2009年05月22日
5月18日、ワールドカップ2位争いの大事な試合となるホームのウクライナ戦(6月6日・ザグレブ)におけるクロアチア代表メンバー24名が発表されました。
怪我人続出で頭を悩ませる代表監督のスラヴェン・ビリッチ(写真)ですが、彼にとって大打撃となるのはFWエドゥアルド・ダ・シルヴァを完全に欠くことです。エドゥアルドは走ることすらままならない状態であり、復帰を急がず来シーズンに向けて準備することになりました。彼は代表不参加が決まったのち、アムステルダムで左足首に生じた骨の突起部分の撤去手術を行っています。
またDFイヴィツァ・クリジャナッツも足親指の骨折で不参加。ウクライナ選手をよく知るディナモ・キエフのDFゴラン・サブリッチを追加召集しようにも、彼も膝を怪我したばかりのため補欠候補として名前が挙げられています。
MFニコ・クラニチャール、MFダニエル・プラニッチ、DFロベルト・コヴァチらが回復待ち。GKスティペ・プレティコサ、MFニコラ・ポクリヴァチュ、MFイヴァン・ラキティッチ、FWイヴァン・クラスニッチはチームで出場機会に恵まれず、FWニコラ・カリニッチ、FWムラデン・ペトリッチも不調と、ビリッチ監督になってから過去最悪のチーム状態となっています。
コンディションや調子を重視してスタメンを組むつもりで、ツートップはイヴィツァ・オリッチに加えてマリオ・マンジュキッチの出場が濃厚とされています。
ビリッチ監督は記者会見の中で
「マンジュキッチは好調であることは私を喜ばしているよ。予選を通して彼は最も狭い代表枠に入っていたし、イングランド戦、ウクライナ戦、アンドラ戦にも出場した。だから、今はスタメンにかなり近いだろう」
と述べています。全メンバーはこちら。
GK:
スティペ・プレティコサ (スパルタク・モスクワ/ロシア)
ヴェドラン・ルニェ (ランス/フランス)
ダニイェル・スバシッチ (ハイドゥク・スプリト)
DF:
ロベルト・コヴァチ (ディナモ・ザグレブ)
ヨシップ・シムニッチ (ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
ヴェドラン・チョルルカ (トットナム・ホットスパー/イングランド)
ダニイェル・プラニッチ (ヘーレンフェーン/オランダ)
フルヴェイエ・ヴェイッチ (ハイドゥク・スプリト)
ディノ・ドゥルピッチ (カールスルーエ/ドイツ)
フルヴォイエ・チャレ (トラブゾンシュポール/トルコ)
MF:
ダリヨ・スルナ (シャフタール・ドネツク/ウクライナ)
ニコ・クラニチャール (ポーツマス/イングランド)
ルカ・モドリッチ (トットナム・ホットスパー/イングランド)
イヴァン・ラキティッチ (シャルケ04/ドイツ)
イェルコ・レコ (モナコ/フランス)
オグニェン・ヴコイェヴィッチ(ディナモ・キエフ/ウクライナ)
ニコラ・ポクリヴァチュ (モナコ/フランス)
イヴァン・ユリッチ (ジェノア/イタリア)
ドラゴ・ガブリッチ (ハイドゥク・スプリト)
FW:
イヴィツァ・オリッチ (ハンブルガーSV/ドイツ)
ムラデン・ペトリッチ (ハンブルガーSV/ドイツ)
イヴァン・クラスニッチ (ナント/フランス)
ニコラ・カリニッチ (ハイドゥク・スプリト)
マリオ・マンジュキッチ (ディナモ・ザグレブ)
フランスのリーグアンで優勝が濃厚なボルドーで現在売り出し中の19歳MF、グレゴリー・セルティッチにクロアチア・サッカー協会のスレブリッチ事務局長が接触を果たしました。正確にはセルティッチの父でクロアチア移民2世のジャン・セルティッチと話合いを持ち、現在はフランスU-19代表でプレーする息子がクロアチアA代表を選択することに関してポジティブな返答を得たようです。
クロアチア人の父、フランス人の母の間に生まれたグレゴリー本人もユーロ2008を見て以来、クロアチア代表でのプレーを希望しており、まずはパスポート取得から進めていくことになりました。スレブリッチ事務局長は
「いずれ、FIFAにクロアチア代表出場の許可を求めていくつもりだ。ツヴィタニッチ(アヤックス所属のFW/アルゼンチン生まれのクロアチア移民4世)のケースのような問題は生じないものだと考えている。なぜならセルティッチの祖先は随分と遅れて国外に出たわけだし(祖父が20世紀半ば)、ルーツは深いわけだからね。けれども用心して、賢く事を進めていかねばならない」
とコメントしています。
FIFAが2010年8月5日までに解決すればクロアチアU-21代表も選択できるようですが、今後の成り行きが気になるところです。
ディナモ・ザグレブやガンバ大阪、ジェフ千葉などを指導したヨシップ・クジェ監督(写真)が、このほどアルバニア代表監督に就任することが決まりました。契約は1年+オプション1年半で、既にワールドカップ予選敗退は確実なため、ユーロ2012予選に向けたチーム作りを進めていくことになります。
アルバニアはオランダ人のアリー・ハーン監督を解任後、旧ユーゴを中心に監督を探しており、60人ほどの候補にはブランコ・イヴァンコヴィッチ(ディナモ、イラン代表など指揮)やイリヤ・ロンチャレヴィッチ(ディナモ、リビア代表など指揮)も挙がっていたのですが、2006年ワールドカップ予選でアルバニア代表を指揮したオットー・バリッチの推薦もあってクジェに決まりました。
「クロアチアの監督は世界でも最高水準だ。責任を持ってそう断言できる。そのことは、私が日本で監督をしていた時に知ったんだ。問題はクロアチアという舞台が小さいことにある。マーケティング活動なんてないし、他の強豪国のような力がサッカー協会にはないんだ」
と、昨今メディアで問われるクロアチア人監督の能力の有無に関する議論にこう反駁しました。また、この一年間、監督活動をしなかったことに関しては
「オファーはあった。けれども、この一年間はジェフ千葉との契約下にあったのさ。他の仕事を引き受け、契約上のお金を拒否したくはなかった。私は"日本の報酬"の上にあったんだよ」
と答えています。ビジョンとしては、
「ワールドカップ予選を勝ち抜く見込みはないが、予選の最後までにはモザイク状のチームを完全な形にするつもりだ。それが我々の目標であり、そのために私が選ばれたんだよ。アルバニアは欧州サッカーのクラスでいったら4番目だが、多くの若くて興味深い選手がいるし、大きな野心もある。だから、この代表チームは私にとって大きな挑戦なんだ。良い仕事を成し遂げるものだと信じている」
とインタビュー中で語っています。
posted by 長束恭行 |06:21 |
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2009年05月18日
既にクロアチア・リーグ優勝にリーチを掛けていたディナモ・ザグレブが、5月17日、ホームのマクシミール・スタディオンで行われた第31節、対スラヴェン・ベルーポ戦で2-0で勝利。4年連続11度目のリーグ優勝を果たしました。
前日には選手たちを動員し、チケットを市民に無料配布した甲斐もあって(動画)、今年一番の入りとなる2万7000人の観客を集め、試合最初からお祭りの雰囲気でありました。
9分にMFバデリがGKロディッチに倒されてPKを得ると、これをMFサミールが決めて先制。ベルーポも抵抗を見せましたが、52分にFWマンジュキッチがFWシヴォニッチのアシストから追加点を叩き出して2-0。前半は幾度となくマンジュキッチは決定機を外しており、観客のブーイングにさらされていただけに、彼自身、溜飲の下がるゴールでありました。
67分にはGKブティナがエリアの外で相手選手との一対一を潰したためにレッドカードをもらったものの、リードをしっかりと守りきり、選手・スタッフ一同が「1」と書かれた揃いのTシャツを着込んで優勝を祝いました。
選手達は二階建てのオープンバスに乗り、グラウンドを周ったのち、改めて優勝トロフィーで美酒を味わいました。
最終節までもつれると予想していたシーズンも、残り2節を残してディナモがライバルのハイドゥク・スプリトをうっちゃり、そして引き離した結果となりました。とはいえ、この4年間で最も激しかった優勝争いだっただけに面白かったといえば面白かったのですが、サッカーとは関係ない場所での問題や騒ぎも多く、辟易したことも随分とありました。
また、普段のディナモの観客動員は平均で3000~4000人ほどしか集まらず、こんな時にしかスタジアムに訪れないサポーター(ザグレブ市民)もいかがなものかと思いますし(そういうニワカ・サポーターに限って、スタジアムで私を見るや汚い言葉を言ってくるものです)、スプリトへの罵倒コールやMCの白々しい煽り方も飽き飽きしているので、撮影取材してきたものの、最後までリーグの優勝のお祝いを見届けずに帰ってきてしまいました。個人的にはディナモが贔屓チームとはいえ、今季はハイドゥク・スプリトが優勝すべきシーズンだったと思っています。ハイドゥクが首位に立った2月22日の「ハイドゥクvs.ディナモ」戦でスタジアムで味わった高揚感は忘れることはないでしょう。
連勝街道を突き進んでいたハイドゥクのミシェ監督がウィンターブレイク後にリスクを冒さないサッカーをし始めたこと、また冬にFWを補強しなかったために、一時はリーグ優勝間違いなしのムードを引っくり返されてしまいました。来季はハイドゥクの奮起を期待したいところです。
そうとは言っても、ディナモの優勝の価値は決して下がるものではなく、選手達、そして一度は絶望視されたチームを戦う集団にまとめ上げたユルチッチ監督を祝福したいと思います。
全試合の結果はこちら。
試合のところをクリックすると、クロアチア国営放送のダイジェストが見られます。
Hajduk Split - Sibenik 2:0
1:0 25' Pandza
2:0 45' Kalinic
Inter Zapresic - Zadar 2:2
1:0 30' Bosec
1:1 55' Zupan
1:2 77' Saranovic
2:2 90' Gulic
Osijek - Rijeka 1:2
1:0 11' Knezevic
1:1 30' Ah.Sharbini
1:2 82' Ah. Sharbini
Cibalia Vinkovci - Varteks Varazdin 2:1
0:1 17' Ivancic
1:1 45' Simunac
2:1 58' Kujundzija
Zagreb - Croatia Sesvete 0:0
Dinamo Zagreb - Slaven Belupo 2:0
1:0 9' Sammir (PK)
2:0 52' Mandzukic
【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ (勝点73)…優勝
2位…ハイドゥク・スプリト (66)
3位…リエカ (53)
4位…スラヴェン・ベルーポ (51)
5位…シベニク (43)
6位…オシエク (41)
7位…ザグレブ (41)
8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (35)
9位…チバリア・ヴィンコヴチ (35)
10位…インテル・ザプレシッチ (30)
11位…ザダール (28)
12位…クロアチア・セスヴェッテ (21 [-1])
(クロアチア・セスヴェッテは移籍金未払いのため、勝点1が没収)
【ゴール】
15ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)、マンジュキッチ(ディナモ)
14ゴール…ヴルチーナ(ベルーポ)
13ゴール…ゼッツ(シベニク)
12ゴール…シャルビーニ弟(リエカ)、シャルビーニ兄(リエカ)
11ゴール…シヴォニッチ(ディナモ)、イブリチッチ(ハイドゥク)、ムヤノヴィッチ(ヴァルテクス)
10ゴール…ヴグリネツ(ザグレブ)
posted by 長束恭行 |18:23 |
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2009年05月14日
オランダのヘーレンフェーンに所属するクロアチア代表MF/DFダニエル・プラニッチ(27)が、リバプール移籍の実現に近づきつつあります。
クロアチア代表では左SBを務めている彼ですが、今季のヘーレンフェーンではMFとしてリーグ戦、カップ戦、UEFAカップで31試合に出場し、21ゴールと荒稼ぎしており、幾つものクラブが関心を示していました。リバプールは2007年のイングランドvs.クロアチア戦以来、プラニッチのことを追っており、前節の対AZアルクマール戦も公式に視察。またプラニッチの代理人Soren Lerby氏がリバプールと交渉をし、満足する条件を提示してもらったようです。移籍金は800~900万ユーロ辺りと推測されています。
プラニッチの心も既にリバプールにあるようで、クロアチアのスポーツ紙Sportske Novostiのインタビューでは
「もしかしたら両クラブは合意しているのかもしれないが、リーグ戦とカップ戦が終わるまでは平穏にさせておきたいのかもしれない。でも、直ぐに分かることだろうね。リバプールで僕がプレーする可能性は高いだろう。
高額な移籍金を巡ってクラブ間で綱引きはある。けれども不況の世の中だから、本物のオファーが届いたら僕の移籍に障害を起こさないとクラブの人たちは言ってくれている。700~800万ユーロで手放すだろうが、それ以下では無理だと思うんだ。なぜなら、他のクラブも高額の移籍金を提示しているからね。しかし、今の僕にはリバプールしか興味がないよ。
僕のリバプールの移籍は、今季の僕の素晴らしいプレーに大きく寄与しているんだ。21ゴールという数字は、一人のMFには大きなものだと思っている。今季、背番号10を背にした選手で僕以上にゴールを決めた選手がいるかは知らないよ。だから、世界最強のリーグで実力を証明したいのさ。そして素晴らしいサポーターたちと世界で最も美しいサポーターソング"You'll never walk alone"を歌ってみたいんだ」
とコメントしています。
サイドの仕掛けとスピード、またミドルシュートに定評のあるダニエル・プラニッチは1981年12月2日、クロアチア東部のナシツェ生まれ。オシエクでプロのキャリアをスタートしたのち、2004年夏にFWゴラン・リュボイェヴィッチ(現ヘンク)とセットでディナモに移籍しました。しかし、ディナモではフィットせず、チームも低迷。同年にUEFAカップで対戦したヘーレンフェーンが半年後に移籍金50万ユーロで獲得すると、それから4シーズンはチームの主力として、またオランダ・リーグでも随一の左アタッカーへと成長しました。クロアチア代表には2004年9月に初選出。中盤の競争は激しく試合になかなか出場できませんでしたが、ユーロ2008予選が終了するとビリッチ代表監督が彼を左SBへとコンバートしたことで定位置を確保。これまで21キャップを数えています。
posted by 長束恭行 |00:26 |
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