec
2:1 43' Tadic
2:2 85' Ibanez

Hajduk Split - Cibalia Vinkovci 2:0
1:0 13' Kalinic (PK)
2:0 67' Kalinic (PK)

Slaven Belupo - Croatia Sesvete 4:0
1:0 36' Posavec
2:0 50' Vrucina (PK)
3:0 58' Vrucina
4:0 69' Juric

Varteks Varazdin - Rijeka 3:3
0:1  9' An.Sharbini (PK)
0:2 16' Ah.Sharbini
0:3 58' Ah.Sharbini
1:3 61' Mumlek (PK)
2:3 77' Mujanovic
3:3 80' Vuk

Osijek - Inter Zapresic 2:1
0:1 15' Bule
1:1 38' Babic
2:1 90' Milicevic

Zagreb - Zadar 0:0


【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ (勝点23)
2位…スラヴェン・ベルーポ (20)
3位…ハイドゥク・スプリト (20)
4位…シベニク (17)
5位…ザグレブ (17)
6位…リエカ (15)
7位…クロアチア・セスヴェッテ (15)
8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (14)
9位…チバリア・ヴィンコヴチ (14)
10位…オシエク (12)
11位…インテル・ザプレシッチ (10)
12位…ザダール (5)

【ゴール】
10ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
8ゴール…ヴルチーナ(スラヴェン)
5ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)、ムヤノヴィッチ(ヴァルテクス)、シャルビーニ弟(リエカ)、ゼッツ(シベニク)
4ゴール…ドディク(インテル)、シヴォニッチ(インテル)、バラバン(ディナモ)、マルチッチ(チバリア)、ペトロヴィッチ(セスヴェッテ)、バビッチ(オシエク)、ミリチェヴィッチ(オシエク)、ムムレク(ヴァルテクス)


nogomet-53097.jpg19日のプレミア・リーグ第8節「ストーク・シティvs.トットナム・ホットスパー」で、71分にクロアチア代表DFヴェドラン・チョルルカ(写真)の顎にチームメイトのGKゴメスの膝が当たって倒れ込み、意識を失った彼は酸素マスクをつけられて病院に運ばれるというショッキングな事故が起きました。GKゴメスにはその4分前にもチョルルカの胸に拳をぶつけていたわけで、二度に渡る身内の"攻撃"でノックダウンしてしまったチョルルカは幸いにも骨折などはなく、次節には出場可能だと言われています。
エドゥアルドの骨折、クラニチャールの故障、トットナムの低迷と、なにかとクロアチアのプレミア組は災難を味わっていますね。


posted by 長束恭行 |22:02 | サッカーニュース | コメント(0) |
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年10月17日

ワールドカップ予選「クロアチアvs.アンドラ」/ボーナスステージは4点差の勝利

10月15日、ワールドカップ予選「クロアチアvs.アンドラ」がザグレブのマクシミール・スタディオンで行われました。
nogomet-52111.jpg相手がグループ最弱、欧州でも最弱ということもあり、観客の入りが不安視されましたが、先月のカザフスタン戦のチケット保有者はアンドラ戦のチケットと交換できるといった特典をサッカー協会が設けたりすることで、約2万人が足を運びました。ちなみにこの観客数は前回のユーロ予選でアンドラと対戦したのとほぼ同じ(2006年10月7日、結果は7-0)。過去の両者の対戦成績はクロアチアの4戦全勝、得点も18-0と圧倒しています。

クロアチアはスルナが累積警告で欠場、またコヴァチ兄には休みを取らせ、より得点を奪えるようオリッチ、クラスニッチ、ペトリッチを並べたスリートップを配置。スタメンは以下のメンバーとなりました(4-3-3)。
GKプレティコサ-(右から)チョルルカ、クリジャナッツ、シムニッチ、プラニッチ-MFモドリッチ、ヴコイェヴィッチ、ラキティッチ-FWペトリッチ、クラスニッチ、オリッチ

一方のアンドラは以下の布陣となりました(5-4-1)。
GKアルヴァレス-DFアジャラ、ロドリゲス、リマ、ヴァレス、エスクーラ-MFアンドラ、プジョール、ヴィエイラ、ヒメネス-FWシルヴァ

試合前から予想されたように、自陣に張り付いて全選手で守りきろうとするアンドラに対してクロアチアが一方的に押し込みます。両SBのチョルルカとプラニッチはアウトサイドのMF的な役割となり、守りに徹するのはヴコイェヴィッチとシムニッチ、クリジャナッツのみ。あらゆる方向からアンドラの堅い殻を割ろうと試みました。
nogomet-52112.jpgワンツーなどのコンビネーションを多用したり、クロスや浮き球でFWに直接当てにいったりと工夫を凝らしますが、ゴール前でのスペースがない中、流れから得点を奪うのはそうそう容易いことではありません。そんな中、先制点はセットプレーから生まれます。開始16分、左の18mの位置でファウルを得ると、ラキティッチが見事に直接FKを叩き込みます。
20分にはプラニッチの左サイド突破から上げたクロスに、ファーサイドでフリーのクラスニッチがヘディングシュートを放つも、狙い悪くポストの左に。25分にはチョルルカがモドリッチにボールを預けて走りこみ、スルーパスで再びボールをもらって右からシュート。トットナム・ラインを活かしたチャンスでしたが、チョルルカのシュートは右ポストに弾かれてしまいます。
追加点は32分に生まれます。ロドリゲスがペナルティエリアでオリッチを倒してPK。ペナルティスポットからのモドリッチが左へと放ったシュートはGKアルヴァレスの左手に弾かれ、再びモドリッチがシュートを狙うも、またしてアルヴァレスが右手でストップ。しかし、こぼれ球をオリッチが押し込んで2-0となります。
その後も37分にペトリッチ(写真)が惜しい直接FKを放ち、42分にも左からペトリッチがボレーシュートを試みるものの、クロスバーを越えてしまいました。

ハンブルガーSVではすこぶる好調で、2年前のアンドラ戦では4得点を決めているペトリッチですが、この日はブレーキ気味。後半48分にも背後からのラキティッチのロングパスから足を伸ばして合わせるものの失敗します。
nogomet-52113.jpgブレーキなのはクラスニッチも同様で、62分に左CKからシュートチャンスを迎えましたが、シュートはGKアルヴァレスの正面。1分後にはペトリッチが倒れこみながら放ったボレーシュートもGKアルヴァレスに止められます。
難産の中で3点目が生まれたのは75分、チョルルカの右クロスをロドリゲスがクリアし損ねたところをモドリッチが飛び込み、アウトに掛けてのシュートを流し込みます(写真)。
そして最後は87分、途中交代のマンジュキッチがペナルティエリアで倒されて得たPKを、ラキティッチが左にしっかりと決め、4-0でタイムアップ。流れでのゴールが1点止まりなことに消化不良は残るとはいえ、得点差としては可もなく不可もなくという結果で終わりました。

試合後、ビリッチ監督(写真)は
nogomet-52114.jpg「2年前のザグレブでの試合のように7点を奪えなかったし、またアンドラでの試合のように6点は奪えなかった。大量得点は可能だったとはいえ、多くのシュートが失敗だったり、相手のGKに止められたりしてしまったんだ。でも期待した通りに終わったよ。再び7点を奪ったら我々は熱狂しただろうし、3点以下の勝利だったら不満に終わっただろう。このような4~5点差の勝利ならばまったくもってOKだ」
とコメントしています。随分と疲れ気味の様子でしたが、すれ違いになった際に眼が合うと私のことを覚えていてくれたようで軽くウインクしてくれました。

今年はこれでクロアチア代表の試合は最後。2月にキプロスかスペインで開催されるミニトーナメントに参加する予定で、ワールドカップ予選は4月1日のアンドラとのアウェーから始まります。ちなみにこの試合の終了間際、イングランド戦でイエローカードを貰っているシムニッチが計算ずくの上でイエローカードを誘い、次のアンドラ戦は欠場に。大一番となるウクライナ戦のホーム(6月6日)を万全の体制で迎えるつもりです。



7日、UEFAカップのリーグラウンドにおける抽選会が行われ、ディナモ・ザグレブはトットナム・ホットスパー(イングランド)、スパルタク・モスクワ(ロシア)、ウディネーゼ(イタリア)、NECナイメヘン(オランダ)と同じ組になりました。
ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「思うにこのグループは昨年のそれよりも難しい。目標はランキングを挙げるため、できるだけここで勝点を稼ぐことだ。リーグ突破においていかなるチャンスが見えたならば、それを逃すことはしないだろう」
と、強敵揃いのグループでチャンスを伺っています。ズドコヴコ・マミッチ副会長は
「てともハードだ。我々にとっては、より多くの勝点を得る可能性を探りながら、国際経験を培うための機会だと捉えている。しかし、事前に予測がつくのならば、サッカーはこれほど興味深いスポーツではないのだよ」
と悲観的ながらも、欧州カップで39年ぶりの冬越えにわずかながらの期待を寄せているようです。

また古巣との対決となったトットナムのMFルカ・モドリッチは
「グループの相手は非常に強いし、アトラクティブだ。ディナモを引いたことは嬉しいよ。ザグレブで対戦できたならばもっと嬉しかったんだけどね」
とコメントしています。ちなみにDFヴェドラン・チョルルカはマンチェスター・シティの一員で既にUEFAカップに出場しているため、規定により試合に出場はできず、古巣対決とはなりませんでした。
またスパルタク・モスクワのGKスティペ・プレティコサは
「このグループに本命というものはない。ロシア・リーグは11月22日に終えるので、12月まで続くリーグラウンドで調子を維持するのは単純なことではないよ」
と語り、スプリト出身ながらザグレブでのクロアチア代表の試合ではやたらと愛される存在の彼は、マクシミールで試合をすることに喜びを得ています。
試合日程は以下のよう。上位3クラブが春以降の決勝トーナメントに進みます。

10月23日 対NECナイメヘン (ホーム)
11月6日  対トットナム・ホットスパー (アウェー)
11月27日 対スパルタク・モスクワ (ホーム)
12月3日  対ウディネーゼ (アウェー)


7日にリエカのムラデン・イヴァンチッチ監督が健康面を理由で辞表を提出しました。開幕からの三ヶ月間でチームをまとめ切れず、ストレスで体調を害しての辞任だと言われています。クロアチア前代表監督ズラトコ・クラニチャールや、元ハイドゥクの監督で現在はロシア一部のルチ・エネルギアを率いるゾラン・ヴリッチらの名前が後任監督として挙がったのですが、本命だったイゴール・パミッチが現在率いる二部カルロヴァッツとの契約の関係上、引っ張ることができませんでした。後任探しには実に一週間を要し、最終的にはスポーツ・ディレクターのロベルト・ルブチッチが後を任されることになりました。

ダミール・ペトラヴィッチ監督の辞任後、空席となったクロアチア二部フルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツの後任監督に、元セレッソ大阪監督のアルベルト・ポボルが就任しています。昨季は最終節まで昇格争いをしたドラゴヴォリャッツですが、今季は9節を終えて11位と不振を極めています。ポボルがドラゴヴォリャッツを率いるのは実に三度目。契約は2年だそうです。


posted by 長束恭行 |21:08 | サッカーニュース | コメント(0) |
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年10月16日

ワールドカップ予選「ウクライナvs.クロアチア」/アウェーで勝利をもぎとれず

10月11日、ワールドカップ予選「ウクライナvs.クロアチア」がハルコフのメタリスト・スタディオンで行われました。
nogomet-51804.jpgユーロ2012の予備会場に指定されている同スタジアムでウクライナ代表の試合が行われるのは初めてということもあり、キャパシティ33,017人のスタジアムはほぼ満員。クロアチアのサポーターも200人ほど駆けつけました。既に前に触れましたが、私も今回はクロアチアのサポーターの一員としてこの試合を観戦してきています(いずれはその体験談を書きたいと思います)。

またこの試合のクロアチア国内での放映を巡って、すったもんだがありました。ウクライナ代表の国外放映権をウクライナ・サッカー協会から購入したオーストリアの企業がクロアチア国営放送(HRT)に映像を単体で売るのを拒み、「アンドラvs.ウクライナ」などを含む高額なセット購入を要求。HRTが「クロアチアvs.ウクライナ」戦の映像と交換で、と話を持ちかけようにも、クロアチア・サッカー協会は国外放映権をこれまた外国の企業Sport Fiveに高額な金で売却済み。ウクライナ・サッカー協会とSport Five社は兼ねてより険悪な関係にあることで、独立以来初めて代表の試合が放映されない危機に瀕しました。
最後はクロアチア・サッカー協会も仲裁に入り、ウクライナ・サッカー協会のスルキス会長に願い込むことで試合開始25分前、ようやく放映が決定しました。クロアチア・サッカー協会にもトラブルの責任があるのにも関わらず、HRTに対して英雄気取りをしたことからHRTは大反発。月曜日には両者による討論番組すら行われています。

さて、試合の話へと入っていきましょう。
nogomet-51800.jpg所属のスパルタク・モスクワや先月のイングランド戦で大量失点を喫するなど、今年はことに不安定なGKプレティコサに代え、ビリッチ監督はルニェを正GKに起用するつもりでしたが、ルニェは8日の紅白戦で左手小指を骨折。そのため、プレティコサがこの日も起用されることになりました。
コヴァチ弟がサスペンションのため、クリジャナッツがセンターバックとして初の先発起用。またディナモ・キエフで安定したプレーを見せるヴコイェヴィッチが、相手を良く知る存在ということもあってボランチで先発起用されました。モドリッチのポジションが繰り上がり、トップ下として起用することで中盤がよりコンパクトに。好調なペトリッチとのツートップではなく、オリッチをワントップに据えた4-2-3-1の新たな布陣を形成してきました。
GKプレティコサ-(右から)チョルルカ、クリジャナッツ、シムニッチ、プラニッチ-MFヴコイェヴィッチ、コヴァチ兄-スルナ、モドリッチ、ラキティッチ-FWオリッチ

一方のウクライナですが、今季は素晴らしいスタートを切ったFWミレフスキが怪我。ディナモ・キエフでただ今売出し中のMFアリイェフがシェフチェンコとのツートップを組みます。ちなみにヴォロニンはベンチに置いたまま。ティモシュチュクをワンボランチにして前に3人のMFを並べた以下の布陣をミハイリチェンコ監督は選択してきました。
GKピヤトフ-DFヤルマシュ、ミハリク、チグリンスキー、シュヴチュク-MFティモシュチュク-レヴチェンコ、ホライド、ナザレンコ-FWシェフチェンコ、アリイェフ


ビリッチ監督はリスクを承知で両SB(とりわけ右のチョルルカ)の積極的な攻撃を促し、また技術に勝るクロアチアが優勢に試合を進めます。その一方で、逆に安全策を取ったウクライナは自陣でクロアチアのボールホルダーに前を向かせないよう複数でプレスを掛け、最後はシェフチェンコ頼みのカウンターで活路を見出します。
nogomet-51801.jpg6分にはコヴァチ兄のミスも重なってシェフチェンコが抜け出しそうになるも、最終ラインで一人残ったシムニッチがカット。しかし、こぼれ球をアリイェフに奪われ、突破を仕掛けますが、チョルルカがカバーします。
それからウクライナに押し込まれる時間帯が少し続きましたが、10分、クロアチアが左からカウンターを仕掛け、ラキティッチがボールを相手陣内へ持ち込み、左のスペースへ走り込んだオリッチへ。しかしながら、オリッチのシュートはGKピヤトフに止められます。
15分にはナザレンコからの縦パスがシェフチェンコに通り、スペースを与えてしまいますが、彼はロングシュートを選択。弾道は悪くなかったとはいえ、ボールは左ポストを逸れていきました。
その直後、クロアチアもお返しとばかり、モドリッチが前線でくさびとなってコヴァチ兄にボールを戻したのち、バイタルエリアへと走りこんでボールを再び貰ってシュート。しかし、ボールはGKピヤトフの正面を突いてしまいました。
序盤はセカンドトップかのように立っていたモドリッチがポジショニングに戸惑っていたものの、彼が頻繁に下がることでゲームメイクに携わります。その一方で、中盤とリンクされないオリッチが孤立する場面が多く見られたのが残念でありました。また時間経過と共にその実力を発揮したのがDFクリジャナッツ。カウンターで突破され、シェフチェンコやアリイェフと一対一になったところでも防波堤のごとく食い止めていきます。シムニッチとのコンビも合格点でした。
CKからのウクライナの波状攻撃を耐えた29分、スルナが直接FK、ラキティッチがミドルシュートを浴びせるも、これもまたGKピヤトフの正面。
34分、ウクライナは再びカウンター。シェフチェンコが持ち込み、右から大きなクロスを入れるとファーサイドのホライドを折り返し、そこにアリイェフが突っ込みますが、GKプレティコサがキャッチ。
45分、コヴァチ兄が縦パスをカットするも、弾いたボールを逆に裏のアリイェフに繋がれ、アリイェフは縦に突進。ペナルティエリアに入る直前にコヴァチ兄が背後から削ってイエローカード。正面20mという危険な位置からシェフチェンコがグラウンダーのFKを放ちますが、ボールはポスト右へ。お互いがチャンスを活かせずに0-0で前半を終えます。

後半48分、ナザレンコの大きな左FKからシェフチェンコがするっとマークを外してヘディングで合わしたものの、シュートが精度に欠けたことでクロアチアは助かりました。その後はクロアチアの支配率が更に上がり、とりわけモドリッチの動きが活発化していきます。
nogomet-51802.jpg50分、スルナが右サイドから浮き球で縦パスを出すと、空いたスペースにモドリッチが走りこみ、ペナルティエリア内でティモシュチュクをフェイントでかわして右からシュート。GKピヤトフがパンチングにて逃れます。その直後のスルナの右CKからオリッチがヘディングシュートを放つものの、今度はクロスバーに叩かれてしまいました。
続く54分にはオリッチの左クロスをミハリクが中途半端なクリアをしたところに、フリーのラキティッチが。しかし、彼のボレーシュートはミハリクへと当ててしまいます。これら一連のチャンスで得点を取れなかったのが大きく響きました。
ウクライナは55分、またしてカウンターでシェフチェンコが前へと仕掛け、相手に囲まれてからはホランドとのワンツーを決め、左からグラウンダーのシュート。これまた危ない場面でしたが、ボールは右ポストを逸れていきました。シェフチェンコは本調子までにはまだまだ遠いわけですが、一人でチャンスを作れるのはさすがでありました。
その後もクロアチアがボールを支配すれど膠着状態に。68分には枚数をかけての波状攻撃を仕掛けますが、ウクライナもしっかりとブロックを形成します。
78分にはラキティッチの右FKにオリッチがドンピシャでヘディングで合わせたものの、これまたわずかにポストの右。もう毎度のことですが、オリッチの決定力不足に泣かされました。
81分には右サイドのスルナがファーポストに走り込むモドリッチを見つけてクロス。モドリッチはしっかりとコースを狙ってヘディングシュートを放つものの、GKピヤトフが右足でセーブします。
83分にパスミスが目立つラキティッチに代えて、イングランド戦でゴールを決めたマンジュキッチを投入。彼の積極性に賭けますが、88分、コヴァチ兄のロングパスを胸トラップで止め、そのままシュートしますが、GKピヤトフを脅かすほどの強さではなく、そのままスコアレスドローで終わりました。

試合後、ビリッチ監督は記者会見にて
「熱狂的な相手サポーターを前にして我々は最高のプレーをした。自分の選手、そしてウクライナの選手たちを祝福したいし、私は自分のチームに対して最大限の誇りを持っているよ。技術、戦術、フィジカル、アグレッシブさ、モラルを我々が表に出した素晴らしい戦いだったと思うし、モチベーションでもウクライナを上回ったのさ。絶対的に優れていただけに、アドバンテージを結果にできなかったのは残念だ。勝たねばならない試合だったよ」
と静かに語りました。またペトリッチを投入しなかった理由を聞かれ、
「誰の代わりに入れればいいのか言ってくれ」
とジャーナリストに問いただしたのち、ラキティッチの代わり、もしくはオリッチの代わりとしてとは?と提案されると
「マンジュキッチも良いプレーをした。彼に対しては何も非難することはない。オリッチは素晴らしかったさ。予定では彼が60~65分までピッチに立ち、それからペトリッチを入れるつもりだった。しかし、オリッチは素晴らしい感触だし、まだ戦えると言ってきたんだ。だから私は彼を交代させなかった」
と説明しました。交代のカードを一枚しか切らなかったこと、それも残り10分を割ったところだけに不満は残りますが、ここで無理して負けるよりも勝点1をキープし、ウクライナとの二位争いに優位に立つ方がベターなのは間違いないだけに采配としては有りなのかなと思いました。イングランド戦のショックを打ち消す戦いはしましたし。ただ、現場で見ている分には、ウクライナが予想外に手応えのない相手だっただけにストレスの溜まる試合だったのは間違いありません。

クロアチア国営放送のニュース映像はこちらで見られます。

あと1時間半もすれば、クロアチアvs.アンドラ戦が行われます。この試合はペトリッチ、オリッチ、クラスニッチのスリートップで大量得点を狙いに行く予定ですが、今回のワールドカップ予選は勝点差が並んだ場合は当該チームの直接対決の結果以上に、グループリーグでの得失点差、総得点が優先されるので、できるだけのゴールを稼がなくてはなりません。この試合はカメラマンとして取材してくる予定です。


posted by 長束恭行 |01:20 | サッカーニュース | コメント(0) |
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年10月14日

ウクライナから戻ってきました

お陰さまで昨日、無事にウクライナから帰国してきました。

nogomet-51476.jpgいずれブログでも体験談を紹介したいと思いますが、11日にハルコフで行われた「ウクライナvs.クロアチア」戦をクロアチア・サポーターとして観戦してきました。
試合はクロアチアがずっとゲームをコントロールし、幾度とチャンスを作りながらもスコアレスドロー。どちらがホームか分からないほど実力差が歴然としていただけに個人的には不満の残る試合でありましたが、二位争いに絞ることを考えればウクライナから勝点2を奪ったことと、イングランド戦のショックから我を取り戻すことに意義のあった試合かもしれません。もちろん、これからの取りこぼしは許されないわけでありますが。

nogomet-51478.jpgまた今回はユーロ2012に向けたインフラ整備や現状を目の当たりにしてきました。ウクライナ東部のユーロ開催地となるドニプロペトロウシクとドネツクも訪れ、先月に落成したばかりの「ドニプロ・スタジアム」、そして来年春には完成予定の「シャフタール・スタジアム」(写真)もこの眼で見てきました。キエフの「ナショナル・スタジアム」がまだ取り壊しの最中であることを考えれば、鉄鋼景気に湧いた東部の方がインフラ整備に進んでいると言えましょう。
しかしながら、交通インフラの未熟さやホスピタリティの欠如が目立ちました。政局が親欧米派のユーシェンコ大統領と親ロシア派に転じたティモシェンコ首相の対立が明確になり、またバブル的に成長してきた経済も不況の煽りを受けようという今、ウクライナがどのようにユーロ開催にこぎつけるかは気がかりです。今回のウクライナで得た見聞も必ず記事にしようかと思います。

しかし、色々とあってハードな旅でありました。ユーロ2012には足を運ぶことはないでしょうか、4年後に現地観戦を計画されている方はハードさを覚悟しておいて下さい(笑)


posted by 長束恭行 |18:20 | サッカーコラム | コメント(1) |
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年10月09日

キエフより

現在、ウクライナのキエフへとやって来ています。

nogomet-50635.jpg思った以上に旅行し辛い国であり、現地で苦戦中です。
2012年に欧州選手権(ユーロ)が開催されるわけですが、ことにホスピタリティに欠けるこの国が開催できるのかが疑問であります。
今日はディナモ・キエフの本拠地「ロバノフスキー・スタジアム」に行ってきましたが、スタジアムに近づこうにも手前の駐車場の警備員が通してくれず。
「俺に5ドル払えば通してやるぜ」
こんなセリフを聞かさせると、旧ソ連の香りをたっぷり味わった気分になりました。オフィシャル・ショップがスタジアムに隣接されているはずなんですけど、それにも行けず終いです。

それ以上に問題なのはインフラ面。キエフの会場となる国立競技場に行ってきましたが、現在は取り壊し中。それも非常にゆっくりとしたペースでやっています。なにしろ、スタジアム前に建設中だったショッピングモールが、UEFAのユーロ用のスタジアム建設の基準に反するとかで、それすら取り壊している最中なんですね。
またキエフの空港も不便な上に小さいし、高速道路や鉄道のインフラも不十分。キエフの街中は常に渋滞。また英語もなかなか通じないときた…

ということで、日を追うごとにユーロ開催大丈夫か?と思う次第です。
10月10日にはハルコフに渡り、11日のワールドカップ予選「ウクライナvs.クロアチア」を観戦する予定ですが、無事に旅行そのものを終えられるか…、とにかく頑張ります(笑)


[写真]
ディナモ伝説の名将、ロバノフスキの銅像


posted by 長束恭行 |03:42 | サッカーコラム | コメント(1) |
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加