2009年04月27日
クロアチア・リーグ第28節/ディナモ、ヴァルテクスを6-1で粉砕
4月27日、クロアチア・リーグ第28節が行われました。 2位ハイドゥク・スプリトは、アウェーで11位ザダールと対戦。同じダルマチア地方のクラブであり、両チームの関係は良好。北スタンドのハイドゥク・サポーター「トルツィダ」と、東スタンドのザダール・サポーター「トルナード」が試合前に一緒にダルマチアソングを歌うほどでありました。 試合は前節同様、FWイブリチッチが開始間もないゴールでリードを奪います。DF M.ブリャトがペナルティエリア右からのセットプレーからクロスを放り込むことなく、ペナルティエリア正面外でフリーで構えていたイブリチッチに横パス。ノートラップから狙いすまして放ったシュートはゴール左下へと吸い込まれます。一時はミシェ監督から「味方のパスを出さずにシュートを打つワガママな選手だ」とメディアを通して批判されたイブリチッチですが、その後は和解。SBからMF、FWまでオールマイティにこなし、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表でも欠かせないパーツとなったイブリチッチは、得点王のFWカリニッチに代わって存分に決定力を見せています。しかし、早い先制点に安心したため、その後はザダールが主導権を奪われます。14分にはハイドゥクユース出身で、今季にザダールに移籍したU-21代表MFリュビチッチが25mのミドルシュートを放ちましたが、GKスバシッチがパンチング。25分にはFWミトロヴィッチが右から決定的なシュートを放ったものの、左ポストを逸れていきます。 後半49分にはミトロヴィッチの左からの折り返しに、右から詰めたFWテルケシュが近距離からシュート。しかし、これもGKスバシッチに弾かれます。勝ち越すどころか同点にするチャンスを立て続けに逃したザダールは58分、リュビチッチがMFアンドリッチへの両足からのタックルで一発退場。これでザダール優勢の流れが絶たれてしまいました。 その5分後、DFがクリアしたボールを拾ったアンドリッチが、中央から15mのシュートを叩き込んで2-0。69分にはDFシェーリッチの左クロスに、途中交代のMFティチノヴィッチがワントラップからシュート。ティチノヴィッチにとっては二試合連続のゴールで3-0。一度は途絶えた連勝街道ですが、ハイドゥクはこれで4連勝。夜に試合を控えるディナモを勝点でひっくり返し、暫定で首位となりました。 唯一のナイトゲームはヴァルテクス・ヴァラジディンvs.ディナモ・ザグレブ。ヴァルテクスは典型的なカウンターチームですが、ホームということもあって守りに徹することなく前へ前へと仕掛けたこともあって、逆にディナモに徹底的にやられてしまいました。
ユルチェヴィッチは選手達にアグレシッブなプレーを常に要求しており、彼の考えはチームに浸透しつつあります。これまでのダブルボランチからワンボランチに切り替えたとはいえ、早いボール奪取から、豊富なアタッカー陣でチャンスを作っていきました。先制点は19分、DFフルゴヴィッチの縦へのロングパスを受けたサミールが左サイドから持ち込んでペナルティエリアに折り返すと、そこにはFWマンジュキッチが。シュートはDFプラヒッチの足に当たって方向が変わったことで、GKドレヴェンは目測を誤り、ボールはネットを揺らします。 しかし38分、MFムムレクの左CKからファーポストのFWスムレカールが上手く右足で合わせて同点に追いつきます。 最近のディナモの強さは失点後の立ち直りの早さにあります。失点からわずか2分後、フルゴヴィッチの左クロスにマンジュキッチとGKドレヴェンが競合い、キャッチミスしたボールが右のMFシヴォニッチへ。素早く中央のマンジュキッチに戻し、彼のシュートはGKに弾かれたものの、左からFWスレピチュカが押し込んで勝ち越しに成功します。 互角に近い戦いをしていたヴァルテクスですが、後半は地力の差が如実に出てしまいました。61分、ディナモがカウンターを仕掛けると、MFバデリは左サイドからオーバーラップし、相手DFの裏に抜けたフルゴヴィッチにミドルパス。フルゴヴィッチは体勢を一度は崩しながらもシュートを左から決めて3-1。 63分にはフルゴヴィッチの右CKからスレピチュカがヘディングで決めて4-1。74分にはシヴォニッチの右クロスにマンジュキッチがトラップでマーカーをかわし、素早く右足を振り抜いて5-1。88分にはスレピチュカがペナルティエリア外からミドルシュートを決めて6-1。あれだけ決定力の無さを指摘されていたスレピチュカが、今季二度目のハットトリックを達成しました。 自信を植え付ける勝ちっぷりで首位を堅持。残り5試合を残し、ハイドゥクとの勝点差1をキープしています。 来季からUEFAカップがUEFAヨーロッパリーグとなり、クロアチアは4位まで出場できるのですが、リエカ、スラヴェン・ベルーポ、シベニクの3チーム間で2つの枠を巡った戦いが激しくなっています。この日は4位リエカと3位スラヴェン・ベルーポが対戦し、シャルビーニ兄弟の大活躍でリエカがスラヴェンを6-2と粉砕。兄のFWアフマドが2得点、弟のMFアナスが3得点。後半戦になってから俄然、調子を上げているリエカがスラヴェンを抜いて3位に浮上しました。 また私は最下位クロアチア・セスヴェッテと7位オシエクの試合を撮影取材してきました。お互いモチベーションに欠ける低調な試合でしたが、81分にFWヴォイノヴィッチが左CKから同点ゴールを決めて連敗を5でストップ。後半頭から元サンフレッチェ広島のFWユキッチが出場しましたが、FKを蹴って直ぐに左太股を痛めて退場してしまいました。アップ中にちょこっと会話をしましたが、日本の生活は最高だったそうです。退場してからはドレッシングルームに続く通路で彼は試合を見ており、やけっぱちにタバコを吸っていたのが印象的でした。 全試合の結果はこちら。 試合のところをクリックすると、クロアチア国営放送のダイジェストが見られます。 Zadar - Hajduk Split 0:3 0:1 6' Ibricic 0:2 63' Andric 0:3 69' Ticinovic Croatia Sesvete - Osijek 1:1 0:1 16' Barisic 1:1 81' Vojnovic Sibenik - Zagreb 2:1 0:1 23' Krstanovic 1:1 81' Bonacin 2:1 84' Rodic Inter Zapresic - Cibalia 0:0 Rijeka - Slaven Belupo 6:2 0:1 22' Kresinger 1:1 33' Pamic 2:1 45' An.Sharbini 3:1 48' Ah.Sharbini 3:2 55' Kresinger 4:2 76' An.Sharbini 5:2 79' Ah.Sharbini 6:2 88' An.Sharbini (PK) Varteks Zagreb - Dinamo Zagreb 1:6 0:1 19' Mandzukic 1:1 37' Smrekar 1:2 39' Slepicka 1:3 61' Hrgovic 1:4 63' Slepicka 1:5 74' Mandzukic 1:6 88' Slepicka 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ (勝点64) 2位…ハイドゥク・スプリト (63) 3位…リエカ (47) 4位…スラヴェン・ベルーポ (45) 5位…シベニク (43) 6位…ザグレブ (37) 7位…オシエク (35) 8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (32) 9位…チバリア・ヴィンコヴチ (29) 10位…インテル・ザプレシッチ (26) 11位…ザダール (24) 12位…クロアチア・セスヴェッテ (20 [-1]) (クロアチア・セスヴェッテは移籍金未払いのため、勝点1が没収) 【ゴール】 14ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)、ヴルチーナ(ベルーポ) 13ゴール…ゼッツ(シベニク)、マンジュキッチ(ディナモ) 12ゴール…シャルビーニ弟(リエカ) 11ゴール…シヴォニッチ(ディナモ)、イブリチッチ(ハイドゥク) 10ゴール…ムヤノヴィッチ(ヴァルテクス)、 9ゴール…ヴグリネツ(ザグレブ)、シャルビーニ兄(リエカ)

しかし、早い先制点に安心したため、その後はザダールが主導権を奪われます。14分にはハイドゥクユース出身で、今季にザダールに移籍したU-21代表MFリュビチッチが25mのミドルシュートを放ちましたが、GKスバシッチがパンチング。25分にはFWミトロヴィッチが右から決定的なシュートを放ったものの、左ポストを逸れていきます。
後半49分にはミトロヴィッチの左からの折り返しに、右から詰めたFWテルケシュが近距離からシュート。しかし、これもGKスバシッチに弾かれます。勝ち越すどころか同点にするチャンスを立て続けに逃したザダールは58分、リュビチッチがMFアンドリッチへの両足からのタックルで一発退場。これでザダール優勢の流れが絶たれてしまいました。
その5分後、DFがクリアしたボールを拾ったアンドリッチが、中央から15mのシュートを叩き込んで2-0。69分にはDFシェーリッチの左クロスに、途中交代のMFティチノヴィッチがワントラップからシュート。ティチノヴィッチにとっては二試合連続のゴールで3-0。一度は途絶えた連勝街道ですが、ハイドゥクはこれで4連勝。夜に試合を控えるディナモを勝点でひっくり返し、暫定で首位となりました。
唯一のナイトゲームはヴァルテクス・ヴァラジディンvs.ディナモ・ザグレブ。ヴァルテクスは典型的なカウンターチームですが、ホームということもあって守りに徹することなく前へ前へと仕掛けたこともあって、逆にディナモに徹底的にやられてしまいました。
ユルチェヴィッチは選手達にアグレシッブなプレーを常に要求しており、彼の考えはチームに浸透しつつあります。これまでのダブルボランチからワンボランチに切り替えたとはいえ、早いボール奪取から、豊富なアタッカー陣でチャンスを作っていきました。先制点は19分、DFフルゴヴィッチの縦へのロングパスを受けたサミールが左サイドから持ち込んでペナルティエリアに折り返すと、そこにはFWマンジュキッチが。シュートはDFプラヒッチの足に当たって方向が変わったことで、GKドレヴェンは目測を誤り、ボールはネットを揺らします。
しかし38分、MFムムレクの左CKからファーポストのFWスムレカールが上手く右足で合わせて同点に追いつきます。
最近のディナモの強さは失点後の立ち直りの早さにあります。失点からわずか2分後、フルゴヴィッチの左クロスにマンジュキッチとGKドレヴェンが競合い、キャッチミスしたボールが右のMFシヴォニッチへ。素早く中央のマンジュキッチに戻し、彼のシュートはGKに弾かれたものの、左からFWスレピチュカが押し込んで勝ち越しに成功します。
互角に近い戦いをしていたヴァルテクスですが、後半は地力の差が如実に出てしまいました。61分、ディナモがカウンターを仕掛けると、MFバデリは左サイドからオーバーラップし、相手DFの裏に抜けたフルゴヴィッチにミドルパス。フルゴヴィッチは体勢を一度は崩しながらもシュートを左から決めて3-1。
63分にはフルゴヴィッチの右CKからスレピチュカがヘディングで決めて4-1。74分にはシヴォニッチの右クロスにマンジュキッチがトラップでマーカーをかわし、素早く右足を振り抜いて5-1。88分にはスレピチュカがペナルティエリア外からミドルシュートを決めて6-1。あれだけ決定力の無さを指摘されていたスレピチュカが、今季二度目のハットトリックを達成しました。
自信を植え付ける勝ちっぷりで首位を堅持。残り5試合を残し、ハイドゥクとの勝点差1をキープしています。
来季からUEFAカップがUEFAヨーロッパリーグとなり、クロアチアは4位まで出場できるのですが、リエカ、スラヴェン・ベルーポ、シベニクの3チーム間で2つの枠を巡った戦いが激しくなっています。この日は4位リエカと3位スラヴェン・ベルーポが対戦し、シャルビーニ兄弟の大活躍でリエカがスラヴェンを6-2と粉砕。兄のFWアフマドが2得点、弟のMFアナスが3得点。後半戦になってから俄然、調子を上げているリエカがスラヴェンを抜いて3位に浮上しました。
また私は
スレピチュカ(写真)は前半30分、FWシヴォニッチの右からの折り返しにDFカタネッツがクリアミス。運良くスレピチュカの足元にボールが来てリーグ初得点を記録すると、その4分後にもペナルティエリアで上手く反転してマーカーをかわしてシュートを流し込み、2点目をマークします。
45分にはセスヴェッテのGKラドシュのパンチングが味方選手に当たり、空中に浮いた球をスレピチュカがヘディングで押し込み、ゴールの形はともあれハットトリックを達成します。
後半もディナモのペースで進み、64分、スレピチュカが背を向けながらスルーパスをMFバデリに出し、最後は左の折り返しにMFトメチャクが合わせて4-0。
弱小相手とはいえ、スレピチュカの活躍もあってディナモは難なく首位の座を堅持しました。
ディナモを勝点差1で追う2位ハイドゥク・スプリトは、アウェーで10位インテル・ザプレシッチと対戦。こちらは先月に初めてクロアチア代表に選出されたMFガブリッチ(写真)が活躍しました。
前節はディナモ相手に好セーブを連発し、評価がうなぎ登りの16歳のインテルGKデラチュが、ハイドゥク攻撃陣に立ちはだかります。チャンスを物にできないハイドゥクでしたが、40分にFWイブリチッチの左CKにガブリッチが器用にニアで合わせて先制点を決めます。
61分、イブリチッチの近距離のヘディングシュートはGKデラチュが間一髪セーブ。その4分後にはMFアンドリッチがロングディスタンスのスルーパスを縦に通すと、カリニッチがGKと一対一に。背後からDFブディミールに倒されたことでPKを獲得します。現リーグ得点王ながら、ゴールの半分はPKというカリニッチ。しかし、カリニッチのPKはGKデラチュが止められてしまいましたが、右から飛び出したガブリッチに押し込まれて2-0。これで試合が決まり、ハイドゥクもきっちりと勝利を収めています。
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ハイドゥクはMFアンドリッチ、FWカリニッチ、DF J.ブリャト、DFマロチャがサスペンションのため欠場したのにもかかわらず、ディナモ以上のワンサイドゲームにします。
11分、DFシェーリッチの左クロスにFWイブリチッチ(写真)が合わせて先制ゴール。7分後にもDF M.ブリャトの右クロスに、再びイブリチッチがトラップから反転してシュートを放ち、ネットを揺らします。
後半54分にはイブリチッチの左クロスにDFヴェイッチがボレーで合わせて3-0。その3分後には途中交代でピッチに登場したMFティチノヴィッチが、FWオレムシュの右クロスに飛び込んで、17歳でリーグ初ゴールを達成します。
72分には同じく途中交代のMFイェルテツが左20mのFKを叩き込んで5-0。これを機に控え選手たちもしっかりとアピールしました。
夕方のゲームだったことから、暫定でハイドゥクが首位に立ちました。
そしてこの日唯一のナイトゲームは「ディナモ・ザグレブvs.ザダール」。累積警告で前節欠場したFWマンジュキッチが戻り、FWスレピチュカとツートップを組みました。"ペナルティエリアにバスを停車する"と表現されるほど、ゴール前をがっちりと固める11位のザダール相手に苦戦します。
15分、MFトメチャクのミドルシュートは相手ブロックに当たり、ゴールに向かうもGKヴコヴィッチが手を伸ばしてクリア。26分にはスレピチュカが前節で決めたようにエリア内で反転してシュートするもGK正面に留まります。42分にはDFフルゴヴィッチが左からシュートするも、これもGKヴコヴィッチがキャッチ。前半を0-0で終えます。
DFコヴァチが怪我したこともあって、後半から代わりにFWシヴォニッチを投入して3トップにしたディナモ。しかしながらチャンスを生まれずに苦しんでいた57分、MFサミールの右クロスをザダールDFのヨジノヴィッチが致命的なクリアミス。ゴール前フリーのDFビシュチャン(写真)にボールが渡り、ビシュチャンは倒れこみながらのシュートを叩き込んでの先制ゴール。ヨジノヴィッチはハイドゥクからザダールからレンタルされた選手ですが、思わぬ形でディナモの勝利をアシストしてしまいました。
90分にはシヴォニッチの右クロスにマンジュキッチがヘディングシュートを決めて2-0。スペクタクルなサッカーをするために招聘されたユルチッチ監督にとっては不満な内容でしたが、引き続き首位の座はキープしています。
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これまではオシムとは通訳を兼ねたインタビューや会話が多かったのですが、今回は初めて一人で話を聞いてきた分、個人的には随分とやり易かったです。通訳するタイムラグがない分、オシムもテンポ良く受け答えをしてくれました。インタビューする数日前にプライベートで彼の故郷サラエボに訪れていたことが、会話の切り口には持ってこいでもありました。
インタビュー後は一緒にオーストリア・リーグの多元生中継を観たのですが、放送後にはオシム曰く
「オーストリア・リーグよりもJリーグの方がレベルが高い。代表はその国内リーグの鏡みたいなもので、今のオーストリア代表が強くないのもオーストリア・リーグのレベルが良くないからだ」
と語っていたのが印象的でした。ちなみにオシム本人は完全に画面に見入っており、とても気軽に話しかけられる気配ではなく、もっぱら私は横のアシマさんと雑談。アシマさんがこれまた凄いサッカー通なんですね。
あとは、インタビュー後にアシマさんがご好意でホテルまで車で送ってくれると申し出てくれたのですが、オシムには「タクシーで帰ればいいじゃないか」と軽く突き放されつつ、実際はアシマさんの運転する車の中、三人でクロアチアに関するスポーツ&サッカー談義に終始する、という展開でありました(笑)
翌週号にも続きが掲載されるロングインタビューです。ご覧になって頂ければ嬉しいです。
受身のインテル相手に前半のディナモは内容の乏しいサッカーを演じます。そんな中、最初のチャンスは28分、前節に大活躍した若手コンビによって生まれました。MFトメチャクがフリーのスペースに飛び込むFWシヴォニッチに繋ぐと、俊足を活かして縦へ。折り返しに合わせてトメチャクがシュートしますが、これはリーグ最年少16歳のインテルGKデラチュにセーブされます。
35分にはDFエトーの右クロスにFWマンジュキッチ(写真)が、37分にはMFサミールの左クロスにトメチャクがヘディングシュートするも、GKデラチュを脅かすにまで至りません。
後半からボランチのヴルドリャクを下げ、攻撃的MFモラレスを投入。58分、モラレスの右FKにバデリがファーポストにてフリーでヘディングシュートするもクロスバーの上。67分には同じくモラレスの右FKにDFビシュチャンがどんぴしゃでヘディングシュートしましたが、これもGKデラチュが好セーブを見せます。
じれるディナモでしたが、81分にようやくゴールを奪います。、サミールの左クロスにマンジュキッチがヘディングシュート。一度はGKデラチャに止められたものの、ゴール前の混戦の中で最後はマンジュキッチが押し込んで1-0。この貴重なゴールをもって、首位の座をキープすることになりました。
ここ3試合で勝点4しか奪えずに首位陥落したハイドゥク・スプリトは、9位チバリア・ヴィンコヴチをホームに迎えました。
前節にディナモと好試合を演じたチバリアですが、主力4人が欠場の上にムルシッチ監督もディナモ戦のレッドカードでベンチ入りできず。しかし、ハイドゥクもディナモと同様にチャンスは作れど苦戦を強いられます。
9分、MFガブリッチの左クロスにファーサイドのMFトマソフがシュートするも、近距離ながら失敗。期待の新戦力であるトマソフですが、シュートポジションにあっさり入りながらも余りの決定力の無さに嘆かされています。
15分にはFWイブリチッチ、16分にはDFヴェイッチ、27分にはMFスココ、41分にはMFアンドリッチがシュートを試みるも、いずれも枠の外か相手GKに止められます。
しかし、後半直ぐの得点で安堵感が広がりました。47分、FWカリニッチが左サイドでDFとの競合いに勝つと、溜めを作ってスルーパス。スペースに飛び込んだガブリッチがGKアントロヴィッチとの一対一を制して先制に成功します。
その後は幾度とチャンスを作っていき、62分、カリニッチが右でボールキープすると、バイタルエリア中央に走り込んだイブリチッチ(写真)にボールを送り、イブリチッチは右上へとシュートを叩き込んで2-0となり、試合を決めました。ハイドゥクは引き続き、勝点差1でディナモを追いかけています。
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前半の主導権を握ったのはハイドゥク。開始5分、MFスココの右アーリークロスにFWカリニッチがDF陣の背後に抜け出し、ワントラップからシュートに持ち込むも、GKスケンデルが好セーブ。9分にMF M.ブリャトの縦の長いFKから、FWブシッチが左からヘディングシュートしましたが、これもまたGKスケンデルによって止められてしまいます。この日のハイドゥクはFWイブリチッチが怪我、MFガブリッチが累積警告で二人の代表選手を欠いており、唯でさえ得点力不足のハイドゥクには痛手となりました。
オシエクも37分、DFイブリクスの右クロスからMFミリチェヴィッチが地面に叩きつけてのボレーシュート。ボールはゴール左上ギリギリの方向に向かいましたが、処理が難しいはずのボールをGKスバシッチがビッグセーブでクリアします。その直後の右CKではDFスモイエがヘディングシュートを試みるものの、これもスバシッチがキャッチします。
ハーフタイムで手綱を締めてきたオシエクは、後半からしっかりと当たりに行くようになり互角の戦いに。76分、右からの大きなFKに左ポストでスモイエが飛び込んできたGKスバシッチにヘディングで競り勝つと、ボールは無人となったファーポストに。そのスペースを詰めたMFバリシッチ(写真)がヘディングで押し込み、オシエクが先制に成功します。ハイドゥクのミシェ監督は試合前から
「オシエクがカウンターをしようともラストパスの精度は低いわけで、一番危険なのはセットプレーからの攻撃だ」
と指摘していたわけですが、それが不幸にも当たってしまいます。落ち込みの激しいハイドゥクに勝利に持ち込む気力もなく、それままオシエクの1-0でタイムアップ。ハイドゥクにとっては17試合ぶりの敗北。そしてハイドゥクの監督として初めての敗北を味わったミシェ監督は
「ハイドゥクが危機に陥っているとは言いたくない。これまでのレベルに我々がないのは明らかなだけに、直ぐに修正を図らねばならない」
とコメントを残しています。
ハイドゥクを勝点差2で追うディナモは、アウェーで9位チバリア・ヴィンコヴチと今節唯一のナイトマッチを行いました。ここのところの経済不況の余波で、ディナモは財政カットを発表。選手の年俸も減額が予定されており、まるで優勝争いを見放したかのような雰囲気に陥りつつあります。おまけにエースのFWマンジュキッチも負傷欠場。しかし、昼のゲームでハイドゥクが敗れたことを知り、チバリアに勝てば首位に返り咲くことができるために奮起します。
一方のチバリアは、第22節でハイドゥクの連勝を「9」でストップさせ、前節は3位のスラヴェン・ベルーポに勝利。強敵ディナモに対しても並々ならぬモチベーションで挑んできました。ヴィンコヴチはオシエクから40km離れた街で、ライバル意識もあることから、オシエク勝利の報は特別な刺激となったはずです。テレビの生中継を見てましたが、後半からとんでもないドラマが待っていました。
ディナモが優勢とはいえ、決して引くだけに終わらないチバリア。サッカーの美しさとは程遠く、ファウルの多いつばぜり合いとなります。そんな中、20分にMFバデリの縦パスにFWシヴォニッチがディフェンスの裏を抜け、ドリブルで持ち込んでから右のFWタディッチに送るものの、シュートが合わせられません。25分にもタディッチがペナルティエリアでキープしながらシュートを試みましたが、GKブルツサの正面に終わります。
静かな前半を象徴するように、チバリアは前半のシュート数がゼロ。しかし、後半が始まると試合が急展開していきます。48分、縦パスに反応したチバリアMFパブリチッチがペナルティエリア左に侵入。ディナモのDFイバネスはブロックに失敗した勢いで手を使って倒してしまい、マリッチ主審はPKの判定。これをFWマルチッチがしっかりと決めてチバリアが先制します。
試合が揺れた一因にはっきりしない審判もありました。52分、ディナモのCKからチバリアのゴール前が混戦となり、クリアの際に足が接触したMFカレーロが倒れたことでマリッチ主審はペナルティスポットを指差します。ファウルを取るには微妙な判定だったことからチバリアの選手達は猛抗議。しかし、副審はファウルはペナルティエリアの外で起きたと指摘し、PKの判定を覆して外からのFKとなります。今度はディナモの選手達が猛抗議。更にチバリアのムルシッチ監督が汚い言葉で抗議をしたとして、レッドカードで退場となります。ちなみにサミールのFKはGKブルツサがキャッチし、チバリアはピンチを逃れます。
56分、ディナモはDFエトーを外してFWスレピチュカを投入。ディナモはアンバランスな3バック(ビシュチャン-コヴァチ-イバネス)を作ってまで前線へと比重を掛けますが、59分にスレピチュカとシヴォニッチの決定的なシュートが連続して阻まれ、失望感が漂い始めます。
そして71分、チバリアのパヴリチッチがやや右25mの距離から芸術的な直接FKを叩き込んで2-0。パヴリチッチはハイドゥク相手にも同じ位置から同点弾となるFKを決め、ディナモ関係者から感謝されたわけですが(彼自身もディナモのファンを公言)、ディナモは彼の左足で追い詰められてしまいました。
ここでディナモのユルチッチ監督は右SBが本職の19歳トメチャク(写真)をタディッチに代えて前線に放り込みます。この采配がズバリと当たりました。投入されて30秒も経たないうちに、縦のロングパスにするりとゴール前に現れたトメチャクがGKの目の前でボールをさらって、左からシュート。74分の彼のキャリア初ゴールで一点差に縮めると、79分、シヴォニッチの右からの折り返しにトメチャクがまたしてゴールを決めて2-2。
そして82分、MFサミールの左クロスからオフサイドトラップを破って右ポストに流れたトメチャクがヘディングで折り返すと、中央のシヴォニッチが合わせて逆転ゴール。何と、わずか8分間で2点差を試合を引っくり返してしまいました。
足が止まったチバリアでしたが、ホームとしての意地を見せます。84分、左SBのルカチェヴィッチが左サイドをかき回し、マークを引き連れて内へと切れ込むと、MFバラバン(ディナモのFWバラバンとは別選手)を使ってワンツーでエリア内の縦へ。完全にマークから外れて左から近距離のシュートを流し込んで3-3。このゴールには8000人の観客も総立ちになりました。
しかしながら、壮絶な試合にケリをつけたのはディナモでした。88分、スレピチュカがポストとなってDFの裏を抜けるシヴォニッチのスルーパス。シヴォニッチが左から狙い済まして放ったシュートをゴールを揺らして4-3。選手達はサポーターのBBBのもとへと駆け出し、柵を越えたBBBと抱き合いました。
直後に審判に抗議したチバリアDFミラルドヴィッチが二枚目のイエローで退場となり、もうチバリアに残された力はありませんでした。敗北後もピッチにたたずみ、涙を流す選手もいたわけですが、チバリアのムルミッチ監督だけは怒りが収まらず、試合後はマリッチ主審に絡みつき、その後のテレビインタビューでも審判と選手の批判を展開しました。またユルチッチ監督も"このような試合は喜べない"としながらも
「選手や監督としての経験から言えば、このような勝ち方でタイトルを制するものなのだ。良いプレーはしなかったが、我々は信じられないほどのキャラクターを見せた。選手達には脱帽するよ」
と険しい顔をしながらもコメントしています。
これでディナモが順位でも逆転し、ハイドゥクとの勝点差1で首位に立ちました。残すは8試合。まだまだドラマが待っていることでしょう。
私自身は11位クロアチア・セスヴェッテと4位シベニクの試合を取材してきました。
元サンフレッチェ広島のFWスティエパン・ユキッチ(写真)はフル出場しましたが、後半に押せ押せの展開になったものの、周囲との連携は今一つ。またFKなどのチャンスも活かせないままノーゴール。試合も開始5分のシベニクのMFゴヴィッチに決められたゴールで0-1と敗れ、チームも最下位に転落してしまっています。
全試合の結果はこちら。
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