2009年12月31日
2009年最後のクロアチア・サッカーニュースを。
毎年、クロアチアの日刊紙ヴェチェルニ・リスト紙は11人の審査員の投票によってクロアチア最優秀選手を選出しているのですが、2009年の今年はFWイヴィッツァ・オリッチ(写真)が初めて選ばれました。昨年のオリッチはモドリッチに次ぐ2位に終わったものの、今年はバイエルン・ミュンヘンでの活躍が認められ、ダリヨ・スルナをわずか4ポイントで凌いでトップに立ちました。
受賞を知らされたオリッチ(写真)は
「これは僕のキャリアにおける最高の瞬間だ。今年は理想的な一年だったよ。ワールドカップ予選で敗北したことだけが残念だったけど、素晴らしいことは記憶に残っていくことだろう。ヴェチェルニ・リストが贈るこの賞はいつも一年の最後になると話題にされるもので、誰もがそれを夢にし、誰もが喜ぶものなのだよ」
と嬉しさを語っています。
今年のオリッチは怪我に泣かされた時期もありましたが、復帰してからのバイエルンで馬車馬のような活躍。とりわけチャンピオンズリーグのユベントスとの決戦で勝利に導いた時は連日、オリッチがスポーツ紙のトップの見出しとなりました。ワールドカップ敗退後は代表引退をほのめかした彼ですが、まだまだクロアチアは彼の力を必要とするはずです。
ちなみに投票は、パブロヴィッチ、シュテフリ、トゥドール、パヴリチッチ、ルブチッチ、ラパイッチ、アジッチ、ビエリッツァ、ペテルナッツ、ナドベザ、J.シミッチら11人のサッカー関係者に1~10位で10人の選手を選出してもらい、1位には10ポイント、2位には9ポイント、3位には8ポイント…と配分。その集計ポイントで争われます。今年で38回目となる歴史ある賞で、ユーゴスラビア時代にはセルビア人のドラガン・ストイコヴィッチ(1988年・1989年)も受賞したことがあります。
【2009年度の結果】
1. イヴィツァ・オリッチ 98 P
2. ダリヨ・スルナ 94 P
3. ニコ・クラニチャール 84 P
4. ルカ・モドリッチ 76 P
5. ヴェドラン・チョルルカ 31 P
6. ヨシップ・シムニッチ 24 P
6. ムラデン・ペトリッチ 24 P
8. オグニェン・ヴコイェヴィッチ 23 P
9. ヴェドラン・ルニェ 19 P
10.ダニエル・プラニッチ 11 P
早いもので2009年も残りわずかとなりました。ここ数年、ザグレブでは中国から輸入される爆竹があちこちで鳴らされるようになり、これを聞くと年の瀬を感じるだけでなく、ここでも時代の変化が起きていることを感じる次第です。2009年を振り返れば、私自身も大きな変化が起きた一年でありました。
最後になりますが、今年一年間、当ブログをご愛読頂き、有難うございました。2010年が皆様にとって良い年になることを願っております。
posted by 長束恭行 |06:23 |
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2009年12月18日
先ほどヨーロッパ・リーグ第6節「ディナモ・ザグレブvs.ティミショアラ」の撮影取材から戻ってきました。UEFAの制裁による無観客試合、そして大寒波の到来で気温-8度と厳しい条件下で、すっかり身も心も凍ってしまいました。ここまで寒いとカメラが思うように動かないんですよ、ほんとに。
「心が凍って」しまったのは、40年ぶりの欧州カップ冬越え、すなわちグループリーグ突破の夢があっさりと打ち砕かれてしまったためです。唯一の条件は、ディナモがホームでティミショアラに勝利し、同グループのアヤックスがアンデルレヒトに勝利することでした。
しかしながら、既にグループ突破を決めてモチベーションの欠片もないアヤックスは、ホームながら前半で0-3とリードされる始末(結果は1-3)。ワールドカップ予選の「ウクライナvs.イングランド」の無気力なイングランドの記憶が新しいとはいえ、前半の結果を他の記者から聞いて愕然としました。
一方、ディナモは散々チャンスを作りながらも相手の控えGKに次々止められ、後半に入って集中力が切れたところで2失点。これまたいつもの負けパターンで、結果は1-2。グループリーグではホームで3連敗を喫したことが(アウェー2勝1敗)、3位敗退に繋がる最大の原因とも言えます。初戦ホームのアンデルレヒト戦は誤審に泣かされ(あの第5・6審判の導入は何の意味があったのでしょうか?)、続く2試合のホームは無観客試合となったのが堪えました。ちなみに無観客試合の原因を作ったサポーターのBBBは、2000人ほどが中央広場に集まり、大画面の前で応援したようです(写真)。
アヤックスに然り、ディナモに然り、想定内の展開だったとはいえ、ここまで欧州の舞台でディナモにツキも実力もないと呪いたくもなるものです。これで今年の公式戦は終了。2ヶ月ほどのウィンターブレイクに入ります。試合のレポートは、小旅行から戻る週明けには書こうと思います。
posted by 長束恭行 |08:04 |
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2009年12月16日
プレミア・リーグのトットナム・ホットスパーは、クロアチア代表のMFルカ・モドリッチ、MFニコ・クラニチャール、DFヴェドラン・チョルルカの3人が所属することから、クロアチア国内では冗談めかして「Crottenham」と呼ばれています。ハリー・レドナップ監督はクロアチア選手好きを公言しており、FWマリオ・マンジュキッチやDFデヤン・ロヴレン(共にディナモ)の獲得の噂も挙がっている中、今週月曜日に具体的に一人の選手の移籍話が進められました。それはGKスティペ・プレティコサ(30歳、スパルタク・モスクワ所属)です。
クロアチア代表79キャップを数えるプレティコサは、プレミアでのプレー願望がとりわけ強い選手として知られるのですが、2005年、2006年とフルハム移籍に合意しながらも英国労働ビザ取得の基準だった「直近2年の代表公式戦70%出場」を怪我による代表離脱もあってクリアできず。今年からロシア・リーグの外国人枠が狭まった関係でスパルタクのカルピン監督からレギュラーを外される中、今年8月にトットナムへのレンタル移籍で三者合意に至ったものの、サイン直前のチーム練習で膝の十字靭帯を断裂してしまい、全治6ヶ月の大怪我を負ってしまいました。
運に恵まれず、その後は一人黙々とリハビリを続けていたプレティコサ。すると、控えGKのクディチーニが交通事故に遭い、新たなGKを探しているトットナムが再びプレティコサの代理人マルコ・マレティリッチと接触。スパルタク・モスクワの許可を取り、月曜日にプレティコサをロンドンへ呼び寄せてメディカル・チェックをしました。
復帰が来年の2月下旬にずれ込むため、トットナムは直ぐに獲得は行わないものの、レドナップ監督との話し合いは30分ほど続き、別れ際に「夏にまた会おう」と言ってくれたとのこと。プレティコサ本人も
「今回のロンドン訪問はトットナム側の主導によるものだ。復帰が可能な時期に関しては僕もオープンに語ったよ。彼らは手術した膝の現状を確認したかったらしく、来年夏の僕の獲得に関して真剣に考えてくれている。これは僕にとって大きな自信につながるし、プレミアでのプレーを実現させるために激しい練習を続けていくモチベーションとなるのさ」
と刺激を得たようです。移籍金は100~200万ユーロと高くなく、クロアチアのメディアは「今回で移籍仕事は75%終わったようなものだ」と書いています。
ちなみにプレティコサはインタビューの中でこうも述べています。
「トットナムのキャンプで会った選手のほとんどが、"また一人クロアチア人が来るぞ!"って笑いながら言ってきたんだ。誰もがフレンドリーで素晴らしい人物だったよ。見るからにチームの雰囲気は良さそうだった。
月曜日の夜にはモドリッチ、チョルルカと一緒に夕食を摂ったよ。クラニチャールは子供を産んだばかりの姉を訪れて不在だったけどね。もし僕がプレミア・リーグに来られるのならば、トットナムのような伝統を持ったクラブに来られるのならば、そこには3人のクロアチア代表の仲間や偉大な選手達が揃っているならば……自分の気持ちは言葉にしようがないよ」
これを機にトットナムの3人についても触れましょう。
モドリッチは8月のバーミンガム戦での腓骨骨折からようやく戻り、12日のウォルヴァーハンプトン戦が復帰戦となりました(58分から出場し、結果は0-1で敗北)。
「全く痛みを感じていないことが最重要だよ。まだ僕は100%の調子ではない。プレー感は試合を重ねれば戻ってくるだろう」
と試合前に語ったように、ウォルヴァーハンプトン戦を観た限りではまだまだ本調子とは言えぬ状態でした。その一方でモドリッチの穴を埋めるほどの好調ぶりを見せているがクラニチャール。運動量やオフ・ザ・ボールの動きが課題と言われてましたが、それも克服しつつあります。
「自分の調子には満足しているよ。良いチームに所属したならば、良いプレーをすることはとても簡単だ。トットナムに移籍した初日、僕はチームが持つクオリティに熱狂していると言ったよね。ルカが戻り、これからウッドゲイトとキングが戻ったならば、僕達はプレミアリーグで一番の選手層を持つチームと言える」
とインタビューに答えています。既にチームの月間MVPにも選ばれており、ここ最近の移籍では最もコストパフォーマンスの高い選手だ、とも評価されています。
もう一人のクロアチア人のチョルルカ(写真)に関していえば、ここずっと踵の炎症に耐えながらのプレーを続けています。今季になって精細が欠けるシーンが目立つのはその怪我が原因。クロアチア代表のドクター、ボリス・メネツ氏は
「踵の炎症は手術できる怪我ではない。唯一の療法は安静に保つことだ」
と彼に5週間の安静を勧め、10月の代表合宿は不参加扱いになったものの、トットナムでは休むことなくプレーを続けることに。痛みを止めるために毎週のように血清か自分の血液を患部に注射せねばならず、どこかで休ませる時期が必要になってくるかもしれません。
(ちなみに写真はザグレブ市内の時計屋にかかるチョルルカがモデルのポスター)
posted by 長束恭行 |23:35 |
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