2009年02月28日

波紋を呼ぶダービー/クロアチア・リーグ大混乱中

nogomet-72881.jpg明暗がくっきりと分かれた2月22日のクロアチア・ダービーですが、試合が終わってもハイドゥク・スプリトとディナモ・ザグレブ両者の戦いが毎日続いています。

まず論争の火種となったのはハイドゥクの先制点のきっかけとなったシーン。アンドリッチが放ったFKのボールがペナルティエリア内で壁を作ったMFカレーロの左手に当たり、ベベク主審はハンドでPKを取りました。ちなみに試合を生中継したクロアチア国営放送のカメラは設置位置が悪く、映像からはハンドがあったかどうか判別できませんでした。

23日、ディナモのズドラヴコ・マミッチ副会長はメディアを前に集め、大画面でビデオを回しながら笛を吹いたベベク主審の批判を展開。ハイドゥク選手の悪質なタックルにクレームを付け、16分までに2選手がレッドカードで退場するのが当たり前だと主張しました。更にハンドを取ったシーンは50回も巻き戻してチェックしたそうで(写真は私が撮影した瞬間)
nogomet-72882.jpg「スタジアムで誰も見ていなかったモノをベベクは見たんだ。敗北の言い訳を探しているわけではないが、これはアンフェア。ベベクがハイドゥクを勝利に導いたのだ!
カップ戦を含めれば、ディナモとハイドゥクの対戦はこれから最大3試合もあるというのに、どうすればいいというのか? もう国内の審判に試合を任せるのは不可能だ」
と述べ、ベベクの今季いっぱいまでの資格剥奪と今後のダービーマッチに外国人の審判を連れてくるよう要求しました。


24日、ハイドゥクの記者会見でマテ・ペロシュ会長がローカルメディアのテレビ・ダルマチアが撮影した別映像を準備。カレーロの手に当たった映像を見せ、ベベク主審の判断が正しいことを主張しました。
nogomet-72883.jpgしかし、今度はハイドゥクが試合運営そのものを問われてしまいます。試合前にサポーターが大量の紙吹雪を巻いたため、19分もキックオフが遅れた挙句、後半途中には大量の発炎筒のために視界が遮られて2分19秒に渡って試合が中断しました。

25日、クロアチア一部リーグ協会の規律委員会はハイドゥクに対し、これら遅延の原因はオーガナイズの悪さによるものとして15万クーナ(約250万円)のに罰金を命じました。更にディナモのブラジル人MFサミールに対して客席がモンキーチャントを繰り返したことに、5万クーナ(約83万円)の罰金と一試合の無観客試合を制裁として加えました。罰金総額20万クーナというのはリーグ史上最高となります。また、サポーターが警官隊と衝突し、座席等を壊したディナモに対しては3万クーナ(約50万円)の罰金を命じました。

26日、ハイドゥクのペロシュ会長は制裁に対して激しく抗議。クロアチア・サッカー協会の最高委員会での緊急会議をメディア同席で求め、会議実現まではハイドゥクから協会に送っている人材を全て引き上げることを発表しました。人材にはクロアチア一部リーグ協会会長のイゴール・シュティマッツも含まれており、彼もペロシュ会長に同調し、解決するまでは会長職を務めないことを明らかにしています。
nogomet-72884.jpgハイドゥクの主張としては、今回のスタジアムの問題をクロアチアの国内法に照らし合わせれば、サポーターの発炎筒の持ち込みはクラブ側に責任があるのではなく、コントロールの立場にある警備会社や警察に責任があるとのこと。
「高速道路で交通事故があったとしても、高速道路公団のディレクターが罰せられることはない。サッカークラブでもそうで、30本もの発炎筒をスタジアムに持ち込まれた事実に対して会長に罪を被せることはできないはずだ」
とペロシュ会長は会見で述べています。また、7人が未だにブタ箱にぶちこまれているディナモ・サポーターの暴力行為と比べれば、余りにハイドゥクの罰金額は不公平すぎるとも批判しています。

同日、ディナモのマミッチ副会長(写真)が50分間ノンストップで大演説をぶつ記者会見(15分に短縮した動画)を行いました。
「試合運営も、サッカーそのものも、判定もアンチ・プロパガンダだ」
との発言を皮切りにすると、組織昨年にマフィアによって暗殺された友人を引き合いに出し、四面楚歌の状態を"誰かが俺を彼のように殺そうとしている"とまでぶちまけ、再びベベク主審を吊るし上げ、ハイドゥク批判を展開しました。そして
nogomet-72885.jpg「ディナモと俺がクロアチアのために戦っていた時に、ペロシュよ、お前はどこにいたんだ。お前、そんな欺瞞を働いて恥じゃないのか? ペロシュ、お前こそがクロアチアを真っ二つに分けているんだ!」
と個人攻撃。また攻撃対象はスプリト市長のイヴァン・クレトまで渡り、
「サミールへの人種差別的な攻撃は観客全員がやったわけではない、と彼は言ったそうだが、それを恥だと思わないのか? どんなメッセージをヨーロッパに送ったというのか? またフルゴヴィッチを侮辱するジャンボプラカードをサポーターが掲げたことに関しても彼は反応を怠った。クレトよ、お前はスプリト市長だろ。どんなメッセージを公に出しているか自問したことがあるのか?」
と文句をつけました。
ちなみにマミッチ副会長は、試合実況をしたクロアチア国営放送のイヴァン・ブラジチュコがハイドゥクに偏っていたことに激怒。彼とその母親を侮辱する発言をしたため、ブラジチュコはディナモのバシリッチ会長に苦情の手紙を書き、またクロアチア・スポーツジャーナリスト協会がマミッチ副会長に対して抗議しました。この会見では彼に謝罪するはずが、また悪口のオンパレードとなってしまいました。

負けた時のマミッチ副会長の罵詈雑言はもうお約束。その上、ハイドゥクも勝利の余韻をかき消されるほどの制裁を受けて発狂中。常日頃険悪な関係の二強の喧嘩に加えて、問題視されていたフーリガン問題と審判レベルも絡めて、一気にリーグそのものが揺れ始めているところです。
nogomet-72886.jpgこういう時に限って選手は蚊帳の外、と言いたいところですが、そういうわけでもなく…。試合後、喜びから発炎筒をピッチで炊いたハイドゥクMFのジョバンニ・ロッソ(写真)に対し、スプリト・ダルマチア警察が法を犯していることを指摘。しかしながら、ロッソは法違反を認めた上で
「もしディナモに再び勝利したり、リーグ優勝をしたならば、また私が発炎筒を炊いたとしても驚かないでくれ」
と再犯を示唆。これには世論の批判が集まり、クラブ側も事態を重く考えてペナルティを課すことにしました。会長本人から絞られたロッソも反省をしているようです。


私的にクロアチア・リーグを追う楽しさは、試合内容よりもこんな「コメディ」にあるのですが、これだけ続くと食傷気味(苦笑) 動画を見てもらうと雰囲気は分かると思いますが、マミッチ副会長のキャラクターは恐るべしです。


posted by 長束恭行 |05:20 | サッカーニュース | コメント(1) |
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2009年02月24日

クロアチア・リーグ第19節/ハイドゥク・スプリトがダービーを制し、3年ぶりの首位に

22日、クロアチア・リーグが2ヶ月のウィンターブレイクを経て再開。第19節の6試合が行われました。

nogomet-72192.jpg前の記事でも書きましたが、今季の大一番となるクロアチア・ダービー「ハイドゥク・スプリトvs.ディナモ・ザグレブ」がスプリトのポリュウド・スタディオンで行われました。両者の勝点差は1。国家そして国民を二分する双璧の対決、また上り調子のハイドゥクがライバルのディナモに勝てば実に918日ぶりにリーグ首位に立つということで、この2ヶ月間のサッカー界の話題はもっぱらこのカードに焦点が当てられていました。スタンドはもちろんのこと満員。メインスタンドやバックスタンドは発券枚数以上の入りで、キャパシティの35000人を越えた観客の咆哮がこだまする熱い試合となりました。私も久しぶりにスプリトへの撮影取材に行ってきました。

ハイドゥク・スプリトは右SBのルビールが怪我したことで、本来はセンターバックのJ.ブリャトを右にスライド。後は6連勝を築いてきたベストメンバーで構成してきました(4-4-2)。
GKスバシッチ-(右から)DF J.ブリャト、ヴェイッチ、パンヂャ、ストゥリニッチ-MFガブリッチ、アンドリッチ、スココ、M.ブリャト-FWカリニッチ、イブリチッチ
一方のディナモ・ザグレブは攻撃的MFのマンジュキッチとバデリの位置が逆だった以外は、ほぼ予想通りでした(4-2-3-1)。新戦力の代表DFロベルト・コヴァチはベルリン生まれのクロアチア移民ということもあって、クロアチア・リーグは初めての出場。またアルゼンチン人MFカレーロ、チェコ人FWスレピチュカも初出場になります。
GKブティナ-DFロヴレン、ビシュチャン、コヴァチ、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、カレーロ-バデリ、サミール、マンジュキッチ-FWスレピチュカ

スプリトがあるダルマチア地方の定番ソング「Dalmatinac」でムードも最高潮に達し、選手が入場。北側のトルツィダの人文字「TORCA」(トルツィダの略称)もずばりと決まると、屋根から大量の白い紙が降ってきました(上の写真)。
nogomet-72193.jpgアルゼンチン・リーグを思わせるような紙吹雪は、それはそれで綺麗だったもののピッチを完全に覆ってしまうほど大量に降らせてしまう失態。冷たい山風のブーラが吹いたお陰で幾らか散らばり、最後は係員がホウキで掃除したことで予定より15分遅れてキックオフとなりました。
また南西の一角に構えたディナモ・サポーターのBBBはキックオフ前から客席に火を放ち、消防車が出動。試合が始まってからはお約束通り、警備に当たる特別警官隊と衝突(写真)。殴り合いをした挙句、比較的温厚なハイドゥク・ファンがいるメインスタンドにも発炎筒を投げ込みました。またトルツィダも負けじと大量の発炎筒、ロケット花火、爆竹をピッチに投げ込み、まるで花火大会の有様。そして「死ね」「殺せ」といった両サポーターの定番のなじり合いが試合中続きました。

そんな物騒な雰囲気の試合はピッチにも伝染し、手荒いファウルの連発。華麗なサッカーとは程遠い武闘派サッカーとなります。本来の両者のコンセプトは中盤をきちんと繋ぐサッカーですが、チェックが激しいことからロングボールに頼りがち。ディナモはコヴァチ、ハイドゥクはヴェイッチがベテランならではの冷静な処理でチャンスをなかなか作らせません。
nogomet-72194.jpg開始5分、ストゥリニッチが左クロスを上げますが、ファーサイドのカリニッチがジャンプするもボールが高くパーフェクトにヒットせず。
ディナモもマンジュキッチやサミールを中心にドリブルで切れ込んでいき、ペナルティエリア手前でファウルをもらいますが、セットプレーはことごとく跳ね返されます。それでも13分にはフルゴヴィッチの左FKが最終的に右でフリーのロヴレンに届くものの、ワントラップからのシュートはクロスバーを越えてしまいました。
時間が経つに連れて、ホームの利を活かしたハイドゥクが主導権を握っていきます。17分、スココの縦のロングパスにカリニッチとコヴァチが競合い、コヴァチの中途半端なクリアをイブリチッチが突進して奪い取り、決定的なチャンスから左足でシュート。しかし、シュートはクロスバーを越えた上、ベベク主審はシュート前のイブリチッチのハンドを取りました。
33分にはM.ブリャトとのコンビーネーションでボールをもらったストゥリニッチが左クロス。しかし、このクロスボールも幾らか高く、カリニッチはヘディングシュートを打ち切れません。
前半終了間際、ストゥリニッチの左クロスを正面にクリアしたところをアンドリッチが拾い、シュートを打つと見せかけて中央突破を図ったところをカレーロが倒してファウル。正面20mの位置でFKを得ると、アンドリッチは壁の一番向って右に立ったカレーロの左手を狙うかのようにボールをぶつけ、ベベク主審はハンドを取ってPKの判定。微妙な判定ではありましたが、ディナモの猛抗議は認められず、カリニッチはGKブティナの動きを読んで冷静に左下へと蹴り込んで先制点。絶好の時間帯でのゴールにスタンドが揺れました。カリニッチは今季12得点目。ただし、このゴールを含めて7点までがPKとなります。

nogomet-72196.jpg後半頭からディナモはスレピチュカを外してFWタディッチを投入。そしてマンジュキッチをワントップの位置へ移し、タディッチは右ウィンガーのポジションで起用します(バデリが左へ)。しかし、このような小手先の変更ではハイドゥクの勢いは止められません。
51分、コヴァチが不用意に自陣内でボールを持ったところをイブリチッチがチェックし(写真)、ボールはカリニッチの下へ。カリニッチはすかさず奪い返しに来たコヴァチの股下を通すパスをイブリチッチに戻すと、イブリチッチはコヴァチを失ってガラリと空いたスペースをドリブルで突き、ディナモの最終ラインはずるずると後退。そして正面25mの位置から正確なミドルシュートをゴール右上へと叩き込みます。マミッチ副会長が「20%の戦力アップ」と見込んでいたコヴァチの獲得も、2点目の失点は明らかな彼のミス。その直後にカレーロを代えて、より攻撃的なチリ人MFモラレスを投入するも、今のディナモには2点のビハインドをひっくり返す力はありませんでした。スココ、アンドリッチのしつこいボール狩りに手を焼き、チャンスをディナモの枠内シュートは最終的にゼロに終わってしまいました。
nogomet-72198.jpgハイドゥクは72分に新加入のMFトマソフ、また84分にはハイドゥク・ユース出身ながらこれがトップチームのデビューとなる元クロアチア代表MFロッソもピッチに送り込む余裕を見せます。87分にはJ.ブリャトが二枚目のイエローで退場(ディナモものちにロヴレンが退場)。更に2点目が決まった際にトルツィダが喜びの余り、大量に発炎筒を投げ込んだため試合が中断。そのせいでロスタイムが6分ありましたが、大勢は変わらぬまま。
ベベク主審のタイムアップの笛はハイドゥクが逆転で首位に立った合図でもありました。内容としては見るべきものは多くない試合でしたが、これがリーグの先行きを決める試合には間違いないでしょう。サポーターに代わってハイドゥクの選手たちが発炎筒を焚き、喜びを表しました(写真)。

試合後、ディナモのマリヤン・ヴラク監督は
「ハイドゥクは試合でも数少ないチャンスの二つをモノにした。私からすれば前半最後のPKの判定は非常に疑わしいものだったが、おそらくあの判定が試合を決めてしまったと思う。
我々のプレーは期待を下回る一方で、ハイドゥクはヤル気とアグレッシブさに満ち溢れ、我々以上に手堅いサッカーをやっていた。けれども、彼らが私を驚かすなんてことはなかったんだ。PKまでは全ての面で同等の戦いぶりをしていたと考えているよ」
と負け惜しみのコメント。
nogomet-72199.jpgまた指揮してから7連勝目を決めた「Mr.100%」ことハイドゥクのアンテ・ミシェ監督(写真)は
「試合は美しさなどなく、ダービーの典型的な展開となった。我々にあった計画は一つ。それは試合に勝利し、ほぼ3年ぶりに首位に立つことだった。勝利に値したと思うし、絶対的に我々の方が優れていたからね。二度のゴールもここぞというタイミングで決められたよ。選手達のプレーぶりには満足している。ディナモには我々を苦しめるようなチャンスを与えなかったのだから」
と述べ、"シュート数が10本と少なく、内容的に貧しいものだったのでは?"との質問には、
「大事なのは勝点だ。美の中で死ぬことではなくてね」
と返しています。

ハイドゥクがディナモに本境地のポリュウド・スタディオンで勝利したのは、2006年4月15日以来実に1034日ぶり。またディナモが首位に立ったのは2006年8月以来となります。この歴史的勝利のあと、ミシェ監督がどのようにチームの手綱を引き締めていくのか。それによってはハイドゥクの快進撃はまだまだ停まりそうになく、4年ぶりの優勝も見えてきそうです。


全試合の結果はこちら。ダービーの陰に隠れてしまいましたが、4位スラヴェン・ベルーポと3位シベニクが対戦し、得点王争い単独トップに立つヴルチーナの2ゴールもあってスラヴェンが3-1で一蹴。3位に入れ替わり、次節はディナモとアウェーで対戦します。
試合のところをクリックすると、クロアチア国営放送のダイジェストが見られます。

Hajduk Split - Dinamo Zagreb 2:0
1:0 45' Kalinic (PK)
2:0 51' Ibricic

Slaven Belupo - Sibenik 3:1
1:0 48' Biloen
2:0 69' Vrucina
3:0 76' Vrucina
3:1 90' Zec

Zagreb - Inter Zapresic 0:1
0:1 17' Yankep

Osijek - Rijeka 2:2
1:0  7' Primorac
1:1 32' An.Sharbini
2:1 36' VIdakociv 
2:2 59' Ah.Sharbini

Zadar - Cibalia Vinkovci
1:0 27' Terkes
2:0 38' Terkes
2:1 62' Husic

Varteks Varazdin - Croatia Sesvete 2:1
1:0 24' Mumlek(PK)
1:1 82' Juros
2:1 84' Vuk

【順位】
1位…ハイドゥク・スプリト (勝点41)
2位…ディナモ・ザグレブ (39)
3位…スラヴェン・ベルーポ (31)
4位…シベニク (28)
5位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (27)
6位…リエカ (26)
7位…オシエク (24)
8位…ザグレブ (24)
9位…インテル・ザプレシッチ (21)
10位…チバリア・ヴィンコヴチ (21)
12位…クロアチア・セスヴェッテ (19)
12位…ザダール (16)

【ゴール】
13ゴール…ヴルチーナ(スラヴェン)
12ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
9ゴール…ゼッツ(シベニク)
8ゴール…シヴォニッチ(ディナモ)、マンジュキッチ(ディナモ)
7ゴール…モラレス(ディナモ)、ムヤノヴィッチ(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(ザグレブ)、シャルビーニ弟(リエカ)、ムムレク(ヴァルテクス)
6ゴール…イブリチッチ(ハイドゥク)、バリシッチ(オシエク)、ロディッチ(シベニク)、バラバン(ディナモ)、ブーレ(インテル/国外移籍)


posted by 長束恭行 |01:29 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2009年02月20日

ハイドゥクvs.ディナモのダービーマッチでクロアチア・リーグが再開

昨年12月7日の第18節以降、ウィンターブレイクに入っていたクロアチア・リーグも2月22日から再開します。現在は勝点差1と肉薄するクロアチア・サッカー界の双璧、ディナモ・ザグレブとハイドゥク・スプリトのダービーマッチがいきなり行われるということで、私の記憶でもこれまでにないほどの過熱ムードとなっています。

nogomet-71630.jpgここ3シーズンはディナモの圧倒的な強さでリーグ優勝を許してきたハイドゥクですが、今季も開幕以降はずるずると勝点を広げられ、第7節までその差は8。昨年9月21日の第8節でザグレブでディナモvs.ハイドゥクのダービーマッチが行われ(写真)、ここではハイドゥクがディナモを2-0で倒したものの、その後も調子の波に乗れずヴチェヴィッチ監督が辞任。しかし、第13節から後任のミシェ監督がチームを率いてからというもの連勝街道をひた走り、6連勝で首位ディナモと勝点差1まで近づきました。
一方のディナモは開幕6連勝で独走態勢に入ったものの、欧州カップでの連戦の疲れもあって次第に失速。イヴァンコヴィッチ監督はマミッチ副会長との対立から辞任し、新たにヴラク監督体制下でチームを整えようとしているところです。

ウィンターブレイク中の補強を見れば、両チームがいかに勝負を賭けてきているかが一目瞭然。ハイドゥクは現クロアチア代表DFのヴェイッチ、元代表のSBシェーリッチ、U-21代表MFトマソフらを獲得すると、ディナモも現代表ロベルト・コヴァチ、チェコ現代表FWスレピチュカ、アルゼンチン人MFカレーロらを獲得。主力の放出に関しては、ディナモが規律違反でDFドゥルピッチを手放した以外は目立ったところはなく、お互いが弱点部分を重点的に戦力整備を図ってきました。

ハイドゥク・スプリトは、エースストライカーのカリニッチがトルコ合宿でのサンフレッチェ広島戦で太股を怪我したものの間に合うとのこと。右SBのルビールが怪我から復帰できず、マルチプレイヤーのM.ブリャトがいつもの左MFから右SBに入るようです。システムは4-4-2となります。
GKスバシッチ-(右から)DF M.ブリャト、J.ブリャト、ヴェイッチ、ストゥリニッチ-MFガブリッチ、アンドリッチ、スココ、トマソフ-FWカリニッチ、イブリチッチ
一方、ディナモ・ザグレブは、ヴラク監督が新加入のカレーロをワンボランチにした4-1-4-1、4-1-3-2などを試したものの、MFヴルドリャクの調子がいいことからこれまで同様の4-2-3-1のシステムに落ち着きました。右SBエトーが怪我のため、若いロヴレンが入る予定です。14日にレッドブル・ザルツブルクと練習試合を行い、前半だけで4-0とリード。後半は気が抜けて3失点を喫したのは余計でしたが、手応えは感じたようです。スタメンは以下になりそうです。
GKブティナ-DFロヴレン、ビシュチャン、コヴァチ、フルゴヴィッチ-MFカレーロ、ヴルドリャク-マンジュキッチ、サミール、バデリ-FWスレピチュカ


nogomet-71631.jpg今回のダービーマッチの会場はスプリトのポリュウド・スタジアム。3万5000人収容のスタンドは満員が確実です。勝利すればハイドゥクが首位に立つということで地元サポーターのチケット争奪戦は非常に激しいものでした。クラブ関係者、クラブ会員、株主らにチケットを優先的に回したために一般販売は8000枚のみ。2月12日の販売には徹夜組も現れ、クラブ側は何も準備をしていなかったことから早朝から列が幾つもできてしまい始末。最終的には1万人以上が集まり、チケットを買えなかった者が続出しました。平均観客3000人も満たない国内リーグでは、史上類を見ないプラチナチケットとなりそうです。
私の取材許可も難航しましたが、何とかパスが下りました。ですので、カメラを持ってスプリトまで出掛けてくる予定です。久しぶりのダービーの雰囲気に触れて来ようかと思います。サッカー以外の対立部分が多く、試合そのものはスペクタクルにならないのがこのダービーの特徴ですが、結果は1-1ぐらいで終わるのかな、と予想しています。


先のFAカップでアーセナルのトップチーム復帰を2ゴールで飾ったクロアチア代表FWエドゥアルド・ダ・シルヴァですが、交代の2分前にハムストリングスを痛めてしまい、2週間の離脱となってしまいました。ハムストリングスはリザーブマッチでの復帰の際にもやっていますが、今回のものは状態は軽く、長くプレーをしていなかった選手にとっては普通に起こりえるものだそうです。
しかし、ヴェンゲル監督としては好ましいニュースとはいえず、来週のチャンピオンズ・リーグの対ローマ戦の出場は見込めないとのことです。


posted by 長束恭行 |23:26 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2009年02月18日

サンフレッチェ戦力外のFWユキッチがクロアチア・セスヴェッテに

今年1月、サンフレッチェ広島を戦力外となったFWスティエパン・ユキッチ(29)が、クロアチア一部のクロアチア・セスヴェッテと正式契約を結びました。契約期間は1年半です。
ユキッチは16日からセスヴェッテの練習に参加。セスヴェッテは前クロアチア代表監督ズラトコ・クラニチャールが今年から指揮を執りますが、降格線上をさ迷うチームにとっては格好の戦力となりそうです。ただし、広島から書類が届くのを待っているため、22日のヴァルテクス・ヴァラジディン戦には間に合いそうになく、セスヴェッテでのデビューは3月1日のザグレブ戦となる予定です。
ドイツに出張中のズボンコ・ズバク会長は
「ユキッチが加入し、クラブにとって本物の補強となるのは正しい情報だ。シーズン前半よりも今は強くなっている。メインの目標は一部に残留することだ」
とコメントしています。

posted by 長束恭行 |01:10 | サッカーニュース | コメント(3) |
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2009年02月17日

エドゥアルド、358日ぶりのアーセナル復帰を2ゴールで祝う

クロアチア代表FWエドゥアルド・ダ・シルヴァ(写真)が、16日、FAカップ4回戦再試合「アーセナルvs.カーディフ」戦に先発出場。昨年2月の対バーミンガム戦での左足首開放骨折から358日目、アーセナルの公式戦に復帰し、いきなり2得点をマークしました。彼の復活にはクロアチアのメディアも華々しく報じています。

nogomet-71161.jpg20分に左サイドでボールを受けると、ベラに預けてペナルティエリアへと突進。ふわりと挙げたクロスボールにドンピシャでヘディングシュートを叩き込きます。完全復活を告げるゴールを挙げ、派手に喜ぶことなく座り込んだエドゥアルドの眼には光るものがありました。
さらに60分にはペナルティエリアでの競合いで倒されてPKを得ると、冷静に左に流し込んで2得点目。ずっと世話になっていたコンディショニング・トレーナーのトニー・コルベールのもとへと走り、抱き合いました。
66分には6mの距離からシュートを放ち、ハットトリックを決めるチャンスがあったものの、これは相手GKが阻止。その1分後にファン・ペルシーとの交代でピッチを退きましたが、文句なしの活躍でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれています(試合は4-0でアーセナルの勝利)。BBCに至っては9.5の評価を与えています。

試合後、エドゥアルドはアーセナルTVにおいて
「今日は僕の人生で最も美しい日だ。なぜなら、再びサッカーができることを証明したんだから。
ゴールを決めた瞬間は何か特別な、本当に感情的な気分に陥ったんだ。それで僕は泣いてしまったよ。事実、眼に涙が溜まっていることを感じたんだ。そして結婚指輪にキスをしながら、僕はゴールを祝ったよ。妻のアンドレヤ、娘のロレーナ、そして家族全員がこの一年間僕をしっかりと支えてくれたんだ」
と語っています。
またアーセン・ヴェンゲル監督は
「この一年間で味わってきた全ての出来事を経て、このような帰還を果たせたことはエドゥアルドに相応しいことだ。試合を通して最高レベルのプレーをした。復帰への努力に賞を与えるために彼を起用したわけではない。この2週間、トレーニングを通して試合に出場する準備ができていることを納得させてくれたからだ。あんな酷い怪我のあと、ピッチにこうして戻れる選手はそうそういるものではない。小さい若者ではあるが、大山脈のような精神力を持っているんだ」
とコメント。アデバヨールが怪我中のため、彼の復帰はここぞのタイミングではありましたが、今後も注意しながら起用していくことをヴェンゲルは語っており、試合後のハムストリングスの状態を見て次のサンダーランド戦の起用を考えていくそうです。

試合の写真やゴールの動画はこちらで見られます。


posted by 長束恭行 |20:24 | サッカーニュース | コメント(1) |
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