2008年08月29日

UEFAカップ/ハイドゥクはデポルティーボ相手に敗退、スラヴェン・ベルーポは通過

8月27日、UEFAカップ予備戦二回戦第二戦が行われました。

初戦をリアソールにてデポルティーボ・ラコルーニャと0-0で引分けたハイドゥク・スプリトは、ホームのポリュウド・スタディオンで迎え撃ちました。相手がビッグネームだけあってチケットは完売。欧州カップ戦では五大リーグのチーム相手に22年間勝ち上がったことがなく、そのジンクスを破るべく戦いました。

ハイドゥクのスタメン(4-3-2-1)は以下の通り。土曜のスラヴェン・ベルーポ戦同様、疲れの見えるMFイブリチッチはベンチスタートとなりました。
GKスバシッチ-(右から)DF J.ブリャト、マロチャ、ジヴコヴィッチ、ガブリッチ-MF M.ブリャト、スココ、アンドリッチ-バルトロヴィッチ、ティチノヴィッチ-FWカリニッチ

またデポルティーボは週末にリーガ・エスパニョールの開幕戦・対レアル・マドリッド戦を控えていることもあり、レギュラーの何人かを温存した以下のスタメンを敷いてきました(4-2-3-1)。
GKアランスビア-DFラウレ、ロポ、アドリアン・ロペス、フィリピ-MFデ・グスマン、アントニオ・トマス-グアルダド、バレロン、ファン・ロドリゲス-FWリキ

いきなり開始52秒、ガブリッチからの縦パスをカリニッチがトラップからの素早い反転でロポを振り切り、左からゴールへと突進。近距離で右足でシュートを放つものの、GKアランスビアの好反応でゴールが奪えません。
ここ最近は滅多に満員にならないポリュウドですが、この日は3万5000人もの観客で埋まり、熱い応援に支えられたハイドゥクはアグレッシブに勝負へと出ます。しかし、デポルティーボもカウンターやセットプレーから好機を見出し、8分にはグアルダドの左FKからチャンスを作ったものの、ファーポストでフリーのロポはシュートを決められずに終わりました。
ハイドゥク最大のチャンスは25分、スココがドリブルで何人も選手をかわしたのち縦へのスルーパス。カリニッチが抜け出し、右からシュートするもGKアランスビアにまたして止められてしまいました。
次第にデポルティーボがボールを支配するようになり、43分、中央のバレロンからペナルティエリア左へ侵入するフィリピにパスが通ると、フィリピの折り返しはGKスバシッチの股間を抜けてファーサイドに走り込んだリキに。合わせるだけのシュートで得点を奪われてしまいます。前半終了前に集中力を欠いたところでの失点は一日前のディナモと同じでありました。

リードされたとはいえディナモ以上に勝ち抜けるチャンスがあるハイドゥクは、後半もファウルを厭わない積極性を見せます。しかしながら実力差は埋めることはできず、攻撃の形を作ることはできません。この日のイタリアのロッキ主審はファウルに対してカードを次々と切っており、65分にGKアランスビアの足を踏んだ主将のアンドリッチが二枚目のイエローで退場。これで勝負ありました。
デポルティーボは86分、ヴェルドゥがマロチャに倒されてPKを得ると、ヴェルドゥ本人が左に決めて2-0。ロスタイムにはデ・グスマンが二枚目のイエローで退場したもののゲームを左右するものではなく、ハイドゥクはここで欧州の舞台から消えることとなりました。

ハイドゥクのヴチェヴィッチ監督は
「クオリティの差は歴然としていた。最初の30分はとても良いプレーをしていたが、このような戦い方で90分に渡って対抗するのは不可能だったよ。デポルティーボは勝利に値したし、アンドリッチが退場した時には実質的に全てが終わってしまった。
もし最初の30分でゴールが決まっていたら、後半も希望があったかもしれない。前半終了間際の失点は理解できないものだった。うちの三選手がナイーブすぎたことで生まれたゴールだった。
失望はしている。当たり前だ。サプライズを期待していたし、試合に向けて準備もした。スタジアムも満員だったんだ。しかしながら、これが現実であることを受け入れなくてはならない」
とコメント。今後は国内リーグ一本に絞られたわけですが、そこでもチームは低迷しているだけにヴチェヴィッチ監督は首一枚つながった状態で指揮を続けることになるでしょう。


ディナモに続いてハイドゥクも格上相手に力負けし、監督それぞれが「これが現実」と言い訳したわけですが、唯一、気を吐いてくれたのはスラヴェン・ベルーポでした。格上のアリス・テッサロニキをホームのグラツキ・スタディオンに迎えての第二戦。初戦は1-0で落としたものの、その善戦ぶりに第二戦へと希望を繋いでいました。
アリスのスタメンにはスペイン人とブラジル人が多く、ギリシャ人はプリタスのみ。逆にスラヴェンはスタメン全員がクロアチア人(FWユリッチはボスニア生まれのクロアチア人)となります。
13分、スラヴェンは思わぬ形で先制点を奪います。FWヴルチーナの左CKをMFレケイロがヘディングでクリアしたところ、ボールはアリスのゴール前で宙へと浮きます。落下してきたボールをMFナチョ・ガルシアがクリアに失敗、自ゴールへと蹴り込んでしまいました。
選手個々の能力に優れたアリスは猛攻を仕掛けるものの、ファウルで何度も止め、そこからのセットプレーも防ぐことでスラヴェンはゴールを割らせません。
後半にプレッシャーを高めてきたアリスの最大のチャンスは57分、FWコケが落としたところにカルヴォが近距離でシュートするも、スラヴェンのGKロディッチがセーブ。
そして64分、DFプリッチが左サイドから左足でゴールへと迎うクロスボールを上げると、そこにはオフサイドトラップを抜けたFWヴルチーナが。足を伸ばしてボールを合わせ、値千金の勝ち越しゴールを決めます。
アリスがリスク承知で攻め込んできたのに対し、スラヴェンも引きこもることなく勇敢に3点目を奪いに行ったことで、アリスは次第に攻め手を失います。最後の何分かはスラヴェンもピンチを幾度と迎えますが、拙攻や運にも助けられてリードを保ち、2-0で勝利。トータルスコア2-1で勝利し、UEFAカップ一回戦へと見事にコマを進めました。ペトコヴィッチ監督は「大きな自信はあった」と勝利に胸を張っています。

試合のニュース動画(クロアチア国営放送)は以下で見られます。
ディナモ・ザグレブvs.シャフタール・ドネツク
ハイドゥク・スプリトvs.デポルティーボ・ラ・コルーニャ
スラヴェン・ベルーポvs.アリ・テッサロニキ

そして28日、UEFAカップ一回戦の抽選会が行われました。ディナモ・ザグレブはスパルタ・プラハ、スラヴェン・ベルーポはCSKAモスクワを引いています。
ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「難しい相手だが、越えられない相手ではない。チェコ・サッカーのクオリティは世界的に知られており、スパルタ・プラハは国内リーグの頂点だし、長い伝統と実力を持ったチームだ。第一戦(9/18、ザグレブ)はしっかりと準備しなくてはならない。チームのプレーの穴を埋めることで、組織力と真剣勝負を持ってして勝つことはできる」
とコメントしています。またリバプールなどの活躍で有名なスパルタ・プラハ所属のベテラン、パトリック・ベルガーは
「ディナモと対戦するのは我々にとって非常に難しいことだろう。バルカンのチームはテクニック面で強いかしらね。またディナモは熱烈なサポーターを抱えたクロアチアで最も人気のあるクラブだ。(予備戦三回戦で対戦した)パナシナイコスの時と同じほど激しい雰囲気のアウェーマッチが待っている」
と警戒しています。初戦は9月18日、第二戦は10月2日に行われます。

posted by 長束恭行 |22:48 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2008年08月28日

自滅したディナモ・ザグレブ、シャフタールに屈する/チャンピオンズ・リーグ予備戦三回戦第二戦

スルナとバデリ26日、チャンピオンズリーグ予備戦三回戦第二戦「ディナモ・ザグレブvs.シャフタール・ドネツク」が、ディナモの本拠地マクシミール・スタディオンで行われました。
二週間前の第一戦はシャフタールが2-0と勝利。ディナモにとっては2点のビハインドを追うことになります。1997年以来、私はこのラウンドでニューキャッスル、ディナモ・キエフ、アーセナル、ヴェルダー・ブレーメンと沈められた場面しか見てませんが、5度目の正直とばかり取材に足を運んできました。

ディナモ・ザグレブはGKブティナ、DFエトーが怪我で欠場。またFWタディッチも先週末の試合で足首を痛め、バラバンがワントップの位置へと入りました(4-2-3-1)。
GKケラヴァ-(右から)DFミキッチ、ドゥルピッチ、ビシュチャン、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、バデリ-モラレス、マンジュキッチ、サミール-FWバラバン

シャフタール・ドネツクは国内リーグでの不調が続き、23日にも格下ボルスクラに0-1で敗北。これまで6節を終わって勝点6しか奪えず9位に甘んじています。
ライバルのディナモ・キエフは2位で勝点13、また同じ市にあるメタルルフ・ドネツクが全勝で勝点18を考えれば、かなり出遅れてしまっていると言えましょう。しかしながら、彼らの欧州での命題はチャンピオンズ・リーグ出場であり、ルチェスク監督は守備に配慮した4-2-3-1システムを採用。前回は3トップの中央だったブランドンが左サイドのMFとなり、ワントップにはアドリアーノが入りました。またシャフタールのキャプテンでもあり、クロアチア代表では左MFを務めるスルナは前試合と同様に右サイドバックへと入りました。
GKピヤトフ-DFスルナ、クチェル、チグリンスキー、シェフチュク-MFドゥリャイ、ヒュプシュマン-、ヴィリアン、フェルナンジーニョ、ブランドン-FWアドリアーノ


BBB前半は攻めるディナモに守るシャフタールという構図になりましたが、ディナモはパスを繋げようにもゴール前をしっかり固めたシャフタールのディフェンスをこじ開けることができません。シャフタールはボールを奪って攻撃に転じると、基本的には前線の4人のブラジル人の個人技を頼りにしたサッカーを展開します。
ディナモにとって望みの少ない試合とはいえ、マクシミール・スタディオンには2万人ほどの観客が集まって応援が繰り返されました。しかしながら、過激なサポーターグループのBBBは北側のゴール裏(写真)と東側のバックスタンドに分かれ、マミッチ副会長を批判すべく「マミッチ」「ジプシー」のコールの掛け合いを繰り返したり、スプリト出身のスルナがタッチライン際に来るとライターが投げつけられ、またセルビア代表のドゥリャイには「死ね、セルビア人」(正確に言えば彼の父親はアルバニア人)と叫ぶなど、やりたい放題でした。
最初のディナモのチャンスは5分、ミキッチの右のスローインからマンジュキッチが踵を使ってボールをモラレスへ。ブラジル戦を控えるチリ代表に召集されたばかりのモラレスは20mの距離でドライブシュートを放ちますが、クロスバーを越えてしまいました。
シャフタールは8分、フェルナンジーニョの浮き球からアドリアーノがゴールを背にしながらループシュートを狙うもののGKケラヴァがセーブ。また18分、スルナの右CKに対してドゥルピッチがヘディングの目測を誤り、ボールはフリーのブランドンに。しかし、トラップからのシュートは右ポストを逸れていきます。
アドリアーノとチャゴ20分にはサミール→モラレス→バラバンとパスを繋ぎ、ペナルティ外からバラバンがミドルシュートを放つもののGKピヤトフの正面に終わります。21分には右サイドのミキッチからアーリークロスがペナルティエリアのバラバンの足元へと収まり、シュート体制に入るところをクチェルに倒されたかのようにシミュレーション。イングランドのマイク・ライリー主審を騙すことはできず、バラバンはイエローカードを取られました。
若さのせいかプレーで堅さが見られ、攻守の両面でミスが目立った19歳のバデリをイヴァンコヴィッチ監督はベンチへと下げ、35分にチャゴをセントラルMFへと送り込みます。この選手交代が結果的には失敗でした。
42分、自陣のゴール近くでボールをカットしてビシュチャン→ドゥルピッチ→ミキッチとエンドライン際でボールをスライドさせたのち、前方のチャゴへとパスを送ったものの、チャゴ(写真左)は何を血迷ったかゴール前のビシュチャンへ不正確なバックパス。そんなサービスボールをアドリアーノ(写真中央)がさらい、無力なビシュチャンをかわしてシュートを流し込みました。これでディナモは4点取らないと突破できないこととなり、事実上のジ・エンド。これまで欧州の舞台で伝統的にやらかしてきた"くだらなく、かつ致命的な"失点をまたして見せてしまいました。


ミキッチが足首を痛めたことで右サイドバックにロヴレンを入れて後半がスタート。しかしながら、ディナモは勝利が絶望的になったことで意気消沈。シャフタールは好き放題にボールを回しながら、子供相手にレッスンするかのようなサッカーをやりました。
喜ぶシャフタールの選手たちそれでも57分、バラバンがゴール正面20mの距離から直接FKをゴール右上へと叩き込んで1点を返します。
しかしながら1分後、左サイドでオーバーラップしてきたシェフチュクがフェルナンディーニョからパスをもらい、ペナルティエリアに侵入。誰も止めに行こうとせず、最後はゴール前のブランドンへと繋ぎ、あっさりとシュートを決められて1-2。
69分にはフェルナンディーニョのスルーパスにヴィリアンが左からシュートを流し込んで1-3。ヴィリアンをマークするはずのフルゴヴィッチも全力で追いかけることはせず、奪われて当然のゴールでした。
このゴールをきっかけに観客はどんどんと客席を立ち、最後まで観戦したい物好きと自己愛から応援を繰り返すBBBだけがスタジアムに残りました。試合は1-3、トータルスコア1-5でディナモ・ザグレブは三年連続でチャンピオンズリーグ予備戦三回戦にて姿を消すことになりました。


試合後、シャフタールのルチェスク監督(写真)は
ルチェスク「ディナモは優秀な選手が随分と去ってしまい、昨年よりも弱くなっている。我々は戦術的には上手くやっただけに、我々に対しては勝利できなかったよ。ディナモの選手はプレッシングをかけてきたものの、そのプレースタイルに我々は慣れてしまったんだ。またボールを回すことでマンジュキッチをわざと走らせ、彼を疲れさせるようにしたのだが、ストッパー間でボールを回す際にはとりわけ注意させた。そして我々が最初のゴールを奪った後、彼らがゲームを振り出しに戻すのは不可能となった。それでゲームをコントロールしたんだ。ディナモにはUEFAカップで成功することを望んでいるよ」
と語っています。ルチェスク監督が記者会見の場を去ったのち、イヴァンコヴィッチ監督が記者会見の場に現れ、
「これが我々の現実だ。建設途中のチームであり、欠点や弱点は認識している。シャフタールが我々より優れたチームは明らかだった。しかしながら、もし我々が最初のゴールを決めていたならば、さらに熱くなったのかもしれないね。
シャフタールの勝利を祝福したいし、チャンピオンズリーグでより良い結果を残すことを願っている。とはいえ、我々も今日は希望を抱きながら、勝利にトライしたんだ。その一方で、最初のゴールが試合の方向性を決めることも意識していた。残念ながら許されない時間帯に、それも明らかな我々のミスで失点をしてしまった。そこから4点を奪えるなんて期待は難しかった」
と、淡々と敗北について述べています。


これで予備戦三回戦においてディナモは10連敗。来季からはチャンピオンズ・リーグのレギュレーションが変わり、5年間の欧州カップのポイントに基づくUEFAランキング13位~53位の国で5つの枠を巡る予備戦が行われることから、ディナモにとってはチャンスが広がります(クロアチアは現在27位)。来季以降に期待ということになるのでしょうが、その前に今季のUEFAカップで一回戦を突破し、リーグラウンドに出場できるよう意地を見せて欲しいところ。ちなみに去年はアヤックスを倒してリーグラウンドに進出し、そこで"やらかし"を連発し、リーグ敗退をしています。


個人的にこの日の見所だったのは、北京五輪のテコンドー女子57kg級で銅メダルを獲得したザグレブ出身のマルティナ・ズブチッチ(写真・試合動画)がゲストとして試合に招待されたことでした。
マルティナ・ズブチッチ笑顔が非常に可愛い女性で、試合前にはスポーツ・ディレクターのゾラン・マミッチから彼女に花束とユニフォームがプレゼント。ユニフォームには彼女の年齢にちなんだ「19」の背番号と「ZUBCIC」の名前が入っていました。
ちなみにクロアチアは北京五輪で銀メダル2つ、同メダル3つを獲得。34連勝中で金メダルは確実とされていた女子走り高跳びのブランカ・ヴラシッチは残念ながら銀メダルどまり。それでも昨日はスプリトで大々的な歓迎式典が行われました。
あとの残りは男子体操個人あん馬でフィリップ・ウーデが銀メダル、女子射撃エアライフルでスニェジャナ・ペイチッチが銅メダル、テコンドー女子67kg級でサンドラ・シャリッチが銅メダルを獲得しています。


posted by 長束恭行 |10:28 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2008年08月27日

カザフスタン戦、イングランド戦を控えたクロアチア代表メンバー発表/クラニチャール、全治2~3ヶ月

26日、クロアチア代表監督のスラヴェン・ビリッチ監督は来月6日の対カザフスタン戦、10日の対イングランド戦に向けたクロアチア代表メンバー22名を発表しました。
マンジュキッチクラニチャールが怪我のため外れ、新たな召集としてはディナモのFW/MFマンジュキッチ(写真)が選ばれています。また補欠召集ではありますが、第3GKの扱いとしてハイドゥクのGKスバシッチが挙がりました。

カザフスタン戦について聞かれたビリッチは
「カザフスタンはアンドラやサンマリノよりもずっと優れた真剣なチームともいえる。とりわけホームでは強く、セルビアやポルトガルといったチームもつまずいたことは知られている。アウェーでは80%の試合に負けているとはいえ、5-0で倒せるような相手ではなく、いつも結果は2-1、3-1、2-0といったような感じだ。つまり、(前予選で一緒だった)エストニアと似たランクのチームだ」
と述べ、イングランド戦のことを聞かれると
「カザフスタン戦が終わるまで、つまり日曜(9月7日)の朝まではイングランドに関して話したくはない。いくらイングランド戦がアトラクティブな試合だといってね」
と言葉少なでありました。カリニッチとマンジュキッチは他のFWの調子次第では、U-21欧州選手権予選のアルバニア戦(5日)とイタリア戦(9日)があるU-21クロアチア代表へと貸し出す可能性があります。

代表メンバーは以下のようになります。

GK:
スティペ・プレティコサ  (スパルタク・モスクワ/ロシア)
ヴェドラン・ルニェ    (ランス/フランス)
DF:
ダリオ・シミッチ       (モナコ/フランス)
ロベルト・コヴァチ     (ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
ヨシップ・シムニッチ    (ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
ヴェドラン・チョルルカ   (マンチェスター・シティ/イングランド)
ダリオ・クネジェヴィッチ  (ユベントス/イタリア)
フルヴェイエ・ヴェイッチ  (トムスク/ロシア)
イヴィツァ・クリジャナッツ (ゼニト・サンクトペテルブルク/ロシア)
MF:
ニコ・コヴァチ        (レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)
ダリヨ・スルナ       (シャフタール・ドネツク/ウクライナ)
イェルコ・レコ       (モナコ/フランス)
ルカ・モドリッチ      (トットナム・ホットスパー/イングランド)
ダニイェル・プラニッチ   (ヘーレンフェーン/オランダ)
イヴァン・ラキティッチ   (シャルケ04/ドイツ)
オグニェン・ヴコイェヴィッチ(ディナモ・キエフ/ウクライナ)
ニコラ・ポクリヴァチュ   (モナコ/フランス)
FW:
ムラデン・ペトリッチ    (ハンブルガーSV/ドイツ)
イヴィツァ・オリッチ    (ハンブルガーSV/ドイツ)
イヴァン・クラスニッチ   (ナント/フランス)
ニコラ・カリニッチ     (ハイドゥク・スプリト/クロアチア)
マリオ・マンジュキッチ   (ディナモ・ザグレブ/クロアチア)

補欠メンバー:
GKダニイェル・スバシッチ  (ハイドゥク・スプリト/クロアチア)


またアルバニア戦とイタリア戦(ともにヴァラジディン開催)で行われるU-21クロアチア代表メンバーは以下のようになっています。
ドラジェン・ラディッチ監督は、個人的に対立しているリエカのMFアナス・シャルビーニを「かつてよりプレーが落ちている」という理由で外しています。またディナモが先のボスニア・ヘルツェゴビナとの親善試合の召集を拒否したMFミラン・バデリとFWヨシップ・タディッチですが、ラディッチがクラブ側と話し合いを済ませており、今回は召集に応じています。

GK:
アントニオ・イェジーナ  (ザダール)
イヴァン・ケラヴァ    (ディナモ・ザグレブ)
シルヴィオ・ロディッチ  (スラヴェン・ベルーポ)
DF:
カルロ・シメク      (ヴァルテクス・ヴァラジディン)
ドマゴイ・ヴィーダ    (オシエク)
マヌエル・パミッチ    (レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)
イヴァン・ステゥリニッチ (ハイドゥク・スプリト)
アンテ・クルシッチ    (シベニク)
クリスティアン・イプシャ (ミドティランド/デンマーク)
マリオ・マロチャ     (ハイドゥク・スプリト)
イゴール・プラヒッチ   (ヴァルテクス・ヴァラジディン)
MF:
ミラン・バデリ      (ディナモ・ザグレブ)
マト・ヤヤロ       (スラヴェン・ベルーポ)
マルコ・ディニャール   (テレク・グロズヌイ/ロシア)
アンドレイ・ケーリッチ  (スロヴァン・リベレツ/チェコ)
マリン・トマソフ     (ザダール)
クレショ・リビチッチ   (アントラフト・フランクフルト/ドイツ)
イヴォ・イリチェヴィッチ (グロイター・フュルト/ドイツ)
FW:
トミラスフ・ブシッチ   (ハイドゥク・スプリト)
ヨシップ・タディッチ   (ディナモ・ザグレブ)
マティヤ・スムレカール  (ヴァルテクス・ヴァラジディン)


クラニチャールポーツマス所属のクロアチア代表MFニコ・クラニチャール(写真)が、20日のスロベニア戦におけるMFキルムのタックルで右足首の上、腓骨と脛骨の間にある靭帯結合を損傷しており、今日ロンドンで手術が行われました。無事に手術は成功。この先6週間は松葉杖を使い、ピッチに戻るまでには2~3ヶ月必要とのこと。ワールドカップ予選のカザフスタン戦、イングランド戦、ウクライナ戦は欠場することになりますが、今の代表チームには必要な選手であり、コーチ陣はいずれ彼の見舞いへと訪れるそうです。


今月20日に17歳の誕生日を迎えたばかりのハイドゥク・スプリトのMFマリオ・ティチノヴィッチが、26日にプロ契約を結びました。小柄ながらボディバランスを活かしたドリブルとボールテクニックに優れ、「クロアチアのネドヴェド」と将来性を期待される彼は今季、左MFのレギュラーを獲得。これまでプロ契約の際にユース選手が条件の低さから他チームへ逃げることの多かったハイドゥクですが、代理人がイゴール・シュティマッツの弟ダミールということもあり、ティチノヴィッチとはFIFA規則では未成年最長となる3年契約を結びました。成年になり次第、更なる複数年契約を結ぶ予定です。ティチノヴィッチは
「ダルマチア地方出身の子供は誰もがハイドゥクでプレーすることを夢としているだろう。僕の夢は実現し、今は本物のプロサッカー選手となったんだ。ハイドゥクで、それもレギュラーとしてね」と記者会見で喜びを語っています。
ちなみにハイドゥクはドムジャレ所属のMFアンドラージュ・キルム(前述のクラニチャールを怪我させた選手)にオファーを出したもののキルム本人が拒否。またヴチェヴィッチ監督はスピードあるFWを望んでいることもあり、スラヴェン・ベルーポ所属の元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWのアスィム・シェーヒッチ(27)に関心を高めていると報じられています。ちなみにシェーヒッチはリエカのMFニコラ・シャフリッチとの交換トレードの話があったものの、リエカとの年俸交渉で決裂しています。


posted by 長束恭行 |22:36 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2008年08月25日

12年ぶりのナイトゲーム~クラニチェヴィチェヴァ・スタディオン

クロアチアの首都ザグレブにはディナモ・ザグレブの陰に隠れた「NKザグレブ」というクラブがあります。

クラニチェヴィチェヴァ・スタディオンクロアチアで取材を初めて以来、ディナモのマクシミール・スタディオンに次いで訪れるスタジアムが、ザクレブの本拠地クラニチェヴィチェヴァ・スタディオンです。8月24日、真新しい照明塔が立てられ、まばゆいばかりの光の下で試合が行われました。今季のクロアチア一部リーグは照明塔がないスタジアムでの試合開催が許されず、NKザグレブは第3節のハイドゥク・スプリト戦でマクシミール・スタディオンを間借りしていただけに、5節目にしてホームの試合を自らのスタジアムで初めて開催したことになります。

19世紀末から20世紀初めに活躍したクロアチアの詩人シルヴィエ・ストラフミール・クラニチェヴィッチの名前を冠した通りにあることから、クラニチェヴィチェヴァ・スタディオン(正式にはStadion Kraniceviceva)と呼ばれるこのスタジアムは、実に古い歴史を持っています。(写真はクラニチェヴィチェヴァ通り)
クラニチェヴィチェヴァ通りコンコルディアというクラブが今のクラニチェヴィチェヴァに本拠を構えたのが1914年。スタディオン・コンコルディエと呼ばれたスタジアムでしたが、第一次大戦には軍に接収されてバラックが建てられ、1919年に土地が返却された時にはまったくスタジアムとして使えないものでした。
戦後に再建が始まり、南東欧では初めての照明塔が設置された近代的スタジアムが1921年に作られます。当時としてはザグレブ最高のスタジアムであり、ユーゴスラビア代表や独立国クロアチア代表の試合をはじめ、数々の試合の会場となりました。
そして第二次大戦後はザグレブ・スポーツ同好会の本拠が構えられ、同時にNKザグレブの本拠地となりました。ピッチが芝となったのは1958/59シーズンとはいえ、木製の客席はマクシミールから持ちこれまたもの。しかしながら、1977年11月29日、新スタジアム建設計画の最中にその木製の客席が大火事に見舞われてしまいます。ユーゴ時代、そしてクロアチアが独立した以降も大規模なスタジアム建設が生まれるも全てが頓挫。最近はスタジアムを商業地区に変えて、本拠地をザグレブの南に移転する計画が出たのですが、これはクラブを支持する人たちによって大きな反対を受け、何とか生き延びてきたのです。

クラニチェヴィチェヴァの観客なぜかピッチの周囲にはトラックではなく、自転車用のバンクがある風変わりな造り。クラニチェヴィチェヴァ通りに面していた壁が倒れ、今ではそこが鉄柵なためにタダ見も可能です。かつては入り口の看板すらも壊れていたオンボロ・スタジアムですが、ここ最近はメインスポンサーであるザグレブ市の援助もあり、昨年には木製のベンチのような客席がプラスチックの背もたれ付きの椅子となり、穴が空いていた階段もトタンで覆われるようになりました。まだまだ他国のスタジアムと比べたら貧相とはいえ、ジャーナリスト用の席までも設けられるまで成長してきました。
収容人員8000人と言われていながら、きっと5000人も入らない小さなスタジアム。年金生活者の年間シートが100クーナ(約2250円。通常の年間シートは300クーナ)ということもあって、やってくる観客はコアなジイサンばかり。平均観客が1000人程度ながらマクシミール以上にクロアチアのサッカーがリアルに感じられる場所であり、やたらと馴染みの顔と会える場所ということで、個人的には大好きなスタジアムなのです。

そんな愛すべきクラニチェヴィチェヴァに8月21日、600万クーナ(約1億3500万円)をかけ、照明部分はフィリップス製という高さ36mの4本の照明塔が立ちました。クラニチェヴィチェヴァに照明塔が立ったのは初めてではありません。前述の通り、南東欧最初の照明塔が立ったのはこのスタジアム。また1987年にザグレブでユニバーシアード夏季大会が開催されたのをきっかけに、メイン会場だったマクシミールの照明塔が新たに建てられたのですが、マクシミールのお古をクラニチェヴィチェヴァが頂くことになりました。しかし、1996年に落雷に遭って故障し、使い物にならなくなった照明塔は倒れる危険性のため撤去されることになりました。以後、このスタジアムで試合が行われるのはあくまで日中だけに限られてきたのです。

オシエクに勝利して喜ぶザグレブの選手たち私がザグレブに移り住んだのが2001年9月。到着してから2日後、最初に見た試合会場がクラニチェヴィチェヴァでした。もちろん照明塔がなかった頃です。2001/02シーズン、ズラトコ・クラニチャール監督(前クロアチア代表監督)の指揮下、開幕以来6勝1分で首位をひた走り、第8節で迎えた相手はトシュク。現代表のFWイヴィツァ・オリッチをワントップにした4-2-3-1システムがズバリとはまり、オリッチの4ゴールもあって8-0で爆勝(詳しくは当時のレポートにて)。その後も彼らはクロアチア・リーグを席巻し、初優勝を果たしました。
1991年のクロアチア独立以来、クロアチア・リーグで優勝したのはディナモ・ザグレブ、ハイドゥク・スプリトの二強以外はザグレブのみ。二部降格も経験もしていない、クロアチアでは強い部類に入るクラブです。それなのに照明塔もないオンボロ・スタジアムを我が家としていました。リーグ優勝後は財政難に陥り、破産寸前の苦しい時代を経験しましたが、ここ2シーズンはブラジェヴィッチ監督の下、しっかりと若手も成長してきました。金にモノを言わせるディナモが巨人ならば、ザグレブは広島みたいなもの、という表現が分かりやすいでしょうか。東京ドームよりも広島市民球場がボールパークらしいように。

ビエリ・アンジェリ私がよく出入りする場所からはこのクラニチェヴィチェヴァ・スタディオンが一望できます。毎日ベランダからどんな風に照明塔が立てられるのかをチェックしてきました。まずは土台が築かれ(もちろん配線なども)、四本の照明塔が運び込まれると、クレーンを使って8月20日に三本が立てられ、そして21日正午に最後の一本が立ちました。四本が立った瞬間には労働者が抱き合って喜んだそうです。
そして木曜日、金曜日とテストが繰り返されると共に、サッカー協会のライセンス委員会の試合開催の認可を待ちました。マクシミールを間借りすると電気代以外に二倍の経費が掛かることもあって(7万クーナ…約45万円)、自分のスタジアムで試合を、とクラブ側も願っていたのです。
同じくクラニチェヴィチェヴァでの試合開催を望む人たちもいました。ザグレブのサポータークラブ「ビエリ・アンジェリ(写真・"白天使"の意)」です。彼らは先日のハイドゥク戦ではマクシミールでの応援をボイコット。ラジオを聴きながら無人のクラニチェヴィチェヴァで応援を繰り返したのです。照明が点いた木曜日の夜には歓喜の余り、スタンドへと忍び込み、静かな夜空に煌々と光る照明の下で応援のコールを繰り返す数人のビエリ・アンジェリがいました。そんな彼らのコールが聞こえてくると、スタジアムを通い続けた仲として何となく嬉しさを共感できる気がしました。

スイッチを入れた直後試合開催のライセンスを取得し、24日にオシエク戦を迎えることができました。かつての照明塔が壊れる以前、つまり1996年の最後のナイターもオシエク戦だったとのこと。12年ぶりのナイターに集まった観客は2500人ほど。それでもいつもより倍の観客です。スタジアムにはザグレブ市長に就任以来、やたらとインフラ整備や箱物建設にこだわる"土建屋市長"ことミラン・バンディッチ(左)も現れました。彼とクロアチア・サッカー協会事務総長ゾリスラフ・スレブリッチ、そしてザグレブのかつての名選手ズラトコ・シュコリッチとジェリコ・スモレクらによって照明塔にスイッチが入ります。

爺さんマクシミールでカメラを構えると照明の暗さに悩まされるのですが、クラニチェヴィチェヴァの照明は2000ルクス以上。いつもと違う感覚に心躍りながらファインダーを通して選手を追いかけました。試合は88分、ヴグリネツの逆転ゴールで2-1で勝利。試合後、メインスタンドで顔なじみの伝説的サポーター"爺さん"(写真・彼愛用のNKザグレブのユニフォームには100の背番号と共に"DEDA"-"爺さん"とある)に挨拶するとこちらの手をギュッと握りしめてこう語ります。
「あの照明を見たかね! マクシミールよりずっと美しかったじゃろ。わしゃ、12年も待っていたんだ…」
このような熱い想いをしたスタンドのオールドファンはきっとたくさんいたことでしょう。

次のクラニチェヴィチェヴァでのナイトゲームは、ディナモとのダービーマッチ(9月14日)。この試合ではもっと多くのザグレブ市民が訪れ、オンボロ・スタジアムに似つかわしくないクラニチェヴィチェヴァの美しい照明に感銘を覚えることでしょう。


posted by 長束恭行 |23:24 | サッカーコラム | コメント(0) |
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2008年08月25日

クロアチア・リーグ第5節/ディナモ、ザダール相手に逆転勝利

23日・24日とクロアチア・リーグ第5節が行われました。

首位ディナモ・ザグレブは最下位ザダールと対戦。今季から照明塔のないスタジアムではクロアチア一部リーグの試合開催が許されていないのですが、このほどザダールのスタノヴィ・スタディオンには照明塔が設置されたことで、ザダール初のナイター試合が行われました。
ディナモにとってはウィークデーを観光地ドゥブロヴニクで息抜きした直後の公式戦。いまだにGKブティナとDFビシュチャンは負傷から癒えていません。一方のザダールは昨季のチュスティッチの死亡事故以来、いまだにチームそのものが立ち直れていないのが実情です。
試合は思わぬ展開で進みます。イヴァンコヴィッチ監督が試合後、
「MFヴルドリャクが接触プレーで足を避けるのを見た時、これは最低の試合になると分かった」
とコメントしたように、ディナモの選手たちは消極的なプレーに陥ります。
開始20分、ザダールのFWミトゥロヴィッチがゴール前のボールへと突進し、DFドゥルピッチのタックルをかわすとGKケラヴァと一対一に。ケラヴァが足をすくった形になってPKとなり、これをキャプテンのMFジュパンが左に決めて先制に成功します。
先発出場のFWタデッチが足首を負傷し、31分にFWバラバンが途中交代で出場。その1分後、さらにザダールがリードを広げます。右サイドからジュパンが右クロスを上げると、昨季の得点王であるFWテルケシュがゴール前でヘディングで合わせ、2-0となります。
さらに34分、U-21代表MFトマソフがドリブルからワンフェイントでドゥルピッチをかわすと、そのまま突進して左足でシュート。これはGKケラヴァの好セーブで防がれます。

バラバン後半に入り、イヴァンコヴィッチ監督に渇を入れられたディナモの選手たちが目覚めます。55分、バラバン(写真)が左20mの位置でFKを得ると、ボールはワンバウンドして右ネットへと突き刺さって1点差。バラバン曰く、トレーニングでもこなしてきたセンタリングのパターンのはずが誰に触れることもなく、かつザダールGKイェジーナが判断を誤ったことで生まれたゴールとのこと。
その6分後にはロングパスを左サイドでもらったMFマンジュキッチがDF二人を引っ張りながらペナルティエリアへ侵入し、右足で右隅にシュートを決めて2-2と振り出しに。
71分にはDFフルゴヴィッチの縦パスをもらったバラバンがトラップでマーカーを外して縦へと突進し、角度のない左からシュートを決めて逆転に成功。これまでスランプでサポーターの槍玉に挙げれていたバラバンでしたが、この試合は覚醒した感がありました。一方、ザダールのイェジーナにとっては3失点いずれも反応のまずさによるものでありました。
そのイェジーナとU-21代表で正GKのポジション争いをしているケラヴァはトマソフの強烈なミドルシュートを止めると、終了間際も素晴らしい飛び出しでゴールを救い、ディナモの勝利に貢献しました。
水曜日にチャンピオンズ・リーグ予備戦三回戦で、2点ビハインドの状態にてシャフタール・ドネツクを迎えるディナモにとっては2点差を繰り返す縁起の良い試合となりました。
またザダールの司令塔であり、ビッグチャンスを作ったMFトマソフに対して、ディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチは200万ユーロの移籍金を提示したとのこと。ザダールの実権は外部協力者のレノ・シノヴチッチ(代理人業にも手を染めるビジネスマンで、いわゆるサッカーマフィアの一人)に握られているのですが、試合前、ハーフタイム、試合後の三度に渡ってシノヴチッチにトマソフを譲るよう説得したようです。しかし、シノヴチッチは
「トマソフを売ることに問題はないが、彼に関するオファーを私は5つ持っている」
としてオファーを拒否。マミッチは
「これほどの額のオファーを拒否するなど、私にとって理解不能だ」
と愚痴をこぼしています。

トミッチまた前の記事で、ディナモのMFフランク・マンガ・グェラが退団に際して、MFアンテ・トミッチ(写真)が練習中に人種差別発言をしたという話に触れましたが、昨日、トミッチがディナモのクラブハウスで公式記者会見をしました。
自動車の修理を巡ってグェラと喧嘩をしたことは認めたものの、人種差別発言に関しては否定しています。
「人生を通して決して"黒んぼ"なんて言葉を発したことがないんだ。グェラにも言ったことはないし、誰に対しても言ったことはない。そんな教育を僕は受けていないよ。両親が僕に人種差別的な考えを植えつけたことなんてなかった。彼が車をぶつけたことは許したとしても、彼の重い批判は許すことはできない。練習中の衝突に関しては、グェラが僕を殴ってきた。チームメイトが止めなかったら、もちろん僕もやり返すつもりだった」
グェラとトミッチのどちらが本当のことを言っているかは分かりませんが、昔からトミッチは私に対してフレンドリーに接しているだけにグェラのインタビューを最初に聞いた時には正直辛いものがありました。ちなみに3年の契約を残していたグェラの退団に関しては、代理人とマミッチ副会長の間で合意に達しており、人種差別に関しても訴えることはないと報じられています。


10位に甘んじるハイドゥク・スプリトは、2位スラヴェン・ベルーポをホーム、ポリュゥド・スタディオンに迎えました。
開始7分、DFチャバルの左FKからあっさりとFWユリッチのヘディングシュートを許し、ハイドゥクは先制点を奪われてしまいます。
カリニッチとはいえ、ハイドゥクはホームの意地もあって主導権はしっかりと手中に。20分、FWカリニッチ(写真)が相手をかわしながら中央突破し、左サイドに走り込んだFWバルトロヴィッチにスルーパス。しかしながら、バルトロヴィッチのシュートはGKロディッチの正面を突いてしまいました。
34分にはカリニッチがMFビレンをかわしてGKと一対一の形を作るものの、ロディッチの飛び出しで防がれてしまいましたが、40分、MFアンドリッチの右CKのボールにバルトロヴィッチがヘディングで触れ、それからゴール前のカリニッチが右足で合わせて同点に追いつきます。
後半もハイドゥクがチャンスを作れど、なかなかゴールが生まれない状況でしたが、70分に縦パスに抜け出したカリニッチがペナルティエリアでボールをカットしようとしたDFログリに倒された形となりPK。これを右に蹴り込んで勝ち越すと、その7分後にも右クロスに飛び込んだカリニッチをログリが引っ張り倒したとしてPK。これもまた右に決めてハットトリックを達成しました。
カリニッチの活躍で3-1で勝利を収めたハイドゥクは、第1節のザダール以来の勝利となり、7位に浮上しています。


ザダール同様、照明塔が設置されて今季初めて本拠地クラニチェヴィチェヴァ・スタディオンで試合を行ったザグレブはオシエクと対戦。私も今季初めてザグレブの撮影取材をしてきました。
ヴグリネツ前半はお互いが組織立った攻撃ができず、またシュートミスやパスミスの連発でに閉塞状態にはまった試合でしたが、後半から試合が動きます。
53分、オシエクのMFクネジェヴィッチが左サイドから突破し、エリア内でポストとなるFWプリモラッツに当てようとしたボールがザグレブのDFメフメダギッチに跳ね返され、それがワンツーの形になって貰い返したクネジェヴィッチが右下隅にシュートを決め、オシエクが先制に成功します。
しかし、ザグレブも60分に俊足FWピシュコールを投入するとエンジンが掛かり、71分、DFチュトゥラが得意のミドルシュートを放ち、オシエクGKスケンデルのキャッチミスもあって同点に追いつくと、88分、MFペイッチの左クロスにFWヴグリネツ(写真右)がヘディングシュートを叩き込んで逆転に成功。ここぞという仕事をこなすベテランの助けもあって、ザグレブが2-1で勝利し、3位へと浮上しています。


全試合の結果はこちらです。試合名をクリックするとクロアチア国営放送のダイジェスト映像が見られます。

Zadar - Dinamo Zagreb
1:0 20' Zupan (PK)
2:0 32' Terkes
1:2 55' Balaban
2:2 61' Mandzukic
2:3 71' Balaban (71)

Hajduk - Slaven Belupo 3:1

Hajduk Split - Slaven Belupo 3:1 
0:1  7' Juric
1:1 40' Kalinic
2:1 70' Kalinic (PK)
3:1 77' Kalinic (PK)

Zagreb - Osijek 2:1

0:1 54' Knezevic
1:1 71' Cutura
2:1 88' Vugrinec

Cibalia Vinkovci - Inter Zapresic 4:3
1:0 10' Pavlicic
1:1 22' Sivonjic
1:2 48' Sivonjic
1:3 54' Sivonjic
2:3 58' Mesic
3:3 68' Husic
4:3 70' Malcic

Croatia Sesveta - Rijeka 0:1
0:1 27' Ljubovic

Varteks Varazdin Sibenik 2:1
1:0 16' Brezovec
2:0 24' Smrekar
2:1 45' Bozic

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ (勝点15)
2位…スラヴェン・ベルーポ (10)
3位…ザグレブ (9)
4位…オシエク (8)
5位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (7)
6位…リエカ (7)
7位…ハイドゥク・スプリト (7)
8位…チバリア・ヴィンコヴチ (7)
9位…シベニク (6)
10位…クロアチア・セスヴェッテ (4)
11位…インテル・ザプレシッチ (4)
12位…ザダール (1)

【ゴール】
5ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
4ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)
3ゴール…バビッチ(オシエク)、ヴルチーナ(スラヴェン)、シヴォニッチ(インテル)、バラバン(ディナモ)、スムレカール(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(ザグレブ)


posted by 長束恭行 |21:16 | サッカーニュース | コメント(0) |
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