2010年08月18日
お知らせです。
今日発売の海外サッカー週刊誌「footballista」8月25日号に二本の記事を寄せています。一つはシャフタール・ドネツク所属のクロアチア代表FWエドゥアルド・ダ・シルヴァのインタビュー。もう一つはスロバキアとの親善試合を踏まえたクロアチア代表の最新情報です。
エドゥアルドは、彼がまだ無名だった2001年に知り合いました(その当時の旅行記)。ディナモ所属の頃はよく会話をしたもので、そんな二人のエピソードもちょこっと書き添えています。
2007年にディナモを去り、アーセナルに移籍してからというもの、ゆっくりと話す機会がなかっただけに、最初は取り合ってくれるか正直心配だったものの、以前とまったく変わらず友人として振る舞ってくれました。30分ほどでしたが、和気藹々とした雰囲気のインタビューに。幾多の困難を味わったエドゥアルドですが、たくましさと優しさの両方を兼ね備え、誰からも愛される彼の性格がにじみ出た内容になったと思います。
宜しければご覧になって下さい。
posted by 長束恭行 |07:14 |
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2010年08月14日
ユーロ2012予選を直前に控えたクロアチア代表の最終テストとなる親善試合「スロバキアvs.クロアチア」が、11日にブラティスラバのパシエンスキー・スタディオンで行われました。
直前のリーグ戦で負傷した左サイドバックのストゥリニッチが欠場したのは誤算でしたが(プラニッチも妻が出産のため代表不参加)、豊富な攻撃陣をビリッチ監督は自由に選択可能。先発にはオリッチをワントップにして二列目にモドリッチ、クラニチャール、マンジュキッチを並べ、ボランチの一角にラキティッチを置いたものの満足に機能せず。スロバキアの手堅い守備に一つのチャンスも生み出せませんでした。
後半からイェラヴィッチがワントップで、二列目をモドリッチ、エドゥアルド、ペトリッチと並べた方が攻撃の形を作れました。
50分にストフが放ったシュートがスルナの足に触れながらゴールに吸い込まれ、スロバキアに先制を喫したものの、その4分後にラキティッチの左CKにイェラヴィッチがヘディングシュートを叩き込んで同点に追いつきます。
57分にイェラヴィッチのシュートが二度に渡ってブロックされ、63分にはエドゥアルドが飛び出したGKムハの頭上にループシュートを試みたもののポストの外へ。75分にはニアに飛び込んだペトリッチにスルナのクロスが届くもGKムハの好セーブ。
ポゼッション(58%/42%)、シュート数(12本/5本)をスロバキアを上回りながら、タレントのポテンシャルを活かしきれない消化不良の試合となりました。
(ダイジェスト動画はこちら)
試合の詳しいレビュー記事は8月18日発売のfootballista誌で書いておりますので、今日は趣向を変えて各選手の働きぶりを振り返ってみます。ちなみにシステムは4-2-3-1です。
(カッコ内の数字はスポルツケ・ノヴォスティ紙の評価…10点満点)
GK ヴェドラン・ルニェ(6)
ここ数ヶ月間は幾度と怪我に悩まされ、所属のランスではレギュラーを失った彼。試合感のなさが心配されたが、仕事が少ない中で40分にストフ、69分にヴィテクのシュートを止めた。後半のストフのゴールでクロアチア代表の無失点記録が564分で途絶えたものの、この試合だけ見ればユーロ予選は安定感あるルニェでスタートするはず。
右SB ダリヨ・スルナ(6)
代表では右MFで起用されることの多かった彼だが、この試合はシャフタール・ドネツクと同じ右SBで先発。積極的にオーバーラップし、鋭いセンタリングを挙げるなど攻撃に貢献。しかし、失点の場面ではストフに振り切られてしまった。その運動量で広範囲をカバーする今のポジションの方が彼には適任。
右CB ヴェドラン・チョルルカ (6.5)
この試合で最も良かった選手の一人。彼自身は右SBのポジションを好むが、CBでも集中力の高いプレーをこなすことを証明した。前半に古傷である右足首に違和感を覚えながらフルタイムをプレー。怪我さえなければ、今後もセンターバックの一角として起用され、クロアチア守備陣の中軸となるだろう。
左CB ゴルドン・シルデンフェルト (6)
コヴァチ弟、クリジャナッツの代表引退ですっかり層が薄くなったCB。現時点ではシムニッチ&チョルルカの組合せがベストだが、ビリッチ監督は信用できるバックアッパーを探してきた。ディナモ時代はポカの多かったシルデンフェルトだが、シュトゥルム・グラーツで成長。この日も合格点のプレーをした。この日はU-21代表に借り出されたロヴレンやヴィーダがライバルか。
左SB ヨシップ・シムニッチ (6)
欠場したストゥリニッチとプラニッチの代役はオールマイティなベテランが務めた。ユーロ2008予選でも左SBを経験し、テクニックに優れた彼だけに無難にはこなせる。しかし、アタッキングサードまで飛び込むことはなく、左右の攻撃のバランスは最後まで整わなかった。
右ボランチ オグニェン・ヴコイェヴィッチ (6)
コヴァチ兄、ユリッチの引退後、ピッチの汚れ役を務めるのは彼しかいないだろう。しかし、持ち味のアグレッシブな守備は陰をひそめ、頻繁に足が止まるラキティッチとのバランスもいまいち。それでも広範囲に動き回ることで中盤の守備を担った。
左ボランチ イヴァン・ラキティッチ (6)
昨季のシャルケでボランチという新たな役割に開眼したことは代表でもプラスになるはず。しかし、効果的なロングパスは通すものの、ショートパスの精度、また積極的な攻撃参加は見られなかった。守備もボール奪取がまだまだ拙い。ただし、セットプレーでピタリと決める辺りはさすが。
右攻撃MF マリオ・マンジュキッチ (5.5)
縦に抜ける強さを買われて先発起用されたものの、スルナのオーバーラップと同時に消えてしまうことに。中央に流れても雑なプレーが多いため、適役とはいえないだろう。ヴォルフスブルクに加入したばかりでまだ疲れがあるかもしれない。
左攻撃MF ルカ・モドリッチ (6)
あっさりと数的優位を作り出す才能で、クロアチア代表の攻撃の核となるべき彼。これまでのボランチではなく、一つ上のポジションにしたのも「彼に守備の負担を減らすことで自由に攻撃させたい」(ビリッチ監督談)ためだった。しかし、ボールの触れる機会がボランチより少なく、存在感がいつもよりなかったのは否めない。
トップ下 ニコ・クラニチャール (5.5)
本人が一番好きなポジションではあるが、怪我から復帰したばかりで身体のキレが戻っておらず、シュート、ドリブル、パスのいずれ精度が低かった。途中からモドリッチとポジションチェンジを繰り返したものの、あまり効果はなし。視野は広いとされる選手だが、近距離における視野は決して広くない。360度で相手に囲まれるトップ下よりも、180度に限定されたサイドの方が持ち味は生きるのではないか。
FW イヴィツァ・オリッチ (5.5)
ディフェンスの裏にスペースが生まれる相手ならば彼は有効なものの、手堅いスロバキア守備陣の中で孤立することに。33分にはペナルティエリアでカルハンに倒されたものの、PKを貰えなかったのも残念だった。守備的な相手が多い予選グループでオリッチをワントップで起用するのは難しい。
(途中交代)
46分~ トップ下 エドゥアルド・ダ・シルヴァ (6)
復帰戦となった昨年のベラルーシ戦でもこのポジションを務め、攻撃のリズムを作った彼だが、シャフタールに移籍したばかりで試合感がなく、二度のシュートチャンスを逃してしまった。それでも攻撃の組立てでは非凡な実力を見せており、万全の彼がチームに戻れば攻撃力はかなりアップするだろう。
46分~ 右攻撃MF ムラデン・ペトリッチ (6)
前半のマンジュキッチよりもプレーの幅が広く、またペナルティエリアにも積極的に飛び込むことで危険な形を作っていた。5月のウェールズ戦ではトップ下でイマイチだったが、このようなサイド起用の方が彼に向いているかもしれない。
46分~ FW ニキッツァ・イェラヴィッチ (6.5)
ラピッド・ウィーンで急成長を続ける長身FWだが、パワーあるヘディング、また貪欲にボールに食らいつくシュートは今の代表チームで武器になることを示した。ビリッチ監督も「素晴らしいセンターフォワードを手にいれた。ジョーカーとしても期待している」とコメント。この調子が続けば、先発起用だってありうる。
70分~ 左ボランチ トミスラフ・ドゥイモヴィッチ -
ラキティッチに代わって出場し、これといった攻撃の場面は作り出せなかったものの、バランスに優れたボランチであることを示した。このポジションの貴重なバックアッパーになるのは間違いない。
ビリッチ監督は攻撃陣のオプションが増えたことを「甘い悩み」だと述べていますが、逆にベストの布陣を築けないことにクロアチア世論は苛立ちを感じています。9月3日のラトビア戦(リガ)、9月7日のギリシャ戦(ザグレブ)からユーロ予選はスタート。とりわけグループ最大のライバルとなるギリシャが新監督フェルナンド・サントスの下、攻撃的チームに生まれ変わり、セルビアとの親善試合をアウェーながら1-0で勝利したことで、多少なりの緊張感が走っています。もう失敗は許されないビリッチ監督だけに、残された時間で最高のオプションを探さねばなりません。
posted by 長束恭行 |16:11 |
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