2008年11月28日

UEFAカップ リーグ第3節/ディナモ、スパルタク・モスクワに破れ、リーグ突破絶望

11月27日、UEFAカップのリーグラウンド第3節「ディナモ・ザグレブvs.スパルタク・モスクワ」がマクシミール・スタディオンで行われました。氷点下まで冷え込む中で15000人ほどの観客が集まり、私も取材をしてきました。

「10年に一度の試合」-試合前からクロアチア・メディアがこのように表現したのも、39年ぶりの欧州冬越えが掛かっていたからです。
nogomet-58409.jpgディナモは1970年のカップ・ウィナーズ・カップ以来、ディナモ・ザグレブは欧州カップで年を越えて戦ったことはなく、後一歩ながら何度も悲劇的な敗北を喫してきました。NEC戦で勝点3を得ているディナモにとって、スパルタクに勝利すればグッとリーグ突破が近くなります。
しかしながら、試合三日前になってズドラヴコ・マミッチ副会長との対立からブランコ・イヴァンコヴィッチ監督が辞任。急遽、アシスタントのマリヤン・ヴラクが指揮を握ることになりました。ヴラクはスパルタク・モスクワを現場でスカウンティングしており、スピードのあるイバネス(写真右)とミキッチを両ウィングに置くことで、守備の連携に難のあるスパルタクを崩しに掛かりました。メンバーは以下のよう(4-2-3-1)。
GKブティナ-(右から)DFロヴレン、ドゥルピッチ、ビシュチャン、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、バデリ-ミキッチ、モラレス、イバネス-FWマンジュキッチ

nogomet-58410.jpgスパルタク・モスクワはロシアきっての名門ですが、今季は低迷。シーズン途中にミハエル・ラウドルップ監督(写真)を迎えたものの8位に終わり、来季の欧州カップ出場権を逃してしまいました。エネルギー価格の低下から、石油会社ルコイルがメインスポンサーのスパルタクも財政縮小の憂き目に遭うなど良い話題はないのですが、昨季はヘタフェを準々決勝へと導いたラウドルップ監督の手腕に期待したいところ。ハイドゥク出身ながらザグレブでのクロアチア代表では絶大な支持を受けるGKプレティコサがゴールを守り、パヴリチェンコとポグレブニャクを足して二で割ったとヴラクが評する19歳のプルドゥニコフをワントップにした以下の布陣を敷いてきました(4-2-3-1)。
GKプレティコサ-DFパルシヴリュク、イラネク、ファティ、ロドリゲス-MFコヴァチ、コヴァルチュク-バジェノフ、パヴレンコ、サエンコ-FWプルドゥニコフ

凍ったピッチで身体もボールもコントロールするのが難しい中、スパルタクはロングボールを中心にディナモ・ディフェンスの裏を狙い、ディナモは前線の機動力を活かしたサッカーを試みました。
nogomet-58411.jpgrお互いが困難な条件に慣れてくると、ようやくチャンスが訪れます。21分、イバネスが左サイドからピンポイントでDFの裏を取ったマンジュキッチにロングパスを通すと、プレティコサと一対一に。マンジュキッチは突っ込んできたプレティコサの頭上を抜くループシュートを試みますが、ボールはクロスバーを越えてしまいました(写真)。この絶好機を逃したのが展開に大きく響きます。
27分にはヴルドリャクがドリブルで持ち込んで、最後はモラレスがバイタルエリアからミドルを狙いましたが、プレティコサの正面。
スパルタクも37分、左クロスからドゥルピッチとの競合いに勝ったバジェノフが近距離からシュートを放つも左へわずか逸れます。
ヴラク監督はピッチに適応できずに鳴りを潜めていたモラレスを41分に下げ、怪我から予想以上早く復帰してきたFWバラバンを投入し、マンジュキッチとのツートップの形を作りました。前半終了前での不可解な交代に見えるこの采配をヴラクは
「イバネスやミキッチといったスピードある選手に繋ぐ役割を期待していたのだが、モラレスはそれができず多くの問題を抱えていた。コヴァチがしっかり彼をケアしていたからね。バラバンを投入することで攻撃を強化しようとした。私にとっては正しい交代だった」
と説明しています。

nogomet-58412.jpg後半のディナモは出だし良く、51分にマンジュキッチがゴールキックをヘディングで前方へと落とすと、イバネスが俊足をかっ飛ばして一対一を作りかけましたが、プレティコサの好判断によりクリア。
直後にディナモ・サポーターのBBBが発炎筒が投げ込み始め、審判団は試合中断を示唆します。その前にもバックスタンドから副審に目掛けて瓶を投げつけられるシーンもあり、またしてUEFAから制裁を加えられることになりそうです。
次第にディナモの選手たちのフィジカルが落ちていくと、MFが一枚多いスパルタクが中盤を支配し始めます。そして75分、不運が重なって得点を奪われます。中央へドリブルするコヴァチを背走したヴルドリャクがボールをチェックするも、ペナルティエリアのFWマロヤンに渡り、ボールキープするマロヤンをドゥルピッチがチェックしたボールが今度は左のサエンコに。サエンコ(写真右から3人目)の力無いシュートはドゥルピッチの股間を抜け、目の前が遮られたブティナも反応が遅れたことで、ディナモのゴールへと吸い込まれてしまいました。
nogomet-58413.jpg前線で孤軍奮闘していたイバネスも消耗のため79分に交代。DFエトー、MFサミールといったブラジル人を投入し、ビシュチャンを攻撃へと上げるものの効果を生みません。同点のチャンスは89分、ゴール前の混戦ののち、バックパスからフルゴヴィッチが強烈なミドルシュートを放つもプレティコサ(写真)が弾き、その跳ね返りをビシュチャンがシュートしましたが、これもプレティコサが好セーブ。いつもマクシミールではクロアチア代表GKとして好セーブ連発を見せている彼は、敵としても好セーブ連発という皮肉な結果となりました。
ロスタイム4分もモノにできないまま、ディナモは0-1と敗北。ウディネーゼ戦が残っているとはいえ、欧州冬越えの夢はほぼ絶望となりました。

試合後、ヴラク監督(写真)は
nogomet-58414.jpg「多くのものが求められた試合だったと思う。選手たちはよく戦い、大きな努力はしたが、少なくともゼロから抜け出すには充分ではなかった。選手たちを批判することはしない。ヤル気と願望を見せてくれたからね。しかし、それでは充分ではなかったんだ。
もしマンジュキッチのゴールが決まっていたならば、試合は違う形に終わっただろう。おそろくは負けることはなかったのかもしれない。決定機は多くなかったし、少なくとも引き分けで終われなかったという悔いだけが残る」
とコメントしています。クロアチア国営放送のダイジェスト動画はこちらで見られます。

この敗北でディナモは4位に転落。計算上はまだ可能性はあるものの、次節のウディネーゼ相手にアウェーで大量得点で勝利することは難しく、また日曜日にはクロアチア・リーグでディナモが苦手としているヴァルテクス・ヴァラジディンのアウェーマッチを控えており、結果次第ではフロントの責任問題へと伝染する可能性は充分にありそうです。とはいえ、一度退陣したところでも戻ってくるのがズドラヴコ・マミッチ副会長でありますが。

1位 トットナム    勝点6 (試合数3、得点:失点 5:2)
2位 ウディネーゼ 勝点6 (試合数2、得点:失点 4:1)
3位 スパルタク   勝点3 (試合数2、得点:失点 2:2)
4位 ディナモ     勝点3 (試合数3、得点:失点 3:7)
5位 NEC       勝点0 (試合数2、得点:失点 2:4)


posted by 長束恭行 |20:57 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2008年11月28日

クロアチア・リーグ第16節/ディナモのイヴァンコヴィッチ監督、マミッチ副会長に侮辱されて辞任

23日にクロアチア・リーグ第16節が行われました。

ここ二試合勝ちのない首位ディナモ・ザグレブは、最下位ザダールをマクシミール・スタディオンに迎えました。観客はわずかに1000人ほど。昨季と比較してリーグそのものは30%観客が減っており、その原因としてディナモのマミッチ副会長はクロアチア国営放送が五元生中継するサッカー番組「Volim nogomet」を槍玉に上げ、個人的に国営放送とコメンテーター契約を結ぶなど蜜月関係にあるシュティマッツ一部リーグ会長も批判しています。
nogomet-58343.jpgディナモはバラバンの怪我、タディッチの不調もあって、イヴァンコヴィッチ監督はリーグ戦で初めてFWショコタ(写真)を先発起用しました。最下位相手のホーム試合にもかかわらず、前半のディナモは得点力不足に悩みます。
6分にFWマンジュキッチの右クロスにMFバデリがフリーでヘディングシュートするものの枠を外し、その2分後にもMFサミールが決定的なパスを送りながら、ゴール前のバデリがシュートを吹かしてしまいました。
後半はザダールがチャンスを作り、46分にMFリュビチッチが左からシュートを放つもののGKブティナがキャッチ。直後にはMFトマソフがミドルレンジからシュートを狙うもののクロスバーを越えてしまいました。
ディナモも64分、DFミキッチの右クロスにDFイバネスがオーバーヘッドシュートを試みるも失敗。しかし70分、同じくミキッチの右クロスにMFフルゴヴィッチがファーにてヘディングで合わせ、ようやく先制点を奪います。
死に体になったザダール相手にディナモはチャンスを作り続け、90分には親友であるミキッチのスルーパスにショコタが飛び出してシュートを決めて2-0。かつて2シーズン連続でリーグ得点王となった彼は、ユニフォームを脱いで喜びを露わにしました。


三節ぶりの勝利に安堵すべきところが、翌24日、イヴァンコヴィッチ監督(写真左)は辞任を決意します。理由はまたしてマミッチ副会長との衝突でした。既に両者はUEFAカップでのトットナム・ホットスパー戦の大敗後、
nogomet-58344.jpg「妻と子供のいる(故郷の)ヴァラジディンに帰れ!」
と突き放したことで険悪な関係となっており、24日、UEFAカップのスパルタク・モスクワ戦を控えた合宿に向うバスにマミッチ副会長が乗り込んでイヴァンコヴィッチ監督をまたして侮辱し、これが決定的になりました。事実上は追われる形となったイヴァンコヴィッチですが、フロントとの合意の下、違約金をもらった上で契約を解除しています。後任にはアシスタントコーチのマリヤン・ヴラク(写真右)がこの冬まで暫定でチームを指揮することになります。
イヴァンコヴィッチは
「別れることが唯一の解決だ、という環境が作られていた。クラブ、フロント、私のいずれにとってもね。関係は煮えきったしまったよ。それも長すぎるほどに。別れる以外に解決方法はなかったんだ」
とディナモを離れる理由を述べています。今年1月にもマミッチ副会長による侮辱で監督職を辞任したイヴァンコヴィッチですが、彼もまたマミッチがフロントにいる限りはもうディナモの敷居をまたぐことは無さそうです。しかしながら、39年ぶりの欧州冬越えを賭けたスパルタクとの試合を3日後に控えながらの監督更迭に、ポジティブなショックを期待するフロントに戸惑う現場との間に温度差を感じずにはいられません。


2位ハイドゥク・スプリトはアウェーにて3位スラヴェン・ベルーポと対戦。好調なハイドゥクと、ホームで圧倒的な勝率を誇るベルーポとでの好試合となりました。前半はお互いともチャンスを作りながらもゴールが決められない展開に。
ハイドゥクの最大の決定機は22分、MFガブリッチがペナルティエリア内の右サイドからループシュートを狙うもクロスバーに阻まれ、またベルーポも30分、35分とFWユリッチがFWクレシンゲルのラストパスからシュートチャンスを迎えるも決められず。ハイドゥクも獲得したがっているFWヴルチーナが病気のために欠場したのが、ベルーポにとっては痛手でした。
しかし、後半に入って直ぐの50分、ベルーポのMFチャヴァルが中央25mの位置から直接FKを決めて先制に成功します。
ミシェが代理監督を務めてから初めての失点を食らったハイドゥクですが、反撃とばかり56分にガブリッチの右クロスにFWカリニッチがボレーを合わせたものの、GKロディッチに止められてしまいます。
nogomet-58345.jpgミシェ代理監督は後半頭からスピードとテクニックが持ち味のアタッカー、オムレシュ(写真)をイブリチッチに代えて投入していたのですが、この采配がズバリと当ります。
61分、ガブリッチが左足で上げた右クロスにオムレシュが中央にてヘディングで合わせると、ボールはゴール左下に上手く収まって同点。
更に73分、ガブリッチの縦のワンツーで抜けたルビールが右から折り返すと、オムレシュが右足で丁寧にシュートを決めて逆転に成功。20歳の新鋭がこの試合と英雄となりました。
追いつきたいベルーポは二度に渡ってシュートが枠に阻まれるという不運も手伝い、ハイドゥクが2-1で貴重な勝点3を奪いました。これまで控えだった選手が次々とアピールし、プレー内容も向上していることから、ディナモに追いつき追い越すのも時間の問題となってきました。


また「リエカvs.クロアチア・セスヴェッテ」では、バティナッツ主審が乱心から5人にレッドカードを出すという大荒れな試合となりました。
リエカのDFチャガリが6分に一発レッドで退場したことで数的優位に立ったセスヴェッテは後半48分、FWシャバンのゴールでリード。しかし、66分と67分にDFランデカ、MFチズメクが立て続けに二枚目のイエローで退場したことで今度はリエカが数的優位に。
ロスタイム2分、DFツェリッチが同点ゴールを決めると、プレーを急ぎたいリエカの選手を押したセスヴェッテのGKラドシュと、介入に入ったリエカのFWシャルビーニ兄がレッドカード。そしてロスタイム5分に再びツェリッチが混戦の中からゴールを決めて逆転し、タイムアップ。
これにはセスヴェッテのペトロヴィッチも大激怒し、クロアチア・リーグに係わっていく意味合いを問いながら辞任の可能性をも匂わせています。

全試合の結果はこちら。
試合をクリックするとクロアチア国営放送のダイジェストが見られます。


Dinamo Zagreb - Zadar 2:0
1:0 70' Hrgovic
2:0 90' Sokota

Rijeka - Croatia Sesvete 2:1
0:1 48' Saban
1:1 90' Ceric
2:1 90' Ceric

Inter Zagresic - Cibalia Vinkovci 1:2
1:0 21' Bule
1:1 74' Baraban
1:2 90' Husic

Sibenik - Varteks Varazdin 2:0
1:0  7' Govic
2:0 45' Rodic

Osijek - Zagreb 0:2
0:1 42' Spicic
0:2 86' Vugrinec

Slaven Belupo - Hajduk Split 1:2
1:0 50' Caval
1:1 61' Oremus
1:2 74' Oremus


【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ (勝点33)
2位…ハイドゥク・スプリト (32)
3位…シベニク (25)
4位…スラヴェン・ベルーポ (24)
5位…ザグレブ (24)
6位…オシエク (22)
7位…リエカ (22)
8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (21)
9位…チバリア・ヴィンコヴチ (18)
10位…インテル・ザプレシッチ (17)
9位…クロアチア・セスヴェッテ (16)
12位…ザダール (12)

【ゴール】
10ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
9ゴール…ヴルチーナ(スラヴェン)
6ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)、モラレス(ディナモ)、ゼッツ(シベニク)、シヴォニッチ(インテル)、ブーレ(インテル)
6ゴール…ムヤノヴィッチ(ヴァルテクス)、ムムレク(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(ザグレブ)、シャルビーニ弟(リエカ)


26日にはクロアチア・リーグ準々決勝二回戦の三試合が行われました。いずれもPK戦に持ち込まれるという珍しい展開に。

日曜のリーグ戦に引き続き、同じスタジアムで顔を合わせた「スラヴェン・ベルーポvs.ハイドゥク・スプリト」は初戦同様にスコアレスドロー。PK戦も12人が決め続け、13人目となるベルーポのMFプリッチのシュートをGKスバシッチが止めると、ハイドゥクはDFルビールが決めて準決勝進出を決めました。

初戦が2-2だった「ザグレブvs.リエカ」も第二戦は2-2。こちらはPK戦で二度に渡ってザグレブのGKシュコリッチがシュートを止め、4-2で準決勝進出。
また初戦が1-1だった「チバリア・ヴィンコヴチvs.ポモラッツ」も、PK戦でチバリアのGKブルツサが二度シュートを止めて4-2で勝利しました。

残るディナモ・ザグレブvs.ザゴラは12月10日に行われます。


posted by 長束恭行 |01:13 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2008年11月27日

クロアチア・リーグ第15節+延期分/もたつくディナモにハイドゥクが接近

しばらくの間、旅行に出ていたため、ニュースが更新できずにいました。ネットそのものもアクセスできずにいたわけで幾分と浦島状態ですが、振り返って記事をまとめてみます。


11月16日、クロアチア・リーグ第15節が行われました。

首位ディナモ・ザグレブはチバリア・ヴィンコヴチとのアウェーマッチ。チバリアは6連敗ののち、スレチコ・ルシッチ監督が前節をもって解任。新たにスタンコ・ムルシッチ監督を招聘しました。
nogomet-58291.jpgチバリアは1分と8分にMFパヴリチッチがミドルシュートでディナモ・ゴールを脅かすと、ディナモも負けじと27分にDFビシュチャンがMFモラレスの右クロスからヘディングシュートを試みます。
先制点は40分、左サイドのMFチュリャクからボールを受けたパヴリチッチがペナルティエリアでDFミキッチとDFロヴレンをフェイントでかわすと、GKブティナの脇を抜くシュートを決め、チバリアが先制します。
今季のディナモの問題は軸となるプレーメーカーが固定できないこと。モラレスもサミールもモドリッチの代わりを務められないわけですが、今回はモラレスの先発起用を失敗と考え、後半頭からサミールを投入します。
そんなサミールも大事な試合でさっぱりなことが多いのですが、この試合では監督の期待に応えます。53分、中盤でボールをもらってドリブルを加え、30m近い距離からミドルシュートを叩き込んで同点に。
しかし、その後はサミールの存在は消え、57分にはFWショコタが起用されるものの、マミッチ副会長(写真)から冬にはFWバラバンと共にベンチから一掃するとの通告を受けたばかりの彼にとっては特別なモチベーションはありません。チバリアはカウンターから勝越しゴールを狙ったものの、1-1のドローで終了。試合後、マミッチ副会長は激怒してディナモのドレッシングルームに入っていったそうです。


ミシェ代理監督になってから、リーグでは無失点で3連勝を続ける2位ハイドゥク・スプリトは、ホームでリエカを迎えての「ヤドランスキ・デルビ」(アドリア海ダービー)。膝の怪我で長く離脱していたFWカリニッチが先発しました。
nogomet-58292.jpgリエカは7分、FWシャルビーニ兄が決定機をフイにすると、その1分後、ハイドゥクのMFガブリッチが右サイドから放ったFKに、リエカのDFボドゥルシッチがクリアするところを誤ってオウンゴールにしてしまいます。
早いリードで楽になったハイドゥクは24分、FWバルトロヴィッチの左クロスにニアにてFWイブリチッチ(写真)がヘディングで合わせ、2-0と更にリードを広げます。
ミシェ監督では初起用となったカリニッチも41分にオーバーヘッドシュートで、また前半の終了間際にはバルトロヴィッチのアシストからシュートチャンスを迎えたものの決められずに終わります。
後半頭からリエカはボドゥルシッチを下げてFWマトコを投入するも不発。ハイドゥクは磐石の試合運びで、今回も無失点で勝利。ミシェ代理監督になって4連勝を果たしました。首位ディナモとの勝点差も「1」にまで縮めています。
一方でフロントはイスラエル人のグラント監督招聘を進めており、20日にはグラントが交渉でスプリトに訪れるはずがベルリン空港での火災で来られずに延期。グラントが就任するしないに係わらず、ミシェが冬まで確実に監督を続けることが21日に発表されています。

またヴァルテクス・ヴァラジディンvs.オシエク戦は82分に濃霧のため、審判団が試合中断を決定。スコアレスドローに終わっています。

全試合の結果はこちら。
各試合のダイジェスト動画はここで見られます。

Hajduk Split - Rijeka 2:0
1:0  8' Bodrusic (OG)
2:0 10' Ibricic

Cibalia Vinkovci - Dinamo Zagreb 1:1
1:0 40' Pavlicic
1:1 53' Sammir

Zagreb - Slaven Belupo 2:0
1:0 68' Vugrinec (PK)
2:0 71' Abdurahimi

Zadar - Sibenik 1:0
1:0 55' Tomasov

Varteks Varazdin - Osijek 0:0 (82分に濃霧のため中断)

Croatia Sesvete - Inter Zapresic
0:1 25' Sivonjic
0:2 53' Budimir
0:3 56' Sivonjic
1:3 71' Maruna


11月19日、ディナモの選手たちのウイルス集団感染で延期となっていた第12節「リエカvs.ディナモ・ザグレブ」がカントリーダ・スタディオンで行われました。

イヴァンチッチ監督がストレスを理由に辞任したのち、スポーツディレクターのロベルト・ルブチッチが監督になっても4試合勝ちがないリエカ。一方、チバリア戦の引き分けでイヴァンコヴィッチ監督とマミッチ副会長の関係が冷めつつあるディナモですが、試合前は勝利に近いとされながらも一枚のレッドカードで劣勢に立たされてしまいます。
開始5分、ウイルス感染に懐疑心を持つリエカ・サポーターの「アルマダ」が皮肉を込めてトイレットペーパーを投げ込む、といったシーンもありましたが、試合の入り方は両者共にアグレッシブ。10分にFWマンジュキッチのスローイングに反応したFWバラバンがループシュートを試みるものの、わずかにポスト左を逸れてしまいます。
nogomet-58293.jpgしかし、その1分後、FWシャルビーニ兄のパスに飛び出したFWマトコを背後からDFビシュチャンが足を引っ掛けて倒してしまいレッドカード。これでディナモのゲームプランが狂ってしまいます。このファウルで近距離のFKを得たシャルビーニ弟(写真)の鋭いシュートはGKブティナが止め、こぼれ球に詰めたFWパミッチのシュートもブティナが好反応で防ぎ、何とかピンチを逃れます。
けれども17分、MFノヴァコヴィッチのロングパスにマトコが右から折り返し、シャルビーニ弟がボールに追いつくと、ゴール左下隅を狙ってシュート。力のないシュートだったのですが、ブティナの反応悪く、ゴールへと吸い込まれてしまいます。
ビハインドに立たされたディナモはファウルばかりが目立ち、また中盤でゲームを組み立てるような存在もおらず、前線と守備陣とでぱっくりと分かれてしまいます。43分にDFドゥルピッチが弾道の低いFKを放ったものの、これはGKラドマンの正面に終わってしまいました。
後半も苦しい戦いを強いられたディナモは偶然の形でしかチャンスは作れず、マンジュキッチを始め、そのチャンスを活かせないままに45分が過ぎ、試合は1-0のままリエカが勝利しました。またバラバンは膝と足首の怪我を悪化させ、年内は絶望と明るいニュースがないまま終わりました。
それでもイヴァンコヴィッチ監督は
「ビシュチャンが退場したのち、リエカと同等に戦うのは難しいと予想されたとはいえ、我々の方が良いチームだった」
と試合後も自己弁護に走りましたが、この敗北でマミッチ副会長の信用を完全に失ってしまいました。ちなみにチバリア戦、リエカ戦の両方で笛を吹いたのがスヴィロコス主審。マミッチ副会長は
「三人の子供と一緒にスヴィロコスを恨んでいる。あいつの首を取るまでは落ち着くことなどない」
といつもの調子で暴言を吐いています。

Rijeka - Dinamo Zagreb 1:0
1:0 17' Anas Sharbini


【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ (勝点30)
2位…ハイドゥク・スプリト (29)
3位…スラヴェン・ベルーポ (24)
4位…シベニク (22)
5位…オシエク (22)
6位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (21)
7位…ザグレブ (21)
8位…リエカ (19)
9位…インテル・ザプレシッチ (17)
10位…クロアチア・セスヴェッテ (16)
11位…チバリア・ヴィンコヴチ (15)
12位…ザダール (12)


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2008年11月14日

シュケルの名誉市民授与に大反発/ラパイッチが復帰、いきなりレッドカード

元クロアチア代表FWダヴォル・シュケル(40・写真)にオシエク市が名誉市民の称号を与えることを決定したことに対し、オシエクのサポーター「コホルタ」が猛反発しています。
nogomet-56563.jpg「いつも奴は自分のキャリアを築いた場所としてザグレブとディナモを挙げている。町としてのオシエク、そしてクラブとしてのオシエクが並び称されるべきだと我々は思うのに、まるでオシエクで生まれたことが偶然であるかのように振舞っている。事実、オシエクに彼が訪れることなど非常に稀だ。我々はこの称号が手渡されるような人間性をシュケルが持ち合わせていないと考えている」
とコホルタは声明を発表。オシエク市行政部の一人、プルニャト氏は
「世界で最も知られたオシエク市民との関係をより良くせねばならない。シュケルに名誉市民を与える目的は、彼がこの町を愛していることを示す機会を与えると共に、我々が彼に報いるためにだ」
とコメントを残しています。コホルタの反発は続いており、オシエク市役所の建物に
「ダヴォル・シュケルは単にオシエクで生まれただけで、それ以上のものではない」
との落書きを書くまでに至っています。
授与式はオシエク市制記念日の12月2日。シュケルも式典に訪れるとの声明を出しており、当日はコホルタが何かしらの抗議行動に出る可能性もありそうです。ちなみにシュケルはサッカーアカデミーS9ブランドを始めとするビジネス活動に勤しみ、余りの金への盲目ぶりに1998年ワールドカップ3位のヴァトレニ組の中では愛されない存在になっています。


元クロアチア代表MFミラン・ラパイッチ(35・写真)が先週土曜日に再び、二部トロギルにて現役復帰しています。
nogomet-56564.jpgスプリト郊外にあるトロギルに彼は昨季に加入したものの、開幕しても姿を現さず、最近になって数回のトレーニングをこなしたのち、ベスト体重をオーバーした状態で先発出場しました。最下位に甘んじるトロギルは首位カルロヴァッツと対戦したわけですが、1-1で迎えた84分、主審が一度はトロギルにPKを与えたにも係わらず、副審の判断に応じてPKを取り消したことに怒り、抗議からユニフォームを脱いでイエローカード。既に25分にイエローカードを貰っており、意図的に退場してしまいました(ちなみにその後は89分にオフサイドながらカルロヴァッツのゴールが認められ、トロギルが猛抗議をしています)。
その後、ラパイッチはこの試合を絡めてスポルツケ・ノヴォスティ紙のインタビューに応えており、
「私の足が動く限りはどこであろうがプレーするよ」
と現役の意思はまだまだあることを述べました。今年2月に交渉が決裂したハイドゥクに戻ることは一切ないと断言しつつ、観客としては頻繁に足を運んでいるようです。また今から6年前、フェネルバフチェの契約を解消した際にグラスゴーを訪れ、セルティックと6ヶ月間の契約を結んでいたのに破棄したという新事実を明らかにしました。
「契約を結んだら、頭の中にランプが光ってね。そして妻に言ったんだ。"もう国外は充分だ。スプリトの自宅に戻ろう"とね。いつまた私にランプが光るかなんて誰が知るものかい。私は本能的に反応しているからさ」
セルティックの移籍だけでなく、金稼ぎに絶好なカタールやUAEのオファーを蹴り続けたことをラパイッチは全く後悔しておらず、自分の行動は全て納得の上でやってきたと断言しています。今の楽しみはハイドゥク・ユースに所属する長男ボリスの成長だそうで、家族のためにもスプリトの地を離れたくない模様。ボヘミアン的な性格のラパイッチですが、スプリトは彼にとって安住の地のようです。


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2008年11月14日

クロアチア・カップ準々決勝1回戦/ディナモ、三部相手に危うい勝利

12日、クロアチア・リーグ準々決勝一回戦が行われました。このラウンドからホーム&アウェーで戦います。

ダルマチア地方内陸にある人口2000人ほどの町、ウネシッチは平日ながらお祭りとなりました。三部リーグに所属するNKザゴラ・ウネシッチは、三部ビエロヴァール、一部オシエク、二部カルロヴァッツを次々と倒し、ホームに迎えるはディナモ・ザグレブ。2500人しか入れないはずのボロヴィシュテ・スタディオンには7000人もの観客が集まり、ザグレブからやってきたBBBのための席はなく追い返される始末でした。
客席にはビリッチ代表監督をはじめ、シュティマッツ、ボクシッチ(二人は仲が悪く、ボクシッチが隣に座るのを拒否)、モルナルといった面々が駆けつけ、また右翼歌手のトンプソンもハーフタイムに現れて「Lijepa li si」を歌い、嫌われ役であるはずのディナモのマミッチ副会長がザゴラのユニフォームを渡されて大喝采を浴びるなど、特別な雰囲気で包まれた試合でした(動画はこちら)。
普段は定職を持ちながらアマチュアとしてプレーするザゴラの選手たちは、前日に休みを取ってディナモ戦に集中。相手を怪我させることも厭わないアグレッシブさにディナモの選手たちはナイーブに陥ります。9分、MFブンベクの右FKにゴール前に飛び込んだDFシュペがヘディングシュート。一度はGKブティナがセーブしたものの、再びシュペがヘディングで押し込んで、ザゴラがまさかの先制に成功。これにはスタジアムも興奮のるつぼとなります。ちなみにシュペの本職は郵便配達であります。
27分にはタックルをされたMFモラレスが激高。27分に反スポーツ行為でイエローカードをもらうと、34分にも相手選手と喧嘩してしまう始末で、退場を恐れたイヴァンコヴィッチ監督は前半途中で彼をベンチに下げてしまいました。
ザゴラのリードで前半を終えたわけですが、後半に意地を見せたディナモは55分、MFバデリの右クロスにFWショコタがヘディングシュートを決めて追いつくと、61分にはMFヴルドリャクのパスをもらったDFミキッチが右から強烈なミドルシュートを叩き込んで逆転。2-1の勝利で面目は保ちました。
「偉大なディナモと対戦でき、恥をかかずに済んだのだから、とても幸せだと思うべきだ。負けたとはいえ、勝利者のような気分だよ」
とザゴラのヴカス監督は胸を張りました。


ハイドゥク・スプリトはスラヴェン・ベルーポを迎えての第一戦。39分にスラヴェンのMFニンケウが背後からのタックルで退場となり、数的優位になったハイドゥクですが、それ以降は更に自陣をしっかりと固めてきたスラヴェン相手にゴールが奪えずスコアレスドロー。
リエカvs.ザグレブはシャルビーニ兄弟のゴールで2-0とリードしながら、残り10分でFWユレンディッチと"ザグレブのクラウチ"ことFWクルスタノヴィッチのにゴールで同点で終了。
またポモラッツvs.チバリア・ヴィンコヴチも1-1で終えています。


今年2月の足首の骨折以来、戦列を離れていたクロアチア代表FWエドゥアルド・ダ・シルヴァですが、12日に初めてトップチームの全体練習に参加しました。接触プレーを伴う練習にはまだ未参加であるものの、負荷のある練習は次第にこなせるようになっており、リザーブチームで数試合こなしたのち、年末か来年初めにはトップチームでプレーてぎる模様です。


nogomet-56489.jpg11月19日発売の海外サッカー週刊誌「footballista」のコーナー"サッカーの影を歩く"に、先月のウクライナ渡航で得てきた見聞を元に「EURO開催は大丈夫?ウクライナの現状」という記事を書いています。宜しければご覧になって下さい。

(写真は改修が遅れるオリンピイスキー・スタジアム)


posted by 長束恭行 |03:20 | サッカーニュース | コメント(0) |
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